
リーグ全敗から悲願の2部残留/関東大学女子リーグ2部3部入れ替え戦
若い力で圧倒
ルーキーペアが初勝利を飾った。第1セットは5―4から「弱気になった」(井上)と相手の攻めの姿勢に押され、5―7で逆転を喫し落としてしまう展開に。迎えた第2セットは5―4、15―15の場面で青木(法大)が脚をつるアクシデント。そこから「思い切り攻めて取りにいけた」(熊谷)とポイントを連取。このセットをモノにし、最終セットに持ち込んだ。最後は相手を圧倒し6―2で勝利。ここまで連敗を重ねていたが、最後の最後で意地を見せた。
エースペアが接戦の末、敗北を喫した。ダブルス1に臨んだ佐野真代(文2=津田学園)・森美咲(法2=富士見丘)組の相手はインカレベスト8の水沼・江見(法大)組。江見は森と高校時代、ダブルスでペアを組んでいた。「正直やりにくいと思っていた」(森)と第1セットをタイブレークに持ち込むも6―7で落としてしまう。第2セットは6―2で難なく奪取すると迎えた最終セット。3―3までシーソーゲームを続けるも「強気で来られてしまった」(森)と要所で取り切れず、流れを許した。それでも「一番いいプレーができた」(佐野)と強者相手に粘りのプレーを続けたことで次につながる試合内容となった。
エースの意地
底力の違いを見せ付けた。第2セット、あと1ポイントで明大の勝利が決まる場面、臼井のフォアハンドストロークが相手コートに突き刺さると、明大の2部残留が決定した。「プレッシャーを感じていた」(臼井)とすでに井上、熊谷がストレート勝ちを決めていたため、2部残留は臼井の手に掛かっていた。第1セットは6―2で先取するも第2セット5―4から捲(まく)られてしまう展開に。それでも果敢に攻める姿勢を崩さずポイントを連取した。7―5で勝利すると「ほっとした」(臼井)。緊張から解放された顔には安堵(あんど)の色が満ちあふれていた。
エースが奮闘した。シングルス2に臨んだ森は6―2、4―6、6―1とフルセットながら快勝。シングルス1の佐野がストレート負けを喫していたため最終試合となった。第1セットは圧勝したが、第2セットで得意とする逆クロスを打つもバックハンドでストレートに打ち込まれる展開が続く。苦しい中で迎えた最終セット。「少し力を抜いた」(森)と緩急をつけたプレーを心がけると6―1と相手を寄せ付けない強さで勝ち星を手にした。
昨年の入れ替え戦でも最後を任されていたのは森だった。単複3―3の場面でシングルス1に臨み、フルセットの末勝利。2部昇格の立役者となった。今年は勝ちが決まる試合ではなかったが「最後まで戦い抜こうと思った」と気持ちを崩さなかった森。チームの柱として最後の勝利を飾った。
戦いはまだ始まったばかりだ。入れ替え戦に勝利し2部のステージは守ったものの、リーグ5戦全敗の結果は課題に残る。「何が足りなかったのか反省して来年は全勝してほしい」と小林千里主将(文4=宮崎商)は後輩に思いを託す。「来年は上入れ替えに掛かりたい」。全員が高い目標を持って挑んでいく。創部史上初の1部昇格もそう遠くはない。
[橋本杏菜]
試合後のコメント
上原監督
「2部残留できて本当に良かった。リーグ戦の5戦は勝てなかったが、今日の入れ替え戦にはいい顔つきで臨めていた。今日勝てたのは体力とハート、プライド。昨年苦しい思いをして勝ち上がって、お前らにはまだ早いというプライドだと思う。試合に関しては1年生の頑張りが目立つが、試合に出ていない選手も含めて全員がやるべきことを全うしてくれた。そういった意味で、チームが一つの円を描けたと思う。今年2部でリーグ戦を戦って、足りないところは選手が分かっていると思う。女子は来年、沼尻が主将になるが、彼女を慕って明治に来てくれている後輩がたくさんいるし、いい形でリーダーシップ、良さを発揮してくれることに期待している」
小林主将
「出だしの東学戦が悪くて少しずつ上がってきて、入れ替え戦も2部でやってきたプライドがあるので雰囲気も良かった。一番大きいと思ったことは今まで勝てなかった井上・熊谷のダブルスで取れたことと、シングルス3、4、5が課題だったのでそこが一気に取れたことが絶対的な勝ちにつながった。(今年は受ける形の入れ替え戦だったが)去年は挑戦者として思い切りやったが今年は自分たちのステージを渡さないために戦った。3部には負けないという自信があったので受け身になることもなく向かっていった結果が勝ちにつながったと思う。(4年間を振り返って)リーグ戦が終わって4年生が抜けた1、2、3年生の代でチームをつくっていくので、自分が一番上になってチームをつくっていく去年のリーグ戦終わりからが一番大変だった。強い後輩がいて支えてもらったので今回も2部に残留するときに自分もちゃんと力になれたのかなと思った。4年間常にやりがいを感じられたのでみんなに感謝したい。(後輩に掛ける言葉は)入れ替え戦は勝って2部に残ることはできたが、2部全敗という結果は全員が悔しいと思う。何が足りなかったのかを反省して来年は全勝して上入れ替えにいけるように頑張ってほしい」
臼井
「勝った時はうれしいというか、安心した気持ちだった。去年の入替戦は上がれるという緊張で、今年は落ちられないという緊張があった。自分のところは絶対勝たないといけない相手だったと思うので、プレッシャーも感じていた。リーグ戦では勝てていなくて、勝ち切るイメージが持てなかった。第2セットで5ー3から追い付かれたのも、そういった精神的な部分の不安なところが出てしまったと思う。今年はリーグ戦にたくさん出させてもらったので、最後に入れ替え戦で勝つことができて良かった。隣で戦っていた井上、熊谷が勝ってくれたので、気楽にプレーできた」
