(4)4年生座談会

 重い重い鉄の塊を身一つで持ち上げる。戦う相手は周囲にいる敵ではなく、ただここに存在する自分自身。自らの限界を打ち破るため、近くには仲間がいる。お互いを高め合い、新たな記録を打ち立てる。それが明大ウエイトリフティング部だ。

 11月28日から始まる全日本大学対抗選手権(インカレ)に先駆け、明大ウエイトリフティング部の魅力をお伝えします! 同期同士だからこその素顔が垣間見える学年ごとの座談会、今までの戦いを振り返る写真館、そして今年度新たに入部した3人の女子マネジャーへの密着取材と盛りだくさんの内容でお届けします。どうぞお楽しみに!

 第4回は今年度、部を率いてきた4年生の座談会です。

――今年1年間はどのようにやっていこうと思いましたか。
   俺が代表して言っていいの?
周り  いいよ、どうぞ。
   2年前から大きく改革していこうという話で、ミーティングを増やしたりする風潮になってきた。自分らもミーティングは大事だということで、試合が終わったら忘れちゃうから、なるべく早くすぐに、みんなが自分の試合を鮮明に覚えているうちにミーティングをしようと。それが去年とは違うところ。練習メニューを固定したりもした。自分らが1年のときから今まではフリーやったんだけど。1個上の先輩が1年生だったときはメニューを組んでたからかれこれ3年ぶりくらい。4年生で話し合ってメニューを作って、それをやる。それが大きく新しく始めたこと。

――成果はありましたか。
   結構いい感じだったんじゃないかな。調子も良かったし。みんな自分のやりやすい方法をと思って後期はまたフリーに戻して個人の目標に向かってやってもらおうと。

――お互いの今の印象はいかがですか。
足立
  畠山はおおらか。面倒見の良い先輩だなと。片山は最近絡み薄い(笑)
周り  (笑)
足立  片山は今同じプラットで練習してるんですけど、ケガなくコンスタントに練習している。自分はケガであまり練習場に降りなくて上にいることが多いから、そういう意味ですごい。光は土壇場に記録をすごい伸ばす。2年の時は同じくらいの記録だったんですけど、インカレメンバーに選ばれたりして、最後やってくれるんじゃないかなと。目に見えない努力がすごい。不屈の精神だな。
佐藤光 ふふ(笑)
足立  原は主将ということで、競技面もすごいんですけど、一番はやっぱり嫌われ役を買って出てる。難しい、やりたくないことを進んでやってくれる。
畠山  原やん(原)は練習面で尊敬できる同期だと思ってるし、一緒に練習していていろんなことを教わるし、セコンドについてもらって、いつもお世話になっている。同期になって良かった。光は練習は原やんに次いで多い。自分の倍くらいやってる。片山は1年から政経で一緒で、ほぼ同じ授業取ってほぼ一緒に飯食って。
足立  できてるな。
周り  (笑)
畠山  そういうわけじゃないです(笑) 一番仲いいんじゃないですか。
片山  これくそ恥ずかしいな。
畠山  足立は同じ部屋で2年目で。…仲悪いです。(笑)
片山  つくるなよ!(笑)
足立  全然そんなことないです。(笑)
片山  あだっち(足立)は後輩の話を聞いたりしていたりして、面倒見がいいなと。畠山はまあ一緒にいることが多いので、仲がいい。光は、光は、…光は(笑)
周り  (笑)
片山  光は、練習場で見た感じは誰よりも頑張っている。原やんは一番頼りになる主将だと思う。なんでも相談するし、頼りがいがある。
佐藤光 足立は人柄が濃いんで、自分の意見とかちゃんと持ってる。説得力とかあるし、後輩とかの印象がいいと思うんで、そういう感じ。畠山は同じ東北なんで、できるだけ仲良くはしてるんですけど、意見とか食い違ったりはするんですけど、何とか仲良くしてます(笑)明治の中で重量級で一番活躍できるのは畠山なので、インカレ期待してます。片山はイベントごとを企画してこれしようぜーとかみんなを集めて、みんなでわいわいさせてくれて、それで仲良くなって輪ができるっていうんですか?そういう力を持ってます。
片山  やめろ恥ずかしいだろ。むずむずする。
周り  (笑)
佐藤光 原はなんすかね、ウエイト面では自分に持ってないものを持っている。今同じ部屋なんで一番関わりがあるというか話とかもしてる。ウエイトの意見も合ったりするんで、なんだかんだ今の段階では一番仲いいかな。
   光はね、マイペースと頑張り屋さん。
佐藤光 確かに。
   マイペースなんだけど、ほんまに頑張り屋さん。片山はね、本当に嫌われ役を買って出てる。一番の嫌われ役だと思う。新人教育長やし。役職半分、片山自身半分って感じで。畠山は、光とはまた違うけどマイペースやし、そのうえやるときはやる男。足立はね、一番多分後輩に慕われてる。そんな感じで。

