
力強いプレーで青学大に圧勝/関東大学対抗戦
攻守で圧倒
序盤は苦戦するも、確実に流れを引き寄せた。「前半の序盤はなかなか苦しんだ」(勝木来幸主将・営4=常翔学園)と、なかなかペースをつかめず。相手の勢いに飲まれミスをする場面も見られた。そんな中でも前半4分、HO中村駿太(商3=桐蔭学園)のチャージから左PR勝木がトライ。その後もBKで回し左WTB齊藤剛希(商3=筑紫)が駆け抜け得点を重ねた。そして前半20分を過ぎた頃から流れは明治に。「スタンドとFW、BKも含めていい連携ができたから良くなった」(中村)と、試合の中で改善。前半26分から4トライを追加し、40―0で前半を折り返した。
後半はアタックでより勢いづく。後半開始早々、SO田村煕(営3=国学院栃木)の好キックでエリアを拡大し、敵陣深くまで切り込んだ。FWがラインアウトで相手を圧倒し、BKが展開しインゴールに押し込む。後半もFW、BKの連携が取れたプレーでトライを量産していった。しかし後半23分頃から、自陣ゴール手前まで運ばれてしまう場面が何度か見られた。だが青学大はラックの連取で押し込もうと試みるも、決してそれを許さない。見事に守り切り、80―0で完封勝利を収めた。
オフロード
首脳陣が今季の目標に掲げている「立ってボールをつなぐ」。それがこの試合では顕著に現れた。明治の猛攻に相手ディフェンスも必死の守りを見せるが、それに屈せず。相手タックルが飛んでくるも明治は倒れない。後半18分には右WTB成田秀平(営2=秋田工)、FB松浦康一(政経3=佐賀工)、左WTB齊藤がオフロードパスをつなぎ、最後はフォローに入ったFWに回してトライを決めた。今季やってきていることが、確実に形になってきているといえるだろう。しかし「オフロードの部分でパスはつながったが、それが良い形でパスが通っていたかと言えばそうでもない」と左CTB水野拓人(情コミ4=東海大仰星)。現状に満足することなく、更なる向上を目指す。
青学大戦で快勝し、開幕3連勝となった明治。次戦の相手は明学大だ。明学大の高橋一総ヘッドコーチはおととしまで明治でコーチを務めており「明治のことは知り尽くされている」(水野)。格下ではあるものの気は抜けない。11月2日に控える慶応戦への弾みをつけるべく、大勝を収めたい。
◆俊足・左WTB齊藤が大活躍!◆
幾度のビッグゲインで会場を湧かせた。行く手を阻む青学大ディフェンスを強い体幹で押し進み、間を突いて俊足で駆け抜けた。後半29分には自陣10メートル付近から、タックルを受けながらもインゴール中央へ一直線。この試合では4トライを挙げ、勝利に貢献した。この日のトライで、対抗戦計8トライ。勢いそのままに、トライ王争いに名乗りを挙げたい。
[保屋松彩佳]
1.PR | 勝木 来幸(営4=常翔学園) →17.須藤(後半0分) |
9.SH | 加納 遼大(文4=常総学院) →21.三股(後半21分) |
16 | 佐藤 公彦(法2=明大中野) | |
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2.HO | 中村 駿太(商3=桐蔭学園) | 10.SO | 田村 煕(営3=国学院栃木) | 17 | 須藤 元樹(文3=国学院久我山) ←1.勝木(後半0分) |
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3.PR | 松波 昭哉(政経4=東福岡) →18.塚原(後半31分) |
11.WTB | 齊藤 剛希(商3=筑紫) | 18 | 塚原 巧巳(政経3=国学院栃木) ←3.松波(後半31分) |
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4.LO | 寺田 大樹(文4=秋田工) →19.東(後半10分) |
12.CTB | 水野 拓人(情コミ4=東海大仰星) | 19 | 東 和樹(政経3=京都成章) ←4.寺田(後半10分) |
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5.LO | 小林 航(法3=明大中野八王子) | 13.CTB | 尾又 寛汰(商2=国学院栃木) | 20 | 三橋 功太郎(理工4=日大) ←7.桶谷(後半21分) |
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6.FL | 上田 宥人(政経3=東海大仰星) | 14.WTB | 成田 秀平(営2=秋田工) | 21 | 三股 久典(政経1=佐賀工) ←9.加納(後半21分) |
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7.FL | 桶谷 宗汰(営2=常翔学園) →20.三橋(後半21分) |
15.FB | 松浦 康一(政経3=佐賀工) →23.村井(後半21分) |
22 | 長石倉 豪(営4=報徳学園) | |
8.No.8 | 松橋 周平(政経3=市立船橋) | 23 | 村井 佑太朗(政経4=秋田工) ←15.松浦(後半21分) |
試合後のコメント
左PR勝木来幸(営4=常翔学園)
「ノートライに抑えられたのは良かったが、まだまだ修正点はある。夏合宿に帝京大に負けたときはCDチームが勝ってくれて助けてもらったので、昨日ジュニアが負けて今日は自分らがしっかり勝って下のチームを助けようと言っていた。そういう点では勝てて良かったと思う。今日は相手側のディフェンスが早いと分かっていたので、いつもよりポジションを深くしてそれに対応したアタックをしようと言って臨んだ。前半の序盤はなかなか苦しんだが、前半の後半からテンポが出てきたので試合中に修正できて良かった。点数は気にしていなかったが、取れるところで取れた。ディフェンスもノートライに抑えることがテーマだったので良かった。次も目の前の試合を大切にして、自分たちのラグビーで内容にもこだわって勝っていきたい」
