ボート日本一を目指して 全日本選手権へ/事前取材
男子部は対抗クルーをエイトに決めた。近年、全日本選手権でエイトに力を入れることはなかった。それでも「花形のエイトに出るだけの実力がついてきた」(荒木祐介主将・政経4=熊本学園大付)と自信を持って臨む。社会人クルーも多く出場する中、目標とするのはベスト8。1年間荒木とともにチームを引っ張ってきた梶谷嶺(法4=諏訪清陵)は「後輩たちにチャレンジすることの大事さを伝えたい」と決意を示した。
男子舵手なしクォドルプルはもう一度頂点を狙う。インカレでは終盤のデッドヒートを制し、同種目で明大に初優勝をもたらした。クルーリーダーの中村裕喜(法3=宮津)は「気持ちとしてはチャンピオンではなくチャレンジャーとしてやっていく」と気を引き締める。
女子部は女子舵手なしクォドルプルがインカレのリベンジを狙う。クルーにインカレ女子シングルスカル優勝の冨田千愛(政経3=米子東)を迎え、レース中盤でのタイムの落ち幅が減るなど、インカレから約3週間という短い練習期間でさらなる成長を遂げている。エントリーにはインカレで敗れた早大、社会人チームの関西電力小浜、明治安田生命など強豪が名を連ねる。クルーリーダーで女子主将の松岡結(文4=浦和一女)は「強い社会人チームもいるが、一番のライバルはやはり早大。早大を超えた上で、優勝を目指しきたい」と意気込む。
女子エイトの連覇に期待が懸かる。昨年同様、ほとんどのクルーがダブルエントリーでの出場となる。今年は法大はエイトをメインクルーに据え、日体大も夏からエイトの練習に取り組むなど各大学がエイトの強化に取り組む。「今まで以上に厳しい戦いになると思う総合力を出して勝ちたい」(冨田)明大女子部の底力を見せる。
◎応援に行こう!!
◆9・11~14 第92回全日本選手権大会
≫会場アクセス
・戸田ボートコース
――JR埼京線「戸田公園駅」より徒歩15分
[鈴木千明・坂本寛人]
選手のコメント
男子エイトクルー
荒木祐介主将(政経4=熊本学園大付)
「花形のエイトに出るだけの実力がついてきました。他の団体のトップクルーにどこまでいけるかというのを試したかったので、エイトで出場することを決めました。明治の男子がエイトで出るのは僕の知る限りは最近ではないことだと思います。それだけの自信がついてきたというのと、来年から後輩はエイトでやってほしいというメッセージを込めて僕らの代はエイトでやっていきたいと思いました。調子はいいです。最初は合わなかったですが、狙えるところにいると思います。ベスト8を狙っていきます。それだけの実力はあると自負しています。5月の軽量級選手権までエイトでやっていたことによって、アプローチの仕方や目標のタイムは明確ですし、インカレで別れた経験が生かされています。キレが良くなって無駄な動きがなくなりました。トップスピードも上がっています。春よりいいタイムが出ると予想しています。目標タイムは5分50秒です。現役最後のレースを前にして清々しい気持ちです。今回は自信とわくわく感があります。主将として最後の一年はチーム力を上げることもできましたし、エイトで男子部を組むことができました。そこまでのプロセスは良かったと思います。それから何事に関しても感謝を教えてもらいました。いろんな人に支えられているということを気づけました。結果はどうあれ本当に成長できたと思います。主将としてはずっと見られているわけなので、不安を見せないように自分を強く見せるようにしてきました。自己評価としては75点です。残りの25点は結果を目指してやってきたのですが、総合優勝できませんでした。しかしそれを掲げることによって成長できたと思います。レベルの高いレースが続くと思うのですが、明治らしいレースをします。明治らしいというのは苦しいときに前に出るということです。そして格上を倒して戸田を驚かしたいと思います」
梶谷嶺(法4=諏訪清陵)
「チームの調子はすごくいいと思います。いつもはインカレがピークで全日本は少し下がってしまう感じがあったのですが、今はインカレ以上のモチベーションを維持してできています。4年間の全日本の中で一番雰囲気はいいと思います。どうせやるなら難しい方をやりたくて、チャレンジしようと思いました。インカレは総合優勝という目標があって、それは達成できなかったのですが、すごくチームとしてつかんだものがありました。今明治の端艇部は本当に変わるポイントにあると思っています。監督のように何十年もいるわけではないですが、僕は4年間いて今全日本で結果を残せるかどうかがターニングポイントだと思います。他大も社会人も全部対抗はエイトなので、そこで結果を残すことができれば明治は本当に強くなるチームになると思っています。どうしても最後はエイトでいきたかったです。手応えはすごくいいです。期間が短かったので、雰囲気だけはしっかり4年生からつくるようにして、ポテンシャルはあるので声を出しながらやっています。ベスト8が一つの鬼門です。