春の雪辱果たせず 1部昇格は再び持ち越しに/関東学生秋季リーグ入替戦

2014.10.12
春の雪辱果たせず 1部昇格は再び持ち越しに/関東学生秋季リーグ入替戦

 今回も悲願の1部昇格はかなわなかった。1番手、吉村寛子(国際3=昭和学園)・齊藤香純(政経1=昭和学園)ペアが攻めの姿勢で接戦を制し、チームに良い流れを呼び込んだ。しかしその勢いに乗ることができなかった。シングルスの日向莉乃(国際2=中村学園)、最後を任された井本奈津美(営3=三重)・望月友美佳(営2=加藤学園)ペアともにファイナルゲームまで持ち込むも一歩及ばず。春の入替戦と同様に悔しい結果となった。

 勝利の波に乗れなかった。1勝とリードしコートに立ったのはシングルスの日向。1ゲーム目はミスであっさりと落とすも、中盤の2、3ゲーム目は得意のカットがさえた。連続のサービスエースで1ゲームを取り返し、続くゲームもラリーの展開に持ち込むと粘り強く戦った。相手は日向のカットに我慢できず、ミスを連発。逆転に成功した。勝利に近づいた第6ゲーム目、相手は強打や狙い打ちで対応を見せ、1ゲームを奪い返し、勝負はファイナルゲームへ。「私が勝てば1部に行けると考えてしまって、自分のやるべきことをできなかった」とプレッシャーを感じてしまうと、苦しい試合展開になった。サーブレシーブやドライブが次々とネットにかかると、1点も取ることができず0―7で敗北。試合後には「ここで勝てば全員で1部で試合ができたから3年生の先輩に申し訳ない」(日向)と悔し涙をにじませた。

 1部との差を痛感させられた。1勝1敗と後がなくなり、昇格の望みを託されたのは井本・望月ペアだった。試合前は「みんなの気持ちを背負いながら、自分のプレーを思い切りやろうと思って入った」(望月)と臨んだ。井本のボレーと望月の強打のコンビネーションで先制し試合が始まると、相手のミスを誘い1ゲーム目を先取。しかし続く2ゲーム目には、攻め急いでしまいジュースの場面で左右に揺さぶるショットがアウトしてしまうなどミスが出た。最後は相手にリターンエースを奪われ、1─1。お互いに一歩も引かない拮抗(きっこう)した展開が続いた。試合中盤には後衛の望月がしぶとくボールに食らいつき、長いラリーを制して得点を重ねていった。カウント3─4の8ゲーム目、息をのむような長いジュース対決を制し、良い形でファイナルゲームにつないだが、簡単にはいかなかった。1点目を奪うも、相手の攻めに圧されてしまった。春から課題だったというファーストサーブの成功率も落ち、相手のペースに引きずりこまれていった。うまくコースを狙われると「強気で向かっていくことができなくて、ミスを待ってしまった」(井本)と得点が遠くなった。最後は仕掛けた井本のボレーがアウト。4─5で敗れ、チームも1勝2敗で敗北を喫した。大きなプレッシャーの中で接戦に持ち込んだが、結果は敗北。悔しい結果となった。

 それでも善戦を見せたペアがいた。大事な1番手を任されたのは、秋季リーグ戦全勝と好調の吉村・齊藤ペア。攻めの姿勢で1勝目をつかんだ。1ゲーム目にはリターンエースなどポイントを連取し幸先の良いスタートを切るも、その後はシーソーゲームが続いた。そしてゲームカウント3─3と抜け出したい場面、相手に2連取を許すも、落ち着いたプレーで立て直した。相手のミスで逆転すると、強いリターンで相手を崩し吉村がコートの隙間を打ち抜くなど4連続ポイント。勝利に王手をかけた。そして勝負を決めた8ゲーム目、2人は攻めの姿勢を持ち続けた。齊藤のサーブで相手にロブを上げさせると、吉村がすかさずスマッシュの連打。拾われてももう一度強烈なスマッシュを放った。さらには相手コートを切り裂くような齊藤のショットも光った。サービスエースも2本飛び出し、最後は齊藤の強打を相手が拾いきれずネット。好機を逃さずに攻め立て、大事な白星をつかみとった。

