流れをつくれず完敗 3位に終わる/全早慶明定期戦

2014.11.11
流れをつくれず完敗 3位に終わる/全早慶明定期戦
 11月9日に慶大日吉記念館で67回目となる早慶明定期戦が行われた。OBも出場し行われるこの大会。慶大、早大ともにストレートで敗れ、3年連続3位という結果に終わった。

 最後の一押しが足りなかった。1試合目の相手は全慶大。第1セット、途中まで接戦を繰り広げたが、慶大の粘りから連続得点を許した。相手ブロックに厳しくマークされる中、ブロックフォローに入った瀧野頼太(政経3=創造学園)が好レシーブを連発。11―19とリードを奪われた場面から、與崎風人(政経3=鹿児島商)の時間差で追い上げを図るも、終盤での大きな差を埋めることはできなかった。17―25でこのセットを落とした。
 第2セットは多彩な攻撃を見せた。第1セットでの攻撃パターンに加え、レフトの有田賢史(政経4=福岡大大濠)と安井康平(営2=倉敷商)のAクイックで相手をほん弄し、ジュースに持ち込む。しかし26―26と同点の場面でのサーブミスが響き、27―29に終わった。

 ペースに持ち込めなかった。全早大戦では試合を通して12本のブロックを決められ、終始流れを引き寄せることができなかった。第1セット、1点を先制するもその後は痛恨の6連続ポイントを決められる。全慶大戦で勢いのあった與崎の時間差と安井のAクイックを中心に立て直しを試みた。しかし相手ブロックの完全なマークで苦しいラリーに。最後まで点差を縮められずに17―25で第1セットを奪われた。続く第2セットでは19―20まで一進一退の攻防を見せた。しかし最後に3本のブロックポイントを決められ、逆に早大を勢いに乗せる形となる。「流れがつかめないまま相手にやられるという典型的な明治の負けパターンが出てしまった」(安井)と20―25で敗北を喫した。結果は2敗と3位で定期戦の幕を閉じた。

 勝利への貪欲さを見せたい。試合後のチームの雰囲気は重かった。レフト與崎や安井の速攻など、攻撃陣には厚みが見られ、技術面での大きな差は無かった。しかしあと一歩が決め切れない勝負弱さが露呈した。勝負どころで弱さが見えたチームは、秋季リーグ戦から気持ちの面での修正点が挙げられていた。杉本は「一人一人が明治のバレーをするという気持ちが足りない。根本的な問題がある」と勝利への執着の弱さを語った。全日本大学選手権は残り約1カ月で開幕と、残された時間も少ない。チームがどれだけ意識を高めていくことができるか。迫るインカレに向け、再発進する。

[川合茉実]

試合後のコメント
杉本

「情けないという言葉も出てこないくらい惨めだった。技術というよりも一人一人が明治のバレーをするって気持ちが足りない。根本的な問題がある。前から言っていることで、勝ちに貪欲になれていない。試合始まる前から負けてもいい雰囲気ができてしまっている。そこはなんとかしないとどうしようもない。インカレは悔いだけは残さないようにしたい。そのためには練習で何回もミーティングしたりして、気持ちを切り替える。誰かの胸を借りるのではなく、それぞれがチームを引っ張っていく気持ちを持ってほしい」

有田
「秋リーグを通して、チームとしての安定感があまり無かった。きつい時にチームを奮い立たせる人がいないことが原因で、リーグ戦が終わってからは練習中から雰囲気も大切にしながらやってきたが、悪いところがもろに出てしまった。調子が悪い時に早く試合が終われというような雰囲気を出してしまう。インカレは勝ちたいという気持ちが無いときついと思う。組み合わせはいいところに入ったと思う。インカレまでに雰囲気を良くして自信をつけていかないといけない。練習量よりも質を重視しながら、どちらも伴うといい。チームの中に調子が悪い人は絶対にいる。そういう人を見はなしてしまったら終わりだから、調子が悪くても引っ張っていけるようにならないといけない。ケガは爆弾を抱えているような状況だが、インカレまで無茶はせず、さぼらずに自分に厳しくやっていく」

瀧野
「インカレに向けて崖っぷちだから、這い上がって行きたい。このままのチーム状況でいい事がなにもないから、自信を付けてインカレに臨めたらと思う。一人一人が私生活の中でどれだけバレーの事を考えられるか、勝ちを意識できるかでプレーが変わってくる。だから私生活とバレーを結び付けていかないといけない。ただ練習をするのではなく、一つ一つ見つめ直していきたいと思う。僕の調子は良くもなく、悪くもないからインカレに向けてモチベーション上げるのを重点的にやっていく」

安井
「技術面どうこうというより、精神面で情けないプレーが多かった。自分自身は試合にちゃんと出るのが初めてだったが、がむしゃらにやったら結果が付いて良かった。ミスで自爆して、流れがつかめないまま相手にやられるという典型的な明治の負けのパターンが出てしまった。あと一カ月だったら特に技術は上がらないと思うので、チーム力というかモチベーション。みんなで盛り上がって練習していきたい。インカレも初めてだが自分のできることをやって、がむしゃらに頑張っていく」