法大に勝利 リーグ5位で終える/関東学生秋季1部リーグ戦

2014.11.18
 千載一遇の好機を見事に生かした。前半20分、カウンターから今試合1本目のPCを獲得する。ここでシューターの位置についたのは若月。渾身のドラッグシュートはゴール右隅へ突き刺さる先制ゴールとなった。これまで公式戦の出場がなかったが、谷光未有(法1=天理)が代表合宿で不在のため回ってきたチャンスを生かした。この結果に宮田知監督は「期待通りの動きをしてくれた」と高評価。若月は「ディフェンス面だったり、攻めている時の押し上げだったり細かいところを鍛えていきたい」とさらなる飛躍を誓った。

 リーグ戦は不本意な結果に終わった。7月の全日本大学王座決定戦で3位と結果を残し臨んだが、開幕戦の東農大に惜敗すると、続く慶大にも敗北。早々に優勝の可能性が消滅した。5試合で13得点を挙げた一方で、失点は10。今戦も不用意に2失点を喫するなどディフェンス面に課題が残った。リーグ戦を振り返り安部主将(商4)は「勝ち切るべき試合を無駄な失点で多々落としたので、そこはもったいなかった」と淡々と話した。

 2週間後には全日本選手権が控える。グループリーグ初戦の相手は社会人ナンバーワンチームの名古屋フラーテル。決勝ゴールを挙げた安部主将は「モチベーションを上げて臨みたい」と意欲を見せた。「全日本は初戦に当たるのが日本トップチームなのでなんとか走り負けしないように」(小池文彦コーチ)。運動量で勝負する自分たちのホッケーを貫き、強敵に挑む。

[萬屋直]

試合後のコメント
宮田監督

「勝つには勝ったけど、もっと気持ち良く勝ちたかったの一言。5位になれば来年、山梨学大とプール戦でやれる。その枠に入りたいなと思っていたから、これはこれで良かったと思う。PCじゃなくてフィールドゴールでもっとチャンスがあった。少しパスするタイミングをずらしたりすれば、フリーで味方にパスできて決められるのに、精神的に弱さがあって、まだ図太さがなくて慌てて敵にぶつけたりしていた。そこをもっと飛躍的に成長させないと本当の強いチームにはなれないね。今日は若槻を代わりに出したが、彼もドラッグシュートはいいものを持っている。戻り足とか少し心配があったけど、期待通りの動きはしてくれたと思います。ただ、やっぱりもっとMFがボールに絡んで、縦じゃなくて横に出して、きっちり確実につないでいくうちのホッケーをやるよう指示したのにやってくれなかったから、今日は残念だったなと思いますね。全日本選手権は名古屋フラーテル、天理を乗り切れば波に乗っていける。絶対に不可能なタイトルじゃないからあくまで優勝目指していく。相手に合わせる事なく自分たちのプレーをすることがスポーツマンとして一番大事。中途半端な事をやって勝てるものじゃないから、もっと真面目に紳士にやれと言った。いつもオンとオフをはっきりさせろとはいつも言っているけど、今日はもっと暴れてほしかったかな。せっかく出場するチャンスをもらったから頂点目指していきたいね」

小池コーチ
「いまひとつだった。立ち上がりはまあ良かったんだけど攻撃面で安全にパスをつなぎすぎた。サークルインが少なかった。ただ谷光がいないところで代わりに入った若月がいいシュートを決めてくれた。それは収穫だった。今日は何が何でも勝っていい形で勝って全日本に行きたかった。勝ちはしたけど納得はいかない試合だった。安全に行き過ぎもうちょっと勝負しても良かった。そうすればファールももらえてもっと点が入った。パワープレーになったときも押し返されて1点取られて逆襲ムードになってしまった。それでも今回は3点目を取っておいたからなんとか勝てたけど、これで時間が残っていたら危ない展開になっていた。やっぱり3点目4点目を取り切る力が足りない。あとは代えの選手がちぐはぐしてしまった。誰が出ても同じようにできるようにしなければいけない。終わってから注意したのは攻守の切り替えの時の戻り足だったりあがるスピードだったりが遅すぎるのでそのへんを早くしていかないとなかなか社会人には勝てない。ただ体力や技術面に関しては個々が力を持っているので残り2週間切り替えてやればいい試合ができると思う。全日本は初戦に当たるのが日本トップチームなのでなんとか走り負けしないように、なんせ勝負しに行くのでそこから一つ一ついいゲームをして優勝目指していきたい。それには攻守の切り替えやスタートの速さだったり学生らしいプレーをしていけばなんとかなるんじゃないかと思う」

