
対抗戦開幕 強豪・筑波大に勝利し白星発進/関東大学対抗戦
FW圧倒
立ち上がりから、筑波大を封じ込めた。速い2人目の寄りと接点で勝り、テンポの速いパス回しから約20分間、筑波大を圧倒。前半1分には「チームで継続できたトライ」(SO田村煕・営3=国学院栃木)と、春から目指してきたボールを継続させるラグビーで、田村が先制トライを決めた。このトライを皮切りに、前半18分までに3トライを決め筑波大を突き放した。セットプレーでも、プレッシャーをかける。ラインアウトでは、相手ボールを右LO小林航(法3=明大中野八王子)がスティールするなど安定したプレーからチャンスにつなげる。前半26分には「接点に一番近い選手が見られていなかった」(HO中村駿太・商3=桐蔭学園)と、ラック横を抜かれ失点し21―7としたが、しっかりと立て直した。前半30分には、敵陣インゴール前で6回スクラムを組み直し。「FWにこだわった」と左PR勝木来幸主将(営4=常翔学園)。トライは決め切れなかったが、自信のある今年の明治の重戦車FWを見せ付けた。
一致団結
後半は一転、筑波大のゲームキャプテンを務めたFB山下、日本代表WTB福岡らを止められなかった。ハイパントキックの位置が悪く、チェイスもかけられず。またコミュニケーション不足から、ディフェンスが甘くなりピンチを招いた。後半8分に、オフロードからパスを受けた福岡にトライを決められ24―14。直後にもビックゲインから、失トライし24―21とされる。ここで、勝木主将を中心に円陣を組んだ。「出られない部員の思いも背負ってジャージーを着る以上は、絶対に負けられない」。主将の言葉に、チームが再び一つになった。明治は息を吹き返し、その後は筑波大をシャットアウト。再び前半の集中力が戻ると、後半25分。インゴール前のスクラムで「スコア的に離したかった」(丹羽政彦監督)と、PR松波昭哉(政経4=東福岡)とFL桶谷宗汰(営2=常翔学園)を投入。見事にスクラムを押し切り、桶谷が抜け出し待望のトライを決め31―21。田村のPGもあり、後半40分には、勝木主将がトライを決めて41―21で試合終了。一度は傾きかけた流れを、再び取り戻しうれしい開幕戦勝利を飾った。
見事、筑波大に昨年の借りを返した明治。この初戦をターゲットにしていただけに「ほっとしている」(勝木主将)と安堵の表情を見せた。勝利はもちろん、明治の看板であるFWにこだわっての待望の白星。それでも選手たちには、満足している様子はない。試合後は、課題を口にする選手が多かった。「まずは一戦一戦頑張っていきたい」と勝木主将。大学日本一へ向け、戦いはまだ始まったばかりだ。
[阿部慎]
1.PR | 勝木 来幸(営4=常翔学園) | 9.SH | 加納 遼大(文4=常総学院) | 16 | 佐藤 公彦(法2=明大中野) | |
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2.HO | 中村 駿太(商3=桐蔭学園) | 10.SO | 田村 熙(営3=国学院栃木) | 17 | 植木 悠治(政経3=常翔学園) | |
3.PR | 須藤 元樹(文3=国学院久我山)→18.松波(後半24分) | 11.WTB | 齊藤 剛希(商3=筑紫) | 18 | 松波 昭哉(政経4=東福岡)←3.須藤(後半24分) | |
4.LO | 寺田 大樹(文4=秋田工)→19.東(後半30分) | 12.CT B | 水野 拓人(情コミ4=東海大仰星) →23.梶村(後半18分) | 19 | 東 和樹(政経3=京都成章) ←4.寺田(後半30分) | |
5.LO | 小林 航(法3=明大中野八王子) | 13.CTB | 尾又 寛汰(商2=国学院栃木) | 20 | 桶谷 宗汰(営2=常翔学園) ←7.三橋(後半18分) | |
6.FL | 上田 宥人(政経3=東海大仰星) | 14.WTB | 成田 秀平(営2=秋田工) | 21 | 三股 久典(政経1=佐賀工) | |
7.FL | 三橋 功太郎(理工4=日大)→桶谷(後半18分) | 15.FB | 松浦 康一(政経3=佐賀工) | 22 | 長石倉 豪(営4=報徳学園) | |
8.No.8 | 松橋 周平(政経3=市立船橋) | 23 | 梶村 祐介(政経1=報徳学園)←12.水野(後半18分) |
試合後のコメント
左PR勝木来幸主将(営4=常翔学園)
