古俣が2回戦敗退 女子エペ個人/全日本学生選手権
[女子エペ個人]
リベンジとはならなかった。予選を11位で通過して迎えた決勝トーナメント1回戦の相手は関カレ3回戦で敗れた鈴木(日大)。「勝ちたいという気持ちが先に立って体がついてこなかった」(古俣)と序盤からリードを許す厳しい試合展開となった。自分の間合いになる前にアタックをしてしまい、相手に残し(待ち伏せ)で突かれる形に。一時は同点に持ち込んだが波に乗り切れず11―14と追い込まれた。「これだけは入れようとそこで集中して取っていくことができた」(古俣)と2連取で13―14まで詰めたが最後は相打ちとなり14―15で敗戦となった。3分間で10―13まで進む早い試合になり「もうちょっと時間使って一本一本取れていたら良かった」(古俣)。普段であれば試合後に反省する点だが、今回は試合中にその意識があっただけに焦りで立て直し切れなかったのが悔やまれた。
強みを出せなかった。「疲労が原因かもしれないけども集中力が時々試合の中で途切れてしまう」(井原健三監督)と15本全てを通しては自分のフェンシングができなかった。古俣は11日までフィンランドで行われていた女子ジュニア・フィンランド・ワールドカップに出場。わずか2日後には京都でのインカレに出場した形となり、強いがゆえの強行スケジュールで疲労が見受けられた。フィンランドでもあまり良い成績が残せず「関カレから負けるイメージがついてしまっている」(古俣)と良いイメージを持てない状態でもあった。「1年生だけども優勝を目指すように言った」(井原監督)と好成績が期待された逸材だったが、19位と苦いインカレデビューとなった。
次の目標は全日本個人選手権となる。日本代表としてすでに出場権を得ているだけに「この結果の変わりとなるように、もっと頑張らないといけない」(古俣)と日本代表のプライドを胸に社会人との対戦に臨む。
手応えも後悔も手にした。奥村は2回戦で関カレ4位の山田(日大)と対戦。「相手は格上なのでもっと挑戦して次につなげられるような試合をすればよかった」(奥村)と何もできずに敗れた試合を悔やんだ。それでもプール戦では古俣が敗戦となった鈴木に勝利。前に一本勝負で負けていたため勝つという気持ちが勝った。「自分のプレースタイルで取ることができた」(奥村)と手応えを得られた試合となった。「よく頑張った」と井原監督もほほを緩める結果で全日本個人選手権の出場権も獲得。「悔いの残らないように、今まで練習してきたすべての力を出し切りたい」(奥村)と今年度最後の個人戦に向けさらなる成長に期待が懸かる。
[男子サーブル個人]
ラストイヤーに懸ける守屋主将の思いを垣間見た。悲願の優勝を目指し臨んだ最後の個人インカレ。3回戦の相手は、先日行われた関カレで同種目を制した安藤(法大)。序盤は一進一退の展開だったが、勝負を一気に決められた。4―3と1点リードの状況から、一挙に9ポイントを連取され4―12。追い込まれたが、厳しい状況で底力を見せた。6―14という相手のマッチポイントから、今度は守屋主将が怒涛の4連続ポイント。「点差があって相手が楽にやっていたことと、こちらは開き直ってやっていたから」と守屋主将は不満顔も、迫力のあるアタックを披露し最後に4年生としての意地を見せた。また、同じく4年生である小谷(中大)との対戦となった1回戦では得点を奪う毎に咆哮。闘志を全面に押し出したプレーでサーブル陣を引っ張った。
残すは団体戦のみとなった守屋主将。試合後には「明治の名を売れるような試合をしたい。一人でも勝っていくような勢いでプレーしていく」と気持ちを切り替えていた。
[男子エペ個人]
坂野守洸(法3=清風)が予選を11位で通過した。坂野と荒井諒平(理工4=埼玉栄)が参戦した男子エペ個人はプール戦のみが行われ、4勝を挙げた坂野が危なげなくトーナメント進出を決めた。一方、荒井は1勝4敗でプール戦敗退。勝ち進んだ坂野は、3日目にトーナメント2回戦から登場。松崎(京工大)と根本(拓大)の勝者と対戦する。
[谷澤優佳・柴田遼太郎]
試合後のコメント
井原健三監督
「(男子サーブルを振り返って)他の選手と比べてちょっと練習量が足りない。そこが少し残念。スタミナが足りない。守屋はもう一つ上にいってもらいたかった。島田、杉田の2人は出場しているすべての選手のレベルから見ていくと今の実力ではあのぐらい。(女子エペを振り返って)奥村はよく頑張った。2年生で身長も小さいし。相手がナショナルチームで当たりが悪かったと言えばそれまで。優勝ということを考えるとそこを勝たないといけないけれども、あそこまではよく頑張った。ちょっと向こうの方が技術にしても15本の勝負の展開の仕方にしてもまだまだレベルが上だ。古俣については少し疲労が出た。フィンランドから帰ってきてそれでこの試合だから、可哀想だ。かなり疲労が溜まっている。この間の関カレも頑張ってやってくれたし、それが終わってすぐフィンランド合宿行ってこてんぱんにやられてガックリして飛行機で帰ってきて、すぐ暇もなく羽田から京都に飛んできてそれで試合というのではまるでプロの芸能人みたいな飛び方。可哀想だけども部員がいないのだから仕方ない。疲れなんて言ってはいけないけれどもベストコンディションには程遠かった。それでも13―14まで追い上げたからやはりただ者ではない。最後のダブルは可哀想だった。あれが取れていれば気分が変わったと思う。あれがダブルになってしまったというのは疲労。今日の試合全体では自分のフェンシングを15本全体ではできなかった。自分のフェンシングを15本貫けばいいんだけども、5本までは貫くけれど6、7本目に自分らしくないフェンシングというか。それでまた気が付いて8、9本目から自分のフェンシングをするといったような、集中力がちょっと切れる時があった。