
首位猛追! 慶大に完勝で3位浮上/関東大学1部リーグ戦
攻守にわたって慶大を圧倒した。「経験を重ね、同じベクトルでサッカーができている」(栗田大輔助監督)と明大サッカーの3原則である「球際・運動量・切り替え」が90分間機能し、終始試合を支配。前半21分にPKで失点こそはしたものの「今の前線のメンバーだったら、点を取られても取り返してくれると信じているので割り切ってプレーした」(髙橋諒・文3=国見)と、気持ちを切らさずに3原則を徹底。その後は慶大にチャンスらしいチャンスを与えなかった。その期待に応えるよう攻撃では多彩なパターンからの崩しで4得点と爆発。開始早々の先制や失点後の得点など要所でしっかり得点を決め、流れを慶大に譲らず。攻守がかみ合っての勝利となった。明大にとって理想の内容での勝利に対し試合後「全てで上回っていた」と神川明彦監督も笑みをこぼし、手放しでチームをたたえた。
ストライカーの仕事を全うした。藤本は後半20分にペナルティエリア外右でボールを受けると、相手をかわして左足を一閃。放たれたグラウンダーシュートはゴール右隅に吸い込まれた。「打つ時はDFの止まっている足元をみた。キーパーとゴールは大体の感覚だった」(藤本)とDFの一瞬のスキを突くシュートに相手GKも逆を突かれ対応ができず。チームを楽にする大きな3点目となった。「次の1点が大事というのはわかっていた。(前節)中央戦では1点を取れなくて苦労してしたので、今日はその1点を自分が取れてよかった」と失点の9分後に勝ち越し弾を挙げる活躍も見せた藤本は、ストライカーの役目をしっかり果たし安堵の表情だった。
藤本はこれで得点ランキングも1位前澤甲気(専大)に1点差の現在9得点で2位に浮上。得点王争いにも目が離せなくなった。それでも藤本は「チームを勝たせる得点を取ってなんぼ」とあくまで自身のタイトルではなく、チームの勝利のために得点を狙っていく。
首位の背中がはっきりと見えてきた。上位陣が勝ち点を伸び悩ます中、明大は後期開幕からの連勝を4に伸ばし4位から3位に浮上。前々節に白星を挙げた2位の専大とは勝ち点で並び、首位順大とも勝ち点差3となった。これからは首位の順大や勝ち点差2の4位早大との上位陣直接対決を前に、いかにとりこぼしを少なくしていくかが残り8節を残す優勝レースのカギを握る。次節は現在11位と低迷する筑波大との対戦となるが、今節では早大を倒しており、明大も決して油断できる相手ではない。今日2得点の藤本が累積警告で出場ができないが「今の順位を忘れて明治のサッカーを出して90分競り勝って勝てるように一週間準備していく」(苅部)と一戦一戦に臨む。
[谷澤優佳]
試合後のコメント
神川監督
「総合力で完全に上回っていた。走力、球際の激しさ、切り替えのスピード、ボールコントロール、攻撃の多彩さとか。全てで上回っていた。不可解なPK判定二つに流されましたけども。それがあっても、勝てた。実力的に今日は圧倒したと思う。2007年のチームの雰囲気に似ている。天皇杯の予選でチームに勝たせてもらった試合が今シーズンのターニングポイントになった。あれから1試合も変な試合をしていない。だからもうこのままいく。次の筑波も上手いけどこのグラウンド(古河サッカー場)なので、相手もそんな上手につなげないと思う。激しい守備で相手の出所を抑えて行けば、十分明治のペースにしていける。栗田含め、みんながしっかりと準備していけば自ずと道は拓かれるんじゃないかと思う。とにかく今日は完勝」
栗田助監督
「開幕戦負けている相手。一人一人が責任を持って決められたと思う。苅部も期待に応えてくれた。(春で負けた慶大に勝ったが)経験を重ねて、1年間の自信というか、同じベクトルでサッカーができるというか、そういう点では成長を感じる。今非常にチームもまとまり感があっていい状態だと思う。一戦一戦を大切に、積み重ねを意識していい準備をしていくことが求められている。次節に向けては、まだ筑波のスカウティングもまだだが、休んでしっかり研究していきたい」
三浦
「先週の試合はなかなか自分たちのサッカーというか、気持ちの部分で良いサッカーができなかった。そういう面を今節では改善しようということで準備して今週戦った。前半、後半含めて気持ちの部分ではすごく良い戦い方ができたかなと思う。(戦術面での意識は)竜司(和泉)が最初出れなくて、グラウンドもあまり良いグラウンドじゃなかった。だから後ろでつなぐというよりは藤本だったり土居を走らせて裏のスペースを使うことによって前で時間を作れればいいかなと思ってたので、前半後半含めてそういう形っていうのはつくれたかなって思う。(相手が慶大で意識した部分はあるか)1勝1敗の相手ですし、それ以上に順位が一つ下の相手っていうのがあった。勝ち点も25、27という中で勝てば5差にできるっていうのがすごく自分たちのモチベーションにもなった。優勝する上で絶対に負けちゃいけない相手なので、そういう面ではすごく意識する相手だった。(次節に向けて)今日も2点取った藤本が累積でいない中で、層の厚さだったり自分たちがやってきたことをいかにしっかりとやるかっていうのがすごく重要なので、また一週間しっかり準備して筑波戦勝って5連勝できるよう頑張りたい」