「とにかく勝って、ほっとしている。ずっとターゲットにしていた戦いなので、とにかく勝つことだけを考えた。内容ももちろんこだわらないといけないところもあるが、今日は勝ちにこだわった。FWは優勢には立っていたが、まだまだ修正するところはあるしこれで満足してはいけない。これからもっと強い相手も出てくるし、目の前の一戦一戦しっかり集中してやっていきたい。取れるところで取れなかったことはこれからの課題。取りどころで取るということをしないとこれからの相手には勝てないので、しっかり修正して次につなげたい。後半はとにかく自分たちのラグビーをしようと言っていて、前後半それぞれの入り10分集中しようとしていたが、後半は相手に流されてしまった。去年までだったらそこで相手に流れを渡していたが、もう一回こちらに持ってこられたのは成長だと思う。(選手には)出られない部員の思いも背負ってジャージーを着る以上は、絶対に負けられないと話した。とにかく逃げるプレーじゃなくて、どんどん体を張って体を当てて、エネルギーを与えようという話をした。初戦には勝ったがあくまでもこれは過程で、誰一人満足はしていない。最終目標をこれから達成できるように、これからまたチーム一丸となって頑張りたい。次もしっかり自分たちのラグビーをして、勝ちにこだわって良い雰囲気でつなげられるようにしたい」
HO中村駿太(商3=桐蔭学園)
「FWで圧倒できたことが直接的な勝因。最初の失点シーンは、接点に一番近い選手が見れていなかったから。PXYがしっかりコミュニケーションを取って前に出られていなかったのでうまく抜かれてしまった。後半うまくいかない時間の時は勝木主将が集中しようと言っていた。前半はプレッシャーを掛けられていたので原点に戻ろうと思った。相手FWが7人になった時に取り切れなかったのは集中力が続かなかったからだと思う。もっと意識してやればもっと押し込めた。もう一回練習したい。チャンスの時にラインアウトもスクラムも取り切れなかった。帝京大相手でも自分たちの強みを発揮できるようにしたい。それでもスクラムは良かった。春は、対筑波大で押し込めるシーンはあまりなかったが、今日はすごく押し込めていた。春からの成果だと思う」
右LO小林航(法3=明大中野八王子)
「大事な初戦をいい形で取れたと思う。モールとスクラムで攻めるというのを目標にしていたが、そこはよくできていた。FWでプレッシャーをかけられたと感じている。ただ、ゴールラインまであと5mというところから取りきれなかった場面があったのは今後の課題だ。ラインアウトでは相手ボールを奪う場面もあったが、そこは練習してきたことが出せたと思う。でも、ラインアウト時の指示出しの部分が個人的になっていなかったと感じた。試合前から相手のキックカウンターには気をつけて臨んだ。その中で11番にラインブレイクを許した場面はやられた、という感じだった。今後はディフェンスのコミュニケーションをしっかりやっていきたい。1度追いつかれかけた時に円陣を組んで、みんなで一つになろう、と話していた。その後はコミュニケーションもよくとれていたと思う。今後の個人の課題はブレイクダウンへの素早い参加だ。常にボールを追っていきたい」
左FL上田宥人(政経3=東海大仰星)
「勝ちにこだわりたかったので、勝てた点は良かったが失点も多かった。(前半終盤のプレーは)セットプレーには、こだわりたかったからです。(後半に追いつかれかけたが)焦りはなくて、勝てると思っていた。その後、自分たちのペースに持ち込めたので良かった。(勝因は)FWのセットプレーが安定していたこととです。ペナルティーも少し多かったと思います。後半は、みんな走れていたが筑波大のアタックを受けてしまった。次は、先手先手で圧倒していきたい」
No.8松橋周平(政経3=市立船橋)
「まず初戦は勝ちにこだわっていたので、勝てて良かった。FWはトライは取れなかったが、こだわっている部分は良かったと思う。後半2トライを取られた後は一つ一つ大事に焦らずに、コミュニケーションを取っていこうと話して、それがしっかり遂行できた。(スタメン選出について)スタッフ陣コーチ陣、チームに感謝。でもここで安心せずに、出るからには必ず貢献しなければいけないので。今日は何回かミスはあったが、貢献できた方だと思う。少しでも前に出るプレーができたかなと。今後もチームで決められたことをどれだけ遂行できるかだと思うので、しっかりやっていきたい。チームの雰囲気も良いので、このまままず対抗戦で優勝して日本一に向けて良いスタートが切れたと思う。次はいかに自分たちのラグビーができるかなので、そこをしっかりとやっていきたい」
SO田村煕(営3=国学院栃木)
