東海王者・朝日大にSO戦の激闘の末勝利しインカレ3位!/全日本学生選手権

2014.11.06
 朝日大にSO(シュートアウト)戦の末勝利し3位でインカレを終えた。前半22分、谷光未有(法1=天理)がPC(ペナルティーコーナー)を決めると5分後には川村敬亮(政経1=今市)が追加点をあげ2点をリードする。しかし、前半に1点を返されると後半にも1点を失い2-2でSO戦に突入する。最終ターンで國友督仁(政経2=丹生)が相手にゴールを割らせず3-2で勝利。全日本王座決定戦に続く全国の大舞台で3位と結果を残した。

 勝利の瞬間選手たちは喜びを爆発させた。3-2で迎えたSO戦の最終ターン。相手のシュートをGKの國友が防いだもののこぼれ球を拾われシュートを再び打たれてしまう。しかし相手シュートは枠を捉えることができず勝利が確定。選手たちは歓喜の輪をつくると観客席に来ていた応援団にも満面の笑みを見せ喜びを分かち合った。

 無類の強さを誇った。「SOになったら勝てるっていう自信を持っている」と宮田知監督が言うようにインカレの勝利は全てSO戦によるものだった。SO戦が得意な宮下大輔(法4=皆野)や華麗なスクープシュートが得意な柏木圭介(法4=今市)などさまざまなタイプのシューターを揃えている。さらにインカレではGKの國友がSO戦の3試合で12本中2本しかゴールを許さない活躍。明大のゴールを守る姿はまさに守護神と呼ぶにふさわしい姿でありインカレ3位の立役者となった。

 期待のルーキーコンビが躍動した。前半22分にPCを獲得すると「4年生とも残り少ないので結果を残したいというのがあってPCは思いっきり打った」と谷光が強烈なドラッグシュートをゴールの左寄りに決め先制点を決めた。前半27分にも谷光がスクープで最前線までボールを運ぶと相手DFが後ろにそらしたボールを川村がトラップしGKと1対1に。「焦ることなく余裕を持つことができた」と川村は相手GKを冷静にかわし追加点を奪った。
 嬉しい得点となった。「東農大戦がひどすぎた」と川村は初戦の東農大戦で緊張からいつも通りのプレーができなかった。だが、準々決勝以降徐々に調子を上げていき3位決定戦で強豪校からインカレ初得点。「3位決定戦で点に絡めたことが自分の一番成長できたところ」と全国の大舞台でしっかり結果を残した。「全日本でも得点できるように頑張りたい」と川村。インカレで成長した期待のルーキーが全日本選手権でも貪欲にゴールに迫る。

次の目標は全日本選手権制覇だ。11月27日から開幕する全日本選手権はインカレベスト4の大学と全日本社会人選手権ベスト4のクラブ計8チームで真の日本一を決める大会だ。4年ぶりの出場となる明大はグループステージ初戦で社会人ナンバー1チームの名古屋フラーテルとの対戦となる。「自分たちが一番格下だと思われているのでジャイアントキリングを起こせるようにしたい」と柏木は初戦から番狂わせを狙うことを宣言。今年最も強いチームが決まる大会で明大が大金星を狙う。

[常光純弘]

試合後のコメント
宮田監督

「4位と3位じゃ全然違う。SOだろうがなんだろうが3位という位置につけたので選手たちも自信になったと思う。FWは決めるチャンスがあったと思うがまだ相手を崩し切れない攻めのときの腹の据わったプレーができていない。これで社会人のナンバー1と4と当たることが決まったのであと3週間だけど学生だから一生懸命走って勝つっていうことをやる。そこで2位になれば12月の順位決定戦まで進める。できるだけ4年には長い間明治のユニホーム着ろと話している。安部中心に2月から走り込みは十分やってきたので本人たちも自信になっているし、SOになったら勝てるっていう自信を持っているから。シューターも自信を持っているし國友が相手との間合いの詰め方が非常にうまいので、相手がフェイントかけても逆に動くなっていうのを読みながら自分から仕掛けないで相手に合わせて動けているから勝手に向こうがミスしてくれる。4年生はキャプテンの安部、それからバイスの柏木と岡崎、FWとDFとそろっているから常に明日はこうやろうと話して作戦を考えてきた。その中で下級生が全国大会という注目を浴びるピッチの上でどれだけ自分のプレーができるかというところ。全日本は奈良まで行ってただ3試合やって帰ってきたのでは得るものもない。出るからには優勝を狙う。社会人チャンピオンの名古屋フラーテルはほとんどアジア大会いった選手だからそういう相手にうちのホッケーをやってどんな形でもいいから勝てばすごく自信になると思う。インカレのベスト4、すなわち全日本選手権に出られる、そこが一番大きい。準々決勝というのは本当に選手も緊張するし監督もやっぱりここで負けてはいけないというプレッシャーがものすごくある。だから昨日立命館に負けて負けは負けで悔しいけど、3位になったら名古屋フラーテルとできるっていうモチベーションがあったので3位狙いに行こうという切り替えができた。監督初年のときにベスト4になって全日本に行ってその翌年すぐにここで慶應に取り返されて悔しい思いをした。今の2年生が底上げしてくれれば。学生の気持ちというのは変わってきているのでホッケーをやるときはやる、授業に出るときは出るっていう。安部のキャプテンシーのおかげ。先頭に立って走ってというのを本当によくやってきたので、こっちから走れと言わなくても走っていたから。普通はキャプテンが走っていても同級生がやめようと言っていたけど、それは柏木と岡崎あたりが一緒になって同じ目標を持ってやれている。春は岡崎がケガして、秋は大嶋が出られなくて、やっとメンバーがそろった。スタートのFWは力があるから。4年生には全日本は最後の大会だから楽しんでやれと、明治のユニホーム着てやれるのもあと何試合しかないので、堂々と奈良で暴れてくれればいい」

