
日体大に勝利! 大混戦の末、準優勝に輝く/関東学生秋季1部リーグ戦
前半から明大ペースだった。前半2分の堤のロングシュートを皮切りに岩上義之(政経3=氷見)、5分には坂倉健介(政経4=市川)の両サイドが決める。東謙佑(法3=法政二)などもそれに続き17―15で前半を終えた。15点取られたことに松本監督は「失点が多すぎ」と話すも、この試合はオフェンスで補って2点リードで折り返した。
苦しみながら勝利を手にした。立ち上がりの後半1分、7分で8分に連続でパスカットされ失点するなど9分には逆転を許した。流れを取り戻したい明大は堤が7得点を挙げ、26分、28分には東謙佑(法3=法政二)が連続でシュートを決めて1点リードにする。残り36秒でタイムアウトからの明大のボール、堤がシュートを放つも相手キーパーに止められて残り10秒の日体大ラストプレー。決めれば引き分けの場面で放たれたシュートはキーパー藤本寛史(営3=法政二)の右脚が遮り、33―32でこの激闘に終止符を打った。松本監督が就任して初めて日体大に勝利し、今季リーグが閉幕した。
秋季リーグ戦の結果は2位となり、インカレのシード権を獲得した。「東海大に引き分けて、それがあったからラスト4戦良い試合ができた」と堤。悔しい試合の後でうまく修正できたことがこの結果に結び付いた。インカレはトーナメント方式で負けは許されない。「初戦の入り方を直さないといけない」(東)と気を引き締めて臨む。
[吉田周平]
試合後のコメント
松本監督
「日体大に勝つのは私が監督に就任して初めて。日体大は速攻のチームで、それに後半は苦しめられた。それでもペースは明大だった。しかし失点が多すぎ。キーパーもあまり当たっていなかった。試合内容はきのうと同じような感じ。残り5分はどちらに転んでもおかしくなかった。(後半29分のタイムアウトでは)とにかくシュートで終われと言った。速攻でもう少しつなげられれば。前半15点取られてしまって、後半はもっとディフェンスを頑張れと言った。優勝を目指してやってきて、出だしはまあしょうがないがだんだん良くなっていった。まだまだ課題はあるが2位という結果も何十年ぶりで、よくやってくれた。インカレのシード権を取れたのも良かった。スタートであれだけつまずいたので、練習もそれだけやってきた。気持ちの部分も含めて修正して、一試合ごとに良くなっていったと思う。(昨年のチームと比べて)ディフェンスが良くなってきている。小島は少ししか出せなかったが、坂倉が4年生で最後ということで活躍してくれた。(堤のキャプテンシーは)練習を厳しくしたことで、それは明大の結果につながったと思う。練習をどれだけ濃くするか、それが結果につながった。(インカレに向けて)まずキーパーが当たらないと。それとバックチェック。戻りとディフェンス。あとは得点力。堤がマンツーマンマークにつかれたときに、他でどう得点するか。それでもこのリーグは東などが頑張ってくれた。目標は優勝。今まで早大が優勝してきて、リーグ戦で勝つことができたので可能性はある。(これからの練習で)ディフェンスが強いチームにチャンスがそれだけあるというのが私のハンドボール感。もっともっとディフェンスをやっていかないと駄目。一人に対して三人でいくくらいの気持ちと足が動かないと。フットワークも含めてやっていかなければ。オフェンスはまだまだ堤に偏っているが、このリーグでは東などがやってくれた。吉野がもっと活躍してくれれば、それはインカレに向けてプラスになる。あとは交代ができない。インカレまでに一人でも二人でも使えるようにしたい」
堤
「(秋季リーグ戦2位という結果は)取りあえずよかった。安心した。キャプテンとしてやってきて、結果が出なかったらキャプテンの責任だと思っていたので、結果がついてきて良かった。先週早大に勝って、僕たちの中に気の緩みがあって、それが筑波大戦の敗戦につながったのではないかという話をして、日体大戦は絶対に負けられない試合だった。死に物狂いで全てを出し切って勝とうという話をして挑んだ。今日の試合は良くはなかったが、勝ち切ったというのは大きいのではないかと思う。ディフェンスでは、相手がクロスで回ってきたときに最後のシューターへの詰めが甘くて詰め切れず得点を取られたのと、サイドに打たさないようにと話して挑んだが結局何本も打たれてしまった。勝因は守って速攻の形。あとは相手のミスで勝ったようなもの。リーグ戦の途中で東海大に引き分けて、それがあったからラスト4戦良い試合ができたのではないかと思う。あそこでもう一度1からやり直そうと話して、選手全員がやろうと。でもまだ甘い。3年生が多く出ている中で、試合の中で彼らがもっとリーダーシップを取っていけるようになればもっと強くなる。個人的には、秋季リーグ戦はあまり良くはなかった。まだまだ満足せずにもっと上を目指さないといけないと痛感した。(昨年との違いは)4年生が多く出ていて、下級生は4年生がやってくれるだろうという気持ちがあった。今年は、最初は僕だけしか出ていなくて、3年生が中心となっている中で、少しは自分たちがやらなければいけないという考えの下で練習に取り組んでくれたのが大きかったと思う。僕はキャプテンになって大学でのハンドボール生活が1年を切っている状況で、後輩に何が残せるかといったら先輩としての背中を見せることが一番なのではないかと思ってやってきた。(インカレに向けて)ディフェンスで、あと二人くらい真ん中でできる選手が欲しい。一人調子が良くなくても、その代えがいないのでBチームの底上げをしなければいけない。あとはインカレが終わったら僕たちは引退で、次の代になるので、3年生はそこへの自覚を持ってしっかりできればいいと思う。早大が2年連続で3冠を達成してしまうので、それを阻止したい。明大らしいハンドボールができるように練習していきたい」
