
終了間際にまさかの失点 中大と引き分け優勝争いは最終節へ/関東大学リーグ戦
優勝ムード一転
苦しい立ち上がりにも慌てなかった。第1ピリオド序盤はプレーに硬さが見え、ミスからピンチを招く展開に。リーグ最多得点を誇る中大攻撃陣もスキを逃さず早々に2点を失ったが「2失点しても返せると思っていたので、焦りは無かった」(FW大椋舞人・法3=白樺学園)。ビハインドにも動じず、徐々にペースをつかむ。攻勢に転じると、ここからFW高橋佑輔(政経4=武修館)がチームを救う活躍を見せる。まずは11分のパワープレー。FW桂川涼(政経1=白樺学園)が送ったゴール前への絶妙なパスを合わせ1点差に迫る。16分にはゴール裏で中大DFからパックを奪い、そのままゴール前に回り込むとパックをゴールへねじ込んだ。「読み通りだった」(高橋)という貴重な同点ゴール。アシスタントキャプテンも務める高橋が、大一番で存在感を見せつけた。
勝利は目前だった。第2ピリオドはお互いにチャンスをつくりながらスコアレス。同点で迎えた勝負の第3ピリオド、立ち上がりに大椋のゴールで勝ち越しに成功。14分には同点に追い付かれたものの、その2分後に工藤がやや遠い位置から放った力強いシュートが決まり再び勝ち越しを決める。残り約4分での勝ち越しゴールに、リンクも明大優勝ムードに包まれ始める。6人攻撃でシュートを放ち続ける中大の猛攻にも耐え、優勝まで16秒に迫って迎えた自陣でのフェースオフ。そこに落とし穴が待っていた。こぼれたパックにいち早く反応した越後(中大)がスティックを一閃。ここまで何度もファインセーブを見せてきたGK佐藤永和(文4=軽井沢)が伸ばした手をかすめ、パックは無情にもゴールへ。「集中はしていたんですが…悔しい。やっぱり秋リーグ優勝するのは難しいと思った」と佐藤永。土壇場で引き分けに持ち込まれ、そのまま試合終了を迎えた。
優位は変わらず
終了間際の失点で今節での優勝は逃した。しかし、強さは見せた。「この1週間はリーグ戦で一番気持ちを強く持って練習できていたんじゃないかな」と佐藤永。優勝への気持ちがチームを一つにした。引き分けたものの、1次リーグで敗れた中大相手に互角以上の戦いは見せた。藤井匡智監督も「(序盤に)ちょっとしたミスで失点してしまった。でもそこで取り返せたという部分、追い付かれても勝ち越せたという部分はチームの力を感じた」と手応えを得ている。最終節に向けて明るい材料も残した。
依然として首位に立ち、優勝へ最も近い位置にいる優位は変わらない。今節での優勝こそ逃したが、次節の東洋大戦に勝利すれば優勝を決めることができる。中大を破っての優勝を逃したこの日のショックは大きいが、DF梶原聡人主将(政経4=北海道清水)は「4年目にして優勝まであと1勝となったのは初めてなので、優勝を獲りたい。優勝します」と優勝へ強く意気込む。次節こそ9年ぶりのリーグ制覇をつかみ取る。
[高田悠太郎]
試合後のコメント
藤井監督
「最後、ああいった形になって残念ですが、やれることはやりました。簡単には勝てないと。プレッシャーはそんなに無く、思い切ってプレーしようというところで、自分たちの力で優勝を勝ち取ろうということで試合に入りました。チームはそんなに気負ったところも無く1週間を過ごせました。立ち上がりはプレーが硬くて、シンプルなプレーもできませんでした。そこでちょっとしたミスで失点してしまいました。でもそこで取り返せたという部分、追い付かれても勝ち越せたという部分はチームの力を感じました。最後、あそこからのフェースオフの練習はしていましたし、やはり簡単には勝てないなと。できれば早く優勝を決めたかったですが、次の東洋大戦もしっかり勝ち切るというとことを意識して準備していきたいです。今日があっての1週間の準備は難しいですが、もう一度しっかり休んで、気持ちを入れ替えてやらなければいけないです。スタートから自分たちのプレーができるように。今日の反省があるので、次につなげられればと思います」
梶原
