ジュニア選手権2連勝 トライを許さず早稲田に勝利/関東大学ジュニア選手権

2014.10.06
 Bチームの公式戦である関東大学ジュニア選手権の2戦目、早稲田戦で勝利を収めた。相手に攻め込まれる場面でも強固なディフェンスでインゴールへの侵入を許さず、見事にノートライに抑えた。アタックでは雨に対応したプレーで得点を重ね、結果は22―3でノーサイド。ジュニア選手権2連勝を飾り来週の王者・帝京大戦へ向けていい流れをつくった。

試合の主導権を渡さず
 先制トライを挙げ、ゲームの流れをつかんだ。開始から両者攻めあぐねていた中前半12分、敵陣内でのラインアウトから夏合宿以降抜群の安定感を誇るモールで前進。ゴール前ではラックでフェーズを重ね、最後は密集の中からHO佐藤公彦(法2=明大中野)がボールを押さえトライ。そして右サイド深くの難しい角度からのコンバージョンキックをSO長石倉豪(営4=報徳学園)が成功させた。前半26分には「稼げるところで点を稼いでいこう」(右WTB紀伊皓太・文3=日川)と22メートルライン手前での相手ペナルティーからPGを選択。これも長石倉がしっかりと決め、得点できずにいた早稲田に対し大きなプレッシャーを与えた。その後、早稲田も意地のPGを決めるも10―3で折り返した。
 後半は相手の猛攻にも気持ちで上回っていた。試合終盤に早稲田の展開ラグビーに押され、自陣でのプレーを強いられる。そんな中「タックル意欲が高かった」(紀伊)と一人一人が果敢なタックルを見せ、インゴールは死守。中でも佐藤公は「早稲田ということもあって気合が入っていた」と走ってくる相手をその場に釘付けにする執念のタックルを幾度となく披露した。17―3で迎えた後半40分、左CTB西橋誠(商4=桐蔭学園)がインゴールに飛び込み勝利を決定づける追加点。ここでも佐藤公は再びタックルだけではなく、相手タックラーをはじき返しながらの好ゲイン。オフロードでボールをつなぎ、ダメ押しとなるトライを演出した。チームも雨の中、最後までタックルを浴びせ続け22―3で試合終了。結局早稲田に許した得点はPGの3点のみ。宿敵からの勝利に加え「ノートライに抑えられたのがよかった」(Nо.8桶谷宗汰・営2=常翔学園)と内容も満足いくものとなった。

雨中の作戦が功を奏す
 悪天候に合わせた戦いぶりを見せた。降りしきる雨の影響から普段通りのプレーが難しかった今日の試合。濡れてすべりやすくなったボールを無理にパスでつなごうとせず「キックゲームをしていこう」(SH三股久典・政経1=佐賀工)と臨んでいた。司令塔・長石倉の安定したキックからアタックラインを上げ、敵陣内へと効率的に攻め込む。敵陣深く入ると「BKも滑るだろうから、FWで勝負しようと思っていた」(佐藤公)と明治自慢のFW陣がボールをキープしつつ攻撃を展開するいい形をつくることができた。  
 セットプレーでは雨の影響を感じさせなかった。ラインアウトは「安定させられたと思う」とスローワーの佐藤公。しっかりとボールをキープしアタックへとつなげることができた。スクラムではターンオーバーする場面もあり、力では相手を圧倒。しかし「もっとレフリーとコミュニケーションを取っていれば」(桶谷)と対外試合ならではの反省点も見つかった。今後はさらなるクオリティーの向上を目指す。

 これでジュニア選手権2連勝だ。来週には昨年決勝で敗れた帝京大との一戦が控えている。「明治の目標である三冠(ジュニア選手権、対抗戦、大学選手権)に向けてチームの勢いも付くと思うのでなんとしてでも勝ちたい」(桶谷)と気合十分。今日の快勝にも選手たちには慢心など一切ない。純白のユニフォームの両腕に映える紫紺が、王者にリベンジを果たす時がきた。

[小田切健太郎]

試合後のコメント
HO佐藤公彦(法2=明大中野)

「雨だったので、シェイプを下げて間合いを持って攻めようとした。またBKも滑るだろうから、ゴール前ではFWで勝負しようと思っていた。まだまだだとは思うけれど、段々とできてきている。チームでやろうとしたことができた。あとはハンドリングエラーをいかに早くカバーするかを考えてプレーした。セットプレー、特にラインアウトが雨の割りには安定させられたと思う。スクラムも終盤に押せていた。一本こちらが反則を取られたのもあったが、自分らの強みは出せたのではないかと思う。(ノートライに抑えたことについて)相手が早稲田ということもあって気合が入っていたと思うし、今年の明治はディフェンスにフォーカスをしてもいた。たぶんそこだと思う。(オフロードについて)最後トライにつながったシーンは、紀伊さんがいいタイミングでフォローについてくれていて、声もあったので、きれいに決まったと思う。個人的には良かったと思うが、コミュニケーションミスが少しあったのとレフリーと合わなかった面もあった。そこは明治が我慢し切れなかった部分があるので直していきたい」

