
男子はベスト8、女子は2回戦敗退に終わる/全日本学生選手権大会
[男子]
強敵を破り、一矢報いた。準々決勝の相手は先月の関東大学秋季リーグ戦でも対戦し、地力の差を見せつけられた早大。第1シングルス、第2シングルスを接戦の末落とし、迎えた第1シングルスは高野・宮嶋組と古賀・齊藤組の顔合わせとなった。第1セットは途中まで14-18とリードを許すもじりじりと差を詰めていき21-21の同点に。相手の好レシーブにもひるまず高野が強烈なスマッシュを連発。果敢に攻めて22点目を取ると、23点目は相手の打った球がネットに引っかかりこのセットを奪取した。しかし第2セットは相手に7連続でポイントを取られるなど、波に乗ることができず落としてしまう。ファイナルセットは出だしから一進一退の攻防となり一歩も譲らない戦いとなるが、最後は18点目から4連続得点で21-18と勝利を決めた。「攻めの意識だけは最後まで貫いてやっていた」(高野)とこれまでの古賀・齊藤組との対戦ではレシーブに回って負けることが多かったという反省を生かし、勝利につなげてみせた。
[女子]
シングルスの二本柱が躍動した。2回戦の相手は秋季リーグ戦1部3位の専大。第1シングルスで出場の伊藤美沙(政経4=聖ウルスラ学院英智)はファイナルセットまでもつれる熱戦となった。18―20と先に相手にマッチポイントを取られたが、2連取で追いつきジュースに持ち込む。21点目は先取されるものの、最後はアウトをきっちりと見極め3得点連取。23―21でファイナルセットをもぎ取り1勝を挙げた。「今回で最後だったので最後の1点まで諦めないでできたのが勝ちにつながった」(伊藤)と弱気になりそうだった気持ちを4年間の集大成という思いが変えた。「絶対勝って終わりたい」と強気の姿勢で攻め続け、チームにとって貴重な白星を手にした。第2シングルスの高原美由樹(文2=埼玉栄)はコートの角にショットを決めるなど技術の高さを見せた。ライン際に落とすショットを見せると声を挙げてガッツポーズ。第1、第2セット共に21―15とストレートで勝利を挙げ、シングルス2つで2勝と勝利に王手を懸けた。
あと一つ粘れなかった。第1ダブルスはダブルス個人戦にも出場予定の高崎真美(政経2=日本橋女学館)・村上晃(商1=青森山田)組が登場。東日本学生選手権ベスト8と頭角を現していたペアだったが、世界学生選手権準優勝の強豪ペアに歯が立たずストレート負けを喫した。シングルスで勝利を収めた2人が組んだ伊藤・高原組は「全然練習してない分すごく実力の差を感じた」(伊藤)と1カ月ほどの練習期間では1部上位校との差を埋められず、1セットも獲得できずに敗退。最後の第3シングルスもストレート負けで、チームとしても2―3で敗れた。
個人戦からは新しい主将を中心とした新体制に移行するため、この団体戦が現体制で挑む最後の試合となった。この1年間チームを引っ張ってきた藤井佑介主将(政経4=札幌第一)は「個人的には4年間振り返って悔しい気持ち」。しかし、新チームには「僕たちのチームよりもいいチームを必ずつくってくれると思う」と期待を寄せた。思いを受け、4年生が上がることのできなかった舞台を目指す。
[原大輔・谷澤優佳]
試合後のコメント
藤井
「力は持っていたと思うので、自信を持って臨んだのですけど、格下の相手への試合の入り方だったりしたところでいい人と悪い人の差が出てしまったかなと思います。全体的にはそんなに悪くなかったと思うんですけど。僕が負けたのが全てかなと思います。過信ではないんですけど、リーグ戦をいい形で終えられたところもあって、普段どおり普段どおりというところを心がけてやっていたんですけど、リーグ戦が終わってからすぐなので、技術の急な成長というのは無いと思うんですけど、普段どおり普段どおりを考えすぎたというところが逆に勝ちにこだわる執着心につながらなかったかなというふうに個人的には思います。彼らはあまり調子良くなかったと思います。調子悪いなりにまとめて、一番上をお互いずっとやってきて、そこに行くにあたって彼らも人間なので、やりたいダブルスだったりやり方だったりというところが少しぶつかってくると思うんです。そういうところはこれからもう少し言い合えるようなダブルスになってほしいなと思います。今日のことは彼らにとっても自信になると思うし、個人戦もあるので僕自身も彼らに期待してます。