安部主将
「全体的に入りが悪かった印象がありますね。アップの時から感じていたのですが、いつもより皆静かで、相手を下に見ているような雰囲気があったと思います。モチベーションをどうやってあげていくか、相手に合わせずに明治のホッケーが出来るかが大きな課題だと思います。全日本選手権に気持ちが向いてしまってみんなそうだったと思います。ただ、公式戦なのでそこはしっかりやりきらないといけないところだと思います。気持ちの面で強くなっていかないと全日でも同じようになってしまうので、ここからまた2週間意識を高く持ってモチベーションを上げて臨みたいです。王座もインカレもSOで勝ち上がったので試合で勝ち切るということはできていませんでした。少しはリーグ戦から改善した部分はあるとは思うんですけど、とにかく勝ち切ることが大事だと思います。今日のゴールは思い切って打つだけでした。コースを狙って打ちました」

岡崎慶二(理工4=石動)
「立ち上がりがすごく悪かったが、前半は得点も決め点も与えずしっかり守れていたので悪いなりに良かったと思う。後半は失点してからの流れが悪くなり、その悪い雰囲気をぬぐえないままズルズル終わってしまった。勝ったが気持ちよくはなかった。若月は谷光より劣っている部分はあるが点も決めたので大きな役割を果たしてくれた。若月は状況判断がまだまだ課題だと思う。今日は声が出ていなかったので残り2週間で守備の連携をもっとしっかりしていきたい。全日本はもちろん1番を狙っていく。あと2週間で今日下がってしまったモチベーションを上げてみんなで日本一になれるように頑張っていきたい」

柏木圭介(法4=今市)
「4年最後のリーグ戦だったが決して良い試合ではなかった。試合の入りから悪く全体的に声も出ていなかったし盛り上げている感じがあまりなかった。インカレでは右からのショートパスのつなぎが良かったので練習からどんどん取り入れてその成果が出ていたのは良かった。左サイドはディフェンスから長いボールが多くなってしまって自分たちミットが受けられずカウンターで失点につながる場面が多かったのでそこは気をつけていきたい。今日はMFが全体的にあまり仕事ができていなかった。個人ではうまくできていたが連携が組めていなかった。MFはもっとゲームを指揮することとディフェンスからボールを受けて前を向く姿勢を残り2週間でやっていきたい。全日本選手権では1勝でも多く勝てるように。やるからには上を目指す」

若槻
「初めてのスタメンだったので緊張している面もあったのですが、いつも通りやれば大丈夫だと監督にも先輩にも言われていたので、そのことだけを心がけてプレーしていました。ゴール決めたことは結構練習試合とかでも決めていたので、いつも通りやれば入ると思っていました。初スタメンでしたがいつも通りできたかなと。いつも谷光が打っていましたが自分も結構決めているのでドラッグシュートには自信があります。ずっとベンチには入っていたのですがなかなかベンチに入る機会がなかったのですが、今回谷光が代表合宿に行くということでたまたま機会が回ってきました。そのチャンスを生かすことができたのでこれからももっとどんどんアピールしていきたいと思います。チャンスには強いということは今回分かったのでそれ以外のディフェンス面だったり攻めている時の押し上げだったり細かいところを鍛えていきたいと思います。全日本選手権ではまだ入れるかは分からないのですが、もしメンバーに入ったら自分のプレーができるように心がけて行きたいと思います」