
男子エペ団体は惜しくもベスト8に終わる/関東学生選手権
驚異的な追い上げを見せた。20―30と10点差の状態で7人目の荒井が登場。「1つ目2つ目のパフォーマンスが空回っていた」(長尾康司助監督)と相手にリードを許してしまったが、3試合目は違った。開始直後に単独での一本を取ると次々に得点を重ねていき、開始時には10ポイントあった差を27―32の5ポイントまで縮めた。「やるしかないと覚悟を決めた」と大きく開いていた点差が荒井を奮起させた。「自分で一歩先に攻めて一発二発で終わらないように粘り強くやろうと思っていた」と自ら積極的に攻撃を仕掛けたことが功を奏した。
4年生の力強い戦いの流れをくんで、8人目で登場の佐伯恒星(政経2=鶯谷)も今までと違う試合を見せた。「思いきり良くぶつかっていった結果が、ある程度相手を追いつめるところまで行った」(長尾助監督)と1試合目は1―5、2試合目も3―5とリードを許していたが一挙8得点。しかし最後は相手に単独ポイントを許し35―40と差は縮められなかった。「8点は取ったけれど自分的にはあまり納得していない」(佐伯)と悔やんだ。
前日の借りを返した。1人目で登場した坂野守洸(法3=清風)の相手は男子エペ個人戦3回戦で敗れた小野(早大)。「個人戦の延長だと思って自分が勝ちたいがために戦った」(坂野)と団体戦としてだけではなく、自らの思いも乗せた試合となった。互いに譲らず同時突きが多かったものの、3点目を単独で挙げ5―4で勝利。周りからも言われていたリベンジを果たし「昨日負けているだけあってうれしかった」。関カレで納得いっていない部分として挙げたエペ個人戦の悔しさをすぐに晴らした。
関カレの全日程が終了した。「同じレベルで拮抗している他校の選手と良い試合はするけれど、結果的には一本差で負けたりという惜しい試合があった」(長尾助監督)と勝ちきれない点が課題だ。次の試合はインカレ、4年生にとっては最後の試合となる。「一からしっかり初心に戻って頑張っていきたい」(佐伯)と新たな気持ちでインカレに臨む。
[谷澤優佳]
試合後のコメント
長尾助監督
「惜しかった。惜しい試合だった。追いつくまでだったかな。追いついてひっくり返さないと。逆に言えば捨て身で追いつこうとしていたからこれだけの差で済んだのかもしれない。どこかの瞬間で追いついてリードできる場面があれば逃げ切れたかもしれない。早稲田にはランキング的な結果として明治には負けないだろうという思いがもともとあったのかもしれないから、懐深い試合をされたのかもしれない。ランキング的にはこちらがチャレンジャーだから向かって行って、結果的には7点差だったから一人にすれば15点取り合う中で2ポイントの差。そういうこと考えれば勝てるチャンスもあった。(7人目の荒井について)彼にとっての3試合目だけれど、その前の1つ目2つ目のパフォーマンスが空回り、地に足が着いていなかったというか。トータルでいけば最後3巡目で追いつこうと追いつめるレベルまでいったけれども、均等にできていれば僅差のままで着いていけた。最初から開き直ってやってほしかったところはある。(8人目の佐伯について)最終は開き直り。それとこんなはずじゃないという気持ち。そういう点では思いきり良くぶつかっていった結果が、ある程度相手を追いつめるところまで行ったということだと思う。ここまでのキャリアを見ると向こうの方がはるかに上ですから、最後の早稲田の選手は隙がなかった。彼をどうやって攻略するかということを今度、当たるか分からないけれど近いところではインカレ、来年の春のリーグ戦では同じ1部だから必ず当たるので考えていかなくてはいけない。(インカレに向けて)満足できる試合をしたい。ベスト4には入りたいなと。(関カレを振り返って)取りこぼしはなかった。ただ個人戦でみんな同じレベルで拮抗している他校の選手と良い試合はするけれど、結果的には一本差で負けたりという惜しい試合があった。これを克服しないといけない、課題だと思う。精神面なのか練習の絶対量なのか、両方かもしれないけれども。出場校が少ないから1回目は格下、2回目は格上ということだから、1回目はそういう意味では楽勝だったし2回目は苦戦してなかなか勝ち上がれなかった。ランキングから言えばランキング通りの試合だった。女子のエペの団体については、正直勝ちたかった。こちらも一生懸命やっているけれど他の大学も一生懸命やっている。精神面と体力面、パフォーマンスとか今までの練習以上のものを学生が身に着ける必要があると思う」
荒井
