順大に接戦で敗れ9位に終わる/秋季関東大学1部リーグ戦

2014.10.07
順大に接戦で敗れ9位に終わる/秋季関東大学1部リーグ戦
 1カ月にわたった秋季リーグの最終戦が行われ、5勝5敗の明大は勝ち越しを懸けて順大と対戦した。1セット目から1点を争う接戦となったが、2セットを連取される苦しい展開。その後1セットは取り返したが、最後は順大の高さの前に屈した。最終成績は5勝6敗で9位。優勝は9勝2敗の東海大で5季ぶりの栄冠を手にした。

 点の取り合いとなった。1セット目の序盤は明大がリード。原潤一(文3=習志野)のBクイックで先制し、濱中俊生(商2=弥栄)のバックアタックで5―1と突き離した。ここで順大がたまらずタイムアウト。流れはあるように思えた。6―2から連続でブロックポイントを奪われるも、政井拓歩(営2=市立尼崎)のトス回しで相手のブロックに的を絞らせず18―13とリードを保った。しかし、ミスから2回の3連続失点を喫し20―19と一点差に。そこからは一進一退の攻防が続きジュースになったが「相手の勢いに負けてしまった」(有田賢史・政経4=福大大濠)と、最後は打点の高いスパイクを連続で決められ28―30と接戦を落とした。

 続く2セット目も接戦となった。栁田、堤(ともに順大)のスパイクで得点を重ねる順大に対して、明大も杉本匠(政経4=聖隷クリストファー)、與崎風人(政経3=鹿児島商)の力強い攻撃でリードを許さない。互いに一歩も譲らない攻防が続き、このセットもジュースに。先にセットポイントを奪われるが杉本のスパイクで30―30の同点に追いついた。しかし、廣瀬(順大)の移動攻撃で得点されると、最後はサーブカットが乱れダイレクトで打ち込まれこのセットも落とした。

 後がなくなった3セット目は濱中に代え有田を投入。「有田が入ったことでコートの中の雰囲気を変えてくれた」(杉本)と有田のスパイクで先手を取ると、チームの雰囲気も良くなった。與崎の時間差攻撃などで得点を重ね中盤に逆転すると勝負所でブロックポイントも飛び出し、その後は一度もリードを奪われずに逃げ切った。25―23でこのセットを取り反撃に転じた。

 最後は一方的な展開だった。4セット目は順大のブロックにつかまり、ブロックポイントを7点決められた。スパイクミスも12本出るなど最後まで流れをつかむことができなった。12―25で最終セットを落とし、1―3で敗れた。この結果、5勝6敗で9位という最終成績となった。

 秋季リーグ戦を通してチームは少しずつ形になってきた。他大学と比べ身長がない分、徹底した守備から速いトス回しで攻撃を組み立てるという明大伝統のバレーも結果を生み、終盤には早大、中大に連勝するなど上位校とのレベルの差も感じない試合もあった。「意識の次元を上げて、優勝に置き換えて戦うことが必要」(杉本)と、後は高い目標を掲げて高い次元で戦うことが求められる。先日まで行われていたアジア大会には、関東大学リーグから柳田(慶大)、石川(中大)の2人が日本代表として出場し、活躍するなど大学バレーのレベルも上がっている。今季の大会も残すは12月に行われる全日本大学選手権のみだ。昨年ベスト4で悔しい思いをした大会で優勝を目指し、チームをさらに完成させる。

[石渡遼]