――初対面の時のことなどを教えてください。
   入試の時やな。集まって、トランプあったから
片山  トランプで大富豪やろうってことになって。まず大富豪のルール知らないやつとかいて(笑)
畠山  それ俺、それ俺だ。(笑)
足立  ルールが県によって違ったりして。ローカルルール。
   トランプをやって、いろんなところから来てる人がいるから地方色っていうの?そういうのが面白かった。

――4年間でどんな点で成長したと思いますか。
足立
  競技面では高校の時と違って、練習メニューとかはいろんな先輩に聞いたり、パソコンとかで調べたりして自分でやるようになったところは成長したんじゃないかと。生活面は高校の時に比べると協調性はついたんじゃないかなと。元々すごい自己中な人間だったので、思ったことがあれば言ったりしてた。あと人の意見とかも聞かなかったけど、聞いてから行動したりするようになった。
畠山  練習面だと、大学は練習メニューが無くて、自分で組むという能力はちょっとはついたかな。生活面は自炊力。食事当番を1年間やって、週3、4回くらいやっていて食事とかは作れるようになったかな。
足立  フライパンいっぱいのでっかいハンバーグつくって遊んでたな(笑)
片山  やっぱり練習メニューが無いんで自分で考えるっていうことは多くなりましたね。生活面は成長したっていうか、…自分料理が作れなかったんですよ、今もあまり作れないんですけど、それが作ってるうちに、料理ができるようになりました。
佐藤光 高校の時は親に頼ったりとかしていたけど、大学生になってひとりでいろいろやっていかないといけない。もし卒業して一人暮らしってなった時でもそれができる能力はついたと思う。ウエイトだったら、高校ではメニューが決まってたんですけど、一応考える練習はさせられてた。でも結局はメニューが決まっていたんで、大学に来てメニューがほぼなくなって、3年生までは先輩もいて自分の練習をするというのは難しかったんですけど、4年になってのびのびと自分で好きな感じにできるので、緊張感が取れた。そのおかげか最近また記録が上がるようになってきた。それは大きいかなと思います。
   生活面は、そうやね、高校生の時から先生にこっぴどく私生活のこととか叱られたりして、寮に入って苦ではなかったけど、人間的にというのかな、一般常識とかスペックとかは一回り二回り増えたんじゃないかな。マナーとか社交性も身に付いた。競技面は、そうですねー、高校の時は毎日2部練でオフも1日しか無くて、高校の時のほうが練習もきつかったしいい指導者もいてメニューもあったから、最初はなかなかついていけずに、記録も伸びず、1年生の時の4年生に、明治に来なかった方が良かったんちゃう?とか明治は合ってなかったんちゃうかとか、ほかのところ行った方がよかったんじゃないかと言われたりもしたけど、最終的に国体やインカレも優勝できて、国際試合にも出られたし、そういう意味では明治だからこそここまで強くなれたのではないかなって。むしろほかの大学に行ってたらもしかしたらここまで強くなって無いんじゃないかな、明治だからここまで来られたってこの1、2年で思っている。