HO中村駿太(商3=桐蔭学園)
「(出だしが良くなかったのは)相手のディフェンスに苦労したというかアタックがうまく合ってしまったから。(3トライ目以降は)うまくスタンドとFW、BKも含めていい連携ができたから良くなったかなと思う。チャージは仕事だと思ってやっていた。オフロードは放れるときに放れたっていうのと、放れないと思ったときには放らなかった自分の判断が良かったなと思う。ラインアウトは僕のスローミスで2本ミスしてしまったので、来週の火曜日からしっかり修正して頑張りたい。今日のトライは自分たちで意図して動かして取れたのでいいと思うが、対帝京大と考えたときに簡単に取れないのでもっと我慢して我慢してトライを取れるように頑張っていきたい。モールは明治の強みだと思うのでこれで満足せずに練習していきたい。チームでこの試合は0点に抑えようっていうのをフォーカスして取り組んだのでゴール前ディフェンスは全員、特にFWがプライドを持ってしっかりできた。(個人として)ラインアウトのスローイングが良くなかったのでそこを修正したいなと思う。次戦に向けて点数を取るとか、0に抑えるとかじゃなくてしっかり上のチームと試合することをイメージしてこの2週間、帝京大慶応まで練習したい」
右LO小林航(法3=明大中野八王子)
「個人としてはボールタッチが少ない中で、やらなければならない仕事はこなせたと思う。FW全体としては格下相手だったのでセットプレーは100パーセントでいこうと話していた。結果としてクオリティは高く、安定していたと思う。後半にゴール前で攻め込まれた場面は、0点で抑えようという全員の気迫がプレーに出ていた。気持ちで負けていなかったので守り切れたのだと思う。(アタックのオフロードパスは)チームでずっと練習してきたことが試合で出せたことが一つの成果だ。今後もがんばっていきたい。(相手プレーの印象は)インターセプトなどワンチャンスを狙って仕掛けてくるのはわかっていたので、そこはうまく防げたと思う。継続的なプレーをさせなかった。今後も格下相手との戦いが控えているが、そこで高いクオリティを保ちながら試合するのが大切だ。そして慶応、帝京大、早稲田と強敵相手との戦いに備えたいと思う」
右FL桶谷宗汰(営2=常翔学園)
「相手は一人がぱっと飛び出してくるディフェンスをするので、FWでもいつもよりボールもらう立ち位置を深くして攻めようとなっていた。始めの方は浅かったが徐々に深くなっていった。ディフェンスは最後ちょっと危なかったが全員が気持ちを切らさずにディフェンスできたので、そういったところが0点に抑えられた大きな要因だと思う。点差は開いたがラインアウトなど上手くいかない部分もあった。スクラムでも押し過ぎてペナルティを取られてしまったし、FWとBKでの少しのコミュニケーションの差でもっと上手くいった場面はあった。帝京大とか早稲田まで時間があるので焦らずにやっていきたい」
SH加納遼大(文4=常総学院)
「無得点に抑えることができたのが、一番大きいと思います。(後半は厳しい時間帯があったが)ノートライというのを掲げていたので、みんな必死にトライラインを割らせないように必死でした。アタックでは、継続できて無理せずラックもつくれていたので、良い流れだったと思います。相手が、ディフェンスで出てくるので少し僕が動いて少しでも楽にFWにゲインしてもらえるように心掛けました。(今日のトライは)気持ちよかったです。(対抗戦3試合はスタメン出場しているが)Bチームにも、三股も調子良いので一戦一戦本気でやらないと、まず敵との前に部内での競争が激しいですね。昨年まではWTBでしたが、今年はSH一本でやっています。チーム状況によっては、WTBをやることもあると思いますが、個人としてはSHがやりたい。武器はやっぱり走力。スキがあれば、サイドも狙っていきたいです。今日は、少しテンポが乱れた場面があったので、そこだけ修正できればなと思います。FWに対しての要求が、まだできていないので課題です」
左WTB齊藤剛希(商3=筑紫)
「ディフェンスでトライを取られなかったところが良かった。FWが粘ってくれて球出しが乱れていたので、BKとしてはディフェンスしやすかった。個人的にはトライを取れて良かったなという感じ。すごくいい感じで来ている。去年と比べて明らかに筑波大戦からやっていけるという気持ちになっている。自分の中で余裕が持てている。ボールを持ったときに前を見ることであったり、コーリングができている。1、2年生の時には全然余裕がなくて声も小さかったが、今は大きな声でチームを鼓舞できていると自分の中では思っている。余裕ができたことが大きな違いだと思う。チームの勝利につながるプレーをすることが自分の目標なので、常にチームのためになるプレーを心がけている。1試合1試合を大事に戦うことが重要だと思うので、明学大戦に向けて自分を高めていきたい」
左CTB水野拓人(情コミ4=東海大仰星)
「相手の出だしが良くて最初は苦戦したが、キックやパス、ランでつないでトライを取れたのは収穫。BKは軽いプレーをしてノックオンとかパスミスだったりの細かいミスがあったので、そういうところを修正して次以降に挑んでいきたい。オフロードの部分でパスはつながったが、それが良い形でパスが通っていたかと言えばそうでもないので、しっかりと良い形で通るようにしていかないといけないなと思っているので、そこを練習していきたい。(80-0という結果は)もう少し取れたと思うけど、0に抑えられたことは良かったと思う。(次の明学大戦は)おととし明治でコーチをやっていた人が監督をやっているので、明治のことは知り尽くされていると思う。そういう相手でもしっかりと戦って、0点に抑えたい」
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