東洋大に勝利し連敗ストップ!  優勝戦線に留まる価値ある1勝/関東大学リーグ戦

 接戦をモノにし、1次リーグ最終戦で価値ある1勝を手にした。ここで敗れると優勝が大きく遠ざかる2連敗中の明大は、開幕5連勝を演じるなど今季好調の東洋大と対戦。第1ピリオドにFW永井遼(法3=白樺学園)が技ありのゴールを奪い先制すると、その後も効率よく追加点を奪う。試合終盤の反撃は1失点で凌ぎ、3-1で逃げ切った。早大、中大、東洋大との上位対決3連戦は1勝2敗。1次リーグを終え、勝ち点差1に4チームがひしめく大混戦。上位が横一線の状態で、来週からの2次リーグを迎える。

「絶対に負けられない、という意識がみんなにあった」

 優勝戦線に踏みとどまった。早大、中大に連敗し、この試合に敗れると優勝が大きく遠ざかる一戦。「絶対に負けられない、という意識がみんなにあったので、最初から動きが締まっていた。優勝したい気持ちが強かったから、みんなで優勝するぞと言い合っていた」(GK佐藤永和・文4=軽井沢)とチームの気持ちは一つだった。その言葉通り、試合開始から気持ちの入ったプレーを見せる。第1ピリオド5分にはFW大津晃介(法3=日光名峰)がパスカットからGKとの1対1に持ち込むなど、連敗中のチームと思わせないアグレッシブなプレーで押し込む。攻勢を強めると、先制点は第1ピリオド10分。左サイドでFW桂川涼(政経1=白樺学園)のパスを受けた永井が、パックを浮かせてわずかなコースを突く技ありのゴールで待望の1点を奪う。13分にはゴール間際からシュートを許すなど危ないシーンもつくったが、この同点のピンチはゴールポストに助けられる。その後も東洋大に得点を許さず、第1ピリオドは1点リードで終えた。
 
 勝利への執念は第2ピリオド以降も変わらなかった。「勝ちたい、という気持ちで勝てた。最初から最後までしっかり明治のペースで走りきれた」と大津。第2ピリオド16分には永井のパスを受けたFW北島幹久(文3=武修館)がゴール前で合わせて2点目を、第3ピリオド3分には大津が左サイドからゴールを陥れて3点目を奪い、じわじわと東洋大を突き放した。しかし、1次リーグ首位ターンの懸かる東洋大も黙っていない。第3ピリオド9分には左サイドからのシュートからこぼれたパックを押し込まれ2点差。なおも試合終盤には捨て身の6人攻撃を仕掛け得点を狙う。それでも早大戦、中大戦ともに4失点を喫した守備陣がこの日は奮起。DF梶原聡人主将(政経4=北海道清水)が「DFのミスも、GKの永和(佐藤)が助けてくれましたし、今日はDFと永和の連携も取れていたので、それで1失点に抑えられた」と言うように佐藤永の好守も光り、東洋大の反撃を1点で抑えた。3試合ぶりの勝利は、チームを再び優勝戦線へ押し上げる大きな1勝となった。

「自分たちのホッケーをすれば絶対どこにも負けない」
 
 2冠目となるリーグ戦制覇へ向け、勝負の2次リーグを迎える。1次リーグは開幕から4連勝。圧倒した内容こそ見られなかったものの、序盤戦は順調に白星を積み重ねた。一方で上位対決では負け越し。攻守で精彩を欠いた。守っては早大戦、中大戦ともに4失点。佐藤永が「小さいパス出しとか、DFにミスが多い。あまりにも(前半戦は)失点が多かったですね。中央戦と早稲田戦で4失点ずつとか、絶対勝てるわけがない」と言うように安定感を欠いた。攻めては、明大の誇る強力なFW陣が勝負どころで自慢の攻撃力を発揮できなかった。「前半は得点力。ここ最近の明治の悪いところが出てしまった」と大津。攻守のほころびが上位対決で噴出した格好になり、課題の残る1次リーグとなってしまった。
 
 逆転優勝の筋書きは、はっきりと選手の目に映っている。慶大との開幕戦後、藤井匡智監督が「自分たちの力を出すこと。自分たちのスピードでやれば、相手がどこであろうと勝てる」と言ったように、スキルの高い選手が揃った明大のポテンシャルは誰もが認めるところ。試合開始時点で上位に立つ東洋大を圧倒したこの日の内容も、そのポテンシャルを証明している。その力を発揮することが、勝利へのカギだ。「自分たちのホッケーをすれば絶対どこにも負けない。1試合、1プレー、みんなが自覚を持ってプレーできるか、気持ちの部分」と梶原主将。この日見せた勝利への執念を2次リーグでも出し続けることができれば、逆転でのリーグ制覇は射程圏内だ。

