早大撃破で首位浮上 中大との天王山に挑む/関東大学リーグ戦

 乱戦を制し単独首位に躍り出た。特に第2ピリオドでは立て続けに両チームに反則が飛び交うなど、激しいプレーの応酬となった早大との一戦。キルプレーから何度も同点のピンチを迎える苦しい展開が続いた。しかし、第1ピリオド9分にFW川村一希(政経2=北海道清水)が挙げた先制からリードを守り抜き5―3で逃げ切った。次節中大戦に勝利すれば、9年ぶり34度目の優勝が決まる。

逆境にも粘り強くプレー
 一度もリードを譲らずに逃げ切った。第1ピリオド9分に川村が挙げた先制点を皮切りに、幸先良く2点をリード。しかし、第2ピリオドにピンチが訪れる。立ち上がりに反則が重なり2人少ない状況となった明大は、早大の主将・池田にゴールを許し1点差に迫られる。なおも拮抗(きっこう)した展開に、プレーも激しさを増す。失点直後にはゴール前の接触からもみ合いになり、明大は3人が反則を取られ再び2人少ない状況に。同点の絶体絶命のピンチとなったが「一人一人がチームのために戦っているからこそ、反則をしてもみんなでカバーする気持ちで守り切れた。5対3になってもキーパーを筆頭にしっかり守れた」とDF梶原聡人主将(政経4=北海道清水)。体を張った守備でなんとか守り切った。ここ数試合は不安定なプレーから失点が続いていた守備陣が、この日は集中力を切らさず。第2ピリオドでは明大を大きく上回る19本のシュートを浴びたが、2失点で凌ぎ切った。藤井匡智監督も「2人少ない状況の時間帯で無失点にしのいだのが今日の勝因」とたたえた。逆に攻撃陣は6本のシュートで2点を奪い、確実にチャンスをものにした。攻守に噛み合った試合運びで、早大にリードを許さなかった。

リーグ制覇へ王手かける
 点の奪い合いとなった第2ピリオドを4―2で終えると、第3ピリオドにはFW大椋舞人(法3=白樺学園)のゴールでさらに1点を追加。3点差と早大を突き放した。その後は危なげなく試合を進める。終了間際にはキルプレーから1点を失ったが、5―3で早大を下した。
 翌日に行われた中大―東洋大戦が引き分けに終わったため、勝ち点で並んでいた中大を抜き単独首位に浮上した明大。次節の中大戦に勝利すれば、1節を残して無条件で優勝が決まる。天王山を前にも「明治らしいプレーを最初からできれば負けることはない。チームの雰囲気はすごくいい状態なので、絶対にその雰囲気のまま勝ちたい」(梶原主将)と強気の姿勢は崩さない。関東大学選手権の決勝で死闘を繰り広げた中大と、15日に再び覇権を争い激突する。9年ぶり34度目のリーグ制覇は目前だ。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
藤井監督

「前節までの守備の反省はありましたが、1対1でやられているわけでは無かったので、集中すれば守れると。なので、攻撃力に重点を置いて準備してきました。あとは勢い。何があっても勝ち切るという思いで試合に臨みました。1週間、いい意味で開き直ることができて、チームは良い状態で試合を迎えられたと思います。反則に関しては強い気持ちが空回りしたという感じですが、二度目の2人少ない状況の時間帯で無失点にしのいだのが今日の勝因かなと思います。トーナメントと同じ気持ちでやることは難しいとしても、自力優勝がある以上、負けられないというところでこの3試合。あと2試合、悪いプレーも出てしまうとは思いますが、勝ちにこだわったゲームをしたい。3人で攻めて2人で守るではなく、5人で攻めて5人で守るというところ。FWの力はありますし、そこにDFも加わっての攻撃を。最後の失点もですが、キルプレーでセーフティーにいけばいいところを、無理に攻めてしまうといった4人での攻撃の意識は、いい反省材料になりました。また1週間、もう一度いいコンディションを整えたい。状態は良くなってきています。自分達はベストの状態で臨みたい。相手もベストで臨んできたとしても、選手はそれを上回る自信を持っていると思います」