苅部
「今日は結果を残そうとして出た。(ゴールシーンは)いつもはコーナーのときは中に入って役割をこなすが、最近はこぼれ球を防ぐためだったり、カウンターを防ぐ意味もあって後ろに残ってプレーしている。3節出られなくて個人的にチームに迷惑を掛けたと思っているので、貢献できてよかった。(相手は前期リーグで負けた慶大だったが?)前後期で2敗は絶対やってはいけないとみんなが思っていた。勝つということをみんな強く意識したし、負ける気はしなかった。4連勝は忘れてチームの目標である結勝を掲げて目の前の試合に勝つだけ。個人的には、前線は力のある選手がいるので、負担にならない守備で攻撃を積んで貢献することが求められていると感じる。今の順位を忘れて明治のサッカーを出して90分競り勝って勝てるように一週間準備していく」
髙橋
「今までの後期の試合の中では、試合をしていて相手より自分たちの方がいいリズムでできていいて、苦しい時間帯でも自分たちの流れでできていた。(PKで失点したが)今の前線のメンバーだったら、点を取られても取り返してくれると信じているので割り切ってプレーした。(アシストの場面は)いつも練習でやっている形だった。佳希(藤本)があそこに飛び込んでくるのは大体把握しているので、決まって良かった。今日は久しぶりにアシストが出来たのも良かったけど、攻撃参加の部分でまだまだ回数が少ないので、そこは課題だと感じた。もっと自分でもできると思うし、今日以上のパフォーマンスをしないとプロとか上の世界では通用しない。だからもっと自分を追い込んで、上を目指してやっていきたい。(U21との対戦で得たもの)やっぱり自分たちと同じ世代のトップレベルと試合をして、自分の中に、プレーに余裕ができた。今日も相手のプレッシャーに冷静に対応できた。4連勝という形で、優勝を狙える位置にきて明治としては一戦も落とせない。スキや油断を見せずに、チーム一丸と戦っていきたい」
藤本
「1―1になって、2―1になって、次の1点が大事というのはわかっていた。その1点をこないだの(前節)中央戦では取れなくて苦労してしたので、今日はその1点を自分が取れてよかった。前期は2―0で負けた時に1点も取れなかったので、後期の同じ相手とやった時に負けるのも嫌だったし、点取りたいと思っていた。相手のCBに高校時代のチームメイトもいて、そういった意味でも点取って勝ててうれしい。ヘディングは相当強かったけど、他の所で勝負したので、結果勝てたのでよかった。(1点目は)CBの間にポジションを取っていて、クロスがドンピシャだったので、合わせるだけだった。けど、ポジション取れていたのが自分としては大きいかなと。(2点目は)あれは優人(差波)から受けた瞬間に縦にいこうかなと思ったけど、中入って左足で打てばというイメージで、すぐかわして打ったら、イメージ通り入ったので気持ちよかった。ちょっと甘いかなと思ったけど、キーパーの重心が逆にいっていたので、遅れて反応してくれて入った。打つ時はDFの足元をみた。キーパーとゴールは大体の感覚だった。あれはイメージ通りだった。(得点ランキングについては)狙えるなら狙いたいけど、チームを勝たせる得点を取ってなんぼなので、今日みたいなゲームで得点取って、勝たせるようにやって、その結果1位になれればと思う。今はチーム状況がいいし、課題もあるけど4連勝しているのが自分たちを表している。1戦1戦だけど、次も勝っていきたい。自分自身負ける気はしないけど、油断したらすぐやられるぐらい相手の力があるのは毎回わかっているので、目の前の1試合1試合を100パーセントで臨んだ結果、今があるので繰り返すだけ」
山越
「今日は先制点を決めることができたし、立ち上がりは改善されたと思う。何回もコーナーキックで外していたので、差波がいいところに持って来てくれたので、あとは決めるだけだった。相手9番めがけてのロングゴールを蹴ってきて、そのセカンドが相手の攻撃だったので、その9番を潰すことを意識した。(PKでしたが、気持ちの面では)龍輝君が止めてくれると信じていたが、佳希くん(藤本)が取り戻して決めてくれたので気持ち的に楽になった。(4連勝だが)もう相手ではなく自分たちとの戦いだと思うので今の勢いを自分たちで伸ばしていけるか、消えるかは自分たちの中にあると思う。そういったことを意識して1週間準備していきたい」
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