
和洋女大に勝利し3部4位 入替戦への最後の切符つかむ/関東大学女子3部リーグ戦
スターターは、川副舞(理工3=富士学苑)、千葉美知瑠主将(文4=東京成徳)、伴真衣香(文3=東京成徳)、北浦彩加(国際3=大津)、萱沼史織(情コミ2=埼玉栄)。
最後に地力の差を見せ付けた。常にリードする展開で試合を進めていたが、試合を決め切ることはできずにいた後半。12点リードで迎えた第3クオーターにミスを連発してしまう。相手に何本も速攻を許し、このクオーター最大16点まで広げた差を8点にまで詰められる。しかしここからチームの本領を発揮した。北浦がオフェンスリバウンドを支配すると、伴がドライブで相手ディフェンスをこじ開ける。「オフェンスリバウンドをリキ(北浦)とかが頑張ってくれた」(伴)と、お互いの信頼関係から生まれた得点でもう一度相手を引き離す。その後は、前半に多く見られた苦しい体勢からのシュートもなく、しっかりとボールを回し着実に得点を重ねる。最後は時間を使いながらの試合巧者らしい展開を見せ、控えの選手も出場させながら72―57の15点差で勝利。入替戦への進出を決めた。前日の試合で徹底できなかったリバウンドへの飛び込みで流れを取り戻し、勝利を手繰り寄せた。それでも「リバウンドの徹底ができていない」(千葉主将)と目指す形はまだ先にある。
ディフェンス意識の高さを見せた。相手の激しいディフェンスもありなかなか流れをつかみきれなかった前半。チームカラーである守って速攻の形を見せ、相手ゴールへ迫る。さらにはターンオーバーをしても素早い戻りを見せ、相手に簡単に速攻を許さない。1対1でもしっかりと体を当て、中を割らせなかった。ゴール下での2対2の場面でマークが甘くなるところはあったが、ハードなディフェンスで相手にイージーシュートを許さず、相手の得点を抑えた。前半の失点を抑えたことが、後半の余裕のある試合運びにつながった。
互いに声を掛け合い光をつかんだ。「リーグ戦を通して積み重ねてきて昨日今日でみんな強くなった。リーグ戦を通して成長した」と伴。どこかかみ合わずコミュニケーションが少なくなり、チームの状況が悪いまま迎えたリーグ戦初戦。そこから今日まで、一人一人が言いたいことを伝え合うことでだんだんと調子をつかんできた。練習でも試合でも思ったことを口に出して共有する。そうして高めたチームワークがここにきて開花した。第2クオーター中盤、千葉主将がケガで離脱した戸惑いから相手に連続得点を許した今日も、互いに声を掛け合い、自分たちが今やるべきことを確認し合うことで「明治らしく」強気で戦った。これまで課題に挙げ続けていたディフェンスやリバウンドも、個人では課題に残るとしながらもチームとしては良かったとそれぞれが一定の成長を感じている。リーグ戦でつかんだこの確かなチーム力を2部昇格の原動力とし突き進む。
戦いはこれからだ。チームの目標は入替戦出場ではなく入替戦で勝利し2部の舞台に立つこと。正念場は来月25日だ。1ヶ月にわたる長いリーグ戦を少ない人数で戦っただけにケガ人は多い。オフを有効に活用し調子を整え、万全の状態で勝負の時を迎えたい。
[吉川真澄]
試合後のコメント
渡辺徹監督
「ケガ人もいたけど選手の気持ちが入っていた。こちらからの指示もあったけど、みんなちゃんと分かっている。ただリバウンドやこぼれ球のところはなんとかしないといけない。とにかくここまで来られたのは良かった。第一目標。去年のあれを是非ともね、雪辱を果たしたいね。(ケガの川副は)やってみないと分からないとトレーナーに言われたけど今日は良かった。彼女がいないとボールが回らない。ディフェンスがちょっとやられたけどうちはそこをしっかりやらないと勝てない。点の取り合いだとリズムが悪くなったときに駄目。疲れもあるしケガ人もいるのでしばらくオフにする」
千葉主将
「(入替戦出場を決めたが)ホッとしたけれど、それも一瞬。試合が終わったときだけだった。4位に滑り込めて良かった。次に向けて切り替えようと思う。(リーグ戦を振り返って)だんだん良くなってきているが、まだリバウンドなどの徹底ができていない。ディフェンスをやって、速攻で走って点を取る自分たちのバスケを1試合通してやらないといけない。(入替戦まで1ヶ月近く空いているが)自分はまずコンディションを整えたい。チームとしては、とにかくディフェンスとリバウンドだけ。どの相手が来ても、自分たちのバスケができるようにしたい」
川副
