国士大に完敗 6位でインカレ終える/全日本大学選手権

 インカレ最終日、5位決定戦で国士大と対戦した。この日も出だしでつまずき、第1クオーターで12点のリードを許す。反撃すべくエースの中東泰斗(文4=光泉)を中心に攻撃を組み立て、得点こそ決まるようになるものの、シューターの揃う国士大のオフェンスに苦戦が続く。徐々に差を広げられていき最終スコア62―88と20点以上の差を付けられ敗戦。今年最後の大会は6位で幕を閉じた。

 スターターは岩淵俊紀(国際4=新潟商)、吉本健人(法3=藤枝明誠)、中東、伊澤実孝(政経3=愛知産大工)、皆川徹(営4=京北)。

 巻き返すことができなかった。今大会を通じて課題となっていた出だし。この日も第1クオーターで開始4分以降1点も奪えないなど、厳しい立ち上がりとなる。8―20と12点のビハインドを背負った第2クオーターからは、ダブルチームやオールコートディフェンスなど、積極的なディフェンスで反撃を試みる。しかし、リーグ戦3ポイント王の原(国士大)を筆頭に面白いようにシュートを決められ差を詰めることができない。全得点の半分以上を占める33得点の活躍を見せた中東を中心に得点を重ねたが、それ以上のペースで国士大に得点を許した。計10本の3Pシュートを決められ、どのクオーターを切り取ってみてもリードを許す完敗。今年の最終戦を勝って締めくくろうと臨んだ一戦だっただけに「勝ちたかった」(中東)と悔しさをにじませた。

 4年生にとっては最後の大会だった。年明けから始まる天皇杯に出場する4年生は中東1人。他の4年生は今大会終了をもって引退となった。今季はリーグ戦は負け越したものの、プレーオフで2連勝し5位。インカレでは堂々のベスト8入りを果たし、準々決勝では拓大を最後の最後まで追いつめた。「最後はちゃんとベスト8に入ったからよくやった」と塚本清彦ヘッドコーチは選手たちをねぎらった。
 6月にエースガードが抜け、チームの再構築を余儀なくされた今年。リーグ戦を前に濱西康一監督は「入れ替え戦にいこうが全敗しようが受け入れる。どうチームに対して力を注いでいくかということを考えてくれ」と話した。その言葉に最上級生は奮起。「不安定な状況が多かったが、踏ん張って残りの4年生でなんとかここまでくることができた」(皆川)と時に4年生だけで話し合い、苦しみながらもチームを引っ張ってきた。この試合の第4クオーター終盤には、4年生5人でコートに立った。「チームメートっていう以上に色々なことを一緒に経験してきたかけがえのない仲間」(皆川)で大学バスケ生活最後の瞬間を分かち合った。

 新たな戦いが始まる。4年生が抜け、来年に向け新たなチームが動き出す。来年最上級生となる伊澤は「3年生全員でチームを引っ張っていく」と意気込みを見せる。「どう強くなっていくか楽しみ」(中東)と4年生も新チームに期待を寄せる。今年はガードのポジションを中心に、多くの選手がプレータイムを与えられ経験を積んだ。この経験を力に変えどんなバスケットを見せるのか。期待は膨らむばかりだ。

[尾藤泰平]