――インカレへ向けた練習はどのようなことをしていますか。
   全大学のメンバー交換が終わって、団体計算をして、一人一人の目標点数を出した。それがあるからメンバーは最低限取れるように頑張りましょうということを言った。俺は一回ひざをケガして記録も落ちちゃったけど、国体でもできて、悪くはない。いい傾向。有終の美を飾れるように、ケガしないようにやっている。
佐藤光 期限がもう1カ月しかないので、とりあえず今までの練習でも追い込んでたといえば追い込んでたけど、さらに重い重量を触れるようにしていて、重量に慣れていって自己新出してこうという方向に今変えている。段々効果も出てきて、どんどん軽くなってるから、試合では記録が出せるよう頑張ってやってるんですけど、これでケガしないようにしないといけないというのが難しくて、様子を見ながらやってます。
片山  自分は一応補欠なんですけど、記録的にも全然追い付けてないんで、この1か月間は種目をやって、可能性はあるからできる限りのことを最後までやろうと。
畠山  ケガしないように、高重量でセット組む。以上。
足立  自分らのプラットでやってるのは、インカレの出場選手はスタート重量を触るようにしていて、インカレ前の月曜にマックス挙げられるよう意識して、それに合わせて練習をしています。プラットは自分の3年の大皿と、2年の中田。重たいのを触るだけでも盛り上がるので、そういう部分でメンバーを送ろうかなとやっています。

――最後のインカレはどのような気持ちで迎えようとしていますか。
足立
  これで最後の部生活になるから、自分は試合には出ないけど悔いは残さないように。終わりへのカウントダウンという感じはする。去年は成績は6位で、自分はサポートしかできないけど、
畠山  自分は105㎏級の中では多分優勝はほぼ95%くらい無理なので、とりあえず全力でやるだけです。
片山  全員に頑張ってもらいたいんですけど、特に4年生には頑張ってもらいたい。全力でサポートして、最高の試合ができるようにしたい。
足立  光に期待。ここで大覚醒もあるかもしれない。
佐藤光 最後の試合ってこともあるし、調子もだんだん上がってきているので、誰も予想しないような記録で終わらせようと考えでいる。叶うか分からないですけど、それを計画してます。
   去年超緊張したから、今年はあんまり緊張はしない。2年生にライバルというか勢いのある子がいるので、去年優勝したけども、もう一度チャレンジャーのつもりで、いつものように試合に臨んで、最後終わりたい。

――下級生へ期待していることはありますか。
佐藤光
 斎藤くんですかね。同じ階級なんで、69㎏の1年生で一番頑張ってるし記録も伸びてるんで、後々を期待してます。
足立  礼儀作法っていうのが年々雑になったりしてきているので、そういうところも見直して、人間的に成長していってほしいですね。
畠山  小川翔太か上野でしょ。上野は腰壊してて伸びてないけど、スクワットとかは自分と同じくらいか自分より強いんで、ケガさえ治れば伸びてくるかなっていうのと、翔太はなんやかんや伸びてる。あと1年あるんで69㎏級で記録伸ばして上位に入ってもらいたいかな。
片山  足立の意見と似てるんですけど、先輩たちが培ってきたものを、しっかり継承して、あんまり壊さないでつなげていってほしいなと。
   3年生にはまとめる難しさを分かってもらえたら。先輩たちもほんまきつかったんだなと分かってもらえればいい。下級生には、原ってすごかったんだなと思って、一人でも多くに目標にしてもらえればいい。一人でも多くタイトルを取ってほしいし、国際試合にも出てほしい。最終的に4年生になって、最後に明治に来て良かったと思ってもらえたらいいかな。

――ありがとうございました。

 一緒に生活をして4年目ということもあり、仲の良さや一体感が垣間見える場面もちらほら。時には冗談や鋭いツッコミも飛び交い、昔の思い出話に花が咲く場面なども見られる座談会となりました!

 次回は写真館で今年度の戦いを振り返ります。11月17日(月)アップ予定です。お楽しみに!