4年生特集(5)チームを鼓舞するタフマン 小山耀平

 集大成となるインカレに挑む。プレーオフで2勝を挙げ、リーグ戦を5位で終えた。次なる戦いは11月24日から30日に行われる全日本大学選手権。昨年は35年ぶりとなる準優勝を果たした。ここ数年は好成績を残し続けており、インカレに強い明大には大きな期待が懸かる。今年の締めくくりとなる最後の大会。そこに懸ける4年生のそれぞれの思いを聞いた。

 試合前に円陣の中心で、伝統の掛け声によりチームの士気を高める小山耀平主将(文4=光泉)。試合に出場すれば、強気にリングに向かっていく。後輩からも慕われている頼れる最上級生だ。2年次からベンチ入りを果たし、チームの雰囲気づくりには欠かせない存在となっている。(この取材は11月21日に行ったものです)

――4年目を迎えるにあたってどういう意識を持ちましたか
「自分たちの代になるわけだから試合にも出て、活躍して去年以上の成績を残したいと思って入ったかな」

――トップチームとベースチームの違いに対する意識はどうですか
「不本意に落ちるときもあったから、意識を高く持ってる時とか早くトップに戻りたいっていうのはある。人数落とすためだったりとか自分のミスのせいで落ちるっていうのは仕方ないから、そうしたら同じ失敗をしないように意識して。後は運動強度を落とさないように、シューティングは欠かさないとかかな。ベースにいる子たちもなんだかんだ絶対試合出たいと思う。トップに上がりたくないとか言うけど、そういう子に1回辞めればいいじゃんって言ったことあるんだけど、辞めないんだよね。バスケットしにここに来てるわけだから絶対トップでやりたい、試合に出たいって思ってるはず。だけどなかなかそれを行動に移せない。一生懸命頑張ることを恥ずかしがってる。ベースって指導者がいないけど、いない中でも練習やって、上から落ちてくるやつもいるし、そいつらがリフレッシュできるような環境っていう部分もあると思う。そういうところだけじゃないけど、ベースの指導っていうのもやり足りなかったなというのはある。ベースの雰囲気は俺が1年生のころからずっと軽かったし、厳しい雰囲気じゃなかった。ずっと前からだから仕方ないことなのかな。トップにコールアップされたときとか合同で練習するときとかにもっとアピールする子が出てくるといいよね」

――小山さんがベースチームにいることで締まるという声もあります
「トップからベースに落ちたときとか、塚さんに厳しめにやるように言われてたし、練習内容もトップでやっているような練習をやるようにしてた。それでそういう風に思ってくれる子がいるならそれはそれで成功かな。ちょっとでも締まってやれてたなら。失敗ってわけじゃない」

――主将というのは初めてでしたか
「小学校の頃キャプテンやってたよ。やってたけど小学校のキャプテンなんてたかがしれてるからさ。ただ代表であいさつしてとか、みんなしっかりやれよっていうだけ。ミニバスの時も6年生でも普通に準備してて、それを見て下級生の親御さんが『なんで耀平がやってんだ、お前らやれ』ってなったり。年下の子に呼び捨てで呼ばれてたり、威厳はなかったよね。ちゃんとコート内で威厳を持った先輩になれたら良かったな」

――4年生になって意識したことは
「高校のときはポイントガードやってたんだけど、ポイントガードは無理だと言われた。だからシュート上手って言われてたのでシューティングガードの方で、しっかりやるように。シュートができるだけ入るようにシューティング多めに練習してたつもりだった。あとはディフェンス。3年生までに特別試合に出てた訳でもないし。4年生になってリーグ戦、最後だからっていうのもあるかもしれないけど、それだったら1、2年生の有望なやつに試合出てもらって経験積んでもらうっていうのも、それは全然覚悟してたので後悔とかはない」

――シューティングはかなりやってきたということですか
「夏くらいからマネージャーの子とかにも手伝ってもらって結構シューティングしてた。その時は結構確率も良くて、やばいやばいって感じだった。自信持ってたんだけど秘密のまま終わっちゃった」

――出てるところでは確率がいいイメージがありますが
「まあ最初の試合とかは4分の3とかだったからね。でも一番いいのは出て、打つシュートが全部決められるくらいの感じ。それは目標として持ってたけどなかなかうまくいかなかった。出る時間が短いから、少ないシュートチャンスをいかにものにするかがすごい大事。出てシュートチャンスがあったら絶対決めてやろうっていう気持ちはあったんですけど、決められなかった」

――明治にはそういう選手が多いようですが
「メインで出る子じゃない、つなぎで出る部分の子ってやっぱりそういう少ないシュートチャンスをものにしてプレータイムがどんどん伸びてくるっていうのがあると思う。もちろんディフェンスでの貢献もそうだし。だからみんながそういう目標になるのはいいことだと思う」

――4年間で学んだことは
「明治はディフェンス強いって言われてるし、そのディフェンスの練習を4年間してきたわけだからディフェンスかな。ディフェンスの考え方とか、付き方だったり、カバーディフェンスだったりっていうところは学べたかな。ディフェンスは高校とは全然違う。大学の方がやっぱり難しい」

――目標としてたスタイルっていうのは
「ちゃんとポイントガードとしてスタートで試合に出るっていうのが目標だったかな」

――ポイントガードが駄目というのはいつごろ言われたのですか
「3年生くらいかな。ポイントガードやりたいなって気持ちもあったけど、自分の中でポイントガード向いてないなっていうのもあった。身長が低いから仕方なくポイントガードやるしかないなってところあったし、得点取るのもすごい好きだから」