佐野
「5戦ずっと全敗でチームも勝つことができなくてつらかったが、周りのみんなが勝ってくれて勝ちが決まったことはうれしい。(シングルスに入る時はチームの勝利が決まっていたが)それでもシングルス1の意地で勝とうという思いで入ったが、自分のプレーを出し切ることができなかった。相手は4年生でいいプレーをしてきて私と全然違うなと思った。(リーグ戦はシングルス1で出場してきたが)初めてシングルス1を経験してチームがどんな状況でも勝たないといけないし、1が負けたらチームは負けだと思うので絶対私が勝って試合を終わりたかった。終わってみてシングルスで2試合しか勝てなかったのでインカレでベスト8という結果を出せたが、そこはリーグ戦で戦うことが苦しいと思った。そこを楽しめるようになりたい。(ダブルスは)悪くはなかったが相手の方が大事なところで決めてきて、相手がすごく良かった。すごい緊張感の中で自分たちのプレーができたことは良かったが、勝っていたらもっとチームに流れがいった。何戦も戦ってきて一番いいプレーと周りから言われたので自分たちのテニスができたのは良かった。(入れ替え戦はどういう気持ちだったか)絶対に勝ってチームに貢献したかったが、周りが今までにないようなプレーで勝ってくれて私も安心して試合できたし、応援してくれる人や試合に出ていないサポートのメンバーや監督、OG、いろんな方々に感謝したい。(新チームでは)このリーグ戦で学んだことは無駄にはならないので新しいチームをどうしていくか、みんなで話し合ってチームが良くなるように頑張っていきたい。もっともっと上を目指していく」
森
「今日はみんなの意識が朝から違っていて、今までこの5戦で負けていた人たちが最初から集中して1年生もすごくいいテニスをしてくれた。最初にシングルスで勝ってくれた3人には感謝したい。(ダブルスの2セット目切り替えられたのは)ファースト終わった時点で佐野と1ゲームも落とさずやろうと言い合って気持ちを切り替えられたのが6―2というスコアにつながったと思う。負けはしてしまったが今までで一番当たりのいいダブルスができたんじゃないかと思う。(シングルスは)今までは負けが決まってから自分の消化試合があったが今回は途中でみんなが勝ってくれて2部残留が決まってからの試合だった。ファイナルは自分のミスだけでセカンドは落としてしまったという感じだったので、少し力を抜いた。(シングルス入ったときはチームの勝ちが決まっていたが)安心して力が抜けてしまったところもあったが、打ち切りがあるわけでもないし応援団がたくさんいて自分だけ気を緩くするわけにはいかないと思ったので最後まで戦い抜こうと思った。(今回は去年とは違う受ける形の入れ替え戦だったが)私たちは全敗してからの入れ替え戦で向こうはたくさん勝ってきてからの入れ替え戦だった。チーム的には資格を持っている選手が多くいたので、受け身にはならずに最初から挑戦側としていこうとは思っていた。(新チームでは)(沼尻)泰代さんが一人でチームを引っ張る形になるので、私たちが同期一人という状況を感じさせないくらい支えて来年は上入れ替えに掛かりたい」
井上
「(ダブルスでは)ファーストセット勝っていたにも関わらず、逆転され落としてしまった。ファーストセット落とした理由は今まで同様5―4になったにも関わらず弱気になっていた。しかし、ベンチコーチに勇気付けられ周りを気にせず自信を持って強気で攻め切れ勝つことができた。みんなが応援してくれる中、勝つのはすごく気持ちいい。今まで連敗続きだったので少しチームに貢献できたかなと思えてうれしい。(シングルスは)相手がダブルスの時にケガした相手だったのでチャンスだと思って思い切り挑んだ。シングルス1と2の試合に気楽に臨めるようにしなくては行けない立場だと思ったから、早く試合を進め、勝ち切ることができて良かった。リーグ戦は実力だけではなく、みんなの力も必要であることを実感した。来年入る1年生のためにも私が成長してもっと思い切って試合をやりやすい環境にしたい。先輩たちがつくってくれた2部のステージを守るのが私たちの義務だと思っていたので、果たせて良かった。次のリーグ戦のためにももっと成長して、立派な戦力になれるよう頑張りたい」
熊谷
「(ダブルスは)自分たちのテニスを押し出していけば勝てると思ったが、途中戸惑った。ファーストとではミスも多く、それが落とした原因だと思う。セカンドセット、ファイナルセットでは相手が足をつったというのもあるが、思い切り攻めて取りにいけたので良かった。(シングルスは)チャレンジャー精神で挑んだ。終始攻めたので自分のテニスができたと思う。2部リーグ全敗してみんなに心配された中だったが、この試合で今まで出せなかったものが出せたと思うのでうれしい。リーグ戦は先輩からもすごく緊張するよと言われたが、私はあまりしないタイプなので少しの緊張だった。試合の回数を重ねて行く毎に勝たないといけないプレッシャーと周りからの期待があって今日は今までにないくらい緊張した。ダブルスはとりあえず元気出していこうと心がけていた。来年は地道に練習を重ねて1部に昇格したい」
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