
一本の重み知る 男子エペ個人は悔しさ残る結果に/関東学生選手権
[男子エペ個人]
坂野守洸(法3=清風)
悔しい一本を食らった。11―9とリードを保ち「このまま合わせていたら勝てるかなと思った」と迎えた終盤。上ばかりだった攻撃から突如足を突かれて1点を奪われた。「下が気になると剣を出す時に下も注意しながらになるので悪いリズムになってしまった」とこの一本から相手に連続ポイントで逆転を許した。持ち直してポイントを奪うも同時突きだったために点差を縮めることはできず。最後まで単独での一本を取れずに14―15で敗戦となった。「嫌なタイミングで嫌な一本を貰った」と優位に進めた試合を一本で流れを持っていかれた。序盤にも先制こそしたものの流れを持っていかれかけていたが「すごい運が良かった」と坂野にとって良いタイミングで女子サーブル個人の選手紹介が入り試合が中断。一度流れが切れたことで「作戦を変えてくれるまでずっとやりにくいようにして待っていた」と相手が作戦を変えた隙を狙う戦術にシフトした。48秒という長い時間をかけた一本で同点とするとじわじわとリードを広げていっただけに「あれがなければ」と足を狙われた一本だけが悔やまれた。
荒井諒平(理工4=埼玉栄)
気持ちで勝利を狙った。荒井は2回戦でやり慣れていると言う飯塚(日体大)と対戦。手の内を知り合っているからこそ「どう戦うかということだけ考えて、最後は気持ちで勝負していこうとは思った」。対戦が決まってからずっと戦い方を考えていたが、最終的には2回戦敗退。それでも予選の結果も考慮されたランキングによりインカレ出場権を獲得した。
佐伯恒星(政経2=鶯谷)
力の差を見せつけられた。2回戦で、優勝した山田(日大)に完敗。世界ジュニア選手権で優勝を果たした相手に「スピードでもポイント能力でも負けている」と実力差を痛感させられた。
それでも強豪がひしめき合うプール8を3勝2敗で勝ち抜いた。また敗れた試合でも「相手が出たところを突けた」と自身も納得の形でポイントを奪取。昨年からの成長を大いに感じさせた。課題は精神面だ。対戦相手次第ではネガティブになり、試合のモチベーションに直結することも。「何度も練習して練習して練習して完璧にする」と佐伯。高校1年次にはジュニアW杯の日本代表に選ばれた経歴を持つなど、素質の高さは折り紙付き。自信を身につけエペで天下を取る。
池畑亮太郎(理工1=三重県私立海星)
明大から出場した4選手の中で、唯一プール戦を通過できなかった。5戦して挙げた勝利は、わずかに1勝。主にフルーレを主戦場とする池畑は「付け焼刃では本種目でエペをやっている人には勝てない」と完敗を認めた。しかし部員の少ない明大では、今後のチーム状況次第でエペとしての実力も求められることになるだろう。
男子フルーレ、男子エペと、個人でのインカレ出場は逃した。それでも暗さはない。「フルーレ団体はインカレに出場できる。練習からアピールしてメンバーに入りたい」と切り替えていた。
[谷澤優佳・柴田遼太郎]
試合後のコメント
荒井
「やり慣れている相手なので手の内は知っている。どう戦うかということだけ考えて、最後は気持ちで勝負していこうとは思った。戦術的にはある程度組み立てやすいし、逆に相手の得意技をどう潰せるかっていうのも一つだと思っているので決まった瞬間そこをひたすら考えていた。(明大勢の試合について)良くもなく悪くもなくという感じ。やはり一本取り切れないというのは自分たちの課題。(団体戦に向けて)他の大学は個人戦でも上に上がってきているけれど自分たちはそんなに上がってきていないので、個人で勝ち上がらなくてもチームワークで勝つということを意識して他のチームに勝ちたい」
坂野