小島
「早大戦の時にすぐ退場してしまったので今回出たらちゃんと仕事してミスの無いように臨んだ。自分の前でシュートを決められなかったことは良かったが、自分が出てもディフェンスで改善された部分というのは無かったのでそこは課題。攻めは自分が出てから成功率が上がっていたので自分で得点を挙げられなくても周りが決められればいいという気持ちが結果的にはよかった。(2位という結果に)1年から4年までの間に2位という結果は無かったのでこの結果はうれしい。自分がスタメンではなくとも2位という成績は自分がやってきたことが無駄にならなかったしやってきてよかったという気持ちが強い。(特にやってきたこと)自分はスタメン落ちなどいろいろな経験をしたがそこで精神的に途中で折れるのではなくてちゃんと4年間自分の中で精神を保ってしっかりやれたことは大きかったと思う。(リーグ戦を終えて)今回2位になれたということで他の地方からも関東2位と見られるのでインカレでは少し優位なシードを生かして勝たないといけないという気持ちになった。(昨年との違い)主将が変わり今年は無駄のない練習をしていた。自分に必要な練習を知ることによってチーム全体が今までよりも意欲的に練習に取り組むようになったのが一番の違いだと思う」
坂倉
「(今日の試合は)チームとしては相手が下級生ばかりのチームだったのに1点差になってしまって、もっと点差をつけて勝てる試合だったと思う。自分は最後のリーグ戦で最後の試合だったので、失うものは何もない。4年生の意地を見せられるように、もし堤が退場したら絶対自分が引っ張っていかないと駄目だと思っていた。オフェンスは良かったが、ディフェンスでチームに迷惑を掛けてしまった部分があったので、インカレに向けてはそこを調整していきたい。(秋季リーグ戦を通して)このリーグは4年生で最後で失うものは何もないので、気負わずマイペースに試合に臨むように心掛けていた。オフェンスは通用する部分があるが、ディフェンスがもっとできないといけないと思った。オフェンスで取れていてもディフェンスで迷惑掛けていたら結局一緒なので、インカレまでのあと2カ月、ディフェンスが自分の課題だと思った。(2位という結果は)数十年ぶりということで、快挙。歴史を残せたのはよかった。(昨年との違いは)堤がすごいリーダーシップを取っていて、昨年より勢いがある。あとオフェンスがいいと思う。(インカレに向けて)チームとしてはもっと一つにまとまるということと、点差が離れたところで気を抜かないというところ。昨日の筑波大戦も、後半3点差をつけて相手が退場して、みんな勝ったと思っていたところで結局やられてしまった。気を抜かないで最後まで試合をするということが今のチームには必要だと思う。自分はもうこのインカレで競技人生が終わりで、10年間の集大成ということで、最上級生として後輩に何が残せるか。かっこいい姿を見せられるように頑張りたい」
池田
「今日は自分たちのミスで(点を)離せるところで離し切れなかったのでそこをしっかりやっていけばもっと後味の良い勝ち方ができたと思う。バックチェックを意識したが相手のリスタートが全然とれなかったのでそういうところをしっかりやればもっと楽な試合だった。(このリーグを振り返って)初戦で国士(大)に負けて、それがなかったらとも思うがこれまで春リーグが終わってやってきたことが間違いではなかったのだと満足はしていないが感じている。(昨年との違い)今年はやるときはやる、抜くときは抜く、みんなで遊ぶときは遊ぶ、練習するときはちゃんと考えて集中して練習するなどめりはりを堤さん中心にやってきた。それが試合の中で生かせて結果につながっていると思う。4年生や監督、コーチ、トレーナー、そして応援に来ていただいている保護者の方にインカレで最後に恩返しできる結果を残していきたい」
岩上
「昨日(筑波大戦)の負けがあったのでかなり(精神的に)追い込まれていて価値に対する気持ちがみんな強く思っていたから勝った試合だと思う。出だしがよかったが、逆に今日の試合は悪かった部分が出た試合だったのでインカレに向けては相手のリスタートの戻り、基本的なパスカットのミスなどを直していきたい。(リーグ戦)国士舘に負けてそこから落ち着き、どんどん気持ちが高ぶって勝っていけたのでいいリーグだったと思う。(昨年との違い)昨年まではチームワークがばらばらで個人プレーに走っていた。チームの仲の良さとチームワークは紙一重で違うので今年はチームワークがいいチームだと思う。新チーム始まってからずっとインカレで優勝することを目指していたのでこのままチーム力を上げて優勝したいと思う」
