フルーレ個人戦は振るわず 関カレ開幕/関東学生選手権

2014.10.24
 本格化する秋のシーズンを前に好スタートを切ることはできなかった。関東学生リーグ戦が開幕し男子フルーレ個人、女子フルーレ個人の2種目が行われた。明大からは7人が出場するも、最高成績は道脇啓太(営1=熊本県立翔陽)のベスト32に終わった。それでも男子の道脇と佐伯恒星(政経2=鶯谷)、女子の山岡珠子(政経3=鳥羽)の3人が全日本学生個人選手権(インカレ)の出場権を獲得した。

[男子フルーレ個人]
 結果を残すことは出来なかった。勝利への執念を欠き「なんとなく描いていた通りの結果になってしまった」と守屋一教主将(法4=愛工大名電)。その中で存在感を示したのは1年生の道脇。明大勢最高となるベスト32に入った。

ベスト32に入った道脇
 ベスト16を懸けた佃(日大)との一戦では実力差を痛感させられた。格上を相手に終始劣勢。一度もリードを奪えず、最終スコアは5ー15と完敗だった。一番の差は「剣の速さ、突くスピード」と道脇。それでもプール戦では全勝、全体の6位で通過した。トーナメント初戦となった2回戦でも、昨年度のインターハイで3位に入った実力者・中村(日大)から勝利を挙げた。「勝因は相手のフェンシングに上手く合わせて対処できたこと。大学で練習してきたことの積み重ねが出せた」と自身の成長を実感。課題と共に手応えも得たようだ。

2回戦敗退に終わった守屋主将
 「慎重になり過ぎた」。2回戦、櫻井(拓大)との一戦は、先行を許す厳しい展開ながら10―10と土壇場で追い付いた。しかし「そこでどうしようか考えてしまったのが負けにつながった」と守屋主将。一本を大事にしようという気持ちが強過ぎるあまり、積極性を失った。勝ち越しを許し、10―11。残りは16秒。フルーレ経験の少なさからか、焦りも生まれた。一気に主導権を奪われると、さらに4ポイントを連取され試合終了。「完全にミス。まだチャンスはあった」と悔しい敗戦となった。

[女子フルーレ個人]
 苦手とするスタートの部分で弱さが出た。個人戦には女子で唯一フルーレを専門とする山岡珠子(政経4=鳥羽)のみが出場。山岡は決勝トーナメント2回戦で、世界選手権の日本代表にも選出された柳岡はるか(法大)と対戦した。「最初のスタートがまず駄目」(山岡)と開始23秒で5点のリードを許す苦しい試合展開に。「考えすぎず自分の好きなことをどんどんやっていけたら」という意識の下、立て直し強敵相手に2連取する場面も見せた。しかしその後の3連続失点も響き、追撃むなしく最後は8―15での敗戦。善戦したが2回戦敗退となった。
 課題が見つかった試合だった。1回戦では14―11と余裕を持ってマッチポイントを獲得。しかし「一本どう取ろうかとその場で迷ってしまった」ことで相手に3連取され14―14と並ばれた。辛くも15点目を取り勝利を収めたが「自分の取れる技というのをまず決めないといけない」と分析。この試合を次につなげる気持ちを見せた。

 3人がインカレ出場を決めたものの、男女共に満足のいく結果が残せたとは言えない。明日の大会2日目に行われるフルーレ団体戦で、個人戦の悔しさを晴らしたいところだ。山岡も今日の反省を力に変え、唯一の専門選手として女子団体をけん引する。「最後の関カレだから後輩と一致団結して勝ちに行きたい」(荒井諒平・理工4=埼玉栄)と4年生の思いも背負い、全員での勝利を目指す。

[柴田遼太郎・谷澤優佳]

試合後のコメント
守屋一教主将(法4=愛工大名電)

