早大に惜敗 連勝は4でストップ/関東大学リーグ戦

 悔しさの残る明早戦となった。第2ピリオドまではお互い1点を争う白熱した接戦を見せる。しかし第3ピリオド中盤のキルプレーからの2失点で状況が一変。その後は最後までペースを握り返すことはできず2-4で敗れた。ここまで4連勝した明大だったが、この記録を更新することは叶わなかった。

電光石火の一撃で幕を開けたこの試合。第1ピリオド試合開始のフェイスオフ直後にFW大椋舞人(法3=白樺学園)が相手のこぼれ球をすかさず奪い、ケガで2試合の欠場から復帰したFW桂川涼(政経1=白樺学園)にパス。わずか開始8秒で右サイドから鋭いシュートを決めた。しかしゴール直後に早大選手のケガによる長い中断があり、そのまま流れをつかみきれなかった。8分にはゴール裏を攻められ、金子(早大)のゴール真正面からのシュートで同点ゴールを許す。勝ち越しゴールを狙う明大は12分にFW岩崎純人(商1=北海)がパックをゴールに沈めたものの、直前にゴールが動いていたという判定で幻のゴールに終わった。

一進一退の攻防だった。第2ピリオド開始早々からシュートを連発し、波に乗っていたが8分。早大が左から正面、正面から右へと華麗なパスワークから逆転ゴールを決められる。しかし、いい形の攻撃を見せ始めた明大は12分、早大の2度のペナルティーにより2人多いパワープレーとなり圧倒的有利な状況となる。そのチャンスをしっかりものにし、FW川村一希(商2=北海道清水)がポスト裏からFW大津晃介(法3=日光明峰)のパスを受け、真正面からシュートを決めた。その後は拮抗(きっこう)した戦いの中、残り2分ではパワープレーから積極的な攻撃を見せるも、ゴールを決め切ることができなかった。

力を最後まで出し切れなかった。序盤は白熱した接戦となった第3ピリオド。しかし、この試合初めてのペナルティーを境に状況が一変。キルプレー開始からわずか20秒ほどでゴールを決められ、逆転されてしまう。「早く追いつかなくてはと焦ってとカッとなった」(DF梶原聡人主将・政経4=北海道清水)。逆転を許した明大はペースを乱し、その後もペナルティーを連発。逆転ゴールから4分後には2人少ないキルプレーから難なく得点を決められ突き放される。何とか同点ゴールを狙う終盤もペナルティーによって反撃体勢を作ることが出来ず、早大に逃げ切りを許した。

早大、中大、東洋大と続く上位対決の初戦となるこの試合は落としたものの、優勝のチャンスは十分に残っている。次の試合は春の関東大学選手権決勝を戦い、今大会直前に行われたサマーカップでもGWS戦までもつれる死闘を演じた中大との対戦だ。王者を狙うためにも連敗はなんとしてでも避けたい。「これからに向けてのいい負けにしたいと思う」(藤井匡智監督)と、この敗北をばねにして再び連勝を目指す。

[島村昭二]

試合後のコメント
藤井監督

「スタートですぐに点は入りましたが、ケガの治療で時間が空いて流れを作れなかったこともあり、2ピリからしっかりできるはずのところもいけませんでした。2ピリの途中でいい時間帯はありましたが、最初から出せないといけないですし、そうしないと勝てないですね。練習から集中できていない選手もいて、勝ってもそれでいいのかと。勝ってきましたが力は出し切れていませんでしたし、今日は結果が出なかったわけなので、そこは注意しました。最後までペナルティーに関してはよく我慢していたと思います。でも最後に2点取られてあきらめてしまった。3ピリでいけなかったのは力不足かなと。今日は2ピリの途中から1つ強力なセットを作って、点が入らない中でそこで取らないといけなかった。それ以外にも取れる組み合わせはありますが、どうしても取れない時のセット。中央、東洋と続きますが、試合に向かっての準備というところしかないです。どれだけ気迫を持って戦えるか。今日の負けを引きずってというよりは、自力優勝もまだありますし、これからに向けてのいい負けにしたいと思います」