「今回は自分の中で練習の計画を立てて結構前から4月くらいからずっと継続してやってきた。去年までに比べれば勝ちたいというのが強かったので、勝ちたすぎて安全な方に安全な方に行っていたので逆に動きが少なくて固くなっていたかなというのはある。(2回戦について)勝てばインカレが確定するのですごくインカレに行きたいという気持ちが強すぎて相手はそんなに強い選手ではなかったけれど、簡単なことしかできなくてかつ構えが左利きでフレンチっていう同タイプの持ち手でやっている人が自分と多分その選手くらいしか関東にいないので、対戦した経験がなかったのでちょっとやりにくかった。でも最後に一本勝負になった時は先に打てば勝てると分かっていたので、一本勝負で何回も負けた経験あったのでそこは思い切ってやろうと思って簡単な技だけを貫いた試合だった。特に技術的なことは何もしていない。勢いと気持ちだけで勝ったので。(3回戦について)最初に自分が1点取って次に取られてまた取られて同点になって、という展開で序盤に向こうに流れが行きかけたので良いタイミングで選手紹介やってくれて試合が切れたのですごい運が良かったなと思った。しかしその時にちょっと小野の方が勢いがあったのでそれを止めるためにどうしたらいいかなと思った。出てきたいようなタイミングで剣を出して小野が行きにくい、行きにくいって考えて何か作戦を変えようとした時にその隙をついて一本取るっていうように狙っていたので、小野が作戦を変えてくれるまでずっとやりにくいようにして待っていた感じ。それで相手が作戦切り替えたって分かったのでそこを1点取った。途中まではこのまま合わせていたら勝てるかなと思ったけれど、一発足を突かれてどうしても下が気になってくる。今までは上ばかりだったので上を注意していたけれど、いきなり下を突かれてしまって、あの時足が止まっていて下を突かれたのもあるけれど、下が気になると剣出す時に下も注意しながら上から下に突き下ろすような形なので距離が短くなって悪いリズムになってしまった。足は突かれたら駄目だなと思っていたけれど嫌なタイミングで嫌な一本貰ったので、あれがなければって感じだった。守りに入って前へ行けなかったのでそこが敗因かなと思う。(団体戦に向けて)相手また1回戦学習院とやって次早稲田なので今日やった小野もいますし、出稽古の練習で早稲田に通いつめてたので手の内はお互い知ってるのであとはそれをどうチョイスして戦っていくか。あとその日の体調なり気持ちの持ちようだと思うので、しっかり最後まで頭使って一人で勝てないのでみんなで取れるように頑張っていきたい」
佐伯
「みんなが強いと言っていたメンバーの中で、プール戦を通過することはできたがもっと自分の腕を磨かないといけない。その中で勝っていかないと上では勝てない。自分の剣は大きいのでポイントのところをもっと精密にしなければいけない。でも一番は気持ちの面。試合をする前から負けている。負けてしまった試合は、世界ジュニアでも優勝した相手だったが勝たないといけない。スピードでもポイント能力でも負けている。その中でどう勝っていくか。しっかり対策をする。それでも相手が出たところを突けた、みたいな自分が納得する形で点数は取れた。距離感では勝てていた。自分の中でフルーレよりエペの方が勝てるイメージがある。でも実際は行けていない。差は技術よりも、やはり気持ちの面。自信を持てるように。何度も練習して練習して練習して完璧にする。フルーレではインカレに出られるので、この短い間はフルーレを練習する」
池畑
「自分の中で本種目はフルーレ。それでも予選敗退は駄目。エペは練習不足。基本ができていない。付け焼刃では本種目でエペをやっている人には勝てない。人数的なことでエペも求められるのは分かる。ただ個人的にはフルーレをしたい。佐伯先輩はプールが厚いところだったが勝つところは勝って上がっていた。フルーレ団体はインカレに出場できる。練習からアピールしてメンバーに入りたい」
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