「前半の前半は良かったが後半の最初は悪かったのでそこをしっかりやりたい。後半の最初を取られなければもっといい試合だった。あそこで締まって入れなかったのはまだまだ駄目な所だと思う。最初のトライはチームで何フェーズも継続して取れただけ。チームで継続できたトライ。SOなので、できが良い時も悪い時も目立つが今日は良いところでも目立てたし悪いところでも流れ切れなかったところがある。結果勝ちにつながったので良かった。後半、立て続けに2本取られて流れが悪くなったが敵陣に入ってスコアして、ペナルティーもあったがキックで陣地をかせげたことが大きい。後リザーブで入ってきた松波さんとかFWが疲れてきたときにセットプレーで我慢してボールを出してくれたの でそれが勝ちにつながった。筑波も毎年BKやFLに良い選手が多いがセットプレーで圧力をかけたい部分が大きいので毎年結果は同じだがよくプレッシャーをかけれたかなと思う。筑波はメンバーが落ちていたとはいえしっかり教えられてたいい選手が多かったので、いいチームだった。PGは練習していたので年間を通していつが良くていつが悪いっていうのはなくしたい。春夏秋とコンスタントに成功率は上がっている。1試合1試合しっかり、トライの後の2点が大事になってくるのでそれをイメージしてやってる。今日は勝てたことが全て。筑波もそうだがどの大学もケガ人が出たりうまくいかないことのほうが多いので、チーム全体を立て直せるかが重要だと思う」
左CTB水野拓人(情コミ4=東海大仰星)
「相手が乗ってきた所で、自分が一本抜かれてしまったので、一瞬の大切さを学んだ。前半の10分~20分は、良いペースで攻められていたと思います。キックチェイスで、働きかけられなかくて、そこから筑波大BKに取られてしまったので、働きかけなければならなかった。良いFB、WTBがいるが、マークして簡単に抜かせることはなかったので、良かったと思います」
右CTB尾又寛汰(商2=国学院栃木)
「個人個人が意識を高く持って試合に臨むことができたので気持ちづくりの時からうまくいったので前半もいい形で入れたと思う。トライは前が空いていただけなので意識はしてない。取れてよかった。(田村さんとのコンビネーションは)自分が一番自信が持てるところなのでそこを存分に筑波にみせられたかなと思う。筑波はバックスリーが本当に強くて正直怖かった。あと対面の選手が5歳から一緒にラグビーをやっていた幼馴染だったので意識していた。そこは楽しかった。立て直せたきっかけは来幸さんのリーダシップとか声掛けもそうだし、修正しようという能力が明治にあった。ひとりひとりの意識の問題だと思う。そこは立て直せてよかった。初戦としては勝ちにこだわるということだった のでとりあえず負けなかったことが一番よかったことで、BKのディフェンスのところとか順目に走ることとか反省点はたくさん出た。これから筑波のほかにも戦うところは次々あるのでもっと引き締めていかないとと思った。今日は勝てて本当に良かったが個人としてディフェンスの面でももっと貢献するところとアタックでもっとラインブレイクの数を増やすことを次は意識してゲームに臨みたいなと思う」
右FL桶谷宗汰(営2=常翔学園)
「点差的にも危なくなってきた時からの出場だった。筑波大の流れからの攻めだったので背番号20で出させてもらっている以上、スコアして帰ろうと思っていた。自分にチャンスが回ってきた時しっかり取りきれたので良かった。自分は交代して入ったので周りが興奮してしまった人もいたので自分のコールで落ち着かせようと思った。意識して声を出していたつもりだがまだまだ少なかったと思う。ゴール前になってくると相手との我慢比べになる。ボールを取られないのはもちろん、自分がボールキャリヤーだとしたら低く入って簡単にターンオーバーされないようにした。次の試合ではまずスタメンでの出場したい」
左CTB梶村祐介(政経1=報徳学園)
「初めての秩父宮でのプレーだった。お客さんも近く、明治はすごく応援されているなと感じた。紫紺を着てプレーできたのは良かった。ディフェンスで簡単に抜かれていなかったことは手応えを感じた。ボールタッチをした時にゲインラインを切ることができたのも良かった。フィジカル面で心配は無かったので思い切っていけた。相手との間合いだったり、パススキルは復帰して1か月ということもあり、まだまだ。そこを前以上にスキルを高めたら、大学でも通用すると思う」
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