そのレースを経験できるかが後輩たちにとって来年以降の端艇部の成長につながると思います。そこだけは譲れません。そのためのタイムとして5分50秒を目指してやっています。全日本で自分たちの目標を達成できるかが、明治の端艇部の大きな転換だと思います。これまで明治の男子がエイトで勝負できるということは僕の知っている限りありません。今シーズンお花見、軽量級とエイトで勝負して結果も残しているので、自分たちももっとできるんだというのを他のチームにも見せたいですし、何よりも後輩たちにチャレンジすることの大事さを伝えたいと思います。男子エイトは熱いレースがあるので、今ものすごく緊張しているのですがいい練習ができた分とても楽しみです。男子部が変わる大きなポイントだと思っています」。
片岡勇太朗(理工4=銀河学院)
「正直少し前までは良くなかったのですが、上がり出してきています。インカレの時もなしフォアはやばくて、それから調子が上がってきたのでそのときと似ているかなと思います。試合の時はいい感覚でこげると思います。前から最後はエイトでいくというのは聞いていました。エイトになっても日本一を獲るというのも意識するポイントも変わらないので、まあ頑張ろうと思いました。最後なので、自分たちが全日本でどれぐらいの位置にいるのかを挑戦したいというのはありました。卒業後はクラブチームでやりますが、まともな試合は今回が最後になります。上位を目指すのは当たり前ですが、自分たちが4年生として後輩たちに全日本でどこまでいけるかというのを残したいと思います」。
男子舵手なしクォドルプルクルー
中村裕喜(法3=宮津)
「インカレ前とそんなに変わらないです。良いところも悪いところもあります。調子としてはいつも通りです。インカレ終わりの最初の1週間だけ僕が一番前に乗ってリズムを変えてみる練習をしました。インカレで勝ちましたが自信はあまりないです。勝ったというのはすごく大きいですが、日大もメンバーを入れ替えて手強くなっているので、気持ちとしてはチャンピオンではなくチャレンジャーとしてやっていきます。目標は優勝です。インカレは結果的に勝てましたが、こぎの部分でまだまだだったのでもっと質の高いレースをしたいと思います。社会人が何チームか出ますが、決勝はおそらくインカレと同じ顔触れになると思います。インカレの1位は初めてだったのでどういうスタンスで全日本に臨めばいいのか、追われる立場になって怖さを感じています。インカレで勝っても全日本で負けたらどうなんだというのもあるので、もう一度ギアを入れ直してやっていきます。対抗はエイトなので部内からのプレッシャーは感じていません。今の4年生はあまりスカル種目をこがれていませんでしたが、最後の引退する試合に少しでもチームの雰囲気を良くして送り出せるように、クォドから盛り上げて気持ち良く引退させたいと思います。インカレより進化したこぎを見せて優勝を勝ち取りたいと思います」。
女子舵手なしクォドルプルクルー
松岡結(文4=浦和一女)
「今回女子クォはインカレから大きなクルーの解体はせず、冨田の力を生かそうとやってきました。明大女子部としてトータルで多くの艇が決勝で戦うために、今回のようなクルー編成になったという感じです。今回エイトはほとんどの選手がダブルエントリーですが、もちろん連覇を目指していきます。長距離をこぎ込んだり、土曜日にはOBの方に並べてもらったり、充実した練習ができていると思います。いかに練習でやってきたことを発揮できるかが求められると思います。インカレの後には、女子部ミーティングで全日本では早大を抑えられるクルーを編成するという話がありました。早大はすごいライバル。強い社会人クルーもいるが、早大を通過点にして優勝を狙っていきたいです。今回は自分にとって最後の試合。まだ実感はないが、未練を残さない試合をしたいです」
冨田千愛(政経3=米子東)
「インカレは世界選手権から戻ってきて期間が無かったのでシングルで出場したが、今回監督に全日本がどうしたいと聞かれで、クォドに乗りたいと答えました。ジャパンで培った力をクルーに貢献したいし、結さんと乗りたいという気持ちがあったからです。このクルーはパワーも信頼もあって勝負強くて、後ろを信じてこげると思っています。全日本は社会人も出て、かなり厳しい戦いになると思うが、優勝目指して食らいついていきたいです。強いポテンシャルがあるクルーに団結力で勝ちに行きたいし、それができるのがクォドの面白さだと思っているので。いいイメージをつくっていくことが大切になると思っていて、練習でできたいいプレーでトップスピードを出せれば優勝を狙えると思います。シーズンの締めくくりだし、4年生にとって最後の試合。やってきたことをすべて出し切って、結果を出して応援してくれた人たちのためにも勝って笑って終わりたいです」
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