対抗戦2戦目 14トライを決め立大に快勝/関東大学対抗戦

2014.09.28
 大事な初戦を制し、対抗戦2戦目に臨んだ。相手は今季から対抗戦Aグループに昇格した立大。前半は明治のペースがつかめずに苦しんだ。それでも圧倒的なスクラムの強さでFWがチームを鼓舞し24―0で前半を終えた。一方で、後半は左WTB齊藤剛希(商3=筑紫)や途中出場のメンバーが飛躍し10トライを決めた。最終スコアは92―0と力の差をみせつけた。

トライ量産ならず
 「自分たちのプレーができていなかった」(右LO小林航・法3=明大中野八王子)。前半、相手を敵陣にくぎ付けにしているもののトライを決めきれない場面が続く。「相手陣に入ったときにやるような動きを自陣からしてしまった」(Nо.8松橋周平・政経3=市立船橋)。ゴールに迫る前での乱雑なプレーが目立ち、それに合わせてペナルティーも連発。嫌な空気が立ち込める中、明治の強みであるスクラムがチームを助けた。前半4分、相手ボールスクラムからチャンスを得たSH加納遼大(文4=常総学院)がトライ。その後もスクラムで相手を圧倒。自陣で迎えたピンチも好機に変えることができた。また「ダブルタックルで止めていた」(松橋)という強気のディフェンスが功を奏した。相手にボールが渡った後も目立ったゲインを許さず、前半を24―0で折り返した。

差をみせつけた後半
 10トライの猛攻をみせた。FW、BKともにビッグゲインを繰り返しぐんぐん敵陣深くに侵入。「一人一人が100パーセント以上の力を出せた」(左LO東和樹・政経3=京都成章)というように前半とは打って変わって、最後まで攻め切ることができた。中でも、齊藤の活躍が光った。後半開始直後に決めたトライを皮切りに、ハーフライン付近からの爽快な独走トライを2度も演出。「体幹の強さを出していこう」という齊藤自身のテーマが実を結んだ結果となった。また「フレッシュな選手も活躍した」(SO田村煕・営3=国学院栃木)というように対抗戦初紫紺の面々が躍進した。今回の立大戦でHO佐藤公彦(法2=明大中野)、右LO尾上俊光(政経2=尾道)、SH三股典久(政経1=佐賀工)の3人が対抗戦デビューし、後半のテンポアップした試合展開に貢献。「正直、ものすごく緊張していた」と語った尾上は、後半15分にラックから飛び出してトライも決めた。40分間、明治が一体となってコンスタントに攻め続けた。そして試合終了間際、相手のこぼしたボールからターンオーバーし松橋がトライを決め92―0。惜しくも100点ゲームにはならなかったものの、大差での勝利となった。

 強豪筑波大に続き、立大を撃破した。入りの悪さは目立ったものの、試合を通して相手をノートライに抑えたことは大きな収穫だ。次戦は2週間後に行われる青学大戦。「今後も誰がメンバーに入ってもおかしくない」(東)状況でレギュラー争いにも注目が集まる。あと5戦、気を抜かずにしっかりと勝ち点を奪いたい。

[三浦亜優美]

◆対抗戦 対立大戦の先発メンバー&リザーブ◆
1.PR 勝木 来幸(営4=常翔学園)→17.植木(後半20分) 9.SH 加納 遼大(文4=常総学院)→21.三股(後半12分) 16 佐藤 公彦(法2=明大中野)←2.中村(後半20分)
2.HO 中村 駿太(商3=桐蔭学園)→16.佐藤(後半20分) 10.SO 田村 熙(営3=国学院栃木)→22.長石倉(後半12分) 17 植木 悠治(政経3=常翔学園)←1.勝木(後半20分)
3.PR 松波 昭哉(政経4=東福岡)→18.塚原(後半30分) 11.WTB 齊藤 剛希(商3=筑紫)→23.紀伊(後半30分) 18 塚原 巧巳(政経3=国学院栃木)←3.松波(後半30分)
4.LO 東 和樹(政経3=京都成章) 12.CT B 水野 拓人(情コミ4=東海大仰星) 19 尾上 俊光(政経2=尾道) ←5.小林(後半7分)
5.LO 小林 航(法3=明大中野八王子)→19.尾上(後半7分) 13.CTB 尾又 寛汰(商2=国学院栃木) 20 桶谷 宗汰(営2=常翔学園) ←6.上田(後半12分)
6.FL 上田 宥人(政経3=東海大仰星)→20.桶谷(後半12分) 14.WTB 成田 秀平(営2=秋田工) 21 三股 久典(政経1=佐賀工)←9.加納(後半12分)
7.FL 三橋 功太郎(理工4=日大) 15.FB 松浦 康一(政経3=佐賀工) 22 長石倉 豪(営4=報徳学園)←10.田村(後半12分)
8.No.8 松橋 周平(政経3=市立船橋) 23 紀伊 皓太(文3=日川)←11.齊藤(後半30分)