試合後のコメント
濱西監督

「今年はエースガードだった安藤が6月にアメリカ挑戦、実際はカナダに行ったけど、そこからチームの再構築という、特にガード陣、インカレを見ても分かるようにスタートが、ガードが定まらない状態でヘッドコーチやスタンドコーチが四苦八苦してくれて、厳しくガード陣を短期間で育てるっていう意味では、近年というか今までで一番苦労した年だったんじゃないかなと思う。4年生が安藤いなくなってからよく踏ん張ってくれたというか、彼らの代なんで、『入れ替え戦に行こうが全敗しようがそれはこっちが受け入れるけれど、みんな自身がどうするか、どうチームに対して力を注いでいくかということを考えてやってくれ』って言ったことに対して、彼らなりに踏ん張って、リーグも最終的には5位、インカレも今日負けてしまったけれど6位、ベスト8に入って、拓大戦も非常に惜しいところまでいけたんで、それは最後のミーティングでよくやってくれた、よく踏ん張ってくれたということをねぎらっておいた。そういった意味で思い出に残る1年だったと僕は思うし、特にヘッドコーチ、アシスタントコーチが相当苦労した1年の中で彼がいなくなってもう1回作り直すっていう作業が、私も本当に苦しんでいるのを見てたんで、本当にヘッドコーチ、アシスタントコーチもよく踏ん張ってくれたというか、僕が言うのもなんですけど、ご苦労様だったなというふうに思う。(印象的だったのは)やっぱりリーグの青学戦で、ダブルオーバータイムで勝利できた。リーグの中では一番の試合だったと思うし、経験のないガードが20ゲーム、前半戦はやっぱりもたつく試合ばかりで、なかなかくすぶってた前半戦だったけど、ようやく後半戦に入って、どういう形で明治が勝利をもぎ取っていくのか、もちろんディフェンスがベースにあるというところから、ガードに求められるゲームコントロール、試合の流れを読むとか、一つのターンオーバーが勝利を手放してしまうんだということが、身を持って試合に出ることによって経験してったっていうのが実を結んでいって、段々成長していったリーグだった。その結果最終的に、入れ替え戦も見え隠れしながら5位になれたっていうのは彼らは本当によく4年だけじゃないですけど、ベンチメンバー、応援メンバー含めて、最後踏ん張れたと思います。そういう意味ではリーグでは青学戦、インカレではやはり拓殖大学。拓大戦で20点オーバーのビハインドから、ディフェンスからしっかり1本1本立て直していくことによってあそこまで追い詰められたっていう。それがこれからも明治の目指すバスケットであると思うし、そういったのが見てるやつも試合出てるやつも心に刻んでくれれば、来年以降もああいう戦いを今度はものにできるように。できなかったところを検証して、それを生かして今後につなげてほしい。来年はまたメンバーも4年生が抜けるし、1年生はできのいいのが入ってくるので、またもう1回3月くらいかけて、これは勝負なので、普段の練習から切磋琢磨していって、また新しい明治大学をつくって、来年またここで今度は最終試合まで行けるように、ファイナルの舞台に立てるように努力していきたい」

塚本ヘッドコーチ
「よく頑張ったんじゃない。ただ5試合やったからもうエネルギーがないね。ガード陣だらけだから。伊澤がやっぱり5試合目だから、頑張ってたからエネルギーなくなっちゃって。昨日の関西勢を破ってもう終了。あとは4年生が最後ちょろっとでも出られればいいかなって。5試合もやったから、もう国士に対しては何の対策もしてない。今日の試合に関しては5位でも6位でも、はっきり言って一緒。(インカレを通しての収穫は)来年の礎になるような1年生とか、ダメなやつが見えたから。今度入ってくる1年生はかなりいいから、その1年生たちをうまく使えるようにしたいなと。来年のチームはデカくて、おもしろいのを作りたい。(冬は)トレーニングがもう1週間後の月曜日から始まる。それ以外のところは、フリー。(今年の4年生は)いろんなことがあったね。いなくなったやつとか辞めたやつとか、ただこの4年生はリクルートで勝ったメンバーだから、最後はちゃんとベスト8に入ったからよくやったと思う。あとは就職して頑張ってほしい。中東だけオールジャパンもくるから、それができればいいかな」

小山耀平主将(文4=光泉)
「4年間早かったなってこれでもう引退なんだなって気持ちでいっぱい。最初に入った時は指定校から入ったんで、周りはスポーツ推薦でみんな身長も大きくて能力もあって、ここでやっていけるか不安だったんですけど、自分にしかできないことを考えて、それを実践できたから2年生のころからリーグもインカレもベンチに入れてもらえてずっとメンバーに選ばれたので、試合に出るだけじゃなくてチームに貢献する役割もあるんだなって実感できた4年間だった。高校までは試合にずっと出てたので。そういう裏方というか、そういう人のサポートも実感できて、そういう役割でもちゃんと全力でやれたので、良かったと思う。(4年になって)後輩たちに直接聞いてないので何とも言えないが、後輩たちが「4年生がいてくれてよかった」という風に思ってくれてたら、成功だと思う。何とも思ってなかったり「ああ、いたな」ていう風に思われてたら失敗なんじゃないかなって。自分では一生懸命やったつもりですけど、残ってる下級生がそういう風に受け取ってなかったらちょっとできなかったんじゃないかなと思う。(4年生として後輩へ)みんなバスケットをしに来ているし、勉強もあるけど生活する中で一番に考えてほしいのはバスケットのことで。たとえ試合に出られなくても、自分は明治大学のバスケットボール部の一員だということを一番最初に自覚して、第一は試合に出ること、試合に出て活躍することってみんな思っていると思うし、そういう風に切磋琢磨していかないと絶対後悔すると思うので。で、最初から自分は試合に出られないからいいやっていう風に思ってほしくないので。声を出すこともそうだし、自主練に誰よりも早く来るとか誰よりも遅くまでやるとか、絶対そういうところで結果は積み重ねで出てくると思うので、やっぱりその日って過ぎたら来ないので、今日がバスケットができる最後の日だと思って、全力でやってバスケットをやってほしい。保護者の方とか、OBの方、スタッフの支えとか応援があって、明治大学のバスケットボール部が成り立っていると思うので、これから先も明治大学の応援をしてほしいし、絶対面白くなると思うので、そういう応援の力は絶対明治の力にもなると思うので、これからもよろしくお願いしますという気持ちと、4年間応援してくれてありがとうございましたという気持ち」

