不敗神話続く 前半で退場者出すも東国大に3発完勝!/関東大学1部リーグ戦

2014.10.19
 完全にゲームを支配し、東国大に3-0で完勝した。前半23分に石原幸治(政経4=市立船橋)の得点で先制。幸先の良いスタートを切るが、前半33分に矢島倫太郎(政経4=浦和レッズユース)がこの日2枚目のイエローカードを受け退場となる。一人少ない状況となったが、全員の運動量でカバーし東国大を圧倒した。前半40分に藤本佳希(文3=済美)が貴重な追加点を挙げる。後半18分には差波優人(商3=青森山田)が2試合連続となる直接FKを決め勝負あり。前節こそ引き分けたが、後期はいまだ負けなしで勝ち点を37まで伸ばした。
 スピードスター・石原の今季リーグ戦初得点は貴重な先制点となった。前半23分、右サイドからのボールを差波がスルー、それに反応した石原はワンタッチで再び裏へ抜け出した差波へ。シュートもできた場面で差波が選択したのは、石原へのラストパスだった。「あの形は練習でずっとやっている」(石原)とパスが来るのを感じていた石原は、相手DFを置き去りにし右足で軽く合わせゴールネットを揺らした。リーグ戦での初得点に石原は「ようやく点が取れて良かった」と安堵の表情を浮かべた。アシストの差波も、石原とのコンビネーションについて「ほぼ僕と幸治君(石原)だけの空間だった」と満足げに語った。普段の練習から取り組んでいるゴール前での少ないタッチ数での崩しが見事に体現された。

 誰にも止められない。絶好調男が1ゴール1アシストの活躍を見せた。差波の勝負を決定付ける3点目は、左サイド角度が無いところからの直接FKだった。「ファーに合わせるかニアに蹴るか直前まで迷っていた」という差波だが、選んだのは直接のゴールゲット。右足から放たれたボールはスピードを保ちながらも緩く曲がり、ゴールへと吸い込まれた。守備面においても豊富な運動量でチームを引っ張った。後期戦開幕から好調を維持している差波について「この夏で一回り大きくなって、本当に自分の狙い通りのボールを蹴れるようになっている」と神川明彦監督も太鼓判を押した。差波本人も「結果的に得点に絡めていることが一番の変化」と前期からの成長に確かな手応えを感じていた。

 チーム力の高さを存分に発揮した。前半33分に矢島が退場となり一人少ない状況となったが、焦ることはなかった。三浦龍輝主将(商4=FC東京U-18)は「どういう戦いができるか一つ試された試合だった」と数的不利の状態を試練と考え、二度のビッグセーブを見せるなどチームをけん引した。フィールドプレーヤーも交代選手を含めそれぞれがチームのために役割を果たした。栗田大輔助監督も「やることは変わらなかった」と改めて「球際・運動量・切り替え」の三原則を徹底。特に運動量では完全に相手を圧倒し、一人少ないことを全く感じさせなかった。チームの好調さを見せつける試合となった。

 優勝に向け負けられない戦いが続く。後期は前節の引き分けを挟んで負けなしの6連勝となったが、首位順大との勝ち点差は3。残すは4節、首位順大や4位早大との直接対決が残っているため、優勝は十分射程圏内だ。三浦主将も「一戦一戦気を引き締めていきたい」と決意を述べた。次節は9位の桐蔭横浜大との対戦となる。今節の勢いのまま優勝へと突き進む。

[鈴木拓也]

試合後のコメント
神川監督

「前節引き分けてしまったので、引きずらないことがすごく大切だった。それと謙虚に自分たちの足下を見つめ直してもう一回やるのをテーマに、三浦中心に準備してきた。10人に減っても攻撃の手を緩めず、走っていい試合だった。11人いたらどうなっていたのかなというぐらい圧倒していた。得点も取るべき人間が取っているので。差波はこの夏で一回り大きくなって、本当に自分の狙い通りにボールを蹴れるようになっている。素晴らしい。今日のフリーキックは難易度Dぐらい。要因はわからないけど、とにかく好調で、体のキレもいい。攻撃も守備もできているし、90分動けている。彼の課題であった部分も克服されている。どんどん伸びていってほしい。ここからは一戦一戦が大事なので、相手どうこうではなく、自分たちのサッカー突き詰めてほしい」