 悲願達成の夢は再びついえた。昇格を目指し練習を重ねてきたチームに敗北が重くのしかかった。コートの外からもチームを支えてきた土田章代主将(商3=昭和学園)は「一人一人が絶対に勝ちたいという気持ちが足りなかった」と入替戦を振り返った。全日本学生選手権から持ち直し、2部で優勝を決めるなどチームの調子が上がる中、昇格を手にすることはできなかった。今日の試合で「チームとして1部に上がれるレベルまで技術も気持ちもいけていないことを痛感した」(吉村)と差を見せつけられた明大。足踏みが続き、苦しい状況の中でチームは先に進めるか、試練は続く。

[川合茉実]

試合後のコメント
土田

「リーグ戦からずっと出ない立場として見てきて、先輩後輩関係なく仲がいいことは明治のいいところだけど逆になあなあになってしまっていた部分があったと思う。本当にチーム全員が勝ちたいのかなと思う時もあったが、ムードを悪くしないために何も言えなかった。そうやってやってきて、春も秋も伝統もあって人数もある相手のチームに対して明治は一人一人が絶対に勝ちたいという気持ちが足りなかった。自分が試合に出てないから言えるかもしれないが、自分が出たほうがいいと思う試合も正直あった。でも入替戦を下級生に任せてしまうのは自分の力不足なので、歯がゆい気持ちだった。(齊藤・吉村ペアについては)インカレの時に失敗してそれから自分たちで反省して頑張っていた 。今回もあの二人は必ず勝ってくれるだろうと思っていた。春の入替戦で自分が負けてから、コーチたちからの信頼もなくなってしまって今の状況になっているのでもう一度チームのことも考えつつ、自分のプレーも考え直してコートの中でもみんなのことを引っ張れるようにしていきたい」

吉村
「3年後期のリーグの入替戦ということで、リーグ戦に出られるのも来年の春が最後かもしれなかったので、今回上がって来年の春に1部で戦いたいなと思っていた。そのために今まで以上に練習も力を入れていたが、チームとして1部に上がれるレベルまで技術も気持ちもいけていないことを痛感した。ここでもし1部に上がったとしても、春に1部のチームと互角に戦えるわけがないと思ったし、1部と2部の壁を強く感じた。監督がこういう練習をしなさいとか、こうしたら勝てると言ってくれたことをもっとやっていれば良かった。みんな甘く考えてやりたいようにやっていた。監督の言うことを信頼して明治らしいテニスをやらなければなと思った。あと一歩のところで勝てないことが多いのもそれが原因。後衛が相手としっかり勝負をして前衛は持ってきたボールを取って、後衛が安定するシンプルな形が理想。お互いに自分のほうだけにして、無駄のないテニスをしたい。それを今までやっていなかった。最近やっとその良さ、テニスの楽しさが分かってきた。それをみんなでやれるようにしたい。(今日勝てたのは)普段から2人で練習したりコミュニケーションも取れているし目指しているものがお互いにわかっていて落ち着いてできたから。まだ組んで1年経っていないが同じ中学、高校ということもあって安定している。もっともっと上に行きたい。(個人として)相手の後衛がクロスからストレートに変えてくるときのボールを今までは見逃していたが、この試合でそれだけは絶対に取ろうと思って毎日欠かさず練習した。今日はしっかりそのボールを取ってポイントできたので良かった。サーブレシーブも、今までは単純なミスで慌てていたが、入れるのを当たり前にして次にどうしようかを考えることができるようになった。今までから成長したことかなと思う。応援してくれるOBの方や両親とかにいいところを見せたいし、明治は伝統あるチームだと思うので、これから明治大学に入った ことを後悔しないような試合をやりたい。団体で日本一を目指せるようにみんなで頑張ります」