岩淵
「4年間早かったなっていう気持ちが一番。4年生で出れればいいなという気持ちもありましたし塚さんも言ってたんですけど今日までがリーグ戦プレーオフインカレ合わせて12勝12敗で今日勝って13勝12敗で勝ち越したいなっていう気持ちで臨んだ。(最後に4年生5人で出た場面は)僕もプレーオフになって10分くらい出るようになったんですけど、佐藤とかがあまり出れていなかったのでそいつらにシュート打たせてあげられればなと思いながらやっていた。4年生で長くやっていた部分もあるので合わせやすいとも思います。(最後まで周りを生かすプレーに徹していたように感じたが)自分のプレースタイルっていうのはあんまり自分で点数取りに行くっていう感じではないのでどうやって自分がノーマークつくって味方にフリーで打たせてあげるかっていうのをずっとやってきたので、それも別に変えることなくやっていた。20点ついてからまた13点差に追い付いてまた離されてしまったのでそこをまた1桁に持って行ければ違う展開になったとも思う。そこは残念。(4年間振り返って)プレーの面で言えば1年生の時に比べたらミスは減ったと思うし、試合の中でのバスケットの考え方っていうのも塚さんとしゃべっていく中で色々学ぶところも多かったので、それを今後クラブチームでバスケをやるのでそこで生かしたり後輩たちに受け継いでもらいたいなという気持ちはある。やっぱりなかなかプレーでは貢献できなかったのでそういうときに後輩を指導したりコミュニケーション取ったりっていうのも自分のスキルとして身に付いたかなと思うし、試合の流れっていうのは外から見ていてすごい分かったのでプレーじゃなくてもそういうところで成長することができた。安藤がいなくなったっていうのが一番のポイントだったんですけどそこで意識が変わってずっとやってた司令塔がいなくなってチームのバランスが悪くなっちゃったのでそういうところでどうやってチームをまとめようか、司令塔としてどうポジション争いをしようかとか色々考えながらやってきたんですけどケガとか色々重なっちゃってなかなか會田とか拓実とかが結構出た。でもコートだけが貢献できる場所じゃないので色々ベンチの外からとか練習とか、一緒にご飯食べているときとかしゃべりながら後輩の成長につなげようという考えもあったので、まだ伸びしろがあるのでコート外でも後輩の成長につなげられるような行動は心がけていました。インカレの拓大戦とか昨日の近大もそうですけど拓実がまだまだ波はありますけど良くなってきてはいるのであとは声の大きさとかまだ小さくて他の4人が理解できてない部分がまだ多いのでそこは彼の課題。その中でもスピードとか自分の良さというか自分らしさっていうのは結構出していたと思うので、まだ1年生なので2年3年とあるのでバスケットの考え方っていうのを学んでいけばいい選手になるかなと思います。自分自身しゃべろしゃべろしか言ってこなかったので、自分自身も試合とか練習とかでしゃべってやるように心がけているんですけど、そのしゃべることが他の4人のやることを明確にして動きやすい攻めやすいようになったりするので、声の大切さっていうのはこの明治大学で一番学んだと思っているところなんでそこを受け継いでもらえればいいと思う。4年間は早かったようで長かったですけどバスケットもそうですけど人間性としても色々成長できた4年間だったと思う。きつかったこともたくさんあったけどその分楽しかったことも色々あったので色々な面でプラスになった4年間だったと思う」

佐藤紘之(理工4=幕張総合)
「最初にみんなが点数を離してくれて。拓殖戦はすごい惜しかったんでみんな悔しがってて。今日も勝って終わりたかったんですけど、点差が離れてしまって。でも最後4年生全員で出れて、悔いは残りますけど、無事終わって良かったなって感じ。これで引退だったんで、ちょっとさびしい気持ちにもなったんですけど、やり切れたという気持ち。この4年目は選手がいなくなったり辞めちゃったりして、大変な1年間だったんですけど、その中でみんなここまで頑張って、リーグも5位になってインカレも6位になれたのは良かったんじゃないかと思う。やっぱり拓殖戦は、あんなに点が離れたなかであそこまで追いついて、最後ブザービーターでやられてしまったっていうのは一番印象に残る試合だった。後輩たちも結構みんな経験があると思うので、そこからあんまり試合に出てなかった人たちも頑張ってトップチームに絡んで、ずっと毎年ディフェンスからと言われているんで、それを継続して、もっと頑張ってほしいと思う」