息が抜けちゃうという、自分のフェンシングができないというのが見受けられた。彼女が良い時っていうのは15本ぶっ続けで自分の集中力が一本一本取るたびに入っていくというのがあるけれど、それが今回は見てていつもらしくないなと。いつもだったらここでまた一からまた一からというくらいの集中力を持って自分のフェンシングをする。それが15本続かないでその間にちょっと向こうが波に乗れば取られちゃう。リードしたのに追いつかれちゃう、リードされて追いついていくという展開に変わっていく。疲労が原因かもしれないけども集中力が時々試合の中で途切れてしまう。これが引っかかっている。古俣は少なくとも優勝してくれると、1年生だけども優勝を目指すように言った。できる子だから。負けた鈴木穂波だけども試合前に苦手意識を顔に出してた。過去においても大事なときに、関東学生の時にもやられてるから。そういう意味ではちょっと苦手意識、相性が悪いという意識があったのではないか。そういうのがあるとスポーツは駄目。関カレの時と今日のお前は違うんだと言ったけれど駄目だった」
守屋主将
「今日は優勝したいと思っていた。途中緊張して、今までにないくらい鼓動が上がった。最後というのは思った以上に重いのだなと感じていた。予選の2勝3敗というのが決定的だった。不安だった。優勝すると言ってはいたが、緊張からか足が動かせなかった。気持ちの面。1回戦の相手は、相手も4年生だったので最後は真剣にぶつかりたいなという思いだけ。最後は同点になってはまずいと思っていた。小谷は毎年当たっている。毎年当たっているからこそ自分の癖もばれているのでは、と考え過ぎるのは駄目だと思っていた。考え過ぎないように、初めてやるぞという気持ちでやった。負けてしまった3回戦で最後にポイントを取れたのは、点差があって相手が楽にやっていたことと、こちらは開き直ってやっていたから。その2つが合致したからではないか。4年生の意地を見せたい、見せたいという気持ちはあったが、空回りしてしまっていた部分もあった。団体戦では明治の名を売れるような試合をしたい。一人でも勝っていくような勢いでプレーしていく」
奥村
「2回戦はもっと挑戦すればよかったなと後悔している。相手は格上なので、もし同じ負けるにしても今回自分がやった試合は何もしていないので課題を見つけることがなかなかできない試合だったので、もっと挑戦して次につなげられるような試合をすればよかったと思っている。全部引いてしまった。完ぺきに相手に動かされてしまった。自分の狙った技で一本も取れなかったので。リポスト取れても、自分から取れたリポストじゃなかった。すべてのポイントが相手のミスによって取れたポイントなので、自分からフェイントをかけてアタックとかリポストで取りたかった。(プール戦は)最初の方は結構よかったけれど関カレの前にあった試合の同じプールで鈴木穂波さん(日大)と当たって、その時に一本勝負で負けてしまった。今回またプールで当たって、今回は絶対勝つという気合で勝つことができてすごいうれしかった。自分のしたい自分のプレースタイルで取ることができた。たまたまのポイントがなかったのでよかった。(全日本個人)もし出れるとなったら、さらに強い人たちがたくさん集まっているのでさらに厳しいですけど、予選は上がりたい。2年生で本当に最後の個人戦になるので悔いの残らないように、今まで練習してきたすべての力を出し切って、負けるなら負ける、勝つなら勝っていきたい」
古俣
「駄目だった。勝ちたいという気持ちが先に立って体がついてこなかった。最後の試合ももうちょっと時間使って一本一本取れていたら良かった。それも珍しく試合中にも分かっていたけれど、やろうやろうと思っても得点取られてしまっている焦りが出てしまってなかなか一本にじっくり使えなかった。チャンスを見ることができない精神状態になっていたのが反省点。(最後に粘りを見せたが)あれはやることを指示されてこれだけは入れようとそこで集中して取っていくことができた。でも相打ちで終わってしまったようにドゥーブルってものがあるから、そこにいく前にそういった精神状態になれたら良かった。これ以上取られたら負けるという時になって初めて取られないようにしよう、取られないようにどうしたらいいと集中することができたけど、もう少し早くできたら良かった。後悔しかない。技術的に言ったら間合いの取り方が甘かった。相手が私がやってきたアタックに対して剣を出してそのまま突くというのがうまい選手だった。それ以外もすごくできる選手だからその対策だけしていれば勝てるわけではないけど、それがうまい選手だったのでちょっと遠い間合いからアタックするとか間合いが遠すぎて自分のアタックが入らないうちにその残しに取られちゃう。間合いを自分のアタックが届くところまで近づけるということをちゃんとやりたかった。集中してなかったわけではないと思いたいけど慎重さが足りなかった。いろいろ余裕がなかった。(海外遠征について)11日までフィンランドに行っていて、11日に飛行機乗ってからすぐ京都来てという感じだった。フィンランドでもあまり成績が良くなくて個人一回戦負けで団体でもあまり活躍できなかった。それの負けのイメージを引きずったまま来てしまったのかなというのがあって、切り替えがあまりできなかった。(全日本個人選手権に向けて)関カレから負けるイメージがついてしまったから全日本までには払拭したい。できれば試合の中で払拭したい。FJE推薦で決まっているけれどそれにしてもこの結果はひどいので、ベスト8にはいきたい。この結果の変わりとなるように、もっと頑張らないといけない」
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