梶原
「今日は前の試合の反省を生かして、ベンチや控え室ですごくいい雰囲気で試合ができていて良かったと思います。今日も失点はありましたが、失点された後みんな声掛けができていたので、やはり一点差に追いつかれてもこっちが先に取るという形でできていたので、良かったと思います。(早大戦に向けて)一戦も落とせないなかで、一週間を通してみんなが試合に照準を合わせて、試合のために考え生活していたので、そこがやはり今日の試合につながって勝てたと思います。(2ピリは)2回目の5対3になった時は本当に危ないと思いました。反則からピンチになることがあったので、一人一人反省して直して行きたいですが、良かったのは反則が続いても今までの明治と違って、そこで崩れないのが今日は良かったと思いますね。5対3になってもキーパー筆頭にしっかり守れたのが勝ちにつながったと思います。一人一人がチームのために戦っているからこそ、反則をしてもみんなでカバーする気持ちがあるので守り切れたと思います。(守備の面について)DFは守りに徹する形でやってきて、キルプレーでも周りを見ながら声を掛け合って、いい守りができたと思います。(FWとDFの連携について)今日も何回かかみ合わなかった部分あったのですが、ベンチに戻った時にコミュニケーションを取れていたことが、中盤になるにつれてみんな連携が取れてきました。試合中に修正できたのは大きかったと思うので、次の試合は最初から連携が取れるようにたくさん話し合いたいです。(中大戦に向けて)気負いすぎることなく、明治らしいプレーを最初からできれば負けることはないと思います。今日の試合と同様に、来週も試合に一週間標準を合わせて取り組みたいと思います。今日の試合の前に4年生だけでご飯を食べに行きました。東伏見でやる試合もあと2試合となったので、すごくみんな気持ちが高まってきていて、後輩たちもそれに気付いてくれていて。後輩たちは4年生のために、4年生は後輩たちのために。チームの雰囲気はすごくいい状態なので、絶対にその雰囲気のまま勝ちたいです」

FW大津晃介(法3=日光明峰)
「この試合は絶対負けられないというか、もう勝つことしか考えていなかったです。練習からどんどん取り組めたことが今日の試合につながったと思うので、特別な思いというのはなく、練習中のことをしっかりやった成果が今日の結果だと思います。(今日の試合に向けて)日大戦はミス自体が自分たちのミス、自分たちがやろうとしたことに対するミスだったので、考えればポジティブなミス。やろうとしたことに対するミスだったので、やろうとしたことを考え方そっくりというかは、ちょっとずつ足し加えた練習をした結果ですね。守備を手厚くしなくちゃというのは絶対ありました。けれど攻撃が最大の武器、ずっと攻めていることが自分のセットにとっては守備力だったと思うので、攻めたら攻めで終わる、しっかり守っても攻めで終わろうという考えはありましたね。(2ピリは)あれが明治の悪いところでもあるかもしれなくて、審判のミスだったりもあるかもしれないですが、結局は見るのは審判なので。悪いのは自分たち。しっかりそこを守れたのは大きいですし、あのとき守っていたFWだったら(大椋)舞人と上野峻輔(政経2=北海)には本当にありがとうと言いたいです。チームの中でのいい仕事をしてくれたと思います。ああいうピンチを手堅く守れたのはやっぱり気持ちとメンタルからきていると思うので。絶対に早稲田には負けない、というよりも絶対に負けちゃいけないという明治の意地が出た結果、あそこで守り切れたと思っています。一人一人がやられたこと、やったことに対して、チームのためにということを最終的に頭のなかに入れて考えられたというのが今年のチームのいい所です。全てはチームのために一人一人が徹せたことが勝ちにつながったと思います。次の中央戦。今年はどこから見ても選手層でも何でも、中央明治のツートップかなというふうに言われてきているので、ツートップではなくて明治のワントップだと。中央には前回負けてしまったこともあって絶対に負けられないですし、個人としても中央には色々と因縁があるので、負けちゃいけないし、いい試合をしたいと思います。今日は得点できなかったので、今日の得点できなかった分も含めて、チームに貢献できるように必ず得点して、粘り強い明治を見せて必ず勝ちます」