試合後のコメント
有田

「正直1、2セットは取れるセットだった。終盤に相手が必死に来た時に、自分たちは相手の勢いに負けてしまって、粘り切れなかった。もし相手の調子が良くても、自分たちは自分たちで声を掛け合って一致団結して相手を倒しに行くぞという雰囲気作りの部分が全然できていない。実力的には負けていないと思うが、そういう部分で明大は弱い。3セット目、濱中に代わって入った時は流れを上手く変えられたとは思う。でも4セット目はもうちょっと自分がプレー面で切る場面を切っていきたかった。それと僕は声を出せるから。そういう問題だったかなと思う。(リーグ全体を振り返って)明大も必死になればどのチームにも勝つ力はあったと思う。常に気持ちを、絶対に勝つという風にさせるのが自分たち4年生の課題だと思う。人間だからやりたくない時は自分に対して甘くなってしまうと思うが、そこの部分いかにみんなを盛り上げていけるか、持ち上げていけるか、引っ張っていけるかというのが最上級生の課題。でもそれができていないというのが今の明大の結果を表している。副キャプテンだから、ある程度しかみんなに対して発信はできない。キャプテンもみんなの前に立ってついて来いというタイプじゃないから、それはそれで難しいところがあるとは思う。でもみんなを持ち上げるためには一人一人と向き合って、声を掛けて、頑張ろう、ということしか言えない。後は僕が練習を一番頑張って、そういった部分で背中を見せたい。この人が頑張っているのだから頑張らないといけない、と思わせるようなそういった選手、最上級生としての役割を果たせればなと思う」

杉本
「1、2セット目の接戦を落としたのが大きかった。踏ん張ることができず、一点に対するしつこさが足りなった。順大には執念があって、ボールもつないでいた。今日はそこの差が出てしまった。3セット目は有田が入ったことでコートの中の雰囲気を変えてくれた。いい流れで取れたが、最後のセットはスパイカー全員が相手のブロックにつかまってそれを打開することができなかった。サイドの速い攻撃でブロックを散らすことを試合前に考えていたが、実践することができず悔しい。リーグ戦が終わったがまだ明治のバレーは完成していない。チームの勢いが足りない。終盤、早稲田、中央に勝った試合は少しでも順位を挙げようと意識して勝てた。その意識の次元を上げて、優勝に置き換えて戦わなければいけなかった。全日本インカレに向けては0からチームを組み立てる。トーナメントはどうしても先に目が行ってしまうが、今に徹する気持ちで一戦一戦やっていきたい」

小野寺徹(営3=東洋)
「最初から最後まで盛り上がりがなかったかなと。それが結構大きかったかなと思う。(順大の攻撃に関して)一人がすごく高かったけど、ラリーの中でもワンタッチ取れるところが何箇所かあると思うので、ワンタッチからしっかり切り返せれば得点につながると思っていた。その1点にかけてブロックを飛んでいた。タッチは上手く取れていたと思う。(センターからの攻撃について)自分はそんなにもクイックの本数が多くないので、もう少し多くあげてもらえれば、相手のブロックも散ったかなと思う。リーグ戦を通じて調子は上がったは上がったが春に比べたらやはりブロックが思うように出なかった。(リーグを振り返って)早大、中大に対してフルセットだけどジュースから勝ちきれたことは大きかった。自分の武器であるブロックがそんなに出なかったというのが苦しんだということなので全カレに向けてプレーと気持ちの面をしっかり調整していきたいと思う。いつも上手くはいかないので、そういう時にのっていけるようにしたい。練習試合など練習の場で、つめていきたい」

瀧野頼太(政経3=創造学園)
「試合をしていて順大が強いという感じはなかった。自分たちのミスで負けたと思う。最初から最後まで向こうが流れを持っていて、こっちに流れがきてもすぐにやられるという中で、最後は向こうの作戦だったり実力の差が出たのかなと思う。負けても入れ替え戦はないし、勝っても上位にはいけないという、なかなかモチベーションが上がらない中での試合だったので、昨日(早大戦)の負けは引きずることなく今日の試合には挑めたと思う。順大は高さがあるから打てないボールはリバウンドしてもらっていこうと話はしていたが、対応があまりできなかった。(リーグ戦を振り返って)不完全燃焼というところですかね。やっていて負ける相手じゃないというところはいっぱいあったと思う。自分たちのミスの多さが目立った。僕らは周りに比べたら小さいのに、周りに比べるとゆっくりなバレーボールをしていた。自分たちのスタイルの限界というのを、このリーグ戦を通して実感した。どれだけ自分たちが『ここ大事、ここ大事』という場面を把握してそこで全力で集中するとか、そういうところがチームとして浸透していない。だから大事なところや一点が欲しいときにやっぱり点が取れない。経験も大事だし、もっとバレーに対して学んでいたりしていかないと思う。(早大、中大戦の二試合は)勝てたのは良かったが、内容的には、早稲田だったら僕らが1、2セットを取って、3、4セットとぽんぽんと取られて、自分たちで自分たちを追い込んでいるバレーボールをしてしまった。最後は気持ちで勝てたが流れ的にはストレートで勝てる試合をフルセットに持ち込んでしまったというのがあった。中央は、向こうがサーブをたくさんミスしてくれた中でフルセットにしてしまったのは、やはり自分たちのミスが多かったと思う。いいところもあったが、反省点のほうが多い。(全カレまで)自分たちのバレースタイルや、自分たちがどういうバレーをしたいのかというのをもう一回みんなで考えたい。今のままだったら、今以上には上にいけない。今回の結果をしっかり受け止めて、自分たちが何をしたいのか、もう一度チームで考えたい」

