慶大に今季初勝利 5位決定戦へ/関東大学1部リーグ戦5~8位決定戦

 リーグ戦18試合を7位で終え、5~8位決定戦に進んだ明大。この日は6位の慶大と対戦した。序盤から優位に試合を進めるも、ターンオーバーなどのミスから追い上げられ、相手を引き離せない時間が続く。第4クオーターで1度は逆転されたが、岩淵俊紀(国際4=新潟商)のシュートを皮切りに得点を重ね69―55で勝利。終わってみれば14点差の快勝で、国士大との5位決定戦へと進んだ。

 スターターは中東泰斗(文4=光泉)、會田圭佑(法2=市立柏)、吉本健人(法3=藤枝明誠)、伊澤実孝(政経3=愛知産大工)、皆川徹(営4=京北)。

 終盤で強さを見せた。第3クオーターでは1-3-1のゾーンディフェンスが効果を発揮し相手を10点に封じ、45―40と5点をリードして臨んだ第4クオーター。「出だしで自滅してしまった」(吉本)と立ち上がりにターンオーバーから連続失点し、あっさりと逆転を許してしまう。しかし、岩淵が流れを変えた。7分10秒のところで技ありのフローターシュートを沈め、このクオーター初得点。勢いを取り戻すと、ボールがスムーズに回りだす。伊澤のダブルクラッチや中東のバスケットカウントでリズム良く加点した。6点差で残り1分20秒を迎えたあたりから、慶大はファールゲームを仕掛ける。そこで手にしたフリースローを決め差を広げつつ、ディフェンスでも猛チャージで5秒オーバータイムを誘うなど、スキを与えずに時計を進めた。最後は吉本が3Pシュートを沈め試合終了。慶大にはリーグ戦で2戦2敗、さらに春の六大学チャリティーマッチでも敗れており、3連敗中であったが今季初勝利。苦杯をなめさせられ続けたが、ようやくリベンジを果たした。

 4年生ガードが存在感を放った。岩淵は流れを変えたシュートのみならず、試合を通して高いパフォーマンスを披露。「ガード陣から切り崩してパスを供給することが必要だと思った」と積極的な仕掛けで相手のディフェンスを崩し、再三好機を演出した。リーグ戦18試合での出場時間は、拓大との最終戦でプレーした6分のみ。ベンチや応援席から試合を見届けてきた。その中での今回の長時間の出場。「心肺きつかった」と漏らしながらも、外から見て必要だと感じてきたことを、コートの中で見事に体現してみせた。ここにきて中東がガードのポジションを務めるなど、まだチームのガードが定まりきっていない。それだけに、次の国士大戦、さらにはインカレと今後の試合での活躍にも大きな期待がかかる。

 新しく試みたゾーンディフェンスが機能するなど、充実した勝利となった。「我慢してディフェンスを頑張れるようになったのは成長」(中東)。「経験を積んで、チーム力が高まったことが得点力向上につながっている」(吉本)と攻守に手応えを感じている。次の5位決定戦は国士大との対戦だ。順位決定戦であると同時に、インカレ前最後の公式戦となる。前回対戦では、ホームで敗れた。そのリベンジとともに、インカレへと弾みをつけるゲームにしたい。

[尾藤泰平]

試合後のコメント
岩淵

「いきなりプレータイムが増えて心肺きつかったけど短い時間で細かくだしてくれたり塚さんが考えて使ってくれたので短い時間でできることをやろうと思っていた。リーグの18試合を見てきて泰斗(中東)が切り崩す形が多かったのでガード陣から切り崩してパスを供給することが必要だと思った。それで第2クオーター、第4クオーターの大事なところで楽にしてあげられるように、と思って積極的にいった。(フローターシュートは)普段は強くなっちゃうけどいい感じに抜けて練習とかでやってきてできた。外のノーマークも打てるようにして確実にいれていかないといけないのでそこはインカレに向けて練習していく。慶應がより目のディフェンスだったので吉本とか結構ノーマークになっていて、リーグの数字で見ても40%くらい入ってたので打たせていこうと思っていた。外中外中とバランス良くできたと思う。(慶應の伊藤は)キーマンと言われていて3Pを何本かやられてそこをとめていればもう少し余裕を持ってできたかなと。マンツーのときは打たせないように、徹(皆川)もいるからそんなに突っ込んでこないと思っていたのでファールもうまく使いながらできた。(1―3―1は)自分は練習してなかったので半信半疑だった。マークつかないといけなかったけど逆にそれで相手のターンオーバーが増えた。(最後のフリースローのところは)自分はあんまりフリースローを打たないけどああいうところでしっかり決めていければもっと信頼される。5点差のところで打ったけど1点差2点差のクロスゲームのところでも決めるようにしたい。国士は今日よりプレッシャーがないと思う。ディフェンスからリズムをつくっていきたい。チーム全員が貢献できるようにコートの中にいるときだけじゃなく外にいるときもチーム全員でやりたい」

中東
「慶應には2回負けてたので勝てて良かった。(ゾーンは)相手がファイブアウトみたいなチームだったので脚を止めるためにやってそうなってたのでゾーンが効いてた。(リバウンドで飛び込まれたのは)ガードが入られていたのでそこは意識が薄かった。みんなリングにつめるようになっていて積極性があってバランス良く点が取れてた。(1番ポジションは)ボール運びのときにターンオーバーが多いのでそこ。2番だとパスがこないことが多いのでそこはいい。岩淵がやるときも自分は本来2番なのでやりやすい。(チームとして)我慢してディフェンスを頑張れるようになったのでそこは成長。次も勝てるなら勝ちたい」

