
今林が健闘の8位 インカレ入賞を果たす/全日本学生選手権個人戦
今林――8位
工藤――11位
服部――28位
井上――33位
朝稲――54位
塩田――63位
戸谷――65位
前田――79位
近藤――31位
納得のレースだった。今林が関東支部予選での4位入賞に続き、全国の舞台でも入賞を果たした。初日で6位と好スタートを切るも2日目に失速し11位まで順位を落とす。チームのエース工藤が12位、実力のある他の4年生の順位も伸び悩み「明治で誰も入賞できなかったらどうしよう」(今林)という焦りがあった。迎えた3日目。海に出て強い風を受けると、その不安は吹き飛んだ。「吹いてくれれば入賞はいける」(今林)と得意の強風の中、この日行われた2本のレースを堂々の6位、7位でフィニッシュし、入賞圏内の8位にすべり込み。「正直うれしい」(今林)と喜びをにじませた。合計スコア93ポイントを記録し、目標としていた100ポイント切りも達成。3年生にして入賞と、能力の高さを改めて証明した。「得意の吹きで全国レースを走れたことが収穫」(今林)。大きく自信を深めた次期エースは、より一層頼もしい存在となった。
ニュースター誕生の予感だ。朝稲源太(国際2=明大中野)が今大会に出場した2年生の中トップで大会を終えた。大学から競技を始める選手も多く、学年ごとの成績が重要視されるボードセイリング。今回の走りは、飛躍の可能性を大きく感じさせるものだった。「同期でピンを目標にいろんな大会に出てきた。それがインカレで達成できてうれしい」(朝稲)。今大会で8位入賞を果たした今林は学年2位。順調に成長していけば、来年にはインカレ入賞も見えてくる。また、朝稲が得意とする中風は、明大の中で得意とする選手が少ない。そのため、団体戦での中風対策としての活躍にも期待がかかる。急成長を見せた2年生セイラーに、今後も目が離せない。
期待に応えられなかった。昨年7位入賞を果たし、今年は優勝も期待された工藤だったが、11位で大会を終えた。得意の強風でも順位を上げられず、最後まで実力を発揮することができなかった。明治で3人入賞、NT(ナショナルチーム)で表彰台独占という目標を掲げ挑んだ中での敗戦。「チームメートに申し訳ない」(工藤)と唇をかんだ。しかし、下は向いていない。「団体は最後だから、必ず勝つ」(工藤)。強い決意を胸に、団体での雪辱を誓った。
4年生が残す大会は3月の団体戦のみとなった。どの選手も「団体優勝が目標」と口を揃え、この1年間を過ごしてきた。この大会に懸ける想いは強い。「この大会は後輩が頑張った。今度は4年生がしっかりしたい」(服部尚平・政経4=明大中野)。今回結果を残せなかった4年生の奮起がカギとなるのは間違いない。「自分たちが勝つという強い気持ちで臨んだら、優勝できる」(井上拓・法4=明大明治)と自信はある。集大成、持てる力を出し切るだけだ。
[尾藤泰平]
試合後のコメント
工藤
「個人としては結構いろいろやったつもりではいたけど結果は入賞できなくて、自分より前走ってたやつらはそれ以上にやってたのかなっていうのとまだまだ自分に甘い部分があったのかなっていうのを感じてる。コーチにも言われたけど、いい勝ち方が一番にきてて、その次にいい負け方、悪い勝ち方悪い負け方って順番にきてその中でいい負け方をしたかなと思う。課題は見えたし、今日でいけて去年と同じ7位で、入賞することは大切だけど変に入賞するより3日間通して走りは良くなかったからここで一発入賞も逃してもう一回やり直そうかなと思う。悔しい。だいぶ。チームのキャプテンだけじゃなくてNTのキャプテンとしても臨んだ個選で、チームの目標は3人入賞で、それとは別に今年のナショナルチームの目標として表彰台を全部独占するっていうのが目標であって、1~4位と6位、俺を除いたメンツが全員入賞してくれてすごい頑張ってくれたのに自分は入賞できないっていうのはチームメイトにはすごい申し訳ない気持ちでいっぱい。1日目の入りが本当に良くなくて、優勝狙える風だったのに、優勝争いもできずに中途半端に走ったのか走ってないのかみたいな成績で中途半端に7位くらいで、この流れはやばいなと思って2日目いって、2日目も2本目ちょっと走り切れずに最後の最後に入賞争い食いつくようなところに入っちゃって今日もいたって無難、無難以下な成績でこういう無難な成績に終わっちゃった。スタートとタクティクスが課題だったけど今回は一番スタートが課題だった。スタートスタートって考え過ぎてた自分が良くなかった。スタートを意識しすぎてスタートを課題にしてしまった。飛び抜ける動作だけがダメでタイミングが合わなかった。そこだけが本当に良くなかった。そこを良くしろと言われて自分でと良くしようと思って考え過ぎてしまった。ここまでスタート出れないことはなかなかない。