
早大に勝利! 優勝争いに躍り出る/関東学生秋季1部リーグ戦
勝利を決めるブザーが鳴った直後、選手たちは歓喜の声をあげた。ここまで負けなしの早大をホームである明大和泉体育館で迎えた一戦。立ち上がりは早大の確実なシュートで3連続得点を挙げられ、追い掛ける展開になる。しかしこの3点ビハインドは想定内だった。前半5分の堤の得点から7分には東謙佑(法3=法政二)のロングシュートで同点にし、9分には田中周平(商3=長崎日大)の得点で8―7とこの試合初めてリードを奪った。前半20分で13―10とペースは明大だったが、早大がタイムアウトを取った後の攻撃。「堤さんにボールを集め過ぎてしまった」(田中)と攻める気持ちが消極的になったところで相手がことごとくパスカットし、再びリードを許す。そのまま前半を14―17で折り返した。
リードされても自分たちのプレーを貫き通した。堤のシュートを起点に再び流れは明大に。そしてここまで決定力が抜群だった早大のシュートの前にキーパーの藤本が立ちはだかる。「きょうは調子良かった」(藤本)とシュートを何本もはじき返した。藤本の頑張りにチームも応え、後半5分で追い付き8分には逆転。その後は一進一退の状態が続いたがこの激戦に終止符を打ったのはまたもや堤だった。ディフェンスが緩くなった一瞬のスキを突き勝負を決定づけるシュートを決めた。最終スコアは29―27。「きょう勝ったことは大きい」(池田稔・農3=藤代紫水)と、この勝利はチームをより勢いづけるものとなった。
エース・堤のスーパーシュートがここぞというときに決まり、流れを手繰り寄せた。それでも堤がマンツーマンマークを付かれたときに坂倉健介(政経4=市川)や田中などが活躍したりと、決して堤だけに頼ったわけではない。またキーパー藤本はナイスセーブの連続でチームを助け、まさにチーム全員でつかんだ勝利だった。
全勝の相手に勝ち一気に優勝が見えてきた。「ここまで来たら優勝するしかない」と松本勇監督。チームの雰囲気は上向いている。次の筑波大は高いディフェンスが特徴で注意が必要だ。強豪ではあるが早大戦のようなプレーをして優勝を目指したい。
[吉田周平]
試合後のコメント
松本監督
「今まで戦ってきたチームより得点力もディフェンス力もあったが、明大も速攻して帰って守ってというのができていた。セットオフェンスは、熱くなるとだめなのでリラックスしてやれと言っていた。堤が冷静になって打つところで打って決めてくれた。前後半で何回かマンツーマンマークにつかれてリズムが崩れかけたが、田中や坂倉が頑張った。苦しいときに堤頼りではなく、他で取れた。春は堤一人に得点が集中しすぎていたが、秋は堤以外でも取れるようになってきている。前半の終盤で消極的になって何本かパスカットされてしまう場面があったが、後半はみんなゴール狙っていた。あとはキーパーが良かったね。ディフェンスもよく頑張って、キーパーもよく当たった。相手ディフェンスは高かったり一線だったりしたけど、対応してできていたと思う。うちのペースでできた。キーパーが止めて、ゆっくり回す。ディフェンスで休みはないから、オフェンスのときに自分たちのペースで回した。自分たちのペースをつかんだのが勝因。課題を挙げるなら、ノーマークシュート。決めるところ決めないと。上位は1点2点の差になるから、そういうところで決めないと勝敗に関わる。リーグを通して、初戦の国士大戦は全然駄目で法大戦もあまり良くなかったけど、試合を重ねるごとに成長している。中大とも点差をつけることができた。チーム状況は上向いている。(次の筑波大戦は)修正点は特にない。今の流れのままいければ勝てる。ノーマークシュートとかは個人で練習してもらって、ディフェンスは気持ち次第だと思う。今日の早大戦であれだけ守れた。どこをどうするとか考えなくても、今の状態でいければ。ここまで来たら優勝するしかない」
堤
「前半は離されても辛抱強くついて行こう、5点差がついても後半で挽回できると話していたが、前半は3点のビハインドだったのでラッキーと思っていた。オフェンスでは前を狙って、ディフェンスでは全員足が動いていた。後半は良かったが、前半の終盤に続けてパスカットされたところは良くなかったので、次に向けて修正していきたい。個人的には悪くはなかったが、まだできる。きょうの課題点はルーズボールと勝負所でのノーマークシュート、速攻の形。きょう勝ったから次負けてもいいかと言ったら駄目。残り2戦、全力で戦わなければいけない。(次の筑波大戦は)ディフェンスで守って速攻をする。相手ディフェンスの真ん中2人は大きいので、そこを注意してやる。残り2戦勝たなければきょう勝った意味がなくなるので、絶対に勝つ」
坂倉
