女子エペ団体は1回戦敗退に終わる/全日本学生選手権

2014.11.16
女子エペ団体は1回戦敗退に終わる/全日本学生選手権

 女子エペ団体は立命大に敗れ1回戦敗退に終わった。男子フルーレ団体、女子フルーレ団体の準決勝以降と男子サーブル団体、女子エペ団体が行われたインカレ4日目。古俣潮里(政経1=新潟)が1本勝負を落とし、40―41で惜敗。好成績を期待された女子エペ団体だったが初戦で姿を消した。また男子サーブル団体は、その後優勝した法大に敗れベスト8に終わった。

[女子エペ団体]
 「勝利の女神が最後の最後でこちらに微笑んでくれなかった」(長尾康司助監督)。1回戦の立命大戦。終盤に追いつくも、最後は1本勝負を落とし40―41で敗戦を喫した。
 26―26で回ってきた最終の9人目はエース・古俣。一時は32―36と4点差を付けられるも「ごりごり攻めていく感じに切り替えた」(古俣)と、土壇場で追いつき40―40。この時点で残り時間は10秒。もう一度攻めることもできたが、古俣はゲームを切ることを選択。勝敗は1本勝負に委ねられた。最後も前に出たが、足を突かれてゲームセット。古俣は試合後、攻めたことについて「後悔はしていない」としながらも「切ること(1本勝負)を選択したならば、もう少し慎重になるべきだった」と悔やんだ。それでも「それぞれが精一杯パフォーマンスした」と長尾助監督。4日間、2種目を3人で戦い抜いた。

確かな成長を見せた奥村
 奥村美咲(理工2=北陸)が確かな成長の跡を見せた。試合開始直後、古田(立命大)にいきなり2連続失点。流れは立命大に傾くかと思われたが、そこから立て直した。結局5―4とリードを奪い、続く古俣へ。昨年度の全日本選手権で3位に入った実力者を相手に、プラスで終えることができたことは成長の証だ。「5本勝負の中でも修正できる。冷静な判断ができていて、考えた通りの試合運びができるところまで成長した」と長尾助監督も満足げ。奥村自身も「自分の役割は果たせた」と振り返った。
 自らのフェンシングのスタイルを確立した。結果を出せなかった昨年度からの変化について、課題であったスピード面を「タイミングによって補うことができるようになった」と奥村。それでも満足はしていない。課題は攻撃力だ。「今は時間を掛けて、長い間にらみ合いをしてやっと1点。短い時間で撃つタイミングをつくる練習をしていきたい」とさらなる高みを目指す。黄金時代の到来を予感させる女子エペ。長尾助監督も「団体戦でもポイントゲッターになれる」と期待を掛ける。上級生となる奥村がチームをプレーで引っ張ることができれば、女子エペ団体でのインカレベスト4も夢ではない。目標を聞かれた奥村と長尾助監督がそろって口にしたのは、個人インカレでのベスト8。明大女子エペの旗手となるべく、まずは個人インカレでの8強入りを目指す。

[男子サーブル団体]
 順当に勝利を挙げた。1回戦の同志社戦は「各人の最後の一回りが勝負と言ってあったが、突き離せたので良かった」と長尾助監督。最後回りでそれぞれが役割を果たした。島田義人(営2=鳥羽)が5―2、杉田賢人(営3=埼玉栄)は5―2、守屋主将も着実に5点挙げ、トータルスコアは45―36。追いすがる同志社を振り切った。
 2回戦では実力の差を見せつけられた。その後優勝した法大に完敗しベスト8。「相手が強かった」(守屋主将)と序盤から圧倒され、終わってみれば17―45と大差がついた。王者との差は「スピードとスタミナ。それに尽きる」(長尾助監督)。今回男子サーブル個人で優勝を果たした吉田(法大)と同じく準優勝の丹代(法大)を筆頭に、実績を持つ選手がずらりと並ぶ法大。しかし、ともに関東の1部に所属する法大との対戦は来年度以降も避けられない。その相手にどう戦っていくかが今後の課題になるだろう。実力者がひしめき合い学内での練習相手にも事欠かない法大と、部員数自体も少ない明大。長尾助監督は「質と量でカバーするしかない」と決意を語った。今後のさらなる奮起に期待が懸かる。

[柴田遼太郎]

