駿河台大に勝利 連日のSO戦を制し、ベスト4進出/全日本学生選手権

2014.11.04
 連日の激闘を制した。前半9分、PC(ペナルティコーナー)から谷光未有(法1=天理)のゴールで先制するも、後半23分、PCからゴールを奪われ同点に追い付かれ、そのまま後半終了。決着は昨日に続き、SO(シュートアウト)戦へ。そして2―0で迎えた第4ターン。國友督仁(政経2=丹生)が相手のシュートをファインセーブし、決着。駿河台大を破り、ベスト4進出を決め、同時に全日本選手権への出場権も獲得した。

 最後に笑ったのは明大だった。後半が終わって1―1。東農大戦に続きSO戦に突入した。安部雄貴主将(商4=横田)、谷光未有(法1=天理)が確実に決め、2―0とし迎えた第4ターン。これを止めれば勝利の場面、相手が放った渾身のシュートを國友が体を投げ出してストップ。この瞬間、全日本選手権の出場と4強が決定。ピッチには歓喜の輪ができた。

 成長を見せた守護神がチームを勝利に導いた。破竹の3連続セーブで、東農大戦に続きSOを1度も決めさせなかった。1年生からスタメンGKを任されていた國友。ところが、秋のリーグ戦では不調に陥った。失点を許すことが多くなり、メンバーから外された試合もあった。「悔しくて、なさけなくて。ずっと使ってもらっていて、逆にそれで自分も調子に乗ってしまい、プレーも甘いプレーになっていた」。かつてない悔しさを味わった。それでも、この経験をきっかけに初心に帰った。首脳陣の助言に従い、動きすぎる悪癖を修正。復帰後は今まで以上の活躍を見せ、今では安部に「キーパーはあいつしかいない。もしもう1回SO戦があっても必ず止めてくれると思う」と言わしめるほどの信頼を勝ち得た。「決勝に行って、4年生と監督を胴上げしたい」と誓う國友の大一番でのさらなる活躍に期待だ。

 好調ディフェンス陣に期待が懸かる。東農大戦では攻め込まれる場面が目立ったが、マークの徹底をミーティングで再確認し臨んだ今戦は、持ち味の高い守備力を発揮。打たれたシュートはPCからの1回のみと、組織的な守備で相手の攻撃を完全に封じた。次戦の相手は、王座の準決勝で1―2と敗れた立命大だ。「明日はリベンジをして、勝って決勝に行きたい」(安部)と気合は十分。王座の雪辱を果たし、決勝への切符をつかみ取る。

[萬屋直]

試合後のコメント
宮田監督

「内容がどうであれベスト4に残れたことは素直に喜んでも良いし、選手たちを褒めてやりたいが、あれだけチャンスがあってもっと楽に勝てた試合だったと思う。それが全国大会の怖いところ。相手に与えたシュートは決められたペナルティーコーナーだけなので。だけどこういう経験をする中で下級生特に1、2年生が精神的に強くなっている。明日立命館を倒して決勝に行く。昨日も言ったが全部SO戦でもいいから頂点目指してやっていく。國友は自信を持っているというか敵の動きに惑わされずしっかりボールを見てDFを仕掛けている。昨日からSO戦は完封だから。大したもの。先制点は良かった。谷光は良いシュートを打ってはいたがポストに嫌われた。最後のワンツーも枠に行けば絶対に決まっていた。明日はやってくれるでしょう。今日は全員良くやった。外した後にキャプテンの安部がしっかり決めたのが1番大きかったと思う。安部がカバーする形でうまく後ろにつながった。もうここまで来たら立命館に勝つしかない。もうずっと勝っていないから明日こそは。私は明日東京に戻らなくてはいかないので準決勝は小池コーチが指揮を取る。明後日はいるので選手たちには決勝で俺に指揮を取らせろと言ってあるのでその約束を果たしてくれると信じている」