そんなプレッシャーを感じてた訳ではないけど、でもなんか体はすごいプレッシャーを感じてたのかなという感じ。そこまで気持ちが集中できてなかったのかなというか、集中してるつもりだったのか勝てると思って気を抜き過ぎてたのかまだちょっと負けたすぐ後だから明確ではないけど。もう一回勝つチャンスはある。個人戦を目指したことは正直一回もなくて、3年生で入賞したときもそこ前にキャプテンがちょっといなくなっちゃってもう自分しかない、やるしかないっていう状況で結果を強引にだしたっていうイメージ。今年に関してはナショナルチーム入ったから個人戦で結果を出さないと、それがナショナルチームの仕事でもあるしキャプテンでもあったしっていうところでその年度その年度の目標には多少はなってたかもしれないけど自分の競技人生の中でインカレの個人戦に対する比重っていうのは入賞してる子たちからしたら低かったのかっていうのがあってそれが結果にもつながったのかな。逆に自分は入部したときから団体戦勝ちたいっていうところだけずっとあって、それが去年いきなりキャプテンいなくなって、NTなったりとかして個人戦も、っていうどっちつかずな感じできちゃってた。自分が本当に目指してたのは団体戦で走ること、団体で日本一になってかつ個人でも表彰されることがやっぱり目標で、改めてそこが明確になった。団体は本当に最後だから。こんな成績で勝ちますとか言えないけど必ず勝つのでよろしくお願いします。大亮が今年3年生で入賞して、でもそれも走らせられるかはチームとしての技量というか。あいつを自由にやらせてやってあいつを生かす。生かすも殺すももはや俺次第と考えてる。大亮は終始速かった。吹くんだったら入賞すると思ってた。あれくらいの位置にはいれる。もっと行けたんじゃないかな。俺よりもっと取れてるところもあったんじゃないかなと思うけどそこはまだ3年生なのかな。艇速もあるし考え方もそこそこまとまってる。入賞して団体で走れなかった去年の俺みたいにならないためにも、ここで大亮にエース感を渡すのではなく俺がしっかり引っ張ってって、あいつをもう一回花開かせて、俺も選手として成長して個人戦ではもう一花咲かせて団体戦で満開で卒業っていうプランで!」
井上
「完全にインカレに合わせられなかったという自分が不甲斐ない。ピークをインカレに持ってこれなかった。それも含めて自分の実力だと思う。大会が始まる前から負けていた。コンディション合わせも含めての勝負。めちゃくちゃ悔しいけどしょうがない。自分なりのベストを尽くしてこの結果だったので、こんなもんです。チームメートに関しては、主将の工藤はもっといって欲しかったけど、彼なりに頑張っていた。今林が結果を出したということは、チームにとっても彼にとってもプラスになるはず。体調も悪かったが、沖縄の海とはもともと相性があまり良くない。でも、この綺麗な海でもうセーリングができないかと思うとちょっと残念。ここまでやってきて、団体で結果を出せなかったらいつ出すんだというところまで追い込まれたが、そういうのに自分は強い方だと勝手に思っているので、団体優勝に貢献できるように、今度は調整をうまくやるようにして頑張りたい。自分たちが勝つという強い気持ちで臨んだら、優勝できると思う」
戸谷
「去年のインカレが終わってからこの大会を目標にやってきていた。途中就活とかもあって、この6月から復帰して努力してきたが走れなくて、すごく悔しかった。4年が出れる大会はあと団体だけなので、団体に出る5人になんとか入れるようにこれからも練習していきたい。自分としては、今回の風は去年までは得意だったのに最悪な結果を出してしまったのでつらい。逗子で練習してる時はもうちょっといけるかなと思ってたが、これがインカレかという感じだった。今日の最後のレースで、1上までは去年も見た景色だなと思って手応えが良かったが、結果としてはそれまでのレースと同じようになってしまった。チャンスを無駄にしてしまったかなという感じ。団体までは、艇速を上げて、中風では明治の中で頭一つ抜けた存在になれるように頑張っていきたい」
服部
「体調管理がしっかりできなくて、前日練習ができず、体のキレやコンディションが高まってなかった。去年のインカレは27位で、当時の4年生を抜くと上から10番目だったので、今年は入賞したいなと思っていた。明治3人入賞を目指してやっていたのに、初日に得意風域で走れず、いいポイントも叩き出せずに2日目まで過ぎてしまった。最終日の今日も吹いて、得意な風だったので8レース目はシングルが取れた。(8レース目は)6位に大亮(今林)、自分が8、工藤が13で、吹きで自分が走れば団体では勝てると思うので、団体に向けて頑張りたい。今日良かったのはスタート。トップの選手たちと並んで走っていけた。1上で4番とかを取れたので、それが大きかったと思う。周りの人はみんなNTとかだったので、その点は良かった。団体が最終目標なので、自分のウィンド人生でそこに絶頂を持っていければいいと思う。団体までは、体のケアをしっかりやって、日々の生活の中団体に向けてみんなで気持ちを共有できるようにしたい。この大会は後輩が頑張った。今度は4年生がしっかりしたい」
