新人戦圧巻の3連覇 総合では栁口がベスト4/東日本大学新人戦、東日本総合選手権

2014.11.01
 圧倒的な実力差を見せつけた。3連覇を懸けて臨んだ東日本新人戦。序盤こそ動きに硬さも見られたものの、1、2年生が一丸となり黒星ひとつ付けずに圧巻の優勝を果たした。また同日行われた東日本総合選手権では自衛隊など一般の選手も出場する中、中量級で栁口憲太(商4=長崎西)がベスト4に輝いた。

 昨年すでに連覇を遂げている明大に死角は無かった。推薦入部の玉置裕也(文2=大商大堺)、原田優介(法2=朝倉)、上田晃輝(法1=城北)、百合草春男(文1=桜丘)を中心に相手を圧倒。「みんな緊張して固くなってしまった」(玉置)というものの初戦、準々決勝と難なく勝ち抜いた。国士大との決勝戦、優勝を決定づけたのは一般入部の2年生だった。中堅で永里純(政経2=幕張総合)が1―1の状態から残り9秒で相手を押し倒し、勝利をもぎとった。「勝ちたいという気持ちが強く出ていたと思う」(玉置)。全員の思いを乗せ、逆転劇を演出した。チームは決勝戦でも安定した試合運びで5―0の完勝。大会を通し、誰ひとり負けることなく終えた。さらに全戦で先鋒(せんぽう)を務めた玉置が最優秀選手賞を受賞した。「新人戦として良い終わり方ができて良かった」と玉置。また、上級生としてチームを率いることも経験し「主将はみんなをまとめる力と信頼感が必要と感じた」(玉置)と今後も見据えた。

 同日行われた個人戦では、先週の個人インカレでベスト16まで勝ちあがった明大の看板選手、栁口が躍動した。初戦から得意の組み技でポイントを連取。準々決勝では渡辺健太(商4=明大明治)と明大対決を実現させた。手の内を熟知されている相手にも「組みで勝つしかない」(栁口)と、自分のスタイルを貫き、勝利を収めた。しかし準決勝では果敢に攻めながらも、一瞬のスキを突かれ胴蹴りで一本を献上。「まだ先週の負けを引きずっていて、気持ちが入り切れていなかった」(栁口)。試合後は気持ちの面とスタミナの面で自身の課題を挙げ、2大会連続の部内最高成績の結果にも「すっきりはしていない」(栁口)と悔しさを滲ませた。

 また、女子の部では由良沙優花(法1=城東)が公式戦デビューを果たした。「すごく緊張した」(由良)とは思えない堂々の戦いぶりで初戦は2―0で勝利を挙げた。試合後は「この感触を次に生かしたい」(由良)と笑顔。2回戦では強敵相手に手応えも感じることができた。今後の目標は「男子にも引けをとらないくらい強くなること」(由良)。唯一の明大女子プレイヤーの今後に期待が高まる。

 日に日に府立(団体インカレ)が近づく中、新人戦がひと足先に3連覇を成し遂げた。「下級生も育っているが、上級生が踏ん張らないと勝てないと思っている」(栁口)。後輩の活躍はチーム全体に良い刺激を与えている。決戦まで22日、最終調整の時期に入った。チーム全員、見据えるのは頂点のみだ。

[関本紗希]

<試合後のコメント>
玉置

「3連覇できたことはうれしいです。でも1、2回戦は緊張してしまってみんな固かったので、良い試合はできていなかったと思います。こういうところで緊張していたら次の府立で足を引っ張ってしまうので、そこはみんなで直していかなければいけないと感じました。試合に出ている選手も出ていない選手も1回戦からみんなで応援して一丸となって優勝できたので、今回は盛り上がり方も良かったです。新人戦としていい終わり方ができました。先鋒(せんぽう)はムードメーカーなので流れをつくっていかなくてはいけないということで、早くに一本取っていくという気持ちで臨みました。自分の拳法の主体は立ち技なのですが、今回は組みに頼ってしまってあまり良く動けていなかったかなと思います。決勝も良い動きはできなかったのですが、みんなが勝ってくれるという思いがあったので落ち着いて戦うことができました。新人戦では自分らの代が一番上なので、自分が一番盛り上げようという気持ちはありました。高校の時は副将で、主将のサポートが中心だったので、主将というのはみんなをまとめる力と信頼が必要だと感じました。2年後にはチーム全体を率いられるようになりたいです。(府立に向けて)緊張などは試合で直していくことしかできないので、練習では基礎をもう一回やり直して、さらに自分の得意な拳にもっと磨きをかけて最終調整したいです」