伊澤
「自分たちが勝っていたのにターンオーバーやらで追い詰められてしまった。リーグ戦のときにそういう流れで負けてしまった部分もあるので同じことを繰り返さないように1本1本しっかりチームでやっていった。ゾーンもインカレとかに向けて慶應がスピードが速くて外が中心のチームだったのでそういう相手をどう抑えるかというのを試してみたいというのがあった。簡単にやられる部分も多かったがいいところもあったのでそれをどう継続させるかが課題。去年は2―3だったりっていう形があって今年にまた新しい2つの形ができた。自分たちに合うものを試合中にどれだけ表現できるかというのが大事になってくる。(サワは)ボールマンプレッシャーだったりそういうところが足りてなかったというのとカバーを意識しすぎて1対1だったり自分のマークマンに対する意識がずれていってしまっていた。外から飛び込んでくるというのが多いチームだったのでチーム全員でボックスアウトだったりリバウンドを取るというのができなかった。(明日は)国士にはホームゲームで負けていて、外で自由にやらせてしまった部分があったのでそれをどう自分たちのディフェンスをしっかりするか。あとはインカレにどうつなげるかが重要になるので内容を重視してやっていく」

吉本
「勝たなければならない試合だったので、勝てて良かった。今日は前半からたくさん(3Pシュートが)打てた。欲を言えばもっと決めたかったのと、連続で外してしまったところがあったので、そこは改善したい。(ゾーンディフェンスは)まだやり込んでないやつだったので、効いたところもあるし、ローテーションなどがうまくいっていないところもあったという感じ。リバウンドがあまり取れていなかったので、もっと集中しなくてはいけない。クオーターの出だしでターンオーバーをしてしまい自滅してしまうところがあったので修正したい。みんな18試合で様々な経験を積んできて、チーム力が高まったことがチームの得点力向上につながっていると思う。明日も今日とやることは変わらないので、ディフェンスをしっかりする。それとリバウンドも頑張りたい」

日時 対戦相手 会場 結果
◆第90回関東バスケットボール1部リーグ戦日程表◆
9/6(土)14:20~ 対慶大1回戦 代々木第二体育館 ●明大55―80慶大
9/7(日)14:20~ 対専大1回戦 代々木第二体育館 ○明大75―60専大
9/10(水)14:20~ 対白鴎大1回戦 大田区総合体育館 ●明大48―60白鴎大
9/13(土)14:50~ 対青学大1回戦 郡山総合体育館 ●明大52―75青学大
9/14(日)13:50~ 対東海大1回戦 郡山総合体育館 ●明大39―59東海大
9/17(水)14:20~ 対国士大1回戦 大田区総合体育館 ○明大74―59国士大
9/20(土)12:40~ 対筑波大1回戦 専大生田体育館 ●明大64―74筑波大
9/21(日)11:00~ 対法大1回戦 専大生田体育館 ○明大72-54法大
9/27(土)16:00~ 対拓大1回戦 代々木第二体育館 ●明大54-78拓大
10 9/28(日)14:20~ 対慶大2回戦 代々木第二体育館 ●明大53―58慶大
11 10/4(土)11:00~ 対専大2回戦 つくばカピオ ○明大55―53専大
12 10/5(日)11:00~ 対白鴎大2回戦 つくばカピオ ○明大58―51白鴎大
13 10/11(土)12:40~ 対筑波大2回戦 日体大世田谷体育館 ●明大39―61筑波大
14 10/12(日)11:00~ 対法大2回戦 日体大世田谷体育館 ○明大69―56法大
15 10/18(土)16:10~ 対国士大2回戦 明大和泉体育館 ●明大68-76国士大
16 10/19(日)17:40~ 対青学大2回戦 明大和泉体育館 ○明大99―90青学大
17 10/25(土)16:10~ 対東海大2回戦 東海大湘南体育館 ●明大75―105東海大
18 10/26(日)16:00~ 対拓大2回戦 東海大湘南体育館 ●明大71―74拓大
19 11/1(土)12:40~ プレーオフ1回戦 代々木第二体育館 ○明大69―55慶大
20 11/2(日)12:40~ プレーオフ2回戦 代々木第二体育館 明大-国士大
◆第90回関東大学バスケットボール1部リーグ戦星取表◆
東海大 青学大 明 大 拓 大 筑波大 白鴎大 専 大 慶 大 国士大 法 大 勝敗 順位
東海大 ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ 18勝
青学大 ●● ○● ●○ ○● ○○ ○○ ○● ○○ ○○ 12勝6敗
明 大 ●● ●○ ●● ●● ●○ ○○ ●● ○● ○○ 7勝11敗
拓 大 ●● ○● ○○ ○● ○○ ○○ ○○ ●● ○○ 12勝6敗
筑波大 ●● ●○ ○○ ●○ ○● ○○ ○● ○○ ●○ 11勝7敗
白鴎大 ●● ●● ○● ●● ●○ ○● ●● ●● ●〇 4勝14敗
専 大 ●● ●● ●● ●● ●● ●○ ○● ●● ●○ 3勝15敗 10
慶 大 ●● ●〇 ○○ ●● ●○ ○○ ●○ ●● ○○ 9勝9敗
国士大 ●● ●● ●〇 ○○ ●● ○○ ○○ ○○ ●○ 10勝8敗
法 大 ●● ●● ●● ●● ○● ○● ○● ●● ○● 4勝14敗
全日程終了