
2連勝でベスト8確定/全日本大学選手権
実力を誇示した。2回戦の姫路独協大戦では第1セットからエース杉本のスパイクがさえた。開始早々に5連続得点で一気に加速した明大はそのまま点差を保ち、第1セットを手にした。第2セットは点差が拮抗(きっこう)した場面もあったが、安井康平(営2=倉敷商)のクイックで切り抜けるとこのセットも危なげなく連取。若干メンバーを入れ替えた第3セット、序盤にミドル陣の攻撃をブロックされ先制点を挙げられた。しかし相手のミスにも助けられ、このセットも収めた。1回戦に引き続き2回戦もストレートで下し、3回戦へ駒を進めた。
秋季リーグで惜敗した筑波大から白星を挙げた大体大との一戦でも「最高な試合運びができたと思う」(杉本)。2回戦で合わない部分が目立った原潤一(文3=習志野)、安井のミドル陣とセッター・政井拓歩(営2=市立尼崎)間の連携が安定。攻撃の種類、質ともに向上した。試合は完全に明大優勢でゲームメイク。試合開始直後に原のAクイックで先制点を挙げると、エース杉本も黙っていなかった。スパイクだけでなくフェイントも織り交ぜた多彩な攻撃で相手を翻弄(ほんろう)した。その後も杉本はスパイクを攻略させることなく得点を重ね、25―11とダブルスコアで第1セットを奪った。
第2セットに入り相手の強打ではないボールにてこずり、連続して失点。取っては取られるといった時間が続いた。しかしそこから崩れていくこともなく、與崎風人(政経3=鹿児島商)は1枚ブロックを決めるなどチームを鼓舞。あくまで落ち着いて各自自分の仕事をこなし25―22でこのセットも手堅く収めた。
死角はなかった。第3セット、ここまで1セットも渡さずに勝ち残ってきた明大。大体大のスパイクを瀧野頼太(政経3=創造学園)が好レシーブで政井につなぐと、そのまま有田が相手コートにたたき込んだ。また、政井がクイックのトスを上げれば原、安井は確実に得点につなげ、勝利に貢献。「自分たちのやりたいプレーができた」(原)。終盤に相手のブロックが決まり始めたが明大の勢いには及ばず25―19で白星を挙げた。
2試合ともストレートで勝利を収めたが、リードを守り切れなかった場面も見られた。トーナメントが進むにつれて「こういう展開になったら付け込まれて差を広げられたと思う」(原)と、明日以降へ向け選手たちは一層気を引き締めた。日本一まであと3試合。粘りのあるバレーで頂点まで駆け上がる。
[荒井希和子]
試合後のコメント
杉本
「コンディションは日に日に良くなってきている。てっきり筑波が勝ち上がってくると思ったが、大阪体育大学との対戦になって、僕たちにとってはラッキーな対戦相手が来たなという感じでみんなの気持ちも高ぶって、試合でも動けていて最高な試合運びができたと思う。向こうも筑波に勝った相手で実力があるということで、2セット目も最初ちょっともたついたが、そこで焦ったらドツボにはまってしまうので、そこでチームとして違った攻撃のスタイルを出したり、個人としてはコースを広く取って相手のブロックを散らしてターゲットを絞らせないような工夫をしていった。これまで早稲田とはフルセットが多かった。明日も多分そうなると思うので、今日の2、3セット目のような苦しいところを我慢して粘り強いバレーができればいい。このメンバーでバレーができるのが最後というのは自分の中で一番大きい。相手もあるが、自分たちのほうに目を向けてこの戦いを勝ち抜いていきたい」
原
「自分たちのやりたいプレーができた。午前中は体が動かないっていうのもあったが、午後になって動き始めて、みんな自分のプレーができたから楽な展開になった。2試合あったが体力的には問題なかった。午前中クイックが合わなかったので、午後に合わせた。1日の内に修正した。決まっていて得点源にもなっていたと思う。2セット目は強打じゃないボールを落とすことがあって、そこから崩れていった。もっと強いチームだったら、こういう展開になったら付け込まれて差を広げられたと思う。個人的には、今までコンビは練習をしてきたのだから最初から合うようにするべきだった。コンビが合えばいい展開にもなる。相手は関係ないのでそこを合わせていきたい。まずは目の前の一試合を勝つことに集中したい」
関連記事
RELATED ENTRIES