男子エイトと女子クォドがアベックV/全日本新人選手権

2014.10.07
 創部史上初の快挙だ!高校生、大学1、2年生が出場する全日本新人選手権が3日間に渡って戸田で行われ、男子エイトと女子舵手付きクォドルプルがアベック優勝を果たした。男子エイトは4連覇、女子クォドは12連覇を狙っていた早大をともに破った。男女の花形種目を制すのは、明大では創部110年の歴史で初めてのことだった。

 男子エイトが10年ぶりの優勝を果たした。優勝が決まると全員が喜びから拳を振り上げた。スタートは他大に出られたが、700mでトップに立つと他の艇と差をつけ堂々としたゴールだった。どのクオーターでもスピードが落ちないことが最大の強みである明大は攻めの姿勢でレースを運んだ。500~1000mで出るというレースプランを見せた。スイープ種目(オールを1人1本持ってこぐ種目)未経験者がいたものの、クルーリーダー・大竹崇寛(商2=東濃実)は「クルーができてから2週間で仕上げ、チーム一丸となって勝てました」と笑みを見せた。この勝利は来シーズンへの大きな自信となるに違いない。

 女子舵手付きクォドルプルは11連覇中の最大のライバルである早大に3秒差をつける圧巻のこぎだった。スタート500mはわずかにリードを許すが、レースの勝因となった第3クオーターで粘ってラストスパートにつなげた。9月の全日本選手権を制した強豪・日体大の追い上げも振り切って、見事優勝。クルーリーダーを務めた中尾真琳(農2=熊本学園大付)は「この優勝をつないで、もう早稲田には頂点を譲らないぞ、という気持ちで頑張ります」と力強く話した。

 これで今季の公式戦は全て終了した。エイトとクォドでアベック優勝を果たし最高の形でシーズンを締めくくった。インカレや全日本選手権でも明大は昨年を上回る結果を残している。冬季練習を経て更なる躍進を見せてくれるだろう。来シーズンの端艇部の活躍からも目が離せない。

[辻成美]

試合後のコメント
男子エイトクルーリーダー
大竹崇寛(商2=東濃実)

「めっちゃうれしいです。早稲田が4連覇していて昨年も負けて悔しくて絶対勝ちたかった。明治として10年ぶりの優勝で、しかも創部110年で史上初のアベック優勝なのですごいことだと思います。レースはずっと詰められていたので最後まで油断はできませんでした。攻めの気持ちを持ってやっていって、1000から1500mで1艇身離して1位を狙うと決めていたので、評価していいと思います。スタート500mはどこも速いので、500mから1000mの間でどれだけ出て1000mから1500mでどれだけ差を付けられるかをイメージしていました。中盤に落ちないということを 強みにしてやっていました。トップに出たのは700mぐらいだと思います。コックスが10本上げようとか3本いこうとか状況判断をしてくれて、それで突き放すことができました。チーム一丸となって勝てました。今日は2本だったのでしんどかったです。2週間前からこのエイトを組んだのですが、どうやったら短時間で効率の良い練習ができるかを考えてやってきました」

櫻井克茂(法2=加茂)
「今日は楽しかった。皆盛り上げ上手だから変にだれることなく、良い雰囲気だった。悪天候だったから一本を大切にこいだ。自分たちの最大の長所はどのクオーターでもタイムが落ちないことだと思っていて、さらにスタートでも意識して相手が落ちるのを待つというレース展開ができました。守りではなく攻めの姿勢でこげました。(優勝したことについて)最後の新人戦で優勝できて嬉しいです。来年も優秀な後輩ばかりだから連覇してほしいです。スカル種目の人がバウサイに3人もいてスイープ種目が上手くいかなくて修正していき大会までに仕上げられてよかったです。来年はスカル種目に戻るので、後輩たちを引っ張っていき優勝を狙いたいと思います」
 
