西野が連覇 3人が全日本出場決める/東日本選手権

 圧巻の連覇だった。各地区の予選を勝ち抜いてきた選手が集う東日本選手権が行われ、西野友毬(政経3=私立武蔵野)がSP(ショートプログラム)55.67点、FS(フリースケーティング)99.90点でともに1位となり合計155.57点で優勝。今大会連覇を果たし、12月の全日本選手権出場を決めた。また、男子の野添絋介(商3=東福岡)も6位に入り、昨年に続いて全日本選手権への切符を手に入れた。ジュニア男子でも森望(営1=岩倉)が11位で全日本ジュニア選手権の出場権を獲得した。

 他を寄せ付けない圧巻の演技だった。西野はSPで2位に5点差をつけてFSに臨んだ。課題として挙げていた冒頭のトリプルルッツで着氷が乱れ「冷静でいられなかった」(西野)とその後の演技にも影響が出るかと思われた。しかし「やるしかない」(西野)と気持ちを切り替えて大きなミスなく滑り切った。結果、今季自己最高得点を出して連覇を果たした。同時に5位以上に与えられる全日本選手権への出場権も手にした。昨年の全日本選手権では体調不良の影響で思うような成績を残すことはできなかったが、3大会連続優勝と波に乗る今季の勢いのまま上位に食い込みたい。「フリーを最終グループで滑りたい」(西野)。完璧な演技を大舞台で披露する。

 2年連続の切符を手にした。野添はSPを4位で折り返し、表彰台を狙える位置につけた。迎えたFSでも冒頭のトリプルアクセルをきれいに決めると、続く3回転2回転の連続ジャンプも決めた。しかし「後半攻め切れなかった」(野添)とその後のジャンプにはミスが出て順位を6位に落とした。しかし3位までの差は2点と上位の選手と互角に争える位置まで来ている。9位までに与えられる全日本への出場を昨年に続き決め「ほっとしたが、行くからにはいい演技をしたい」(野添)とさらに成長させた自分を見せる。

[石渡遼]

試合後のコメント
見事連覇を果たした西野

「今回点数が145点出ないとユニバの選考会に行けないということが自分の中ですごくあって、点数のことばかり気になったので連覇は考えていなかった。とにかく点数を出せて良かったなと思う。全日本はもちろん第一にあるが、それと同じくらいユニバに出たいという思いがある。選考会に出られないと始まらないのでそのことばかり気にしていた。(フリーは)良くなかった。全部の面でスピンとかも失敗しているのでそこに少し悔いがある。(最初のトリプルルッツの課題は)練習も結構良くてショートもまあまあ良かったがフリーになったらちょっとびびってしまって失敗してしまった。(その中でも点数伸ばせたのは)諦めなかったことが一番大きいかなと思う。心が折れてはいたがとにかくまとめないと駄目だと思ったのでそこで空回りせず、それで点数が伸びたと思う。(トリプルルッツのあとは)結構冷静ではなかったが、もうやるしかないと思ったのであとは1個1個消化していった。(トリプルルッツを克服していくために)練習のときはすごくいい感じで跳べているので、もっと何も考えずに跳べるように全日本までに自信を持ってできるようにしたい。(今回の大会のプレッシャーは)去年は全日本に出ないといけないという思いがあったが今年は145点という点数を気にしていた。今まで点数をそこまで気にしたことはなかった。ここまで出さないといけないということがなかったのでそのプレッシャーがすごくあった。(3大会連続優勝で)自信にはなった。この3大会連続でここまで大崩れせずにまとめられているのが結構成長したことじゃないかなと今は思う。プラスに考えるとこれくらい点数が出たのでもっと細かいところをやっていったら点数が伸びると思うのでそれを全日本までにやっていきたい。(今シーズンで変わったことは)楽しくスケートできているし練習も前より進めている気がする。落ち着いてできているし結果にも出ているのかなと思う。(全日本では)完璧なノーミスの演技をしたい。最終グループに残ることと入賞できるように頑張りたい」

2大会連続の全日本選手権出場を決めた野添
「自分の持ち味が出せてよかった。冒頭のトリプルアクセル、3回転2回転の連続ジャンプはうまく決まったが後半は攻めることができなかった。本番の緊張感もとても感じた。シーズン通してここまで調子は上がってきているので曲の中で後半もしっかり攻めていけたらもっと点数も伸びてくると思う。練習から追い込んで2回連続で同じことが成功できるようになるくらいまで上げていきたい。全日本のことは意識しないようにしていたがやっぱり意識してしまった。誰が9位までに入ってもおかしくないようなレベルの戦いだったのでやはり緊張した。ただ、3位を狙えた位置にいたのでほっとしたと同時に悔しい気持ちもある。ショートもフリーもまだまだできることがたくさんあるのでここから詰めていきたい。全日本では失うものはないので最高の準備をして臨みたい」

課題を見つけた藏佐衣子(営2=広尾学園)
「(ショートは)出来は半分くらいだったが最初の1本目降りていい感じだったので流れに乗りたかったが2本目で結局失敗してしまった。そのあとは立て直していつも通りのことはできたかなと思う。(最終滑走は)最近はどの試合出ても最終滑走ばかりなので少し慣れたというか最後に滑るまでの時間の使い方は分かっていたのでそんなに心配はしていなかった。(フリーは)良かったのはジャンプは前半の2つだけでスピンはちゃんとレベルを取れていたが、他は全然駄目だった。ジャンプは大きいミスはなかったがやっぱりダブルがシングルになったり、小さいミスが多かったので点数も全然出なかった。最近70点を出せていなかったのでやっと70点には乗ったがそれでも全然駄目だった。(これからの課題は)練習ではできていることばかりなのでそれを本番でもできるようにすることとメンタルも強くしないといけないと思う。(調子は)今週になってから良くて自分でも心配になるくらい良かったのでそれがそのまま出せれば良かったがちょっとびびってしまった。上がっているというよりは良かったときに戻ってきている。(インカレは)去年は入賞できなかったので個人では入賞したい」

11位に入った川平咲良(文1=帯広三条)
「ショートのスピンでレベルを落としてしまっていたので意識してフリーに臨んだ。グループ最終滑走で緊張もあったがほどよい緊張感を楽しんで滑ることができた。1月のインカレまでは3回転のジャンプをもう1種類増やして体力面も強化したい。練習した分だけ結果として表れることが分かってきたので、これからも練習してちょっとずつ強くなっていきたい」