「OBがおっしゃられていたが、なんとなく描いていた通りの結果になってしまった。その言葉がぐさっときた。イメージから勝ちにいってなかった。そこから負けているのだなと思った。春とは違い、無難に落ち着いてしまっている。落ち着かなくていいところで落ち着いてしまっているというのが今の明治。(負けた試合について)守りながら戦っている状態から攻めた。そうしたらぽんぽん点を取れ、10―10に追い付くことができた。そこでどうしようか考えてしまったのが負けにつながった。慎重になり過ぎた。そして、そこで一本取られた時に残り16秒だったので、時間が無いなと思った。そこでばんばん取られたのは完全にミス。まだチャンスはあった。フルーレはあまり経験が無かったこともあり、もっと経験を積んどけば良かった。相手の技術を出させないのようにはしていた。技術の差でやられたのも確かだが、技術勝負ではなかった。一本を大事にいこうという気持ちが強過ぎた。(プール戦、1回戦について)苦手意識のあった選手が2人いた。やる前からやりたくないなという気持ちがあった。4年目にして何をやっているのだろうと思う。1回戦は相手を知らなかったので自分のペースでやろうと思い、勝てたので良かった。僕の専門はサーブル。サーブルでいいところまでいけたらいい。弱気なのがいけない。優勝して終わりたい」

山岡珠子(政経3=鳥羽)
「最初のスタートがまず駄目で昔から駄目なので、これを克服していかなければいけないとは思っているが結局できなかった。1回戦の時も2回戦の時もすごく負けていて追いつかなきゃいけないってなって、追いついて競ってからポンポンポンと自分が取った。その後気が緩んでしまったのか、欲しがりすぎたというのもあるけれど、一本どう取ろうかなとその場で迷ってしまったのが一番の敗因だと思っている。自分の取れる技というのをまず決めないといけない。すぐ14ー14だったら負けていたと思うので、自分の決定打をしっかり考えて最初もっと集中して一本一本取っていけたらよかったかなと思う。言い訳みたいに聞こえてしまうかもしれないが、ずっとフルーレを練習していない時からのフルーレだったので、2回戦前には自分にできることって何だろうというのをずっと振り返っていた。リポスト(相手の攻撃をかわした後すぐに行う反撃)がとても上手なわけではないし、アタックが素早いわけでもないと思ったので、タイミング系で取るかつそれでアタックをしっかり決められたらな、という意識があった。なので思いっきりというのと、この時は逆に考えすぎず自分の好きなことをどんどんやっていけたらいいかなと思いながら試合をしていた。自分の一番の弱みが出てしまったというのがある。これは15本勝負だから良かったけれど予選みたいな5本勝負だったら負けているので、試合だけじゃなくて練習の時からもっと15本勝負を増やしていきたい。自分が取らなくてもいいので、相手に取られないようにしっかり時間使ってもっと相手を止められるような動きをしていかなければいけない、という課題が見えたので良かったとは言えないけれど良かった。(団体戦に向けて)明治大学の女子自体がエペのチームなので上に行くのは厳しいかもしれないけれど、まずはインカレを目標にして1回戦からしっかり勝っていって自分たちができることを最大限できたらいいなと思っている」

道脇啓太(営1=熊本県立翔陽)
「初めての関カレ、強い人に飲まれて自分の力を出し切れなかった。インカレに行くために、とりあえずプール戦全勝という気持ちでやった。予選では調子が良くて行くつもりだった。上まで行くという意気込みはあった。2回戦は同い年の、インターハイで3位に入った相手だったが、今まで練習してきたことで対処できた。勝因は相手のフェンシングに上手く合わせて対処できたこと。大学で練習してきたことの積み重ねが出せたというのはある。16懸けの試合は強い相手だったが、ここまで差があるのかと思った。一番は剣の速さ、突くスピード。自分は剣を大きく振っていたが、相手は小さく振っていた。それでも足は同じくらいだった。もっと動かせれば良かった。1年目ということもあり、目標はベスト16だったが届かず。インカレに行けるので、そこでまた頑張りたい。個人戦は納得いく結果でもなかったが、一番大事なのは団体戦。気持ちを入れて頑張りたい」