「正直、中央に勝って優勝したかった。今は悔しい気持ちでいっぱいですね。(残り11秒での失点は)気の緩みというか、そのときの中央のどうにかする気持ちが明治より勝って、ああいう結果になって。中央の気持ちが強かったから得点につながったと思います。今日は相手も中央ということで、やっぱりみんないつもとちょっと違った気持ちで臨みました。(最初の2失点は)固かった部分があったのですが、(高橋)佑輔の連続の2点で気持ちも和らいで。先制点は取りたかったですが焦りは無かったです。(キルプレーの場面は)本当に危ない場面でみんな気持ちを一つにして、必死に体を張れたと思います。内容的にはみんな頑張った試合だと思うのですが、やはり最後に気持ちの部分で相手に劣ってしまったからこの結果になったと思います。みんな今日、この試合のために標準を合わせて、全力は尽くしてきました。でも中央も同じような考えで、中央には失うものがない、もう下がることなく勝つしかないという上で、自分たちは負けないで引き分けまでに抑えられた。いい準備ができて、いい試合ができたことが救いでした。ただ中央に勝つこともそうなのですが、最終目標は優勝することです。まだ、あとは勝つだけということで、分かりやすいですし、一週間気持ちの面で考え直して、プレー面でも反省するところはたくさん出てきたので、しっかり修正して最後の試合に臨みたいです。(東洋大戦には)今日のように最初硬くならず、いつもの明治のプレーを最初からしていれば、失点せずに点数を重ねられると思います。気合は入りますが気負いすぎることなくやりたいです。ここまできて結局、最終戦まで優勝争いはもつれ込みました。4年目にして優勝まであと1勝となったのは初めてなので、優勝を獲りたいです。優勝します」
佐藤永
「勝てたなあ。勝てましたよね。もっと勢いで点入ってまた勢いづいていくみたいな。でもいいところで点数決めてくれて、守りが守り切れなかったです。そこが敗因です。守りがまだ駄目ですね。修正点があります。(最後の失点はフェースオフから)悔しいです。止められたっちゃ止められたシュートなので、集中はしていたんですが…悔しい。やっぱり秋リーグ優勝するのは難しいと思いました。簡単じゃないです。どっちも気持ちが強かったので。(2ピリ3ピリでのビッグセーブ)1ピリで2点決められて、これはまずいなと気持ちを切り替えました。それが良かったと思います。そこで(高橋)佑輔も2点決めてくれて2―2で振り出しに戻してくれたので、また気持ち入れ替えてその後に臨めたと思います。1ピリで追い付けたのがすごく大きかった。負けたくないという気持ちが強かったです。(この一戦向けて)私生活の面から絶対に優勝しようと話して気持ちは一つでした。練習も集中してできていました。この1週間はリーグ戦で一番気持ちを強く持って練習できていたんじゃないかな。準備はしっかりできていたと思います。(東洋戦に向けてやっていくこと)まず気持ちを切り替えること。それができないと始まらない。気持ち一つにしてやっていきます。まだ優勝できる可能性が残っているので全力で頑張っていきたいです。前回1失点だったので今回もそれぐらいに抑えたい。明治は3点ぐらい取ってくれるので失点を1点か0点に抑えれば勝てると思います」
高橋
「勝てた試合だけに悔しいです。失点してしまって…。(2得点)1点目は良いパスを出してくれて、2点目は読み通りでした。ああいうのはちょっと練習していました。(調子)今日は良かったです。良かったですけどもう1点入れたかったです。(中央戦)自分は前回ケガで出ていなかったので勝ちたかったです。(意気込み)全力で勝ちます。負けはもうないというぐらいで。どういう戦いになっても勝ちにこだわっていきたいです」
大椋
「勝ち切れた試合で、ふがいないです。今日が事実上の決勝だと思っていたので、今日しかないという気持ちだったのですが、もう次のことを考えないといけないですね。みんな勝利に向けて一丸になっていました。自分も死ぬ気で勝ちにきていました。出だしで気持ちが高ぶっていたのか、気持ちが先走って足が動いていませんでした。2失点しても返せると思っていたので、焦りはありませんでした。ワンチャンスで決められて楽に試合はできたのですが、勝ちきれなかったのが課題です。次もまた条件は同じなので、勝てばいいので、1点差でも何でも勝つ気でいきます」
関連記事
RELATED ENTRIES