 2次リーグ開幕戦となる次節の相手は、リーグ開幕戦と同じく慶大。1次リーグでは5-2と手堅く勝利したものの、第2ピリオドで同点に追いつかれるなど苦戦を強いられた。慶大は1次リーグ最終戦でも法大を下しており、下位とはいえ決して気の抜けない相手だ。「法政と慶応の試合でも、慶応はいい動きをしていたので、全然油断はできない。絶対勝つというのは目標で、次の試合につなげられるような試合をしたい」と北島。その後も1次リーグと同様の対戦日程が続き、終盤には再び上位との連戦が控えている。この日の勝利を2次リーグにつなげるため、幸先の良いスタートを切りたい。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
梶原

「結果だけ見ても、今日勝てたことは大きいと思います。毎試合そうですが、特に今日は勝つ気で臨んで、みんなの気持ちが一つになっていいところが出たと思います。誰かがミスしても、カバーし合えていたと思います。DFのミスも、GKの永和(佐藤)が助けてくれましたし、今日はDFと永和の連携も取れていたので、そこが1失点に抑えられたところです。前の試合の直後から点数を獲るというところでセットが変わって、今日点が取れたので良かったと思います。誰が誰と組んでも違和感なく、そこが今の明治のいいところでもあると思うのですが、すごくチームの仲がいいので、その時組んだ相手といいプレーが出来ていると思います。どのセットにも点を取れる選手がいるので、相手にしたらどのセットも嫌な攻撃をしてくると思います。本当に決めなければいけないところで決めてくれて、今日のゴールは全部3年生でしたが、たくましい後輩を持ったなと思いますね。明治は他大に比べて一段と負けず嫌いが揃っているので、負けている間は焦っている感じはありましたが、雰囲気はすごくいいですし、今日勝てたことは大きいです。この1勝から上に向けて頑張っていけると思います。自分たちのホッケーをすれば絶対どこにも負けない。1試合、1プレー、みんなが自覚を持ってプレーする気持ちの部分です。私生活でも試合に合わせてコンディションを整えることも大事になってきます。自分が言う前に動いてくれる選手も多いですし、トレーニング、コンディション調整で自分が手本となれるようにしたいと思います。」

佐藤永
「絶対に負けられない、という意識がみんなの中にあったので、FWや守りも最初から動きが締まっていて前回と全然違いました。(締まっていた要因)この試合に負けたら、もう優勝が無い。優勝したい気持ちが強かったので、みんなで優勝するぞと言い合っていました。ミーティングもありましたし、練習中も言っていた。セットは固定しないと駄目だと思うので、セット固定していて本当に良かったと思います。固定したことで今日の試合は連携なども良かったです。話し合いもできていたみたいですし。(1失点)今考えると、入って良かったな、と。あのまま3―0で勝っていたら、次の試合に向かうときに相手をなめたり、余裕が出てしまうので、今日は1点入れられてちょうど良かったと思います。あの後、連続失点しなかったのは良かったです。(DF全体)すごく良かったと思います。コーナーの1対1もみんなしっかりやってくれて、いつもの試合よりみんなすごくやってくれました。FWもしっかり戻ってパックチェックをして、ある程度相手にいいシーンをつくらせませんでした。(完封は)一応、みんなに言われていましたし、頭の中では無失点がいいなと思っていました。完封したいですね。ですが完封しようとすると失点した時に崩れて連続失点とかしてしまうので、あまり完封は狙っていない。勝てればいいですね。(リーグ前半戦)一時期、得点が取れないことがありましたが、攻撃はすごくいいと思うんですが、守りの3セット目のDFとか、まだ不安なプレーをしているDFがいる。得点が少なくて2点ぐらいでも、1失点であれば勝てるので失点が多い。3セット目は毎回違うので、誰ということはありませんが、やっぱり最上じゃないですか。最上が3セット目のDFの上級生1人じゃないですか。その中でやっぱりもっとリーダーシップを取ってほしいです。それで3つ目を押し上げていって、上位セットと変わらないぐらいになってほしい。そうなればもっと強くなれると思います。DFがミス多いですね。小さいパス出しとか。FWがたまに戻りが遅くてFWが戻っていれば防げた失点も何個かありましたけど。あまりにも失点が多かったですね。中央戦と早稲田戦で4失点ずつとか絶対勝てるわけがないですよ。後半戦はもっと守りの意識を持って試合できるように、今日の試合のディフェンスができるといい。(意気込み)失点が多いので数字としては常に1失点、2失点で毎試合全部やれるようにしたいです。そして優勝したい。マジで優勝したい。リーグ戦9年ぐらい優勝していません。だから優勝したい」

