王者専大撃破! 後期リーグ戦開幕2連勝/関東大学1部リーグ戦

2014.09.16
 リーグ戦3連覇中の絶対王者、専大から勝利を挙げた。前半6分に藤本佳希(文3=済美)が2戦連続弾となる先制点を決めると明大が主導権を握る展開に。前半33分には差波優人(商3=青森山田)が自ら獲得したFKを直接決め2―0で折り返した。後半は相手のシステム変更に対応しきれず、立ち上がり早々左サイドを崩されて失点すると一気に専大が優位に立つ。しかし後半32分に和泉竜司(政経3=市立船橋)が流れを引き戻す3点目を決め、試合を決定づけた。専大の猛攻をしのいだ明大はリーグ戦2連勝で4位に浮上した。

 攻撃陣が好調さを見せつけた。中盤でボールを奪った差波がDFの裏に抜け出した藤本に絶妙なスルーパス。藤本の動きが見えて「流し込む形で通そうと思った」(差波)パスがうまく通り、藤本が相手GKと一対一になった。後ろからDFが追ってきていたが冷静に流し込み、前半6分という早い時間帯にゴールを挙げた。「リズムに乗れたのは大きかった」(栗田大輔助監督)と先制点を取ってからは明大ペースで試合が進んだ。差波は前半33分にも直接FKを決めた。中盤から持ち上がりPA手前で和泉にパスを出すところで相手に倒されFKを獲得。蹴る瞬間に藤本が作ったコースに見事蹴り込み、相手GKが動けない完ぺきなシュートはゴール右角に吸い込まれた。いつもキッカーを務める差波だが今まで直接では決めたことがなく「専修の時に決められたのは嬉しい」(差波)。

 最後はやはりエースの和泉だった。三苫元太(政経3=アビスパ福岡U―18)からのパスを受けると相手DFに囲まれたが、右サイドから左サイドまで逃れシュート。ゴール右隅に決まった得点は和泉の今季リーグ戦初ゴールで、試合を決める3点目となった。「ゴールを決めたいと思っていた」(和泉)と前期ケガで出場なしだったエースが喜びの表情を見せた。

 粘り強い守備が体現された。専大戦に向けての一週間、守備の部分で夏にやってきたことを整理してきた。良い準備ができているという手応えがあり、流経大戦後最初の練習で「すごくいい顔をしていて、この試合いけるなと思った」(神川明彦監督)と言わしめるほど高い集中力を見せていた。この試合でも後半5分に失点すると、ポストに助けられる場面もあるなど専大の猛攻にあったが「前線からいく守備を心掛けた」(三浦龍輝主将・商4=FC東京U―18)と2失点目は許さなかった。「山道(和彦・農4=長崎日大)が入ってから守備の整理ができた」(栗田助監督)と選手交代もはまり、厳しい時間帯を耐え忍んだことが和泉の3点目につながった。

 専大から白星を挙げるのは2012年の後期リーグ戦以来となる。王者を撃破も「一つ一つの試合を大事に」(藤本)と慢心はしない。今節で首位が入れ替わり順大との勝ち点差は6。まだまだ負けられない戦いが続くが「相手がどこであっても自分たちのサッカーをして、結果を出していきたい」(三浦)とまずは来週の中大戦に臨む。

[谷澤優佳]

試合後のコメント
神川監督

「今週はすごくいい準備をしていたのを見ていたので、勝つと思っていた。感覚的には4ー0で勝つんじゃないかなと、予想するぐらい良かった。先制点取れたのが良かったですよね。あれで選手たち自信持ったと思う。もう少し決めてるとこ決めてれば、点差つけられたと思うんですけど。苦しい時間帯もしっかりみんなでしのいで、よく勝ち切ったと思います。けど、まだまだ9試合残ってますから、これにおごらず謙虚にやってもらいたいですね。」

栗田助監督
「とにかくやってきた練習をきちっと試合に出せば勝利はおのずと転がり込んでくるということで、ずっと夏にトレーニングしていたことをこの一週間整理した。具体的には守備のところですね。立ち上がり慌てたんですけど、でも10分過ぎくらいからリズムを作ってトレーニングしてきた状態が前半はできたのかな、という感じです。それと立ち上がり早い時間帯で藤本が点を取ってくれたので、それでリズムに乗れたのは大きかったんじゃないかなと。(自信はついているか)今回は自主性と考える力を徹底して取り組んでいる中では夏越えてから、こないだの流経大戦終わってからも続いて、良い状態で要は自分たちのやるべきことを責任持ってやってる印象です。非常に良い状態だと思います」

三浦祐介ヘッドコーチ
「選手が本当に頑張ってくれた。勝因は、守備のところをしっかりとハメられたという点にある。前期からずっと取り組んできたことが、形になってきて、相手の攻撃陣に対ししっかりと抑えることができた。ある程度守備の固さができてきた。得点に関しては、らしいゴール。本音を言えばもうちょっと取って欲しかった。特に前半に。ただ緊迫したゲームの中であれだけのプレーができたということは彼らの成長なのかなとは思う。後半最初は相手がシステムを変えてきて、そこでマークが外れたのを突かれた失点だった。ちょっとずつメンバーを変えることで修正していって、後半最後の方はよく抑えてくれた。ただその相手のシステム変更への対策を頭の中で整理していけるようになりたい。今日のゲームが後期の山場であると捉えている中で、こういうゲームができたのは大きい。ただ2試合終わっただけなので、選手も残り9試合どうやって戦っていくかだと思う。より守備と攻撃の精度を高めて、さらにレベルの高いゲームができるよう準備していきたい」

