
実力出し切れず表彰台逃す/全日本ジュニア体重別選手権
金山は惜しくも表彰台を逃した。昨年の同大会で高校生ながら3位入賞を果たした金山。初戦では苦戦するも準々決勝は難なく突破した。準決勝では同じく昨年3位入賞の尾方(東海大)と対戦。序盤から積極的な攻めを見せるも、有効を一つ取られ優勢負けとなった。
敗戦の悔しさが消えないまま臨んだ3位決定戦だったが、序盤に有効を取られる苦しい展開となる。徐々に流れをつかみ始めた金山にこの試合最大のチャンスが訪れたのは残り時間およそ40秒の場面だった。完全に腕を固めて抑え込みの形に入り、ポイント奪取を狙う。しかし、審判から「待て」の声が掛かり試合は中断。審判団の審議後、抑え込んだ形での試合再開となるも、金山はこの中断でリズムが崩されてしまった。再開後の抑え込みが続かず、ポイントを奪うことができないまま無情のタイムアップを迎える。優勢負けとなった金山は「自分が弱いことを痛感した」と昨年の成績が超えられなかったことに悔しさをにじませた。
力を出し切れなかった。秋元、児玉、安田は自分らしい柔道ができずに初戦敗退。猿渡琢海監督も「いろいろな意味で準備不足だった」と苦言を呈した。「優勝するかなと思っていた」(猿渡監督)と大きな期待を寄せられていた安田。昨年3位決定戦で敗れた借りを返すべく臨んだ今大会だったが、本来の実力が発揮できなかった。初戦の2回戦では、お互いの技がなかなか決まらずにゴールデンスコアにもつれる接戦となったが、最後は指導を一つ取られての悔しい敗戦。優勝が狙える実力があっただけに、安田自身も「0点だった」と厳しく今大会を振り返った。
敗戦を無駄にはしない。「今回負けた4選手の負け方、敗因は部員全員に起こりうる」(猿渡監督)と、今回の敗戦はチームで共有し、全体でのレベルアップにつなげていく。チーム、そして個人の課題を改善していくことがさらなる飛躍のカギを握る。
[鈴木拓也]
試合後のコメント
猿渡監督
「いろいろな意味で準備不足だった。(秋元について)苦手意識がある中で、自分の柔道がさせてもらえなかった。力を出し切れずに終わってしまったかなと思う。(安田について)優勝するかなと思っていたが、今年一番悪い試合だった。自分の技が出せていなかったし、出せたとしても投げるに至らなかった。本当に悪い部分が出てしまった。技術とか体力じゃなくて、安田に関しては精神的な部分だと思う。(児玉について)相手も同い年ということで、高校時代から戦ってきた相手で、手の内を知っているにも関わらず相手の得意な寝技にやられてしまった。寝技を警戒している中で、対応できていなかった。(金山について)3位決定戦は最初から金山のペースで積極的に攻める柔道ができていれば普通に勝てた試合だと思うし、その攻めの姿勢が最初から出せていなかったことが金山の反省点だと思う。自分の柔道スタイルを崩す、相手を見過ぎてしまったり、そういったことをすると一瞬のスキを突かれてしまう。(2週間後も全日本の個人戦があるが)まずは今日負けた敗因っていうのを自分たちでどうしていけばいいかということを考えた上で、僕が見た彼らの反省点を伝えながら、進化した柔道を教えていきたいと思う。その敗因を伝えるだけだったら、やらせるだけ、頭を使うことにならない。なんで負けたのかということを、考えてこの2週間調整していきたいと思う。そのあとは尼崎に向かってしっかりと強化できたらと思う。昨日、今回負けた4選手の負け方、敗因は部員全員に起こりうることだと思うので、今回の敗因を全体ミーティングで披露しながら、全員に同じことが起こらないようにしたい」
安田
「駄目だった。練習でやってきたことができなかった。組手も含めて全部、練習でやっていることができなかった。今までで一番駄目な大会。0点だった。今後は練習するしかない。勝つしかない。団体戦もあり4年生が最後なので頑張りたい。練習通りのことをできるように練習していく」
金山
「自分が弱いことを痛感した。準決勝で負けて、3位決定戦でポイントを取られてしまい、いいところが無かった。初戦は相手を先に投げることができずに苦戦した。練習で立ち技や寝技など自分の苦手なことをやれなかったので、試合で負けたと思う。これからはしっかり練習していく。技のパターンが少ないので増やしていきたいし、得意技で試合を決められるようにしたい。尼崎の団体戦では優勝できるようにしたい。来年のこの大会でも優勝できるよう頑張っていきたい」
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