小池文彦コーチ
「最低限の結果は出せたかな。ただしやっぱり昨日の立命館に勝ちたかった。相手のスピードがかなり上回っていたのでそれは反省すべき点。次にまた全日本選手権で当たれればなんとかリベンジしたい。2点取ってからうちの方が楽な展開で進めてた。ボールポゼッションもうちの方が上だったと思うが2点を取ってから3点目っていうのが今大会どうしても取れない。それで逆に相手に1点取られてしまって相手が生き返ってしまうので3点目を取れないとなかなかきついゲームになってしまう。メンタル的に強くなっているのでSOになると彼らも自信を持っていて必ず勝てるというイメージがあるみたいで本当に強いと思う。今年は國友もしっかり守れるし、個々のプレーヤーがSOは誰が外しても他のやつが入れてくれて全体で勝てるというイメージがある。本当に強くなってきた。SOになったら勝つなと。でも今日の課題としては70分間で決めてしまおうというのがあって、ゲームの入り方も良かったし常に明治のホッケーができていたので、相手を圧倒して攻撃できていた。ただ3点目が入らないから1点返される。今大会ではやっぱり関西のスピード、それに今後対応していかなければいけない。縦のスピードがかなり関東と違うのでそのへんのディフェンスの対応と逆に攻撃面でうちもバックアップしながら縦に早く出るスピードをつけていかないといけない。あと今日の試合の反省点としてはうちのプレーヤーはどうしても右に抜いていくプレーが少なくてすぐに中にいってしまう。だからエンドラインを怖がらずに回りなさいと言った。あとは今大会で全国大会で関西と東海の代表とやって守備にしろ攻撃にしろサークル周りとサークルの中でどれだけ冷静にできるかというのがカギを握っているのでそれを今後も修正しながら課題にしてやっていきたい。全日本では社会人のトップと当たる。そこでどういうゲームができるか。学生らしい走り負けしないゲームをしたい。走りは武器になっている。体力的にもかなり強くなっているので、こういう延長戦も決めることはできなかったけど体力的には十分あった。それはキャプテンがしっかりやって、バイスの岡崎と柏木がしっかりやって今の4年生が一生懸命やってくれて結果全日本選手権まで残れた。フラーテルという日本一のチームと戦えるのでスピードとか外国人と戦っているフィジカルの強さとかボールのコントロールの仕方とか実際に当たって学生が肌で感じてくれればいいなと思う。目標はやっぱり優勝したい。出るからには優勝できないチームではないので。予選リーグは勝つことが大事で、2位以内に入って決勝に進みたい。やっぱり走り込みで体力がついてきていて、技術でも決して劣っていない。去年より格段にレベルアップしている」

安部雄貴主将(商4=横田)
「今日は厳しい試合になることは分かっていたので結果にこだわっていきました。朝日大は王座でも対戦してSO戦までもつれ込んだので春と試合内容自体は変わっていないと思う。ですが、強豪の朝日大に最初に2点先取できたことは大きな収穫だと思う。トーナメントなのでSOでも普通に勝っても結果は同じ。結果が全て。今回明治は70分では1回も勝っていない。3分1敗で3位だがそれも明治の強さだと思う。昨日立命大に完敗して他の選手にはここで3位になるのと次の全日につながるのでもう1度切り替えて一からやっていこうと言った。社会人1位の名古屋フラーテルとの対戦が決まったのは楽しみ。明治はチャレンジャーなので大学生という若さを生かしてガツガツ生かして戦いたい。全日本前にリーグ最終戦がある中谷光が離脱することによってPCでフリッグを打つ選手がいないので大きな痛手だがDFは選手がたくさんいて全日本前に公式戦で使えるということはチームにとってプラスになるところはあると思う。この大会では個人の技術の差であったり球際で負けることがあったので個人の技術向上と基礎体力向上は必要だと思う。全日本はやるからには優勝したい。もう一度走り込みから基礎を徹底的にやって社会人にも負けないチームをつくっていきたい」