試合後のコメント
左LO東和樹(政経3=京都成章)

「前半は前には出られたが攻め切れないところがあって、得点につながらなかった。修正点が見つかったので次に向けて修正したい。後半はみんな前に出る意識が変わってできた。みんなが泥臭く前に出ていこうとしていた。前半は8割くらいの力になっていて出し切れていない部分があったが、後半はプレッシャーもあったが一人一人が100パーセント以上の力を出せたと思う。個人的には相手のラインアウトが動くラインアウトだったので、それに対応してうまくディフェンスできるようにならなくてはと思った。今日はキャプテンから(失点を)0点に抑えようと言われていたので、それをクリアできたのは良かった。今後も誰がメンバーに入ってもおかしくないので、試合に出たら一戦一戦自分の力を発揮できるようにしたい。(青学大戦は)またチャンスがもらえれば今日以上に力を出せるように、しっかり準備して臨みたいと思う」

右LO小林航(法3=明大中野八王子)
「FW全体の完成度は、前半相手のプレッシャーに対して受けに回ってしまっていたので良くはなかった。自分たちのプレーができていなかった。今日のような格下の相手に対してあれでは今後帝京などとやる時に厳しくなってくる。ラインアウトの動きは、個人としてゴール前での時にHOと息が合わず取れなかった場面があった。今後はもっと集中していきたい。スクラムは良かったと思う。今年徹底的に練習してきたスクラムでのプレッシャーが出せていた。(前後半のスコアの差は)立教のプレッシャーに負けてしまいペナルティーを犯してしまったのが原因だと思う。グラウンドコンディションは暑かったが、そこまで影響はなかった。やはり自分が期待される部分は高さだと思うので、今後もそこでしっかり仕事していきたい」

Nо.8松橋周平(政経3=市立船橋)
「自分たちのラグビーがどれだけ遂行できるかを意識していた。みんなイメージはすごく良かったと思うが相手のディフェンスも来ていて逆に攻めることができなかった。結構慌てていて、雑なプレーも多くなってしまった。相手陣に入ったときにやるような動きを自陣から入れようとしてしまった。どんどん行こうとしてて、ミスの繰り返しになってしまった。もっと1個1個、ゾーンごとに固くいって前に行けたらテンポアップ、というふうにいきたかった。ハーフタイムは1つ1つ大事に、無駄なパスとかをしないでやろうと話した。ディフェンスでは最初ばたついたところもあったがかなりみんなで前に出てダブルタックルで止めていた。ブレイクダウンでももっとファイトできたら良かった。個人としては最初、自分の反則でつまづいてしまったのでそういうところをなくしたい。スクラムはしっかり安定していたが、もっと相手ボールのときに仕掛ければよかった。次も自分も持ち味を出せるよう頑張りたい」

SO田村煕(営3=国学院栃木)
「入りが悪かったのが課題。試合前に個人的に言われたのはハイパントの精度だったが、あまり蹴っていないので。点差を付けて後半に回そうという話していたが、入りが悪くて開かなかった。後半に差が開いたのは、前半相手が元気だったのもあるが、相手とのコンタクトの差が露呈してきたと思う。うちのフレッシュな選手も活躍した。これから青学大や明学大が続いて今日みたいな試合になることが多いと思うが、そういう時にどういう戦い方をするのかというのを意識したい」