「(入替戦出場を決めたが)とりあえずホッとした。もし今日負けても、入替戦への可能性はあったかもしれないけれど、2勝で決めることができて良かった。中途半端な結果にならず、2勝してリーグ戦を終えることができた。(リーグ戦を振り返って)後半になって、試合が厳しくなるにつれて、合わせなどで(ケガの)萱沼を入れざるを得なくなった。東女体大戦では負けたが、やることがはっきりとした。(入替戦までの課題は)自分たちの持ち味は走ること。1対1が強いのも魅力。あとは、パスの回し方や合わせをしっかりやれるようにしたい。(ケガもあり、やっとスターターに定着したが)ほとんどの試合に出場して、プレーすることができたのは良かった。チームのみんなもよくこの人数で1ヶ月戦えたと思う。このチームで2部に上がりたい」
北浦
「個人としては全然動けなくてマイナス要因になっているなって思ったんですけど、みんなケガしている中これだけできたので入替戦に向けてまた切り替えてやっていきたい。自分たちの課題も見つかったのでそれを少しでも克服して入れ替え戦に万全な状態で臨めたらいいなと思う。ケガしてないのは私くらい。リバウンドにいけるときといけないときに波があってでもそこはチームで補ってできた。個人的には全部が全然駄目で、でもみんなはすごい(相手に)つけていてカバーもできて周りが見えていた。自分は視野が狭くて焦りでいっぱいだった。リーグ戦初戦から今日の試合まででチームワークというかコミュニケーションがよく取れてきていてそれがプレーにつながっている。入替戦のときはもっとそれができるんじゃないかなと思う。(千葉主将が抜けたが)やっぱり抜けてほしくないところなのでちょっと不安があったんですけど、次入ってきたマコ(儀保梓・政経3=那覇)がしっかりカバーしてくれたので良かった。そこでも声掛けてやれた。練習のときから声を出してやった。人に任せるんじゃなくてもっと自分から自発的にというか積極的に声出していくことが大事。(課題は)ディフェンスで自分は一線が全然つけていないのでもっと1対1を頑張んなきゃいけない。チームとしては3線のカバーのローテーションとかスクリーンアウトとか、今日はリバウンドいっぱい取られていたのでスクリーンアウトの徹底はやっぱりチームの課題。リバウンドが取れると流れも変わってくるのでリバウンドは絶対やられちゃいけない部分だと思った。チームとしては昨日よりリバウンドができた。当たり負けしないで取れていると思う。(入替戦出場が決まったが)本当に良かった。チームに状況が悪い状態でみんなで頑張ったなって感じがする。今まで自分たちで練習頑張ってきて積み上げてきたものを今日の試合で出せるようにというのがメインだった。今日負けちゃったらもう入替戦はなかったので一安心ですかね。まだまだこれからです。入替戦のために今まで頑張ってきたので入替戦で勝たないと今までやってきたことが意味ないので頑張りたい」
儀保
「ケガ人も多かったけど全員で勝てて良かった。(千葉主将の退場のところは)ポジションが違っていて、行けと言われたときはびっくりしたけどこれからはこういうのが大事になってくると思うし、やることはやろうと思ってやった。違うポジションでやっても勝てたのは良かった。(先週の敗戦から)切り替えはできて、負けたことで入替戦に絶対行くぞ、となれたから良かった。(リーグ戦を振り返って)最初が全然駄目でコーチとかにも入替戦は無理と言われていてそれでも最後しっかりできて良かった。(入替戦まで1ヶ月弱空くが)1回休めるし課題もはっきりしたから良かった。課題はリバウンドが取り切れないこと。入替戦に行けることはうれしい。けど入替戦が目標じゃなくて2部でやることが目標。2部の下位と差があるとは思ってない。どれだけ気持ちをまとめてやれるか」
伴
「やり切ったという感じ。ただこのまま入替戦に行ってもボロボロにされる。1ヶ月弱あるから、ケガ人も多いので入替戦に万全の状態で臨みたい。勝てて良かった。昨日の相手もバタバタやって手が出てくる相手だったので、ファウルをもらっていこう、と切り込めるときは切り込もうとやった。オフェンスリバウンドをリキ(北浦)とかが頑張ってくれていたので自分も行こうと思った。ディフェンスの1対1でつけてないところがあるので、チームディフェンスの前に一人一人が入替戦までにしっかりしていかないといけない。(先週の敗戦から)チャンスがある、とやってきて2戦切り替えてできた。リーグ戦の最初の頃はチームがグダグダだった。リーグ戦を通して積み重ねてきて昨日今日でみんな強くなった。リーグ戦を通して成長した。(入替戦は)去年負けているので最後ははいつくばってでも勝ちたい。やってきたことを無駄にしないようにやりたい。2部に行くことが目標じゃなくて2部に行ってプレーすることが目標」