「良くもなく悪くもなく。でもチームとしての雰囲気は良かったと思う。終盤流れが良くなるのは明治の良いところだけれど、序盤取られてしまうところが明治の悪いところなので、そこを均等にして最終的には勝ちに持っていければいいとは思っている。(7人目での活躍について)10点も離されていたので、ここはやるしかないと覚悟を決めてやった。前の2試合が自分の動きができていなかったので、3試合目は自分の動きをして相手に先に打たれるのではなく自分で一歩先に攻めて一発二発で終わらないように粘り強くやろうと思っていた。1試合目2試合目良くなかったので開き直りというか覚悟を決めて、という気持ち。ここで大幅に取れたらいいなと思っていたので結果行って良かったと思う。(関カレを振り返って)4年間やってみてなかなか上に行けない厳しさが分かった。ここが終わりではないのでしっかりインカレで花を添えていきたい」
坂野
「自分の中では個人戦インカレに行きたいというのがあったので、団体戦は1回戦勝てれば行けるので絶対勝てるだろうと気楽に行った。昨日固くなりすぎて負けたというのもあって今日は気楽にやろうというのがあった。緊張して固くなったというよりかは、昨日よりはいろんなことできたかなという印象がある。(1人目の試合について)団体のメンバーには悪いけれど、相手が昨日負けた小野だったのでみんなからもリベンジと言われていたし自分の中でも個人戦の延長だと思って、自分が勝ちたいがために戦った。団体でプラスにするというよりかは、ただ勝つために戦ったような感じ。勝てたのは昨日負けているだけあってうれしかった。(試合全体を通して)自分が勝ったあとに相手のエースの津江が荒井先輩とやったけれど、そこで昨日勝ったのに今日負けてと流れが明治に傾いたのを向こうのエースが荒井先輩を突き放すことによって流れを取り戻した。結構な大差でやられたので一気に早稲田側に流れが傾いて、そのまま佐伯もずるずるといった感じに行ってしまった。荒井先輩、佐伯、荒井先輩という3つのところで踏ん張りきれず、1試合目で傾いた明治の流れをすぐに渡してしまったのが敗因。チームとしての雰囲気は結構良かった。もともと今回の大会までは自分と佐伯がずっとエペばかりやっていて荒井先輩がフルーレを練習されていた。リザーブにいた杉田はサーブルだけれどガタイも良いしエペも結構強かったりするので、1年生のエペやってるのを入れても良かったけれど、勢いとか場の雰囲気盛り上げるのがうまいのでそのまま使った方が良かった。その選択としてはチームが盛り上がる要因にはなった。(インカレに向けて)今回の関カレは最低目標がインカレ出場でベスト8入れたらいいくらいに思っていた。インカレでは上位24人が全日本の個人戦に出場できて、団体戦では6チームくらいが全日本の団体戦に行けるので、今度は最低目標を全日本に出場するということに置いて、そこまでは全日本に出るためにインカレ上がっていこうというのがある。最高の目標としてはベスト8入れたら良いけれど、高望みしすぎて上ばかり見て下疎かにするのは駄目なので、下の目標として全日本に出場できるようにというのが自分の中である。(関カレを振り返って)もう3回目の関カレになるけれど、あと1年で終わるのでどの年よりも行きたい気持ちが強くなってくる。守りに入ってしまって固くなるというのがあったので、そういうところで軽くできる選手が強いと思うのでそこを振り返っていけたらと思う。成績としては団体戦は仕方ないところもあったと思うけれど、個人戦は納得いっていない。自分に勝った相手が3位になっているので勝てれば決勝までいけたかなと。ヤマも強い選手もいたけれど、やり慣れていて得意な相手とかタイプが合う相手ばかりだったので、あそこの一本勝てていればもっと上いけたかなというのがあった。すごくもったいなかった」
佐伯
「自分は2番手という形で出たけれど、あの試合負けたのは正直自分のせいかなと思っていてみんなトントン、もしくは5―3、5―4でいっていた。けれど自分は1回目の試合5―1でそこから一気に流れが悪くなってしまって、最終的に最後の場面でちょっと良い感じになったけれど間に合わなかった。初めでしっかり出し切らないといけないかなという感じがした。敗因はほぼほぼ自分にあるかなという感じ。(3巡目について)8得点はしたけれど結果トントンだった。一応8点は取ったけれど自分的にはあまり納得していない。流れはあったけれど始めが悪すぎたので追いつけなかった感じはあると思う。チームの雰囲気としてはそんなに悪くなかった。早稲田との差はあまりないと思うので、どう練習するかによって差がどんどん埋まってくるかなと思う。(インカレについて)自分はフルーレ個人と団体、エペの団体が出られる。自分はエペ陣なのでフルーレは一応練習するけれど気軽にやって良いところを目指して頑張りたい。エペ団体に関しては今日のような失敗をしないように。一からしっかり初心に戻って頑張っていきたい。(関カレを振り返って)エペ個人が取れなかったことが一番悔しい。初め予選が悪かったというのもあるけれど、そこで勝ちきれないと上は目指せないので。予選からしっかり勝って次につなげていきたい」
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