総合連覇逃すも橋本がスプリントで連覇達成!/東京六大学対抗大会

2014.12.01
総合連覇逃すも橋本がスプリントで連覇達成!/東京六大学対抗大会
 総合連覇を逃した。昨年度王者として臨んだ六大学対抗戦だったが、総合得点で法大に及ばず準優勝に終わった。個人では橋本瑠偉(政経2=佐賀龍谷)がスプリントで連覇を達成。10kmスクラッチでは松本裕典(法1=北桑田)が2位に入るなど、各種目で多くの入賞者を出した。総合優勝には届かなかったものの、新体制となった現時点でのチーム力を十分に示した大会となった。

 

スプリントで連覇を達成した橋本
スプリントで連覇を達成した橋本

 圧巻のスプリント劇だった。個人連覇を懸けて臨んだ橋本は圧倒的な強さで優勝。持ち前のスプリント力でライバルたちを寄せ付けなかった。1/2決勝までを難なく突破。決勝は先日まで行われていたU23強化合宿でも共に練習をした後藤(早大)との対戦となった。
 2本先取で勝利となる決勝戦。後藤に先行され「追いかけようと思ったが、前輪が浮いてこけそうになった」(橋本)と1本目を落とす。後が無くなったものの「2本目、3本目で取れる自信があった」と橋本。その言葉通り2本目を取ると、3本目でも王者の走りを見せた。勝負の3本目、お互いが厳しくけん制し合い、並走が続いた状態で先にスパートを掛けたのは橋本。ラスト1周の半ばで引き離すと追い上げを許さず、そのままゴールイン。ゴール後は拳を高々と突き上げた。「自分の勝ち方、レースパターンをしっかりと身に付けてきている」と本間滋監督も太鼓判を押すレースだった。連覇について橋本は「あまり意識はしていなかった」といつも通りクールに振り返った。

松本はスクラッチで2位に入った
松本はスクラッチで2位に入った

 ルーキー松本が躍動。スクラッチで準優勝を果たした。松本は全20周のうちラスト5周で勝負を掛けた。スプリント勝負になると分が悪くなると判断し「何周目かに逃げようと考えていた」という松本。抜群のタイミングで飛び出すと優勝争いは共に逃げを試みた青野(法大)と二人に絞られた。松本が若干リードする形での逃げが続いたが、最後はもう一度スパートを掛けた青野に逆転を許した。惜しくも準優勝となったが「これからの励みになるレースだった」と松本。得意とするロードではなく、トラック競技でも確かな手応えをつかんだ。

 六大学連覇を逃し本間監督は「勝ちにこだわる力が他大学の方が強かった」と今大会を総括した。インカレ後はトレーニングをランニングや筋トレに切り替え「あまり自転車に乗れていなかった」と加賀谷慶治主将(政経3=能代西)。オフシーズンでの調整が難しい中、各選手が上位に食い込み意地を見せた。次のレースは約2週間後のRCS行田ラウンドとなる。「長距離をまとめているので行田は上位を狙ってチームでも勝てるようにしたい」と加賀谷も強く意気込んだ。次なる戦いでの明大勢の活躍に期待だ。

[鈴木拓也]

試合後のコメント
本間監督

「残念だったが勝ちにこだわる力が他大学の方が強かった。(法政とは大差だったが)各種目で法政さんがきっちり取っていたので着実に点差が開いてしまった。複数得点を獲得できる種目でも上位入賞できなかった我々の力不足だった。(橋本の優勝は)頼もしい限り。国体で優勝しているし自分の勝ち方、レースパターンをしっかり見に付けてきている。この先も強くなっていくと思う。(新体制になってこれからの方針は)今までと一緒だが、部の方針としてはまずは安全第一を掲げてやっている。その上で各大会で上位に入って、オフシーズンでしっかり準備していく」

加賀谷
「法政がかなり力を入れていて強かったがその中でも明治は結構食い込めたと思う。今年の冬はあまり練習できていないので調子上がっていないかなと思ったが、みんな上位に食い込める位置にいたので今回は良かったと思う。(練習は)インカレ終わってからオフ期間に入ってランニングと筋トレに切り替わってきたが、その中であまり自転車に乗れていなかった。(法大の強さは)インカレ終わったあともオフ期間に入らなくて練習していたのかなと思う。明治と違って乗り込んでいたと思う。(新体制になったが)あまり部をまとめられているという気はしないがその中でもまとめていかないといけないと思う。(行田に向けては)長距離をまとめているので行田は上位を狙ってチームでも勝てるようにしたい」

橋本
「(調子の方は)木曜日(11月27日)までJCFのU23の合宿に行っていて、結構乗り込んだので競技の面で不安はなかった。合宿前に風邪を引いて体調があまり良くなかったので、そこは少し不安があった。(U23の合宿は)レベルが高い中で乗って成長できたと思う。(決勝の1本目を落としたが)先行されて追いかけようと思ったが、前輪が浮いてこけそうになった。追いかけるのにも脚を使うので、相手に1本あげようと思った。2本目、3本目で取れる自信があった。(決勝の相手、後藤(早大)の印象は)U23で一緒にやっているので仲が良くて、対戦自体は初めてだった。向こうの方が捲(まく)る脚はあると思うので、なるべく先に行かせて自分が捲(まく)っていく形にしようと思った。(レース展開は)2本目は相手が先に出たので、自分が捲(まく)ることができた。思い通りの形だった。3本目は並走状態だったので自分が先に出て、相手に脚を使わせようと思った。(六大学のスプリント連覇となったが)あまり意識はしていなかった。決勝の前に連覇懸かっているみたいに言われたので、負けたくないなとは思った」

森本尊也(営2=岡豊)
「いつもはケイリンだが今回は1km(タイムトライアル)に挑戦した。ちゃんとやったのが高2以来なので緊張したが何とか自己記録を更新したので良かった。(去年からの団体の連覇はできなかったが)メンバーも入れ替わっていたり違う種目に出るのでしょうがないかなという部分があった。(法政の強かった理由は)練習内容の差だと思う。この冬が勝負なので。(新体制になって)真ん中の年になって仕事量も減って自分の練習に専念できる。あと1年後、自分たちが一番上の代になるんだなという危機感もある。自分のやることはやろうというのは変わらないので新しい環境に馴染んでその中で自分でもどういう風に自分の良さを生かしていくかが勝負だと思う」

松本
「(スクラッチ2位について)トラック競技はあまり得意ではないのでこれだけ走ることができるというのが分かって、これからの励みになるレースだった。(ラスト5周で飛び出したが)最後のスプリントになるとやっぱり厳しかった。僕はスプリントがあまり無くて力的にもきついので何周目かに逃げようと考えていた。ちょうどあれくらいがタイミング的にも良かったし、法政一人しか来なかったので、うまく逃げられた。(強化合宿は)これまでずっとジュニアでやっていて、今回初めてU23で上がらせてもらった。U23のレベルはジュニアとは全然違って、3つ、4つ上の先輩もいて、自分の得意とするロードでもレベルの差を感じた合宿だった。これからまたしっかりと練習していきたい」