橋口、上田 ともに表彰台逃す/講道館杯全日本選手権

2014.11.11
 不完全燃焼の結果となった。66㎏級出場の橋口祐葵(政経2=延岡学園)は、準々決勝で9月の全日本学生体重別選手権で敗れている西山(日体大)と対戦し、優勢負け。3位決定戦に回ったが、吉田(神奈川県警察)にも敗れベスト8に終わった。学生王者の称号を引っ提げて挑んだ上田轄麻(政経3=愛知県私立大成)は、準々決勝で昨年同大会2位の百瀬(旭化成)、その後の3位決定戦で高橋(新日鐵住金)にともに反則負けを喫し惜しくも表彰台を逃した。

[1日目]
 無念のベスト8となった。66kg級に出場した橋口は3位決定戦で吉田に敗れ、あと一歩で表彰台を逃した。準々決勝では9月の全日本体重別で敗れた西山に再度優勢負けを喫し、敗者復活戦へ回る。敗者復活戦に勝利し迎えた3位決定戦は、立ち上がりから指導を取られて受けに回る苦しい展開に。相手の吉田に対し「練習で組んだときがあり多少の苦手意識があった」という橋口。残り2分を切り、果敢に投げ技を試みたがポイント獲得には至らなかった。反対に残り36秒で一瞬のスキを突かれ、腕挫十字固を決められての一本負けとなった。

 先月行われたグランプリ・アスタナで優勝し、好調を維持したまま臨んだ今大会。昨年の2回戦敗退を超えるベスト8という結果にも「この調子で勝てないということは本当に弱いということ」と橋口は厳しい表情で大会を総括した。

[2日目]
 投げられなかった。準々決勝の百瀬との対戦は、序盤は組み手争いから上田優位に試合を進めたものの技が決まらず試合は中盤へ。上田が3つ目の指導を受けると流れが一変する。場外指導狙いに切り替えた百瀬に対し防戦一方となった上田は、終盤まで何とかしのいだものの残り14秒のところで無念の指導4つの反則負け。「手応えはあったけど、負けたのは全部場外指導なのでもったいなかった」。実力者相手に好勝負を演じたが勝ち切ることができなかった。

 その後敗者復活戦に勝ち高橋との3位決定戦に回ったが、ここでも指導4による反則負けで表彰台を逃した。この日戦った5試合全てでポイントを奪えず「投げ切るというのができなかった」と悔しがった上田。もう同じ負けはしない。次の大会でリベンジを狙う。

[鈴木拓也・本永雅敬]

試合後のコメント
猿渡琢海監督(1日目)

「残念。もうちょっとというか、本人も私も優勝目指してきたところがあったので。準々決勝で負けた相手はこの前全日本学生で負けた同じ相手だったから少し苦手意識があったと思うんだけど、同じような負け方をしてしまったのでああいうやりかたに対する戦い方をもう一度見直していかないといけないかなと思う。(橋口は)ちょっと臆病というか、自分に自信が持てずにあの試合は戦っていたと思うのでああいう負け方をしてしまったと思う。前半から、後半のような攻める姿勢というのがあれば指導ポイントをリードした上で戦えたから、そうしたら橋口の柔道というのももっとできたと思うし。橋口に言ったのはもっと攻める姿勢を自分の中で意識して戦っていかなくてはいけないよと。今日の負けをきっかけに新しい橋口の柔道というものに取り組んでほしいと思う。それをしなきゃいけない時期かなとも思う。(新しい柔道というのは)やっぱり超攻撃的な柔道。今までは相手に合わせて自分の技をぶつけていく、相手のスキを突いて自分の技を入れていくスタイルだったから、これからはがつがつと自分の技を出していって、相手をぐだぐだにしてから投げ切るというのをやっていかなくてはいけない。相手をうかがうばかりでは橋口の技もかからなくなってくるという恐れもあるから。いろんな攻撃的な柔道をしている選手の映像を見たりして橋口も参考にしてやってもらいたいなと思う。橋口はこの柔道をやると決めたらそれしかやらない頑固なとこがあるから、自分の力を発揮するための柔道とは何なのかをこの試合を機に見つめなおしてほしいかな」

橋口
「(ベスト8について)情けないしかない。(準々決勝の相手西山について)結局自分の柔道しかできないので、自分の柔道をやりにいったが相手の方がうまかった。指導もらって負けて、前回と同じ負け方になってしまった。(対策は)正直していなかった。本当に上がってくると思わなかった。他の人の対策ばっかり考えていた。宮崎とか八巻とかの方が上がってくると思っていた。そこを意識していたら、いかれてしまった。(3位決定戦は)練習で組んだときがあり少し苦手意識があった。やってみないと分からないと思っていたが、だめだった。(技がかからないというところがあったが)自分が弱いだけなので。正直何も言えない。コンディションは良かった。減量もいい感じで練習も追い込めたし、この調子で負けたということは本当に弱いということ。(日本人相手は難しいか)海外だと研究されていないので。日本人だとそこそこ研究されて自分の柔道ができない。結局研究されているのに自分が研究しないから負けるのだと思う」

猿渡監督(2日目)
「上田は慎重になりすぎていた。思い切りがなかった。組んでからが遅くて投げきれなかった。内股をいい感じにかけていたのに、かけきれなかった。課題は組んでからの早さ。釣り手はできるようになった。もう少し右手の使い方を勉強した方がいい。(社会人選手には敗戦)体力も技術もやはり劣っている。来年に向けてしっかりと反省してほしい。何が足りないのかをしっかり考えてほしい。体力強化も必要。技を出して、勝負度胸のある選手になってもらいたい。自信を持って思い切りやって、豪快な選手になってほしい」

上田
「手応えはあったけど、負けたのは全部場外指導なんでもったいない。押し出しを狙ってくる相手に全部負けてるんで、そこを修正していかないと勝てない。修正したら勝てる。対処が全然できなかった。(全日本学生体重別個人からの)調整は順調にいってた。(以前投げ切るというのを課題に挙げていたが)まだ投げ切るというのが全然完成していないので、投げ切るというのを常に練習でやって次の試合までの課題としてやっていきたい。しっかりした技を持つこと。(監督からは)下がりながらどう組み手するかとか言われた。ちゃんと投げ切れとか。上位の人と、これから上の人とやることも多くなるので、しっかり投げ切れるようにやっていきたい」