大津
「全体として2連敗が続いている中で、勝ちたい、という気持ちで勝てました。最初から最後までしっかり明治のペースで走りきれたかなと思います。(新横浜での試合について)声の反響、あと今日は明治の応援が多かったので、誰かがいいプレーをすればワーっと騒ぎますし、その中でプレーするのはすごく楽しいです。普段のリンクであればニュートラルゾーンという真ん中のゾーンが広いのですが、今日のこのリンクは狭かったので、アタッキングゾーン、ディフェンシングゾーンが広くなっていました。そういった中、このスケートリンクは攻めの強い明治に向いていた形のリンクでしたのですごくやりやすかったです。パワープレーでチャンスのときに任せられているセットが自分たちでしたので、絶対に決めなくちゃいけない、と意識していました。練習中からやっていることを続けてやった結果、ゴールにつながったので良かったと思います。久しぶりのゴールと、久しぶりの勝利。チームに貢献できたのもすごくうれしいです。ちょっとシフトが長くなってチームに迷惑を掛けてしまいましたが、その中でもしっかりできたので、こういうホッケーを続ければ、これからも絶対に負けるチームではないですし、続けていきたいと思います。(リーグ戦前半について)前半は得点力ですね。慶応に対しても5点しかいれることができず危うい試合をしてしまったり、ここ最近の悪い明治のところがでてきてしまったかなという感じです。ですが、最終的にはこうやって、明治のホッケーで3ピリオド続けたれたというのは大きな収穫ですし、このまま続けて行けば絶対に負けることのないチームです。後半に向けたいい試合ができたので、終わりよければ全てよしという事ではないですけど、これを後半戦に生かしていきたいと思っています。しっかりFWが点数を決めて、DFがしっかり守ってこうやって自分たちの役割を果たしてやっとチームが出来ると思うので、こういうチームに出来るように練習をしっかり頑張って行きたいと思います」

北島
「6試合やった中で今まで一点も入れられなかった。自分の中で調子が悪いわけではなかったけど、入らない。どうして入らないのだろうと悩んでいて。それが今日点数を入れられて、良かったですね。遼(永井)と桂川と3日前くらいから組むようになった。2人とも周りが見えているし、上手な選手。ゴールシーンも遼が(自分のことを)見ているかなと思ったら見ていて、いいところにパスが出てきたので後は決めるだけでした。しっかり入れられて良かったです。(2敗の中での今日の試合は)長い秋リーグの中で全部の試合が大事ですが、絶対何試合か重要な試合があって、その試合が今日だったと思います。みんな今週の練習は気合いが入っていたし、いい雰囲気で臨めたかなと。今日の試合で負けたら優勝できないというのも分かっていたので、勝つという気持ちが相手より勝っていたと思います。(敗れた二戦は)気持ちが沈んでいたというわけではないけれど、負けにはまっていたというか。そういった感じがあって、今日の試合でそこから脱出できたかなと思います。自分としてもここからスタートじゃないですけど、第2クール目はもっと点数を入れたいと思います。(前半戦を振り返って)7試合やって、今日の試合が一番しっかりした試合になったんじゃないかなと。勝っても課題の残るゲームだったと思うし。良さも悪さも出た第一クールで、課題のほうが多く残ったと思います。(セットに関しては)今日のセットは攻撃的で、点数を取りに行くセットだったと思います。1セット目に晃介(大津)や舞人(大椋)や川村など得点力のある選手を置いていました。自分のセットも2点取ることができましたし、やりやすかったです。選手層が厚いからどの選手がどこに入っても分からないし、僕自身も気が抜けないです。どこのセットにいてもやるべきことは変わらないですね。(課題について)FWの得点力に関しては、今日の試合でクリアできたとは僕自身思っていなくて、というのはもっと点数を入れられるチャンスがありました。みんなDFが課題と言いますが、DFの守りも課題の一つだけど、それ以上にFW。あれだけのメンバーがそろっていて、一試合で1、2点というのは情けないです。GKが頑張ってくれているし、その分FWが点数入れるのが仕事だと思います。(後半戦に向けて)第1クール同様に、最初は下位のチームと試合が始まります。ただ第1クールを見ても油断できないと思います。これ以上あと一敗でもしたら優勝できないので、勝つための最低条件として自分たちが全部勝たないといけないです。絶対、連勝で行きたいと思います。二冠というより、三冠という文字は頭にあります。4年生と一緒にホッケーができるのもあと3、4カ月しかないです。ホッケーで勝つというのも大事だけど、それ以上に4年生に負けて悔しそうな顔をしてほしくないというのがあります。結果好きなんですよね。(慶大戦に向けて)法政と慶応の試合でも慶応はいい動きをしていたので、全然油断はできないです。絶対勝つというのは目標で、次の試合につなげられるような試合をして、個人的には一点でも多く取りたいと思います」

永井
「しばらく点数を入れてなくて悔しかったですが、大事な試合で決められて良かった。気持ちの面でみんな負けていなかったし、いい準備ができていたので、あとはやるだけでした。(セット)一週間前に一回変わってからずっとやってきて、いい感じでした。(中大に負けてから)セットごとにもっとコミュニケーションを取るのと、質の高い練習をという目標。あとは全力で取り組む姿勢がこの一週間みんな違ったかなと。セットごとに目指しているものが出せた印象です。色というか、息も合っていましたし、やることは守ってみんな積極的にやれていたので良かったです。(リーグ戦ここまで)チームとしては2敗しているということでちょっと予想外だった部分もあり、自分としても今日は決めましたが、ここ5試合くらい決められていなかったのでまだまだかなと。これを機に2次リーグをやっていければ。まだ優勝というのがありますし。個人の目標としては1プレーをしっかり全力でプレーして、しっかり得点に絡めるようなプレーでチームに貢献したいです」