「本当に4年間で一番うれしい。前半はミスをしてあまりチームに貢献できなかったが、後半は集中して積極的にシュートを決めることができた。あと後半の最後にチャージを取ったところは、自分で褒めてあげたいと思う。(堤にマークがついていた時間帯は)4年生は僕しか出ていなかったので、下級生に負担を掛けないように自分が思いっきりやろうと思ってプレーしていた。(前戦からスタメン出場だが)春は就職活動で出れなくて、秋の最初も出れなかった。このまま出られないのではないかとも思っていたが、出させてもらえることになった。期待してもらっているので、その期待に応えられるようチームに貢献したい。もう4年生なので失うものはない。ベストを尽くせるように頑張る。(これからに向けて)この一勝は大きい。今明大は勢いがあるので、その勢いを落とさず一致団結して挑んでいく。(次の筑波大戦は)きょうの明大の試合を見て、確実に筑波大は堤にマンツーマンマークについてくる。その中で自分がいかにシュートを決められるかがカギになると思う。優勝を狙って、120%の力が出せるように頑張りたい」
池田
「自分は前半シュートまで持っていくことができず、後半はディフェンスで足を動かそうとしてそれはうまくいったがパスカットしてシュートに持っていったときに外してしまったことは反省しなければならない。来週筑波大、日体大で終わるがそれに勝ったら優勝が近いので最後まで分からない。来週までしっかり練習して試合に臨みたい。(ディフェンスは)堤さんが上で動いてくれたので下で動きやすかのでよかった。優勝争いの点できょう勝ったことは大きい」
岩上義之(政経3=氷見)
「すごくうれしい。試合前はもっと厳しい試合になると思っていたが、明大のリードの時間が多かったので気持ちに余裕ができた。個人的には、シュートは良かったがシュートに行くまでに自分で仕掛ける部分がまだ足りないと思った。これから気を抜かず、優勝とかは考えずにあと二つ勝つことだけを考えて練習する。筑波大はキーパーがいいので、一週間でシュートの対策をする。あと二人勝って、みんなで笑えればいい」
田中
「相手が全勝できょう負けたら優勝が決まってしまうので本当によかった。ずっと自分たちのペースでやっていけるわけではないのでその時間をみんながどう我慢するのかを試合前に話し合っていたのでそこを我慢して自分たちのペースに持っていけたのは成長したと思う。前の試合からの4試合で絶対に負けないと言ってきて早大に勝ったので勢いがついたと思う」
東
「素直に勝ててうれしい。(早大対策として)試合のビデオをいっぱい見た。ビデオ見て相手選手の特徴を研究してその良い特徴を消しつつ、得意じゃない方のコースに持っていくよう意識した。きょうはそれを大まか生かすことができた。自分たちが主観じゃない時間があるのは想定内だったので、それだからこそ慌てずこういう時間帯もあると後半もいい形で臨めたと思う。残り2戦大事な試合があるのでそれに向けてこのペースで頑張っていって勝ちにいきたい」
藤本
「早大に勝ってうれしいという気持ちがあるし、まだ筑波大、日体大があるのでそこをしっかり勝たないときょう勝った意味が薄れてしまうので自信にしつつもまた来週のために準備ができるようにやっていきたい。きょうは調子が良かった。本当にディフェンスがしっかり守ってくれて(早慶明)定期戦からとれなくはなかったので自分のコンディションは悪くないなと思っていた。大事な試合でこうやって結果が残せるというのは単純にうれしいし、チームの一員として試合に出られたことはみんなに感謝しなければないと思う。早大は春のリーグで優勝しているし結束力もあって負けないチームだと思っているのでそこに勝ったということで個人個人課題はまだきょうの試合であるがしっかり自分のやるべきことをやれば強いチームに勝つことができるのだと分かった試合だった。きょうは挑戦者として試合に臨んだ。試合前のミーティングで堤さんがリードしている状態でい続けることはできないし追い付いては追い越されるという展開になると話していたのでリードされていても点差を減らしていけばいいと思っていた。筑波大は良い流れでいるのできょうみたいな挑戦する気持ちと自分たちがやることを理解して臨めば勝てない相手ではないのでコンディションも気を付けてやっていきたい」
吉野樹(政経2=市川)
「自分が明大に入学してから勝ったことのない相手だった。早大は飛び抜けて強いといわれていたが、同じ学生だからということで強気に挑んだ。早大は個人能力がすごいので、抜かれたらフォローという形で守った。点差が開くこともあるだろうけど落ち着いてやろうと言っていた。チャレンジャーの気持ちで挑んだ。個人的に、まだ詰めの甘い部分があるとあらためて思った。それを一週間でしっかりと修正していきたい。筑波大はキーパーが強いので、シュートを丁寧に決めていきたいと思う。打つべきところではしっかり打っていきたい。残り2戦、優勝に向けチーム一丸となって頑張っていきたい」
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