栁口
「まだ先週の負けを引きずっていて、気持ちが入り切れていなかったです。1回戦2回戦はそれほど警戒する相手では無かったので、思い切り組んで自分の形で上がることができました。(渡辺との試合について)練習でも同じくらいの相手だったので警戒もしたし、組ませてもらえなかったけど、結果は辛くも勝ったという感じです。2―0でしたがスコアほどの差はありませんでした。準決勝の敗因は勝負どころで決め切れなかったのと、スタミナが切れてしまったことだと思います。投げるところまではいいのですが決めることができなくて、前回の反省を生かせないまま情けない試合をしてしまいました。(個人インカレでは)面蹴りを入れられたので、面の守りは徹底していました。それで今回は面はもらわなかったのですが、代わりに胴が手薄になって抜かれてしまったので、もう少し構えを固めないといけないと思います。残り20日と少しでそこを重点的に修正したいです。団体戦は試合の間隔が空くので、スタミナの面では大丈夫だと思います。春の全国大会でも自分の負けが重くのしかかってしまったし、逆に昨年なんかは自分の勝ちがチームの勝利に直結することが多かったので、ポイントゲッターとしての責任は感じています。周りからも「栁口は安定して取ってくれる」と言ってもらえるので、しっかり勝ち切ること、最低でも引き分けを取らなければいけないと思います。後輩も育っていますが上級生が踏ん張らないと勝てないので、残り少ない時間で気持ちを入れていきたいです。(個人戦の結果について)正直、自分が伸びてきたとは思っていないです。もっと上までいけるつもりだったので、あと一歩という感じでスッキリはしていません。部内で成績が良くても、他のチームに個人でも通用するところを見せたかったので残念です。それでも部内最高成績というのは団体でも勝たなくてはいけないという気持ちにつながっています。府立は試合に出ている人も出ていない人もOBの方も保護者の方も全員で3連覇します。自分はその代表として、勝つだけです」

由良
「初めての公式戦だったので勝ちたいという気持ちもありましたが、大会で自分の何が通用するのかを試したいと思って臨みました。特に試したかったのが組み技だったのですが、やってみて通用しなかったので途中で立ち技に変えて、やはり臨機応変にやらなければいけないと試合を通して思いました。昇段試験で一度試合は経験しているのですが、やはり公式戦は空気も相手と対峙した感じも違ったのでいい経験になりました。2回戦で新井さん(早大)と戦わせていただい時に、相手に組まれないことだけを考えて、距離をとって攻められたことは良かったです。初戦は初めて2―0で勝てたので、この感触を忘れずに次に生かしたいと思います。緊張は気持ち悪くなるくらい、すごくしました。でも先輩方や監督が声をかけてくださって気持ちが楽になり、試合が始まるときには楽しくできました。拳法を始めたのは単純に見ていて興味が湧いたのと、先輩方で警察官を目指している方が多く、自分も警察官を目指したいと思ったので、日本拳法をやっていればいい風に結びつくのではないかと思って始めました。女子選手が練習場所にいなくて、女子と防具練習をできないまま大会に望むことになったので、不安はありました。でも男子と練習すると自信にはなるので気持ちの面では強くなれると思います。今後は立ち技でも組み技でも、どんな時でも色々な手数が出せて、オールマイティーに動ける選手になりたいです。また、男子には引けをとらないくらい強くなりたいと思います。」