(1)西弘美駅伝監督・小林貴大駅伝主務
第1回は西弘美駅伝監督と、小林貴大駅伝主務(法4=長野日大)。最強世代の成長を見続けてきた二人に、箱根駅伝への意気込みを聞いた。
西駅伝監督
――今年のチームのテーマは何ですか

あえてチームのテーマというのを設けなかったんですが、一つ言うのであれば“集大成”ということですね。66年ぶりのせっかくのチャンスですから。もう今年を逃したら、また66年かかるかもしれないという気持ちでやっています。
――八木沢元樹(商4=那須拓陽)と前野貴行(農4=須磨学園)の4年生がメンバーから外れました
主力が故障で抜けて、そういった陣容の中でも他の選手がその分まで走るんだという気持ちをみんなが持っているので。穴は埋まってくると思います。
――今年の強さはどこにありますか
全日本で17位の出遅れから2位までなって、底力というのが付いてきたかなという感じがします。それとシードというよりも、優勝するんだという強い気持ちがうちのチームには常にあります。箱根ではそれが空回りしないように、必ず勝つんだという強い気持ちで走ってもらえればいいと思います。
――富津での手応えはありましたか
昨年よりもいいですね。今年は良い感じで仕上がっています。ただ、仕上がっているから安心というわけにもいかないので、あとは故障と風邪というところを。この前風邪を引いた子がいたので。そういったちょっとした油断で台無しになるようなことはないようにしています。
――注目する大学はどこですか
やっぱり駒大ということにはなってきますが、最近成長著しい青山学院、そして山に強い早稲田、昨年の覇者東洋、このあたりですね。このあたりと競っていけるようにうちとしてはやっていきたいと思います。対策としては、うちの選手一人一人がしっかり力を出し切るということですね。
――思い描くレース展開は
最初からトップを取って、そのまま勝つことですね。山(要員)がいれば多少遅れても逆転ということはできますけど、そうではないので。復路に残すことですね。やっぱり往路をしっかり走るというのが(総合優勝には)必要条件ですよね。
――昨年まで「速さはあるが、強さが足りない」と言われてきましたが
トラックのスピードを駅伝にどう生かすかですよね。そのためには一人で走れるということが大事になります。一人でどうレースを組み立てられるかですよね。そのために一人で練習したりだとか、自分で補って練習をさせていました。自ら動く、自ら行動していくことが重要です。例えばうちの場合は土日と早朝練習でしか全員で顔合わせて練習することがない。そのためには一人で練習できないといけない。たくましくなっていくためには一人練習が大切ですよね。
――色紙の言葉の意味は何ですか
これは僕が中学生の時くらいにある先生がちらっと言ったことがあって。で、それが他の勉強は全部忘れてるんだけど、なぜかその言葉だけ覚えてるんですよね。この言葉が自分の中でずっと芯になっています。後悔というのはずっと言っていてもしょうがないんですよ。よく言われるのが、他人と昨日は変えられない、だけど自分と明日は変えられると。それと同じようなことだと思いますね。やはり明日はまだ来てないわけですから。自分さえ変えようと思えば変えられる。常に後悔はしたくないなっていうのはありますよね。
――最後に箱根への意気込みをお願いします
黄金世代と呼ばれた世代が順調に育ってきて、今年4年を迎えます。集大成という意味合いでも何が何でも勝ちにいきたいですね。

小林駅伝主務
――今のチームの状態を見てどう感じますか
夏合宿とか直前の合宿でも故障者が多い状態が続いていたので。年の始めに優勝という目標を掲げてはいたのですが、少し不安な日々が続いたかなという感じです。エントリーが終わってチームが優勝できる段階かって言われたら際どいところもあるので、もう一度気を引き締める必要があるのかと思います。
――明大の見所はどこだと思いますか
前半重視のオーダーになると思うので、前半から主力級がどんどん走るのは見ていて楽しいかなと思います。
――小林駅伝主務にとっても集大成の年となりますが
箱根駅伝優勝は、4年間目標としてやってきたこと。僕が選手のときもマネージャーとしても変わらない目標なので。4年目、最後になるので何としても達成したいです。
◆西弘美(にし・ひろみ)1952年7月10日生まれ。日大卒業後はヤクルトなどで活躍。01年から明大コーチ、04年に駅伝監督就任。監督として箱根駅伝での最高成績は3位。
◆小林貴大(こばやし・たかひろ)法4 長野日大高出
[取材:本永雅敬・田中莉佳]
次回は箱根初経験のフレッシュな1年生3人を特集します。アップは明日、12月18日(木)です。お楽しみに!
関連記事
RELATED ENTRIES