試合後のコメント
長尾助監督

「(男子サーブル)について2回戦で当たった法政大学実質、第一シード。でももう少し点数は取りたかった。少し残念。同志社は関西の優勝チームではないが上位校。点数の拮抗はあるかなと思ったが、最後に突き離して勝てた。順当。1回戦の相手と2回戦の相手で力の差があり過ぎた。明治も法政も1部だから克服していきたい。2回戦ではあまりいいところは無かったが1回戦ではあった。各人の最後の1回りが勝負と言ってあったが、突き離せたので良かった。法政の選手は高校時代のキャリアも持っていて、今もチャンピオンを争っているチームですから学内に練習相手がたくさんいる。そういう環境にない明治は練習の質と量でカバーするしかない。技術的なことについてはスピードとスタミナ。それに尽きる。(女子エペについて)古俣は下級生としての仕事をしつつ試合に出て、エースの役割を期待されるのは大変だろうなと思う。その古俣を含めた、3人しかいない中で2種目をやっていかなければならないことを考えるとそれぞれが精一杯パフォーマンスしたかなと。勝利の女神が最後の最後でこちらに微笑んでくれなかった。奥村の成長が著しい。来年のエペは新人も入ってくる予定なので期待したい。奥村は高校時代のキャリアが無い。入った時には体力も無かったと聞いている。練習に付いてくるのが精一杯だった。その彼女が試合を読めるようになったし、相手に合わせられるようになったし、修正ができるようになった。今日の1回戦も最初2本取られて0―5になってしまうかなと思ったが、そのあとに地道に1本取って最終的には5―4にできた。5本勝負の中でも修正できる。冷静な判断ができていて、考えた通りの試合運びができるところまで成長した。インカレでベスト8に入ってほしい。そうすれば団体戦でもポイントゲッターになれる。明治の女子がインカレベスト4になることを期待できる」

守屋主将
「今日の結果は良くはない。ただ相手が強かったので、仕方ないかなというのはある。やはり絶対王者という印象はあった。最後は自分がもやっとしないようにいう思いでピストに立った。最後やれることはやった。1回戦はありのままにやろうと思っていた。一人調子が悪かったが、あとの2人で盛り返せたので良かったかなと。順当に勝てた。インカレを振り返ると、初めて怖いインカレを味わったと思う。4年生ということもあり、全体的にプレッシャーを感じる試合が多かった。」

奥村
「相手の弱点を自分たちで見つけて、次の人に伝えることができなかったことが敗因。力の差はそこまでなかったと思う。勝てなかった試合ではない。自分の役割は果たせたと思うが、もう少しポイントを取る技術があれば、古俣が楽に試合ができた。個人戦の結果など結果をを見れば成長していると思う。でもまだまだ、負けている時に勝てるようになるための力は持っていない。エペのスタイルを確立することができた。運動神経も元のフェンシングの能力も高くないので、ステップを踏むことによって人並みに反応できるようになった。スピードは遅いが、それをタイミングによって補うことができるようになった。足りないのは攻撃力。自分が前に行かなければいけない時に、前に出て取ることができない。できるようになれば、もっと上に行くことができるようになる。そのためにはスピード。あとは短い時間で撃つタイミングをつくる練習をしていきたい。今は時間を掛けて、長い間にらみ合いをしてやっと1点。にらみ合いの時間を短縮できれば、もっと自分から点数を取っていける。今回のインカレでは、個人戦でも団体戦でも目指していた結果には届かなかった。来年は自分が引っ張っていかなければならない立場になる。力を付けて、精神面も鍛えて自分がチームを引っ張って行けるようになりたい。今はまだゴールは見えないが、個人戦ではベスト8に入れるように入れるような実力を付けたい」

古俣
「やはり個人としては、最初の奥村先輩の試合で5-4で回してもらったのに、パッセという自分のミスでマイナス5して流れを悪くしてしまい申し訳ない。立ち上がりで緊張していて体から入ってしまった。もう少し時間を使って確実にいくべきだった。攻めても入らなくて負けるというのを繰り返してしまった。2試合目は狙い目だった。うまいこと取れたと思うが威張れることではない。試合自体は良かったが、取り返した気分にはなれない。最後の試合はトントンで回してもらったのに、上限も高くて戦いやすかったが結局負けてしまった。(一時は32―36まで差が開いたが追い付いたことについて)ビハインドにしてしまったのは自分。ビハインドにしてしまったのは、中途半端に攻めてしまった。そこからごりごり攻めていく感じに切り替えた。いい形のアタックではなかったと思うが追い付けて良かった。一番最後もそれでいこうと思ったが、足を突かれてしまった。攻めたことについては後悔はしていない。ただ同点に追いついた時に10秒ちょっとあった。その流れのまま攻めても良かったが、切り替えることした。結果だけ見れば攻めても良かったかなと思う。切ることを選択したならば、もう少し慎重になるべきだった」