
早大に大逆転勝利! ベスト4進出を決める/全日本大学選手権
エースの不調が響いた。第1セット、1点も奪えないまま5連続得点を許し、いきなり苦しい展開に。流れをつかもうとエースにボールを託したが、杉本は思うようにスパイクを決めることができなかった。「エース、ゲームキャプテンとしての立場である自分が少しでも崩れると、チーム全体に悪い雰囲気が行き渡ってしまう」(杉本)。最後は12─25と13点の大差をつけられる最悪の滑り出しとなる。続く第2セットは途中出場の濱中俊生(商2=弥栄)の強打やセンター陣の速攻で一時はリードを保つ。しかし5─8で相手がタイムアウトを取ると流れは再び早大へ。與崎風人(政経3=鹿児島商)の1枚ブロックなどで終盤に粘りを見せたが、最後は杉本のサーブミスで23─25。セットカウント0─2と追い込まれた。
逆転劇を呼ぶ流れをつかんだ。第3セット、互いに譲らないシーソーゲームを見せる。明大は與崎の時間差、濱中の強打を中心に安定して得点を稼いでいった。しかし16─16から早大エース・専田の連打で均衡が崩れると、終盤にきて4点の痛いリードを奪われる。しかし「みんなが最後まで諦めなかった」(原潤一・文3=習志野)と気持ちを切らさなかった。20─23から3連続のブロックポイントで相手の勢いを止めると、ジュースに持ち込む。最後は原のコートいっぱいに落とすサービスエースで27─25。執念でセットをもぎ取ると、チームは勢いに乗った。
明大の真骨頂を発揮する。第4セットには杉本も調子を戻し始め「全員で組み立ててプレーできた」(瀧野)とチーム一丸となって戦った。8─6の場面では相手スパイクをワンタッチで抑えてからの與崎の時間差攻撃。その後も持ち味である泥くさいバレーでじりじりと点差を広げていった。明大の粘りを前に早大の攻撃陣のミスが増えていく。セットポイントを迎えた局面でもラリーに持ち込みミスを誘った。25─22で勝負はフルセットへ。
流れは止まらなかった。ミスで思うように得点できない早大とは対照的に、サーブで相手を崩してから落ち着いた攻撃で攻め立てた。12─7からは大きな得点源となった與崎の時間差とセンターの役割を存分に果たしてきた原のAクイックで勝負を決めた。死闘を制しての大逆転劇に大きな歓声が上がった。
次は日体大との準決勝を迎える。日体大は昨年のインカレ準優勝、リーグ戦は春秋ともに3位、東日本インカレ準優勝と安定して成績を残し続ける強敵だ。「もうやり切るしかない」(有田賢史・政経4=福岡大大濠)。チームが一つになって手にしたこの勝ち星で勢いに乗り、悲願の決勝進出を目指す。
[川合茉実]
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