坂野 ベスト8入りを逃す 男子エペ個人/全日本学生選手権
[男子エペ個人]
坂野が惜しくもベスト8入りを逃した。水口(中大)との3回戦は、双方とも手が長く、相手の届かないところで残し(待ち伏せ)て突くことを主軸とする遠距離型同士の対戦となった。「各スペックが自分より上」とやりにくさを感じていたが、試合を優位に進めたのは坂野だった。試合後に「すごい自信になった」と振り返ったように、関カレ前から重ねてきた瞬発力のトレーニング成果を発揮。フレッシュ(剣を突き出して突進する動作)が決まる場面などもあり10―9で終盤へ。
リードしていたこともありクードゥブル(同時突き)を狙って仕掛けるも裏目に出た。アタックを見切られ失点。直後にタイミングを変えて再び前へ出るも、またも対応され「頭が止まってしまった」と坂野。流れは一気に水口(中大)に傾いた。結局6連続ポイントを許し10―15でゲームセット。「もし突けていれば自分のリズムで行けたはず」(坂野)と悔しがったが、11位という結果を悲観してはいない。根本(拓大)との対戦となった2回戦では「情報が無い相手だったが、それでも落ち着いてできた」(坂野)と15―8の完勝。「1部で戦う明大のエースならば、ここまでは勝ち進んでほしかった」と長尾康司助監督も及第点を与えた。
次に標準に定めるのは男子エペ団体戦だ。目標は男子エペ個人と同じく、全日本選手権の出場権獲得。個人的なポイントに挙げたのは、1回戦で当たる立命大の野村との対戦。フルーレを本種目としていた高校時代、エペでは勝てなかった相手だ。「自分がエペに転向して、真剣にやっている今どうなるか」(坂野)。同郷対決に闘志を燃やしていた。
[男子フルーレ団体]
28―45で同志社に惨敗した。9戦を通していいところなく敗戦し「情けない。心身ともに鍛え直さないといけない」と長尾助監督。最上級生の荒井諒平(理工4=埼玉栄)も「自分が1、2年生をまとめられなかった。後輩たちの力を引き出せなかったという点において、4年生としてもっとしっかりしないといけない」と責任を一人で背負い込んだ。
[女子フルーレ団体]
力の差を痛感させられた。序盤は食い下がったが、山岡が一挙に8ポイントを奪われ流れが決まってしまった。柳岡(法大)ら実力者をそろえる法大に19―45で敗れ1回戦敗退。井原健三監督も「女子フルーレは相手が法政だったから勝ち目は無い」と完敗を認めた。
試合後のコメント
井原監督
「女子フルーレは相手が法政だったから勝ち目は無い。オールジャパンも。だからメンタル的には負けないでやれと言っていた。山岡が8本取られた。あそこで流れが決まってしまった。それが敗因。もう少し時間を使う方法が無かったことはないけれど、それも甘いだろう。女子フルーレは1試合だけだが、奥村美咲が頑張った。うちの女子のレベルから言ったらあんなもん。坂野はもうあと一ついかないと駄目。そこをいけなかったのは、自分の理論とか自分の型にこだわっているところがある。もう少し対応しないと厳しい。あと試合の組み立て方も。そうでないといいところまではいくけれどベスト8には入れない。来年のインカレまでの課題ではないか。技術面、スタミナ面はよく練習しているから整っているからやはりそこだろう。背の高い相手には背の高い相手に合わせた戦い方。スピードがある相手にはスピードのある相手に合わせた戦い方がある。自分のフェンシングをやらなければならない。ということは自分の間合いを取らなければならない」
長尾助監督
「情けない。こんな恥ずかしい試合をやっていては駄目。心身ともに鍛え直さないといけない。人数的な問題もあり、今日の同志社戦に備えた練習は十分ではなかった。それを割り引いてもだらしない。明治の選手が5本以上取ったのは最後の荒井だけ。点差も開いた最後回りだと、相手も集中力を欠いていた。その相手に8本取ったからといって参考にならない。坂野は、この辺まで来てほしいなというところまではきた。全日本選手権にも出られる。1部で戦う明大のエースならば、ここまでは勝ち進んでほしかった。コントロールシックスという技を3本決めていた。タイミングも相手の剣を巻き込むスピードも良かった。アームワークとかフットワークとかいろいろな面で練習してきたのだろうなと思った」
荒井
「悔しい。絶対に勝てる相手ではなかったが、自分たちの力を100パーセント出せれば勝てる相手だった。自分が1、2年生をまとめられなかった。後輩たちの力を引き出せなかったという点において、4年生としてもっとしっかりしないといけない。今日、良かったところはない」
坂野
「とりあえず今回目標に定めていた全日本出場はクリアしているので、目も当てられない結果というわけではないと思う。自分が思っていたよりも動けていた。自分はもともと足が速い選手ではないが、関カレ前からずっとトレーニングして瞬発力を付けようと思っていた。フレッシュで点が取れた。すごい自信になった。最後の試合も格上ではあったが惜しかった。そこで勝ってベスト8に入れなかったのはもったいなかった。水口とはあまりやりたくなかった。手が長くて、フレンチという持ち手のケツの方を持って少しでも長く持つ。相手の突けないところから手を伸ばして残して突く。そして近くなった相手にフレッシュを入れる遠距離型の戦い方。身長も大きく、スピードもある。自分とタイプが似ていて、各スペックが自分より上。やりにくい相手。思っていたよりは勝負になった。練習の成果かなと。途中まで勝っていたので、同時突きが決まれば15本までの差が縮まる。そこで思い切って撃ってみたが、見てしゃがまれてしまい、すかっと抜けてしまった。まぐれだと思い、タイミングを変えてもう一度行ったがまた見られた。見られていると思い、頭が止まってしまった。作戦が無いと思った時にぱんぱんぱんとやられた。あれがもし突けていれば自分のリズムで休憩後も行けたはず。2回戦は少し緊張していた。同期の珠子とかが上から見て客観的に指摘してくれていた。情報が無い相手だったが、それでも落ち着いてできた。久しぶりに楽な試合展開だった。団体戦の目標は全日本出場すること。一つ、立命館大学の3年に野村という選手がいる。自分と同郷で大阪出身。高校3年間、フルーレでは勝てていたが、エペではずっと負けていた。自分がエペに転向して、真剣にやっている今どうなるか。個人的な意気込みとしては野村には勝ちたい」
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