左WTB齊藤剛希(商3=筑紫)
「自分たちのラグビーができればいいと思っていた。前半は相手に合わせてしまった。そこをハーフタイムの時に小村さんから思いっきりやれと言われて吹っ切れた。自分たちのミスもそうだが思いっきり前に出てくる相手のディフェンスに合わせてしまってあまり工夫せずにうまく回せなかった。相手のディフェンスに合わせて攻撃してしまっていたのを改善しようと言っていて、後半で改善することができた。4トライとれたが全部周りのチームメイトに助けてもらったトライなので、チームメイトに感謝している。自分の春からのテーマで体幹の強さを出していこうというシーズンだったので今日はそこを出せたので良かったと思う。ディフェンスは声を出すことを意識してやっている。今日はうまくバックスリーとしてディフェンスラインを自分の中で動かせていけたと思うのでよかった。あと5試合あるので、1試合1試合自分たちの明治らしい戦い方でラグビーをすることが大事だと思う。自分たちのラグビーができればどこにも負けない強さは一人一人持っているので、そこで勝負していきたい」

右CTB尾又寛汰(商2=国学院栃木)
「今日の試合は一人一人に課題が出されて、それにプラスしてチームとしてノートライに抑えることが目標だった。コーチから出されたのはキックチェイスの部分とタックルの精度を上げることだった。チーム的には前半あまり波に乗れなかったが、後半修正してノートライに抑えたところが良かったと思う。個人的には何本かいいタックルに入れたが、精度としてはそんなに良くなかったので、個人練習から精度を高めていきたい。ハーフタイムに言われたのはそんなに難しいことではなくて、やることをもっと出せるというところと頭の中を冷静にして対応していくということ。前半はミスがあったが接点では負けていなかったので、後半はそれに修正を加えたという感じ。来週はジュニアの早稲田があって、Bだけど早稲田は絶対に負けてはいけない相手なのでチーム一丸となって勝ちにいきたい。個人としてはジュニアに出ても青学大戦に出ても今回の課題を見つめ直して一つ一つ克服していきたい」

右WTB成田秀平(営2=秋田工)
「今日の課題であったタックルが全然だめだった。決め切れていなかった。ボールキャリーになった時に、パスするか自分でいくか迷って結局ペナルティーをしてしまった。走り切ってトライする、というのができていなかったので今日の自分のプレーには納得いっていない。BK全体として見て、フェーズを重ねられたのは良かったが、シェイプがまだまだだと思う。今日はこれと言ったコミュニケーションミスは少なかったのでよかった。ただ、声を出していてもボールが来なかったり来てもペナルティーを犯してしまったりしていた。あとは個人のスキルの問題だと思う。前半に相手に合わせてしまっていて、そこがスコアに出てしまった。後半はそこを修正して臨めたので、こういう点差になったと思う」

佐藤公彦(法2=明大中野)
「スクラムは良かったがラインアウトが全然駄目だった。次回の試合までに修正できたら。ラインアウトが良くなかったは、ただ単に自分のスキルなのでしっかり練習したい。(良くなかった前半を受けて)ハーフタイムには小村さんから、オフロードなどの話ではなく、泥臭く前に出よう、一つ一つ真剣に取り組もうという話があった。対抗戦に1試合でも多く出て、自分の持ち味をしっかり出して、ポジション争いに加われるように頑張っていきたい」

尾上俊光(政経2=尾道)
「今日はアピールできた。トライに加えて、課題でもあったラインアウトのキャッチをしっかりできた。(対抗戦初出場は)正直、ものすごく緊張していた。たまたま最初にトライを取ることができて、自分も行けるのではないかと思い、だいぶ落ち着くことができた。トライは、相手が見ていなかったところをするっと抜けただけのラッキートライ。それでも公式戦では初めてなので良かった。チームとして、セットプレーは後半は完ペキだった。スクラムも押し切ることができたし、ラインアウトも何度もゴール前のモールでトライを取れた。(良くなかった前半を受けて)来幸さんから、浮き足立っているからしっかり自分たちのプレーをしていこうという話があった。後半は良かった。今後、もし対抗戦に出ることができたら、自分のプレーをしっかり出し切っていきたい」