古賀齊藤のときは点数の取られ方だったり結構何回かやってるのですが、最後の1点、2点のところでいつもやられていたので、そこに至るまでの少しリードしても何かがきっかけで流れが相手になってしまうので、そこのミスの仕方だったり間の置き方だったりに気をつけろとは言いました。団体戦が終わったので僕は主将としては最後でした。個人戦からは次期キャプテンに引き継ぎます。(主将としての最後の試合を終えて)後悔しても遅いんですけど、やはり日頃の行いだったり練習への姿勢だったりその時その時は常に全力を尽くしてキャプテンとしてもプレーヤーとしてもやってきたつもりなんですけど、自分自信が終わってみて、勝ったにせよ負けたにせよ達成感がないというのはたぶんどっかに甘えがあったりして、個人的には4年間振り返って悔しい気持ちです。もっとたくさんできたことがあると思うので。ただ僕はもう競技では返せないので、後輩たちには教えるところはしっかり教えてきたつもりですし、あとは僕がやってきたところをプラスアルファにして、自分たちで何かを感じて、今回のチームよりもいいチームを必ずつくってくれると思うので、そこに期待したいですね。形としては引き継ぎますけど、全体を見渡して何か言えるのとがあればしっかり伝えていきたいですし、近くにいるうちに。個人的にはあまり最後の試合に緊張でガチガチというところで力を出し切れなくても後悔するだけなので、バドミントン競技15年くらいやってきてそれの最後というのもあるので、何も考えずにといったらおかしいですけど、本当に楽しいことが一番でバドミントンを続けてきましたから、最後は楽しんで自分らしくやれたらなということはありますね」
高野
「勝てて良かったです。(古賀斎藤ペアとは)いつも引いてしまってレシーブに回って負ける展開が多いので、攻めの意識だけは最後まで貫いてやっていました。勝てたのはたまたま。自分らは勝たなくてはいけない相手だったので、そこでしっかり勝ち切れたのは良かったです。青学戦も2ー2で回ってきましたが、開き直って自分のペースで最初から最後までできたので良かったです。(個人戦の目標は)インカレ優勝です。単はベスト8に入って、総合の権利が獲れればいいかなと思います」
伊藤
「いつもリーグとかでファイナル(セット)行って最後競って負けるパターンが多いので、競って最後負けるのかなって弱気になった部分があった。でも今回で最後だったので気持ちがすごく強気で、しっかり最後の1点まで諦めないでできたのが勝ちにつながったと思う。(ダブルスについて)入替戦が終わってからなので全然1か月もやってないくらい。シングルスをメインでやってきたのでダブルスはもうほとんどやっていない状態。組んだのは自分が4年生として最後だし、という思いが大きいと思う。初戦だったので緊張していて体があまり動かなかったけど、しっかり2人で攻めていって勝てたので良かった。(専大戦について)シングルスは東日本の時も一つも取れてなかったので、しかも自分は途中でケガして棄権してしまったので、勝ちたいという気持ちが強かった。ダブルスに関しては全然練習してない分すごく実力の差を感じたので、1部の上位校の差はまだあるなと感じた。でも東日本の時よりは2ポイント取れたというのはすごく大きいなと感じる。4年間の最後の試合なので、個人戦も自分は出られないので本当に今日で最後になるかもしれないという思いが強かった。絶対勝って終わりたいなというのが一番にあった。(チームについて)そんなに悪くないとは思うけれど、やっぱりこれ以上強くなるにはもっともっと一人一人が2部に落ちてしまったこととか色々考え方を変えないとまた同じ繰り返しをすると思う。悪くないけどこのままだと変わらないので、もっと強くなるにはもっと頑張らないといけない。(4年間を振り返って)すごくあっという間だったなと感じていて、でも最後の自分がキャプテンになった1年間というのは後悔の方が多い。個人戦インカレ出られなかったのとリーグで2部に落ちてしまったのは、もっとこうしておけばよかったというのが今になってすごくたくさんある。だから逆に後輩たちには後悔とか、みんなまだリーグもインカレもあるので自分みたいにはならないで欲しいなと思う」
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