――つまりシューティングガードは割と前向きに受け入れたのですね
「そうだね。中学生のときもそんな感じだったから。中学は2、3番でやってて感じだったから」

――4年間の中で大変だったのは
「2年生かな。1年生のときはほとんどベースで、ビデオとかやってた。1年生だし指定校推薦だったしで簡単には試合出られないなって思ってた。やっぱり2年生だね。その時の4年生が急に辞めちゃって、3年生も多くの人がそんなに経験あるわけじゃなかった。その時キャプテンやってたのが誓哉(安藤・情コミ4=明成)で、誓哉の支えになるのとともに、何で自分がチームに貢献できるか考えた上で声を掛けて盛り上げるとかをやってた。比較的雰囲気暗かったし。絶対2部に落ちたくないって気持ちが大きかったから。2年生が一番大変だったね、状況的に。その分勝った時はうれしかったし、1部残留したのもうれしかったし、インカレで3位になったのもうれしかった。2年と4年だね、大変だったのは」

――2年生のときに意識するようになってからずっと声を出し続けるのは大変だと思うのですが
「声を出したことによってトップにコールアップされたっていう部分もあったから、これは途切れさせたら駄目だなっていうのはあった。声出してるだけでAチームの練習に参加できるならずっと声出してればいいじゃん?自分うまくなるし。でも4年生になってそこまで必死こいて声出す必要もないんじゃないかっていうのもあったかな」

――それでも試合前は小山さんの声出しが印象的ですが
「Uh-Yahでしょ。あれはお決まりだから俺が出さないと。あれはリーグ戦中に誰かに託そうかと思ったけど忘れてた」

――託すとなると誰ですか
「小谷(拓哉・文2=育英)とかそこらへんかな。小谷は上手にやるから小谷でいいかなって」

――4年間で良かったことは
「バスケットが好きでやってるから、好きなバスケットをたくさんの時間を費やしてやれたっていうのはすごく良かった。自分のこれからの糧になると思う。無事にバスケットやれて良かったなっていうのはちょっと思う。ケガしたりもあったけど」

――バスケが好きなのはどこからきていますか
「親がバスケットやってたのがあってバスケット始めたのが3歳くらい。最初はバスケットのこと本当嫌いだった。面白くないし、怒られるし。でも小さいころからバスケットやってると、ミニバスとか中学でバスケットやってたら、割と簡単に得点が取れちゃったり、強いチームとかいくとすごい楽しいわけよ。シュートも決めれるし。たくさんシュート決めれたり、いいプレーができたりすると、楽しいなってなって、高校でもバスケットやりたいと思ったし、大学でもやりたいなって。やっぱりバスケット教えてくれたのって両親だから、少なからず両親への感謝の気持ちもあるわけで。バスケットやってるのって自分のためでもあるけど。ここでバスケットやってるのって実際親のお金使ってやってるわけでもある。だから親のためにバスケットやってるっていうのも少しはあるよね」

――ご両親も結構見に来てくれますよね
「結構見に来てたよ。1年生のころから結構来てたんじゃないかな。うちの親ってバスケット本当に好きみたいなんだ。だから俺が出てる、出てないに関わらずバスケットが好きだからすごい応援してくれてたし」

――今の一番の武器ってなんだと思いますか
「ハンドリング。遊びみたいなハンドリングがすごい好きで、中学から結構いろいろ試しながらやってた。そういうのを披露すると今でもみんな結構おおーってなるの。絶対試合とかで使えるもんじゃないんだけど(笑)」

――結構練習するものですか
「そうだね。最初できないんだけどね。気付いたらできるようになってるんだよね、いつの間にか」

――そういうのが試合の中でのボールの扱いに生きてきたりするんですか
「昔はあったね。球際が強くなったなって感じることはあったし。大学だとそういうのあんまりないからね。プレー時間少ないしあんまりそういうのを感じるところはないかな」

――ハンドリングは負けないっていうのはありますか
「そうだね。ドリブルじゃないけどね、ドリブルとはまた違ったり。もっと小さいころからやっておけば良かったなって感じ。ボール使った遊びとかでボールの扱いがうまくなるならもっと早くからやっておけば良かった。そういうハンドリングとかを始めたのは中学くらいだったから。ミニバスではちゃんとボールを扱うための練習しかしてこなかった。小さい時に親がミニバスのコーチみたいなのやってたから、それに付いて遊びには行ってたけど。連れてかれて。それですごいふざけてたからめっちゃ怒られて泣いたりしてた。それは今でも覚えてる(笑)」

――後輩に対する期待は
「厳しくやった中でも団結力っていうのがあるようになってくれるといい。みんなが1つの目標に向かっていけるように。練習も毎日やる練習の一環として捉えるんじゃなくて、1回1回が最後の練習だと思って取り組んでほしい」

◆小山耀平 こやまようへい 文4 光泉高出 176cm・74kg ポジションはSG(シューティングガード)。

◎応援へ行こう!
 明大の開幕戦(対名古屋経済大)は明日26日17:00トスアップです!
≫会場
 墨田区総合体育館
≫アクセス
 JR総武線、東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」から徒歩3分、錦糸公園内