田中周平(商3=長崎日大)
「チームとして勝ったというのはよかったが、個人的には最後に悔いの残るプレーをしてしまった。結局最後に堤さん頼みになってしまったことや速攻をつくることができなかったのは自分の責任だと思う。2位というのは何十年ぶりかで結果が出てきたのは1年間やってきて成果が出たと思う。まだ取りこぼした試合というのがあるので結果は2位だが実力は2位という自覚は持てていない。(リーグ戦を振り返って)全体的に春より得点がちゃんと分散していい試合ができたというのがあるが、筑波大戦や東海大戦で勝ったと思ったところから自分たちで満足してしまったのでそれがインカレに向けての課題だと思う。(昨年との違い)昨年よりは速攻を減らしてセットを増やして無理なところは止めて落ち着かせるという自分たちのペースをしっかり守るというのが違うと思う。堤さんが中心になって練習で厳しくプレッシャーをかけてやっているので試合の苦しいところでそういう練習したところが出てくるのはいいことだとは思うが、まだ甘いところがあるので練習で深めてやっていきたいと思う。このリーグでインカレのシード権は取れたがトーナメントで一回負ければ終わりなので気を引き締めて臨みたい」
東
「取りあえず勝ててよかった。早稲田に先週勝って昨日筑波に負けてふがいない試合をしてしまったので結果を残す意味でもよかったと思う。春が4位でそこから練習を重ねてきてそれが結果2位ということになったのは今までやってきたことが無駄ではなくうれしい。春から目標は1位だったので完全に満足ということではないがひとまず結果が出た。(リーグ戦を振り返って)初戦の国士舘大に負けたというのが本当に痛かったと思う。リーグ戦の入りが特によくなかったのでその後修正できたのはよかったが結局その一敗が響いてしまうことになった。インカレではトーナメントになってしまうので、初戦の入り方を直さないといけない。(昨年との違い)全員でコミュニケーションを取れていることと、個人個人でやるべきことをはっきりさせて練習をやることを主将が新チームになってから取り組んでいるのでそれがこの結果に結び付いたと思う。インカレはチームとして優勝を目標にしているのでそれを大事にしつつ一戦一戦やっていきたいと思う」
藤本
「最終戦に勝ったということは評価できると思うが、筑波大戦のような決めるところで決める、守るところは守るところができていないという課題があるのでもっと強くなれる気もする。2位という結果がついてきたので自信になるし今後につながる試合だと思う。(リーグ戦を振り返って)課題と言うのは変わらなくてミスというのはどうしてもしてしまうのでミスした後に守れるか、もし失点した場合にはすぐ得点に結びつけるかをできるだけ続けていこうとしないと勝てる試合が勝てなくなる。そういうことを突き詰めなければインカレでは上まではいけない気がする。昨年と大きく違うことは堤さんという絶対的エースを下に他のメンバーは堤さんを信頼して付いていっている感じがするしめりはりがすごくあると思うので、試合中でも日頃やっていることが生きていると思う。昨年と比べればメンツは落ちると言われ続けられていたので、その分みんなが必死になってチームとして一体感はあると思う。監督、コーチ、ストレッチしてくださるトレーナーの方の支えというのがあって初めて試合に出られる。他のチームではあり得ない恵まれた環境にいるのでそれにあとは自分たちができることをやるだけなので4年生だけでなく後輩も含めたチームに関わってくれた方々全員に感謝の気持ちがある。インカレはもちろん目指すのは優勝であるので一個一個しっかり勝って自分のできることを全て出し切って支えてくれている方応援してくださる方に対し一つでも恩返しができるように臨む」
吉野
「昨日の筑波大戦が個人的にすごく駄目だったので今日はどうなるかと思っていたが、強気に前向きに攻められたと思う。今日負けたら5位の可能性もあったので、負けられない、勝たなければいけなかった。(秋季リーグ戦を通して)チームとしては最初歯車がかみ合わなかったが、試合をやっていく内にどんどん修正していくことができて、早大に勝つなど結果がついてきた。個人的には全然駄目だった。積極的に攻められたらよかったと思う。あとシュートを決め切れないところがあって、フローターをやっているからにはシュートを決めていきたい。2位という結果は素直にうれしい。2位というのは簡単には取れないと思うので、日頃の練習を頑張ってきたのが出せて良かった。春は全部堤さんに頼ってしまっていたが、秋はもちろん堤さんはそうだが他の人でも点数を取れるようになって、ディフェンスもよくなってどんどん良いチームに仕上がってきた。一人だけに点数が偏ってしまうと勝てない。そういうところが春と違ったと思う。インカレの目標は優勝。個人的にも練習中に自分に甘いところもまだまだあると思うので、しっかり練習に励んでチームに貢献できたらと思う」
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