3連勝ならず 流れをつかめず敗北/秋季関東大学1部リーグ戦

2014.10.06
3連勝ならず 流れをつかめず敗北/秋季関東大学1部リーグ戦
 自分たちのミスで流れを呼び込むことができなかった。相手は拮抗(きっこう)したリーグ戦で首位を走る東海大。第1、2セットは立て続けのミスに対し、サーブで崩され一気に追い込まれた。続く第3セットは粘りを見せて取り返すも第4セットは終盤で集中を欠き、セットカウント1─3で敗れた。

 サーブで攻め込まれ先手を取られた。第1セット、序盤は杉本匠(政経4=聖隷クリストファー)のレフトからのスパイクを中心に攻撃を展開し、9─9までシーソーゲームとなった。しかし松林(東海大)の強烈なサーブで流れを奪われると3連続失点。杉本を中心に攻めたが後半までリードを奪うことはできなかった。最後には與崎風人(政経3=鹿児島商)の時間差攻撃が良い形で決まり23─24と詰め寄った。しかし濱中俊生(商2=弥栄)のアタックが3枚ブロックに捕まり、23─25でこのセットを落とした。

 歯車がかみ合わなかった。第2セット、中盤で「みんなの集中力を切ってしまった」(政井拓歩・営2=市立尼崎)と、セッター・政井が連続でドリブルを取られるミス。たまらずセッターを交代したが立て直すことはできなかった。連続得点を許す中、杉本や與崎のスパイクで反撃の機会をうかがった。しかし再びサーブから崩され、あっさりとスパイクを決められた。「サーブでかなり責められた。ジャンプサーブでもフローターサーブでも嫌なところを突かれてしまった」(濱中)と攻撃の形が苦しくなった。19─25で後がなくなった。

 粘りのプレーでラリー勝負を制した。第3セット序盤、好調の與崎を軸に前へ出ようとする。與崎は4─4の場面にライト攻撃、続いてブロックポイントも決める活躍を見せた。しかし東海大も一歩も引かず、そのまま試合は終盤まで一進一退の攻防が続いた。17─20の場面で與崎のサーブで相手を崩すと、濱中のライトの攻撃が爆発した。そのまま追い付き21─21とすると、しつこいレシーブで相手のスパイクミスを誘い、3連続得点。我慢を続けた最後に與崎のバックアタックで25─23。1セットを取り返した。

 ミスが雰囲気を重くした。後がない状態の続いた第4セット。杉本が佐々木(東海大)のスパイクを1枚ブロックで止め、良いスタートを切る。リードされた5─7の場面では濱中がブロード攻撃でほん弄するも「相手の方が一枚上手だった」(杉本)と東海大の勢いのある攻撃を前に1点が遠くなっていた。タイムアウト明けの13─18には、自身たちのトスやアタックのミスで5連続失点。苦しい展開が続き、17─25でこのセットを落とし敗戦した。

 持ち味が出せなかった。思うような攻めの形をつくることができず、苦しい試合展開になった。「最初から爆発して点を取れないのが今の明治の現状。爆発力と粘り強さが足りない」(杉本)と課題も見えた。リーグ上位に対しても勝ち星をあげる実力は十分にある。劣勢な場面でもゲームを立て直す力を手にしたい。

[川合茉実]

試合後のコメント
杉本

「圧倒的に向こうの勢いに負けてしまった。サーブミスもあったし、攻撃までの連携がぎこちなくて一つ崩れるとそこから連続失点してしまう。相手の方が一枚上手だった。サーブのことに関しても考えて打っていたし、自分たちはそれに振り回された。3セット目勢いがついたのは、相手がミスしたそのままの流れに乗れたってだけだった。できれば1セット目から勢いを持ってとりたかったから、そこを突き詰めていきたい。與崎は彼なりの仕事をしてくれたと思う。與崎の入っているライトのポジションは少し裏方になるけど、そこの土台となるところがしっかりできているから明治の勝率が上がってくると思う。政井には安定感がもっと必要。どんな状況になっても、特に劣勢の時はミスがないようにトスしてほしい。僕たちが勝っている試合はフルセットばかりで、それはスロースタートが原因の一つになっている。最初から爆発して点を取れないのが今の明治の現状。あとは諦めの悪さ。ちょっとでも相手の流れになると駄目になってしまう。よくOBが明治は泥臭いのが特徴だと口を酸っぱくするほど言っていて、その泥臭いバレーはやはり粘り強さにあると思う。だから今の明治には爆発力と粘り強さが足りない。濱中に関しては次の明治の中心となるのは必然だから、濱中に限ったことではないがチーム全員が引っ張っていけるようになってほしい。明治の部員には個性があるけど、いくら一人一人が良くてもバレーはチームスポーツだから歯車一つ一つが合わさってこそ力が出せる。今の東海や日体ができている。明治はそこも足りない。日体はスタメン、ベンチ、コート外の全員が勝ちの同じベクトルに向いている。それが選手層の厚さにつながるし、なによりもその気持ちのつながりの一致だけでも変わると思う。僕は最後のリーグ戦になるからもちろん勝ち越しで終わりたいし、次の全カレに向けていい流れをつくりたい。明日は勝ちを収めてリーグ戦を終えたい」

與崎
「チーム的に流れがなかった。悪い中頑張ったけれど良い方向に持っていくことができなかった。先週は細かいミスが多かったからそこを確認して、ミスのないように練習をしてきた。だけど今日はミスが多かったし、自分たちの形に持っていくことができなかった。サーブキャッチだったり、ブロックのワンタッチからの返球ができなかったりした。自分の調子は悪くなかったけれど、目の前でボールを落としたりもして足が動いていなかった。政井とはいつも通りではあったけれど、何かがちょっと違った。何かというのはまだ分からない。東海は下級生中心のチームで勢いがあった。向こうのミスに付け入ることはできたけれど、そこで自分たちもミスをしてしまって自滅してしまった。明日へは修正うんぬんというよりは気持ちをちゃんと持っていく。インカレへ向けていい流れで終わりたい」

濱中
「自分たちのミスが出て、流れが悪くなって負けたという感じ。サーブでかなり責められた。ジャンプサーブでもフローターサーブでも嫌なところを突かれてしまって、サイドアウトでうまく取りきれなかった。自分の調子も良くなかった。相手のブロック大きいので、頭を使って打たなきゃいけなかったが、上手くいかなかった。サーブで攻められてコンビが使えなくてこういう形になってしまった。調子どうこうというより、コンビをあまり使えず、1本多くなって最後打ち切れないということが多かった。夏からやってきた集大成なので、悔いは残したくない。勝ち負けもあるが、チームの終わったときの雰囲気だったり、内容にこだわって試合に臨みたい」

政井
「2セット目、僕がドリブル2本でみんなの集中力を切ってしまったというのが今日1番の反省。(調子が上がらなかった要因は)相手の同期を意識するあまり、勝ち急いでしまったからだと思う。東海大は2年生中心の若いチームで勢いに乗らせたら駄目だということはわかっていた。センター線に決めきるようなトスが上げきれていなかったので、そこをもっと改善したい。センター線の使い方にしろ、レフトの使い方にしろ、今回丁寧に上げることができなかった。明日でリーグ戦も終わるので、全日本につながる良い1戦にしたい。勝ちにこだわって頑張っていきたい」