近大に貫録勝ち 5位決定戦へ駒進める/全日本大学選手権
スターターは齋藤拓実(営1=桐光学園)、中東泰斗(文4=光泉)、吉本健人(法3=藤枝明誠)、伊澤実孝(政経3=愛知産大工)、皆川徹(営4=京北)。
力の差を見せ付けた。序盤で背負ったビハインドを返せないまま迎えた第4クオーター。皆川のフリースロー、吉本の3Pシュートで開始から30秒で同点に追い付く。そこから引き離せない時間が続いたが、吉本のこの日3本目となる3Pシュートを皮切りに、一気に点差を付ける。その後不用意なターンオーバーから点差を詰められたが、中東が3Pシュートを沈め流れを渡さない。最後は残り38秒から出場した佐藤紘之(理工4=幕張総合)のブザービーターで78―65とし勝利。終始ビハインドを背負い続けた展開だったが最後に相手を突き放した。
我慢の試合を耐えきった。「最後までずっと我慢して、やられたところもあったけど集中を切らさずできた」と伊澤。中東のバンクショットで先制し、第1クオーター序盤こそはリードした試合運びを見せた。しかし、近大のシュートが高確率で決まりだすと抑えきれない。「ディフェンスでコミュニケーションが取れてなかった」(齋藤)と相手のシューターに自由にシュートを打たせてしまい、このクオーターだけで11点のビハインド。それでもそこから修正を見せ、プレスやゾーンなどを織り交ぜたディフェンスで反撃の糸口をつかむと、第2クオーター以降はわずか38失点に抑えた。
1年生ガードが経験を積んだ。ターンオーバーの多さから、なかなかプレータイムを伸ばせていなかった齋藤。前日の拓大戦でターンオーバーをゼロにし、勝負どころで得点を挙げる活躍を見せると、この日はインカレで初のスターターとして起用された。「声を出していかないといけないところで先輩に頼ってしまった」(齋藤)とポイントガードとして試合を振り返ると反省しきりだったが、素早い攻撃の組み立てやいやらしいディフェンスで存在感を示した。「速い流れをつくれるのがいい」(中東)と上級生からも評価されたが、悔やまれるのは第4クオーター残り3分ほどのところでのターンオーバー。勝負どころでのターンオーバーは勝敗に直結するだけに、ポイントガードとしてさらなる成長を遂げたい。
インカレの最終日となる明日は国士大との5位決定戦。今季はここまで3試合を戦い2勝1敗と対戦成績では上回っている。しかし、新人戦のベスト8を懸けた試合で敗れたほか、インカレ直前に行った練習試合でも敗れており、力に差はないと言える。この日の試合で慶大を大逆転劇の末に下し、勢いもある国士大。「最後勝って終わりたい」(中東)。オフェンス能力の高い国士大に対し、ディフェンスで相手を上回り、最後の学生大会を勝利で飾る。
[松井嚴一郎]
試合後のコメント
中東
「昨日負けて、その後の試合というのが大事だったので、勝てて良かった。点差は開けられたが、普通にいつも通りディフェンスをやっていれば大丈夫だなと思っていた。ソウ(近大)のところがリバウンドが強かったので、そこを取らせないように意識していた。宮本(政経1=明成)とか拓実(齋藤)とかは段々良くなってきているので、それはうれしいこと。拓実(齋藤)は速い流れをつくれるのがいい。明日は最後勝って終わりたい」
伊澤
「塚さん(塚本清彦ヘッドコーチ)にディフェンスのことで喝を入れられて少しずつ修正した。焦らず我慢するということはずっと課題として出ていたことなので今日は最後までずっと我慢してやられたところもあったんですけど集中を切らさずできたと思う。今日は比較的落ち着いてやれた。前からしっかりプレッシャーかけてディフェンスからっていうのを意識した。ソウ(近大)は高校のときにやっていたのでだいたい分かってたんですけど高校と大学はやっぱり違って裏とか簡単にやられてしまった部分もあるのでそこは修正しなければいけない。チームで簡単に外から切り込まれたりとかリバウンドの部分をチームで取っていくというのはところどころできたのでそれをしっかりやっていければいいと思う。(明日は)お互いによくやっていて手は知っているのでそこをどう防いでいくか」
吉本
「4戦目で、あと昨日の負けもあってあまりいい状態じゃなかったが、そういう状況でちゃんとできるかだった。いつも出だしはあまり良くなくて今日も良くなかったが、昨日もその後ディフェンスをしっかりやれば追い付けたので、あまり気にしていなかった。ディフェンスから簡単に点を取れたところが10点くらいあったので、それがまた70点以上取れた要因かなと思う。調子はまぁまぁ。シューティングは打つときは迷わず打つということだけ。後半は疲れもあったし、相手のガードがそんなにしっかりしていないという塚さん(塚本ヘッドコーチ)の判断で、ゾーンをやった。オールコートでも、ゾーンからゾーンは結構楽。最初はゾーンからマンツーをやってたのできつかった。明日は今年最後の試合なので、みんなでいい形で試合に臨めるようにしたい」
齋藤
「インカレで初のスターターで出させてもらった。今まで交代で出るのは出やすかったけどそれとは違った。スタートでゲームのコントロールを任された時にまだ頭が回ってなかった。真っ白になったわけじゃないけど、声出さないといけないところで先輩に頼ってしまった。個人的には内容がいいとは思えない試合だった。チームでディフェンスだということを言われていて、外山さん(外山英明アシスタントコーチ)には自分の持ち味を消さないように言われた。1ピリのディフェンスが悪かったっていうのがあって、コミュニケーションが足りなくてスクリーンにかかってしまったりして、そこで声を出せなかったのがガードとして良くなかった。修正する時間はあったのでそれでカバーできた。ずっと言われていたターンオーバーを出しちゃいけない時間に出した。気にするなと言ってくれている。1ピリは時間もあったので重要視されるような言われ方はしなかったけど、4ピリのクラッチタイム入ったところでのターンオーバーは1点差に詰められて、そこでは1個のターンオーバーがということを言われた。途中出てなかったので最後までなかったら良かったけど最後出してしまったのでそこは良くなかった。(最後のタイムアウトのところでは)点差と時間を頭に入れておけと言われた。ボール運び任せ切りにしたりとか良くないからしっかりもらいにいけと。近畿相手に把握できてないようじゃ駄目だから、もっと強いところとやったときにはもっと頭回してやらないといけないと言われた。(相手の高さに苦しんだが)まだフローターとか浮かしとかの技術が足りないので練習するのみ。(工夫も見られたが)工夫できても結果が出てなかったら意味がない。きっちり決めれるようになったら背の高いところとやってもオフェンスが楽になる。ゾーンとかも途中出過ぎてしまったところとかも出過ぎないように言われた。国士舘とは練習試合もやってて、相手のガードがシュートもある。激しくやる中でゲームをコントロールしながら状況を把握しながらやりたい。あとはディフェンス」
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