今林
「支部選も吹いて4位で奥間も3日間風ありそうな予報だったので自信はちょっとあったけど予想以上に走れた。1日目も今日と同じくらいの風でそこで今日と同じくらい走れて、昨日終わって11位で最後吹いてくれれば入賞はするかなと。得意の吹きで全国レース走れたっていうのが一番収穫。団体戦に向けては中風は課題。トップ5は難しいけどシングル後半とか10番代では技術で全然まとめられると思う。減量も考えつつ。吹きなら全国でも安定して一桁の順位で取る自信はついた。中風でもう少し落ちると思ったけど2つ10番台でまとめられたのが大きい。正直順調にきてる。夏休みずっといろんなところの遠征についていって全国各地を転々として1ヶ月くらい家に帰らなかった。吹きが速くなった一番の要因はそこでのナショナルチームの人たちとの練習もそうだけど工藤さんが全国でもトップクラスなので、今回は調子悪かったですけど工藤さんと冬からずっと練習してきたこと。工藤さんと一緒に吹きで近くを走れるのはうれしいしそれができるのもうれしい。今年の冬くらいから練習ではついていけるようになって夏すぎてからレースでもついていけるようになった。並んで走る練習とかで前はすぐ離されたけど方向転換するときもついていけるようになって、スピードをだすことについてはついていけるようになったと思って、レースだとスタートとか海面とかいろいろあるのでついていけなくて、でもそういうレース形式の練習をしていくうちについていけるようになったと思って大会何本かあって一緒に走れてついていけるようになったと夏すぎに思った。艇速がついていけるようになってからレースでついていけるようになるのがだいぶ長かった。半年くらいかかった。艇速が速くなったのは速い人と走ることと言われるので工藤さんを海に誘って練習したりしてたこととか。まずは付いていくところから初めて追い付き追い越せでやってきた。今回たまたま勝てたけどまだまだ差はある。工藤さんの存在は大きい。精神面でも。今日も入賞までは上げてくるだろうとか言われてる中で工藤さんと2人で話して、お前なら大丈夫、ついてこいみたいに言ってくれた。ナショナルチームの4年生も始まる寸前のスタートとかでも、まだ早い焦るなとか言ってくれてすごい助かった。1日目で結構走れちゃって余裕かなと思って2日目でやばいってなって大学入って初めて緊張して気合を入れ直した。そういうのを分かってくれて4年生とかも喝を入れてくれた。入賞は正直うれしい。支部選にもでなくていいし、今回の結果でナショナルチームの選考会のレースのポイントになるので有利になった。今年世界大会に出るチャンス、出場権はもらったけどナショナルチームに入って日の丸を背負って戦いたいという思いが自分の中ですごいあったので辞退した。明治が4、5年くらい続けて入賞してたのでその伝統を切らしたくないっていうのもあった。プレッシャーはあった。プレッシャーにはそんなに強くないけど意外と楽しかった。大学入ってこの部活入って良かった。普通のサークルとかではこんな緊張感とか味わえないけどそういうのをせっかく持てたからそれはそれで楽しい。プレッシャーあるなという状況も楽しかった。団体では自分的には打倒京大というつもりでずっと練習している。去年ほどの怖さはないけど上2人があんだけ走ると3人目が楽だから。工藤さん一人にプレッシャーかけると調子悪くしちゃうし引っ張っていくという気持ちは強い。本当に入賞できて良かった。明治で誰も入賞できなかったらどうしようとずっと考えていた。昨日終わった段階で正直工藤さん厳しいと思ってたので。今日も8レース目終わって入賞しようと思えば自分より下の人を抑えれば入賞できたけど普通に走った方が速いなーと思って普通に走った。インカレで意識してたのは工藤さんについていくことと9レースやって100ポイントを切ること。毎年100ポイントがインカレの入賞圏内なので。最後2つはシングルでいこうと。1本目終わって楽になった。(優勝した板庇は)だんち。やっぱりオリンピックセーラー。正直学年が違って良かった。僕に負けた同級生がまたいっぱい練習してくると思うので練習量だけは負けないようにしたい。団体で日本一になれば引退してもいいかなという感じ」
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