栗田助監督
「無失点、3-0で勝てたことが良かった。10人になっても、落ちることなく全員でサッカーをして、勝てて良かった。FWが一人減っただけなので、やることは変わらなかった。(内容で圧倒したが)そして気持ちの部分で負けないこと。決めるべきところで決めること。連勝が前節で途切れたことはあまり意識しなかった。とにかく一戦一戦を大事に戦って、これからは自分たちとの戦いになるので。次も謙虚にやっていくしかない。やっぱり我々は浮かれずに、自分たちとの戦いの中で、サッカーをしていく。その積み重ねが、やっぱり連勝を生んでいくと思う。改善点としては、決定力。決めるべきところでもっと決める。そこは追求していかなければならない。(石原について)良かった。ずっと安定して試合には出ていたし、決められて本人もほっとしているはず」

三浦主将
「前半の早い時間帯に得点を取れたのは大きかったけど、やっぱり一人少なくなった時にどういう戦い方ができるか一つ試された試合だった。相手があまり前から来ない中で、こっちが引かずにどんどん押し出していけた。(二つのビックセーブがあったが)一人少なくなって、フィールドのみんなが人一倍走ってやってくれていたので、自分も失点するわけにはいけないと思っていたので、結果が出て良かった。(他の4年生の活躍も目立ったが)4年生の力がすごく大事になってくると思う。もっと4年生が活躍してくれることをキャプテンとしては願っている。次の桐蔭横浜大は下位のチームで他は上位チームになるが、優勝に向けて一つも落とせる試合はない。そして得点を一つでも多く取って、失点を少なくするのが大事なので一戦一戦気を引き締めてやっていきたい」

石原
「(ゴールシーンは)あの形は練習でずっとやっている。それがやっと結果につながって良かった。(今季リーグ戦では初得点となったが)なかなか決められずチームに迷惑を掛けていた。ようやく点が取れて良かった。(10人になってからは)常に前線からプレスというのをやっているが、一人少なくなってあまり前からは行けなくなった。しっかりとブロックを作って、サイドに追いやったところでプレスを掛けるようにした。それが全体として意識できていたので良かったと思う。(サイドの突破が目立っていたが)仕掛けることは相手のDFにとっても嫌だと思うし、積極的に行けということはスタッフからも言われていた。そういった部分を今日は出せたかなと思う」

松藤
「(今日の試合を振り返って)駒大戦で連勝がストップして、ここでもう一回勝っていくために今日しっかり入れるように準備してきた。開始直後にチャンスもあったので、そこで決めていたらもっと楽になったと思う。(10人になってからは)全体をコンパクトにしてバランスを崩さないようにした。(後半の出来は)もうちょっとシュートまで行ければ良かったが、追加点が取れたのが大きかった」

差波
「(1点目のシーンは)スルーの形は日ごろやっている練習の成果が出た。後ろに幸治君(石原)がいてくれて、そのあとの崩しの場面もほぼ僕と幸治君との空間だった。絶対入るなと思っていたので気持ち良かった。(3点目のFKは)直前まで迷っていた。ファーに合わせるかニアに蹴るか迷っていたが、勝っていたしあの時間帯リズムが出ていたので一本位いいかなと思って蹴った。(1得点1アシストについて)もっとアシストできた場面もあったし、得点を取れる場面もあったので、そこはこだわりたい。(優勝に関しては)あと4節あるし、まだ優勝というところは考えていない。まずは目の前の試合を精一杯やっていきたい。(前期と変わった点は)結果的に得点に絡めているということが一番の変化。僕が関わった得点が勝利につながっていることが大きい」

藤本
「前半のうちに10人になってしまって、結構厳しくなったけど、2点前半で取れたので、後半の次の1点が勝負という話をしていた。優人(差波)がしっかり3点目を決めてくれたので楽になった。でも決めるべきところは自分自身もっとあったので、それは反省しないなと思う。(10人になって変わったこと)一番は守備のとこが変わって、一人なので行き方だったりを考えないとダメだった。みんなで声を掛け合いながら、練習でやってきたことを出せればよかったという感じだった。体力的には厳しかったけど、しっかり守れたと思う。(得点シーンについて)セットプレーで結構フリーになっていたので、チャンスあるなと思っていた。あの時は触ってそらしたら相手に当たって、ボールが自分のとこに来ていた。まぁラッキーだったが、決められて良かった」