與崎
「惨敗だった。策は特になく思い切り打とうとしたけれど、その結果ミスが出て流れも良くならなかった。ミスが無ければ良かったかもしれないけれど多かったのでそこは反省して次につなげたい。1セット目を取れなかったのは大きい。セット取れなかったことで落胆の気持ちが出てしまった。その後も気持ちが入っていなかったり、できると思ったのか普通にプレーしてしまった。一気に流れを引き寄せたりできる技とかがあれば良かった。今日は高いブロックにマークされてしまってどうしようも無かったので、コンビを増やしたり攻撃のスピードを上げたりして対処できるようにしたい。リーグ戦後半にコンビが合い始めていい形でできた。最初からできるようにやっていきたい。チームが3連敗したところは一番苦しくて、勝てないし流れはできないし、あれが底だった。長い期間の大会ではチームのアベレージを上げて、どの相手でも同じ力を発揮できるようにすることがインカレまでの課題。個人的にはブロックに対する対応を頭に入れながら打つことがあまりできていなかったので練習する」

濱中
「ストレートで勝負していこうと思っていた。ストレートは良く決まったけど、欲が出てクロスに打ったときにドシャットされて、自分の力量を知った。決まってるスタイルを貫けなかった。今日はセッターとも合わずサーブキャッチでも狙われて流れを切ってしまった。サーブキャッチは課題なので次の大会まで練習して、レシーブできるようにしていきたい。(交代について)チームの雰囲気を良くすることでは有田さんのほうが上。自分は盛り上げる機会が多いけれどできていない、甘さがある。コートの中で一番下でもチームを引っ張らなきゃいけない。今は声を掛けてもらっておんぶに抱っこという状態だから、自分から発信できるようになれたらいい。秋リーグからスタメンで出ていい経験とか勉強になった。まだリーグ戦はあるので、盛り上げることだったりレシーブだったりで成長できると思う。(秋を振り返って)専修に負けてからの雰囲気を断ち切るのが難しかった。インカレまでにまたチームをつくり直すと思うので、またスタメンで出られるように基礎からやっていって、照準を合わせてトレーニングとかも取り組んでいきたい」

政井
「(試合を振り返って)序盤は上手く回っていて、最後はエース勝負というかサイド勝負という感じになっていった。そこを決めきれずライトに上げても遅かったみたいな感じだった。両サイドがもっと存分に打てるようなトスが上げれたら良かった。3セット目取れたというのは有田さんが入って、チームが盛り上がれたというのが一番の要因だったと思う。相手のサーブのタイミングで崩されて、レシーブが乱れて、僕のトスも早くなってしまって最後はブロックに捕まった。相手のペースまんまとはめられてしまった。簡単なバレーになってしまった。僕たちはスーパーエースがいないからもっと泥臭くやらなきゃいけないところをあっさりしすぎた。順大の高さを意識して早いバレーを展開しようと思った。両エース以外をどう生かすかというのを考えてはいたが、上手く生かせなかったというのはある。(インカレにつながる戦いはできたか)あまりつながるようなバレーもできなかった。もう一度練習から意識を変えて頑張っていきたい。(秋季リーグ戦を振り返って)チームの雰囲気によって勝ち負けがはっきり決まるリーグ戦だった。全カレまでにその雰囲気を一定にしていけるように頑張りたい」