Nо.8桶谷宗汰(営2=常翔学園)
「雨なので、FWで攻めていこうということでモールとかも対応していったが、モールトライがなかったのでFWとしてはもっといけたんじゃないかと思う。スクラムは1本ターンオーバーもありよかった。でもまだレフリーと合ってないところもあってもっとレフリーとコミュニケーションを取っていればターンオーバーももっとできたし、相手の嫌がるスクラムも組めたと思う。今のスクラムに満足せずに次の帝京までにもっとレベルアップしたい。(個人としては)Nо.8としてトライを取れたというのが良かった。あとは攻守の切り替えのイーブンボールのところで取ることができたのと、ブレイクダウンも激しくいけたなと思う。チームとしては前半の最初と後半の最後で攻められたけど、そこをノートライに抑えられたのが良かった。みんなさぼることなく1人1人が自分の仕事をしていた。1対1のディフェンスも止めてディフェンスを前に押し戻すことができたので良かった。(来週の)帝京はジュニアのチャンピオンなのでここで勝って、明治の目標である三冠に向けてチームの勢いも付くと思うのでなんとしてでも勝ちたい」

SH三股久典(政経1=佐賀工)
「雨だったので、普段よりも遅いテンポを心がけた。間合いをとっていこうということでキックゲームをしていこうと話していた。敵陣に入ってからはいつものアタッキングラグビーをしていこうとも話していた。試合前に話していたことがよくできていた。(SO長石倉豪・営4=報徳学園は)キックもパスもランも全部できる中で、チームの司令塔としていつも冷静な判断を出してくれる。ハーフバックスを組んでいてとてもやりやすい。個人としては、スクラムハーフとしていつもより遅い球出しを意識していた。今日は回りをよく見れていたと思う。FWにもしっかり指示出しできた。毎回の課題としてパスの精度が挙がるので、そこはどんどんレベルアップしていきたい。相手が早稲田で公式戦だったので、勝ちにこだわるということでPGの選択だった。しっかり勝ててよかった」

右WTB紀伊皓太(文3=日川)
「強い雨と相手が早稲田ということで、FW勝負になると試合前から踏んでいた。BKはFWが有利になるために陣地をいかにとれるかということを考えてプレーしていた。敵陣にいくためにキックを多用していこうと話合っていた。今日はそれができていた。FW、BKともにやることが明確だった中でよく動けていたと思う。(試合終盤の自陣でのプレーは)全員、タックル意欲が高かった。ナイスディフェンスだった。(最初のPGの選択は)セットプレーを何回かやった中で、点を取りきるまではいかなかったので稼げるところで点を稼いでいこうとの考えだった。個人としては、雨を言い訳にするわけではないが、コミュニケーションミスもあったのでそこは修正していきたい。全体としては、どの試合も勝ちを重ねる中で停滞している時間があるので、80分間相手を圧倒できるようにしていきたい」

◆ジュニア戦 対早稲田戦の先発メンバー&リザーブ◆
1.PR 植木 悠治(政経3=常翔学園) 9.SH 三股 久典(政経1=佐賀工)
→20.兵頭(後半26分)
16 中尾 巧(情コミ4=明大中野八王子)
2.HO 佐藤 公彦(法2=明大中野) 10.SO 長石倉 豪(営4=報徳学園)
→21.堀米航(後半26分)
17 久原 綾眞(政経1=佐賀工)
3.PR 塚原 巧巳(政経3=国学院栃木) 11.WTB 紀伊 皓太(文3=日川) 18 小林 航(法3=明大中野八王子)
←4.近藤(後半15分)
4.LO 近藤 雅喜(商2=東海大仰星)
→18.小林(後半15分)
12.CTB 西橋 誠人(商4=桐蔭学園) 19 安永 賢人(営3=長崎北)
5.LO 尾上 俊光(政経2=尾道) 13.CTB 澤田 陵(文1=明和県央) 20 兵頭 水軍(農2=仙台育英)
←9.三股(後半26分)
6.FL 平井 伸幸(法4=桐蔭学園) 14.WTB 堀米 大地(政経4=流経大柏) 21 堀米 航平(商1=流経大柏)
←10.長石倉(後半26分)
7.FL 葛野 翔太(商2=深谷) 15.FB 小倉 良太(商4=明徳義塾)
→22.村井(後半0分)
22 村井 佑太朗(政経4=秋田工業)
←15.小倉(後半0分)
8.No.8 桶谷 宗汰(営2=常翔学園) 23 矢野 佑弥(政経2=徳島県立城北)