岡崎慶二(理工4=石動)
「今日は自分のミスが多かった。全日本までには修正していきたい。今日のDFはミスはあったが失点もPCだけということでしっかり守れていたと思う。PCで決められてしまったので次からはPCを取られないようなDFをみんなでやっていきたい。インカレでは自分の調子が良いとは思わなかった。チームの一員としてという感じだった。谷光が本当に良く頑張ってくれて自分はそれのサポートという形だった。全日本では100%の力を出せるようにしたいと思っています。次のリーグ戦は最後で谷光がいないというのは厳しいがそこはみんなでカバーをしあってやっていけばいい。チームの守備ではマークのずれがあった。先制しても決められるということがあったので無失点で終わらせることができれば負けはしないので無失点を目指して頑張って行きたい。全日本は出たことがないのでどのような雰囲気か分からないが社会人とできる新鮮な大会なので勝ちにはこだわるがそれと同時に楽しみながらやっていきたい」

柏木
「決めるべきところで決められなかったのでSO戦までもつれてしまったので全日本までにはしっかり仕上げたい。準決勝で立命館相手に右サイドのショートパスの崩しがうまくいったのでそこをもう少し精度を上げて取り入れていこうという話になり今日もうまくはまったと思う。自分自身インカレではシュートが0なので自分でも生きるプレーを目標にしたい。自分は技術がないのでSO戦はあれしかない。逆に開き直れていい。1本しかないのでそれに集中できて決めることができたのは嬉しかった。ベスト4に入ると自分の足りない部分がたくさん出てきた。例えばMFとしてのゲームの組み立て方やキープ力の差で圧倒された部分がかなりあったので克服したいと考えています。名古屋フラーテルと対戦するからには勝ちたい。どことあたっても自分たちが一番格下だと思われているのでジャイアントキリングを起こせるようにしたい。これからは基本プレーの精度を上げて一つでも多くの試合を勝てるようにしていきたい」

國友
「正直自分のミスでPCで失点してしまっているので素直に喜んだりはできない。自分のミスでSOまでもつれちゃったので自分が止めるしかないと思った。負ける気はしなかったです。最初2戦がSOで、基本体に当たっていたので今日も当たるだろうなと。2本決められたが。SO行けば決めてくれる人もいるのであとは自分が1本でも2本でも止めれば勝てると思っていた。宮下さんも柏木さんも読まれてキーパーが動かない状況の中でも自分の得意技決めるっていうのが本当にすごくて自分も負けてられないと思って相手打ってくるのでも体に当てようと思っていた。困ったらSO、とりあえず同点にしとこうって感じ。自分のスタイルが変わったので。前まではガンガン前出て勝負って感じだったがそれでは自分も疲れるし相手もちょっとサイド振ったら抜かれるので対応できない。相手は最終的にゴールに向かってくるのでそれを待っていれば最終的に向かう先がゴールなので止められると思い我慢するようにしたら本当に止められます。ずっと宮田さんと小池さんに出るなと言われていて最初自分のスタイルが前に出るスタイルだったので反抗していたが、自分がうまくなるためにアドバイスしてくれていると思って受け入れたらいきなり失点減った。全日本で対戦する名古屋フラーテルは日本代表みたいなチームで、そこのGKの人がすごく憧れているので対戦できるのが楽しみ。僕がまたアピールしていきたいと思う」

川村
「初戦の東農大戦がひどすぎたが試合をするにつれて徐々に調子を取り戻して3位決定戦で点に絡めたというところが自分の一番成長できたところだと思う。試合は2-0でリードしている状況で同点まで追いつかれる、70分で勝ちきれないという事が今の明治の課題だと思う。谷光がスクープを上げる時にとっさに相手がミスしてボールが抜けてくると思ってしっかりトラップしようと思った。GKと1対1の場面は焦ることもなく余裕を持つことができたので落ち着いて打つことができた。個人の課題というのは基礎技術をもっと上げていかないといけないといけない。全国という大舞台で得点を取ったということは自分自身大きな自信となったので全日本でも得点できるように頑張っていきたい。社会人と学生はプレースタイルが全然違うので社会人のプレースタイルに合わせずに明治のホッケーが初戦からできるように練習していきたい」

谷光
「今日は初戦と準々決勝と同じで点を取っても取られるという厳しい試合だったがお決まりのSO戦で勝てたのは良かった。3位と4位は全然違うので順位を残したい気持ちと4年生とも残り少ないので結果を残したいというのがあってPCは思いっきり打った。まだ足が止まった守備や判断ミスが多かったので全日本選手権まで時間はあるのでしっかり修正していきたい。全日本選手権では社会人1位の名古屋フラーテルと戦えるのでしっかり食らいつけるように。そこで自分のプレーをして頑張っていきたいし、決勝トーナメントに進めるようにグループステージ2位以上をしっかり取れるようにしたい」