濱口稜(政経2=法大二)
「2本オールからスイープに変わって2週間で仕上げて勝つことができました。難しいこともあったのですが、先輩方のサポートがあって自分のこぎが良くなったので感謝したいと思います。今回は言ってしまうとメンツがすごかったです。インカレ優 勝クルーが4人乗っていて、インカレ上位、インターハイ優勝者や世界ジュニアに出た人も2人いたので、メンツが濃かったです。あとは気持ちです。明るいクルーなのでみんなで試合の2分前まで盛り上げて盛り上げて、持ち味のパワーで力の差を見せ付けることができたのが勝因だと思います。今大会は一からのスタートだったので、ます他のクルーに迷惑をかけずに気持ち良くこげるようにということと、教えてもらったことを素直に受け入れて直すことを意識しました。練習の段階からスピードが出ていたので自信はありました。それでも謙虚さを忘れずにやってきました。3年生が新体制になって変えようとしてくれました。昨年は1週間前からとかだったのですが、今年は全日本が終わったあとから仕事 やるからいいよと言ってくれました。普段やっていることは任せて、僕らはこぐだけでした。細かいところまで気を遣っていただいて、サポートもただやるだけではなくて気持ちがこもっていました。その支えのおかげで集中できましたし、僕らの強さだけではなくサポートの面から明治の底上げができているのではないかなと思います。ご飯を作ったりお皿を準備したり、掃除もすべてやってもらいました。指導も3年生や引退した菅さんも来てくれて、技術面のアップもできました。6、7限でメンバーが欠けるときは実際に3年生に乗ってもらって、この感覚を覚えろと体で教えていただきました。そこがかみ合って、本当に明治全体でつかんだ勝利だと思います。レース前は女子のレースの結果も分かってい ました。これはもうアベック優勝しかないなと思っていました。男子も女子も花形で取れたので波に乗っていると思います。昨年はメダルも決勝進出もゼロに終わって、新人戦も対抗のエイトに乗らせてもらえなくて、絶対に見返してやろうと思ってやってきました。これに満足しないで、もう一回気合いを入れ直したいと思います。体力には自信がありますが、こぎの部分を初心に帰って見直したいと思います」
 
渡邉健正(法2=富士河口湖)
「うれしいです。でかい大会では初めての優勝なので、みんなで分かち合えたことがすごいうれしいです。自分たちの船は後半になってもスピードが落ちないことが強みだったので、始めにどんなに出られてもあとで必ず潰していけると思っていま した。練習でも後半は落ちなかったので、後半には自信がありました。乗ると決まった時はうれしかったです。上級生として示しを見せていかないといけないのでプレシャーはありました。もともとパワーがあったので、パワー重視でそこから細かいところを直していきました。今年は出だしから調子が良くて、最後はこうして金で飾ることができてうれしいです。後輩と乗る機会が多くなると思うので、後輩に示しがつくように自分もステップアップして、部の雰囲気も盛り上げていきたいです」

大久保亮(農1=猿投農林)
「今日の調子は寒かったが少し早めに準備してコンディションは万全だった。気温が低いから体を冷やさないように気をつけた。予選は皆勝とう、勝とうと気持ちが高ぶり動きが硬くなっていたり個々の気分で動いた部分があるが、決勝はミーティングから気持ちを一つに全員で決勝は気持ちよくこげて全てのストロークが良かったと思う。(優勝したことについて)嬉しい。雨が降りジメジメだが気分はスッキリだ。練習では雰囲気を大切にした。来年は学年も一つ上がるので、もっと頼れる部員になっていきたい」

森猛(商1=加茂)
「調子は絶好調だった。悪天候だったが、こういう時だからこそいつも通りを心がけた。決勝は0~500mで1位を取りに行くを方針にして、次の500~1000mを一番のアタックする所としてもっと相手を突き放すレース展開を目指した。予選も決勝も思い通りのレース展開だったが、個人的に予選は少し体が動かなかった。シーズン最後のレースで優勝できて、ホッとしている。自分は今までスカル種目をしていて今大会の3週間前くらいにスイープ種目に変更して、初めてだったから基礎を大切にした。来年の目標は全国1位を3つとも取る」

中尾真琳(農2=熊本学園大付)
「ゴールした瞬間、横にどの艇もいなくて、優勝だ、やった!という気持ちでした。ラストに強い日体大を振り切って、最後上げることができて良かったです。去年はアベックで銀メダルだったので、今年はアベック優勝しようと全員で目標を掲げてやってきました。総合力でとった金メダルです。新体制になってすぐ3年生がサポートに入ってくれたので、練習する環境がすごく整っていてやりやすかったです。勝って恩返しという気持ちが強かったです。今大会で早稲田の12連覇を阻止することができて、またこれからは明治の連覇をつないでいきたいという気持ちです。今回のクルーでは、それぞれがコーチや監督から言われた弱点を個人個人で改善して、艇に還元していくというスタンスでやってきました。決勝の前は天候のことも考えて、陸上でのアップをいつもより長くして、体が冷えないように工夫しました。それがとても良かったと思います。気持ち的に余裕を持てました。レースのヤマ場となったのは、第3クオーターだと思います。予選、準決勝と比べて粘ることができて、ラストスパートにつなげることができました。ストロークの植松が早めにスパートを入れてくれたのも良かったです。スタートはコンマ差で早稲田に負けていましたが、コックスも常に攻めのコールを入れてくれて、気持ちを切らすことなく序盤からのいい流れを維持できました。今シーズンを最後いい結果で締めることができて嬉しいです。オフシーズンは持久力強化と、チーム全体の底上げに貢献していきたいです。とりあえず今日、アベック優勝できて本当にほっとしました。この優勝をつないで、もう早稲田には頂点を譲らないぞ、という気持ちで頑張ります」