三浦
「僕たちが優勝するためには、勝たなければならない相手だったので、内容よりも結果を重視していた。前半点を取れたのは大きかったし、後半厳しい時間が続いた時に点を取れたのが大きかった。(チームの雰囲気は)目的が一つ、みんな同じ方向に向いてるのがいいと思う。勝ち点差が離れていて、勝つしかないので僕らは精一杯やるだけ。見てるところが一つになっているのがいいと思う。(どのような準備をしてきたか)僕らの中で何か変わったことをしようとしてもできないと思うので、今までやってきたことを変わらずやることがいいことだと思っている。特に今週が良かったというわけではなく、僕らの中では変わらずいい準備をしている。(次に向けての意気込みは)何連勝とかではなく、一つ一つ勝たなければならないと思う。相手がどこであっても自分たちのサッカーをして、結果を出していきたいと思います」

和泉
「負けられない試合だったので、とりあえず勝てて良かった。みんな気持ちがプレーに出てて良かった。勝ちたいという思いは、相手より強かったのかなと思います。(得点シーンは)しっかり落ち着いて決められたと思います。今シーズン初ゴールだったし、素直にうれしかったです。リーグ戦前期でてなくて、前節も途中から出て決められるチャンスをはずした。今日はゴールを決めたいと思っていたので、立ち上がりから狙っていました。1点目もそうですし、2点目が入ったことが楽になった。自分が決められるチャンスもあったので、そこを決めてればもっと楽になったと思う。後半は2―1になって、きつい時間帯に決められたのは良かったと思います。総理大臣杯を優勝した流経大や首位の専修に勝ったのは自信にはなりますけど、ここで終わりではない。ここから勝ち続けないと優勝はないので、中大に向けていい準備していきたい」

差波
「特にはやることは変えてなかったんですけど、たまたま(藤本)佳希が良い動きで裏に抜けてくれたのでそこに流し込む形で通そうと思ったらうまく通ってた。佳希の動き出しが見えてたから良いパス出せた、顔上げておいてよかった。プレーじゃなくて顔上げてプレーできててよかったなと思います。(ゴールシーンについて)いつもキッカーやってるんですけど決めたことなくて、どこかで決めたいなと思ってたんですけどなかなか入らなくて、それで専修の時に決められたっていうのはちょっとは嬉しいかなと思います。壁はキーパーの視野からボールを消すというか、ほとんどやったことなくて即興でたまたまという感じ。佳希が蹴る瞬間ちょっとコース作ってくれてそこに流し込めれた。(専大に勝ってチームとしてはどうか)他のチームも強いのでうちも前期とは違って和泉竜司がいるし、チームもほとんどベストメンバーで戦えてるっていうのがこの2連勝っていう結果だと思います。今は誰が出ても強いと思うので、そこは自信持って今後もやっていけたらいいかなと思います。自分たちのサッカーをして2連勝したっていうのはすごい大きいと思いますし、今後も勝っていけるのかなと思います」

高橋諒(文3=国見)
「今日の試合落としたら優勝争いから外れてしまうので絶対負けられないという気持ちで試合に臨んだ。前半明治のペースで勢いがあって、早い時間に先制点も取れて良いペースで進められた。後半押し込まれる時間帯が多くて悪い時間で失点してしまったというか、難しいゲームになったなという感じですね。相手は負けてるので一点取って波に乗ってくるというか勢いがあって、自分たちが次の得点を許したらひっくり返されるかもしれないし、そういうところで夏やってきた粘り強い守備の成果が出たのが今日の試合だったのかなと思う。粘り強い守備っていうのが今日の勝敗に関わってきたと思います」

藤本
「今日までみんなでしっかりと準備してきていて、すごくいいゲームができて、今のチーム状況を表しているゲームだったんじゃないかと思います。得点シーンは、差波がいいところでボールを奪って、いいボールくれて、決めることができてよかった。今日の試合のポイントとしては、2―1にされてもチームが崩れなかったところにあると思う。焦ることなく、常に明治の時間っていうことはないので、粘り強く常に3点目を意識してプレーしていた。
まだ始まって2試合なんで、もともと11連勝するってチームでは目標にしてるんですけど、一つ一つの試合を大事にしなきゃいけない。中大は力のあるチームだし、しっかり準備して勝点3をつかみたい」

山越康平(法3=矢板中央)
「相手がリーグチャンピオンなので、自分たちが挑戦者であるという気持ちで望んだ。
自分たちの特徴は守備なので、いい守備から良い攻撃のコンセプトを守ってできた。今日勝っても次で勝てなければ意味はない。順位的には下の相手のほうがやり辛さはあるので、慢心はせずにしっかり準備して臨みたい」

小出悠太(政経2=市立船橋)
「チームとしては専修に勝ったことはすごい大きくて、個人では慣れないSBだったが、自分のやれることはできたと思う。試合のテーマとしては、ガンガン前から行って、ボール奪って、守備も前から前からというのを意識してそれがうまくいった。後半に専大がシステムを変えてきて、中盤に1人マークつきにくい部分に選手がいて、そこを起点に攻撃されたり失点したりしたんですけど、そこをうまく交代選手とかで修正していって、そこで連続してボールを抑えて、結果三点目を取れたというのが勝ちにつながった。慢心とかもせず、油断もなく次の試合に臨みたい」