中東
「勝ちたかったけど最後に4年生で出れたのは良かった。(33得点を挙げたのは)最後だったので気持ち良くできたのかな。インサイドの確率が良くなかった。向こうはそこが良くてインアウトとうまく回せてた。(後半は)會田がちょっとターンオーバーしてしまってうまくいかないところもあったけどそこはまた来年追い付けるようなポイントを課題にしてほしい。(會田への期待は)全然まだまだだけどいい1年生が入ってくるのでそれをしっかりまとめられるように。インカレ終わってからの自主練期間とかでもしっかりやっていいポイントガードになってほしい。(来年のチームは)また経験が少ないチームで不安定だと思うけどどう強くなっていくか楽しみ。自分はNBLのアーリーエントリーに向けて体づくりをやっていきたい。いい結果が残せなくて悔いの残るインカレだったが、この先日本一になれるようにやっていきたい」

皆川
「悔しい気持ち半分、やり切った気持ち半分という感じで、半分って言ったらおかしいですけどやり切れなかったっていう方が多かった。4年間ケガとか色々あってそれを考えたら今までやってきたっていうのはあるんですけど、悔しさが勝る部分が多い。でも悔いはない。(拓大戦のような)緊迫したときに自分がいられなかったっていうのもあるし、逆に今日とかああいう思いきりのプレーが今までずっとできなかったっていう部分も悔しい。(ケガを乗り越えて今シーズン過ごしたというのは)これからの経験にもなるし、自分の人生経験の中で生きてくると思う。ケガは悔やまれるけどしょうがないことだし決して無駄な経験ではなかったと思う。(4年間振り返って)自分の無力さとか不甲斐なさとか自分の弱い部分が改めてわかったかなということとやっぱり生半可な気持ちとか努力とかでは戦ってはいけないという厳しさ。そういったことを4年間で教わったと思う。楽しい4年間だった。今年色々あってチームが不安定な状況が多かったが、踏ん張って残りの4年生でなんとかここまでくることができたので自分の中で良く頑張ったなと自分で褒めたいと思う。(4年生は)チームメートっていう以上に色々なことを一緒に経験してきたかけがえのない仲間ですから、そこはこれからも長く一緒に付き合っていくんじゃないかなっていうチームメートたちだった。今まで自分の後輩たちは言うべき事は言ってくれたり中には鼓舞してくれたり励ましてくれたり、みんなに愛されてたっていうのが一番強くて、本当に後輩たちには感謝している。助けられた部分もあったし、最後まで不甲斐ない姿を見せた部分もあったんですけど来年自分たちの分までやってほしいという気持ちです。単純にプレーからしたら体を張るプレーだったり泥臭さだとかリバウンドの大切さとかそういうところは見せられたかなと思う。でも逆に後輩たちから学ぶことが多かったので自分としては。後輩たちには自分では分からないようなことを学んでくれていたら、そうなればいいと思う。明治大学入って色々嫌なこともあって正直後悔した時期もあったんですけど、今日までやってきてその思いはなくなって明治で良かったなと思っている」

伊澤
「全ての試合を通して、前半の1クオーター目の立ち上がりから自分たちの流れにできない試合が続いてしまって、勝てる試合も3試合はあったが、負ける試合っていうのはやっぱりそこから自分たちのリズムをどう作るかだった。最終的には接戦に持ち込んだりもできたが、そこで勝ち切ることもできないって言うのもあるので。その1ピリの負けが最後の最後まで響くので、来年からはそういうのを教訓として、チーム一丸となってしっかりやっていきたい。(疲労は)チームとしてはあると思うんですけど、やっぱり相手も5試合目なのは同じなんで、その中で自分たちが自分たちのパフォーマンスをできずにイライラというか、集中が切れてしまう部分が多かったんで、そこが今日の敗因かなと思う。(ほとんどの4年生が引退)特に意識はしてなかったんですけど、最後4年生5人でコートに出た時はほんとに、なんていうか、来年もしっかりこの舞台に自分たちが来られたらなって思った。(印象に残った試合は)特にはないんですけど、関東トーナメントで関東学院大の、あそこで負けてしまって春が終わってしまったんで、春もしっかり経験を多く積みたいというのもあるし、勝つって言うのも大事だと思うんで、ああいうところから勝っていきたい。(来年は)今年はガードが多く経験を積むことができたかなっていうのがあるんで、その中で自分とか吉本が結果も残して安定してるので、その2人とかを中心に3年生全員でチームを引っ張っていく。どういうチームになるかは塚さんの考えるところだと思うんで、自分たちもそれに適応しながら、自分たちの力も出せるようなチームにしていきたい」