井本
「試合前は勝ちたいという気持ちだけでした。でも勝てるかな、という大きな不安がありました。自分の調子はそこまでゲーム形式の練習をしてこれなかったのもあってあまり。基本の練習を主にしてきました。練習に十分な人が集まれなかったというのもありました。試合中は自分を信じて、今までやってきたことをやろう、という話をしていました。(8ゲーム目ジュースで取りきれたのは)後衛のおかげです。私は何もできなかったので。結果取ることができたから、この流れで勝ちたいと思ってファイナルに望みました。(試合を取り切れなかった理由)強気で向かっていくことができなくて、ミスを待ってしまった。春と一緒な気がして、またやっちゃった、という感じでした。試合で生かせるように練習から、試合のことを考えてやっていきたいです」

齋藤
「相手がどういう相手か分かっていた。この前国体の予選で戦った相手で、負けてしまっていた相手だったのでまずは気持ちでどんどん。押し切ってリズムをつかんでいこうと試合に臨んだ。相手は積極的に打ってくるタイプだったので、先に攻撃を仕掛けようとした。後半はきつくてもバックにボールを返していたので、相手の前衛も動けなかった。自分たちの流れにできたかなと。(緊張はどうだったか)ちょっと緊張した。1回目と同じくらいだった。みんなで今度こそ1部に昇格しようと臨んだ入替戦だったけど、チームとしての力が足りないということ。技術的な面では差がないと思うので、本当に気持ちだけだと思う。どれだけ立ち向かっていけるか。普段の生活の面で自分に厳しく、甘くならないようにしていかないとプレーに出てしまう。監督にはファーストサーブが入れば波に乗れると言われていた。ファーストサーブを入れることを意識して試合に臨んだ。試合後もファーストサーブが大事と言われた。もっと確率を上げていきたいと思う。今回も入ったか入ってないかで大きく変わったと思う。自分でまず何本連続でファーストサーブ入るかを確認して、入らなかったら何がいけないかを考えて、絶対に入るサーブを体に覚え込ませたい。いろいろ試して、できないことはできるように克服して、できることはもっと精度を上げて春のリーグに臨みたい」

日向
「今は申し訳ない気持ちでいっぱい。いつも1番が勝って、3番も安心できるペアなので、それでとりあえず試合には落ち着いては入れてた。今日は1番が勝って。私が勝てば1部に行けると考えてしまって、自分のやるべきことをできなかった。それが一番の敗因だと思う。自分のペースで試合ができていなくて、思うように打てていなかった。カウント的には動いていて、リードしていた場面も多かったけど。そこになるまでが試合の流れで、ここから離せるという自分のペースではなかった。だからリードしてても追い付かれて、ファイナルになってしまった。リーグ戦は5試合で、1試合1試合大事にやるけど、入替とは全然違う緊張感。シンプルにいけなかった。欲を出さない。今は上は3年生しかいなくて、それで1年間試合をしてきて、ここまで上がってこれたし、ここで勝てば全員で1部で試合ができたから3年生の先輩に申し訳ない。入替をギリギリで勝っても1部では残れないと思うので、今回の冬で1部にいけるようにではなく1部で残っていけるチームになっていけたら。人数少ない分、全員でやっていくので誰が出ても応援してもらえるし、勝てるチームになりたい」

望月
「3枚勝負になるというのは、心にはあったので、回ってきたらやるしかないというか、後がないというか。最後なのでみんなの気持ちを背負いながら、自分のプレーを思い切りやろうと思って入りました。調子は始めのゲームの入りからして、いつも通りかなと思って入ってきたんですけど、ゲームが煮詰まってきたときにプレッシャーを感じてしまったのか、いつもより足が動いてなかったかなと思います。試合中は前向きに常に頑張ろうと声を掛け合っていました。(8ゲーム目について)ゲームセットまで1ゲームあるので、ここで諦めたらいけないなと思いながら、割り切ってできたかなと思います。苦しいながらも、自分たちの展開に持っていこうとしたのと、相手より先に責めるという気持ちを忘れなかったから取れたと思います。最後勝ち切れなったのは、監督にも言われたように、ファーストサーブの確率が全然良くなかったので、相手に先に先に攻められて、自分たちの展開を作る前にそのポイントが終わってしまったのが要因だと思います。試合後は春も秋も同じことを課題として言われているので、また一からやっていこうという話をしました。課題はファーストサーブです。大事なポイントでしっかり入るファーストが必要だと感じました」