小池文彦コーチ
「今日は全日本選手権というか準決勝を賭けた試合だったので、みんな緊張しながらの試合でした。昨日の緊張と違ってまた大事な試合だったのですが、終始うちのペースでできたかな。後は精度的にPCが入らなかったのがちょっと残念。もっとちゃんとした展開、楽な試合ができたのかなと。こういう形になったけど結果トーナメントなので、どういう形でも勝てばいいからとりあえず勝ててほっとしているところです。ディフェンスはいつもと同じかな。サークルに入れる前に、単独ドリブルが相手は多いのでそれをしっかり前で先に止めておけという指示を出していました。関東でもう駿河台のプレーを見ているので、その辺は気をつけさせるように注意していました。今日はあまりシュートも打たれていないはず。ただPCを1本決められたのでそこは唯一残念だったかな。全体的には昨日より落ち着いていました。後はまあ普通にいつもの通りできていたかな。調子も悪い選手もいたけどフォローしながらしっかり全員でできていたので、こういう形で結果が付いてきたのだと思う。國友選手はしっかり守っているね。一時リーグ戦で動きすぎて監督やコーチに注意されていたけど、それがだいぶ直ってきていいプレーヤーになってきた。この調子でこの後もしっかり行ってほしいかなと思います。秋のリーグ戦で失点が多くて一時こちらサイドで外したりとかゲームに出さなかったりとかそういうことがあったのだけど、そこで考えてその後はしっかり指示通りやってくれているのでその辺りに成長があった。立命館には大学王座選手権で1―2と敗れているので、どうしてもそこは乗り越えて決勝に行きたい。さっきも学生に『切り替えてやれ』と言ったので明日勝って決定戦に関東勢として行きたいと思っています」

安部主将
「相手はシードということで強豪ということは分かっていたので、その中でも勝ちきることが大切だったので昨日のミーティングから絶対勝って全日決めようということを決めていたので、まさにその結果が出た試合だったと思います。高い意識で臨んで昨日のミーティングでしっかり修正したので、サークルインも少なくすることができたと思います。修正点は昨日の農大戦で裏のマークが空いて失点してしまったので、まずマークは離さないということを徹底しようと話しました。後半最後にシュートを打たれ負けると思いました。國友については本当にあいつしかいないですねキーパーは。それぐらい信頼しているので自分もチーム全員も。もしもう1回SOがあっても必ず止めてくれると思います。明日対戦する立命は王座で負けているので、明日はそのリベンジをして、勝って決勝に行きたいと思います」

國友
「今日は結構早い段階で点を取ったので、もう少しリズム良く点が入ると思ったのですが、案外シュートチャンス決めきれないことが多く、多少責められることもありました。ただ、ディフェンスが何度も止めてくれていたので、安心して試合を見られました。ディフェンスが一体となってやってくれていて、指示もちゃんと聞いて動いてくれていたので、全然余裕で見ていられました。昨日に続きSO戦で全てストップしたけど結構やばいなと思う場面もあったのですが、最後までついていったら体で絶対当たっていたので止められましたね。こんな連続で止めたことはないです。1年のころとかは逆に入れられてばかりだったので。こんな止めていて自分でもびっくりしています。スタメンを外されたこともあって、悔しくて、なさけなくて、自分が。ずっと使ってもらっていて、逆にそれで自分も調子に乗ってしまったことで、プレーも甘いプレーになっていました。1回そこで外されたことでまた初心に帰って作り直せたので、それが良かったと思います。明日は王座で残り1分で失点して負けちゃった立命が相手ですが、絶対リベンジして、決勝に行って、4年生と監督を胴上げしたいです」

谷光
「結構接戦だったが同点でSO戦に持ち込み勝てたのは良かったと思う。先制点はコースが良くなかったが入って良かったし、昨日決められなかったので入って良かった。日本代表に選ばれたことで相手に研究とか読まれたりすることは増えてくると思うが、それでも点を決めないとやっぱり勝てない。明日も立命という強豪だが、どれだけ読まれていても点を取りに行きたいと思う。後半のPCは練習不足。立命大のFWはスピードもテクニックもある選手が多いので、今日よりも多く足を動かしてDFをすることを意識したい。明治の代表として試合に出ているのでしっかり体を張っていきたいと思います」