萱沼
「昨日絶対できるようにしないといけないって決めたリバウンドが全然できなかった。だからもう全然駄目でした。飛んだボールを見ちゃって自分がやんなきゃいけないのは相手を抑えることなのにリバウンドを取ろうとしちゃっている。我慢が全然できてない。たぶんまだ気合いが足りてない。飛ぶことしか考えてないから。やることやらないと自分のところが穴になって流れがいっちゃうなとつくづく反省。今まではリバウンド取って挟まれて取られてっていう感じがあったけど今日はちゃんとキープしてっていうのができたからリバウンドはチーム的には良かった。慌てなくていい場面を気持ちの余裕がなくてミスしてしまう。相手を見ても状況を考えてもこっちが焦るムードじゃないのに。やっぱり余裕を持てるようになったらミスが減ると思う。いつもよりみんなで声出せるようになってきたのでみんなひとりひとり声掛ければ気持ちの切り替えができる。気持ちの切り替えが前に比べたらできるようになったと思う。(シュートがよく決まったが)奇跡ですよね。自分的に全然いい体勢で打ててなかったのであんまり良くない。シュートセレクションが悪いのでもっといい形で打ちたい。今日はたまたま入ったけど2部とか入替戦だったら入らない。今日シュート入ったのはいいけどあの体勢じゃ戦っていけない。前を見たりリング見たりしてから無理って思ったら返すのを覚えたい。ドリブルさせるところのディフェンスはできるんですけど3線のカバーがマスターできてない。ディフェンスも我慢が必要。今日はチームで戦えた。いつもは単発な攻め方だったけど今日はまだまだだけどパスを回して打てる人が打つっていう形ができた。1人で攻めようとしてもきついからパスを有効にこの調子でやっていけたらいいと思う。(千葉主将は)攻め気で攻めてくれてリーグ入ってから3Pで点が取れるようになってきていたのにそこが抜けて。でも自分のやることは変わらないのかなと。声出して千葉さんの分までって感じでした。気持ちで持って行った。声出せたから良かった。チーム状況が悪かったから落ちてる部分があったけどみんな気持ちが上がってきていて良かった。入替戦に行けるのも良かったけど。振り返ってみてよくここまで来れたなと思う。(入替戦に)行けるのといけないのでは全然違うから。自分たちでペースをつかむのが難しくてオフェンスもディフェンスもなんかかみ合わなくて暗い感じになっていたけど会話が増えた。前向きに明るくやろうっていうのがみんなできてきた。声の掛け方とか盛り上げ方とか一人一人が元気にやれたらこうやって勝てるんだなって思いました。みんなため込んじゃってチームが静かになって、誰かが盛り上げようとするけどうまくいかなくて。みんな考えちゃってたけど、それをうまく言葉に出して伝え方も良くなってきた。本当それだけできれば絶対チーム的に強いと思ってたからやっとできてこれこれって感じ。あとはなんでミスが出ちゃうのかとリバウンド取られちゃっているのかっていうのをみんなで修正して気持ちを切らさずやっていきたい。絶対今日で終わりたくなかったからまだナギさん(千葉主将)とできるって思うとうれしい。今日は負けるとか全然考えてなかったから。相手の研究とかそういうんじゃないなと思いましたね。昨日とか今日とかのビデオは一切見てなくて、結局自分たちがやることをいつも通りできれば勝てる。最初の方は相手に合わせちゃってた部分があるので。ちゃんと自分たちがやることを抑えてコートで表現できれば勝てます」
松本真衣(理工1=鵬学園)
「今日は負けられない試合で、出たら攻め気を持って強気でリングに向かっていこうと思っていた。(負傷退場した)ナギさん(千葉主将)の分もみんなで攻めたり守ったりできた。流れに乗っているときは試合にも入っていきやすいけど悪いときは緊張してるからミスしてしまう。流れが良かったらのびのびできる。入替戦を決めたのはすごいうれしい。ケガ人が多くなっちゃっているのでそれを直してもらって、気持ちを切り替えて臨みたい。どこと当たるかまだ分からないけどみんなで一丸となってやっていきたい」
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