梶原
「持っている力を全て出し切れず負けたことが一番悔しいです。気持ちの問題ですが、まだ秋は優勝できるチャンスがあるので、逃さないように頑張ります。内容的には負けているわけではなかったですが、先制点の後や、追い付いた後の勢いがやはり今までの明治だったら勢いに乗れたが、今日はそれにも乗れず。パックの競り合いで相手に負けて取られてしまい、流れに乗れなかったのが悪かったです。反則も気持ちの問題ですが、早く追い付かなければという焦りの中からかっとなってしまったと思います。個人個人の気持ちの問題なので直していかないと今度に影響が出てくると思います。(セットの変更については)スタッフが決めたことなのですが、点数を取りに行くために、点数を取るスキルの高い選手を集めたりだとか、そういう考えでだったと思います。点数を入れられなかったので悔しいです。(DFの動きは)もっと早い段階でFWに預けたりだとか、もう少し簡単にプレーできる部分もあったと思います。FWは能力が高い選手が多いので、攻めはFWに任せる形で、もっとFWがいい状態でパスできるようにDFはしていきたいです。全戦全勝という目標はなくなってしまいましたが、やはり優勝できれば他には何もいらないです。今日の負けは忘れないで、次の試合にいい刺激となるようにやっていきたいです。(中大戦に向けて)中大戦までの練習がいつもよりも少なくなって、いつも東伏見で練習していたのが東大和と練習環境が変わりますが、環境が変わっても一人一人が集中して練習に取り組めるかが中大戦に大切になってくると思います。勝つことを前提に、全員が力を出し切れば勝てると思うので頑張っていきたいです」

大津
「最初に点数が入って調子に乗ったわけではないですが、早稲田なら勝てるという一人一人の気持ちの緩みがでたのかと思います。練習は集中ができないと言われていますが、自分が思うには集中がないとはコーチの見る目じゃないですか、そのコーチが見る目に対してころころセットが変わったのは調子も上がりませんし、一人一人のモチベーションも上がらないとおもいます。自分の反省点としてはチャンスがあった中で得点を決めることができなかったことです。改善するにあたって自分はゴールに対する意欲はすべて足から出しているので、そこをもっと強化してシュートを打つという気持ちを高めなくてはいけないと思いません。次は中央戦でもちろん気の緩みはないと思いますし、ワンプレーワンプレーをキープして個人としては必ず点数を決めて、いい流れのまま試合を終えたいと思います。セットを変えたことの意図としては今回コートとして点数を狙いに行くとき、守るセットであったり、勢いをつけるセットであったり各セットの気持ちを伝えてもらってないですけどそれで点数を決め、手チームを盛り上げてくれたとは思うのですが、決めるべきところで、点数を決められなかったのが敗因だと思います。練習中もころころセットが変わっていたのでチーム全体としては下の人にもチャンスを与えるという点では良い事と思いますし、チーム内で切磋琢磨することはすごくいいことだと思うのですけどそれに対して一人一人が今日は下げられてしまったなどにように限られたことに対してネガティブになってしまったのでそこはひとりひとり視点を変えてゆくべきだと思います。チーム全体でパスミスや自分のミスで駄目だったところに対して落ち込んでいたりすることがあったのですが、いい雰囲気で試合に臨みたいのでどんな中でもチームが最善のことができるよう心がけて行きたいと思っています。2点目決めたときの形は練習中もやっていたので練習どおり成果を出せました」

DF松金健太(法2=釧路江南)
「1点目入ってみんな『いける』と思ったでしょうが、早稲田も勝つ気で来ていたので、気持ちで負けたと思います。今季はまだ負けが無くて、甘く見ていた部分もあったのだと思います。連勝できていて、今日から相手が強くなるというところで負けて、そこは気持ちができていなかった。正直、過去の試合でも3ピリでエンジンがかかって勝った試合もあったので、期待していた部分はあったのですが、今日は違ったと。今までは勝ち切れていたし、そういう時もあるかなとは思います。(自身の2つ目は)誰が見てもFWのスピードが強みで、その中でDFとしてスピードを生かすパスが出せませんでした。負けた日くらいは熱が出るくらいまで考えて落ち込んで、切り替えたいと思います。これでスイッチ入って、次からいいホッケーができれば、この負けはいい負けということに出来ると思います。次節に向けて、より一層チームは引き締まると思います。一番大事なことは、気持ちの波を無くすこと。それが一番難しいことだとは思いますが、冷静にいきたいです」