リーグ開幕白星スタート 法大にストレート勝ち/秋季関東大学1部リーグ

2014.09.08
リーグ開幕白星スタート 法大にストレート勝ち/秋季関東大学1部リーグ
 秋季リーグ戦が開幕した。実力の拮抗(きっこう)する1部リーグ戦、開幕戦から油断はできない。相手は春季リーグ戦9位の法大。春季リーグ戦でベストスコアラー賞を獲得した木村(法大)、池田(法大)などを有するチームだ。試合は第1セットからジュースにもつれ込むも、新戦力の濱中俊生(商2=弥生)が大爆発。開幕戦のプレッシャーに打ち勝ち、ストレートで勝利を収めた。

 両校打ち合いの白熱した展開となった第1セット。木村が強打を続々と決める一方で、濱中のバックアタックも鋭く決まり、会場が沸いた。さらにミドル陣もゲームを盛り立てた。中でも原潤一(文3=習志野)は競り合う展開の中盤、さらには27─27の大事な場面に1本ずつサービスエースを決めた。サーブがさえ渡り、相手をリズムに乗せなかった。最後のジュースでは「勝ち急いじゃうから我慢して目の前のプレーにベストを尽くした」(杉本匠・政経4=聖隷クリストファー)と冷静さも持ち合わせ、セットポイントではエース・杉本がアタックを決め、第1セットを手にした。

 接戦を制し、一気に流れを勝ち取りたい第2セット。第1セットに続き、序盤は木村に痛烈なアタックを何度も決められるも、中盤には粘りを見せた。試合前から「濱中中心で攻めてみようかなと考えていた」(政井拓歩・営2=市立尼崎)というように強打をしぶとく拾い、濱中へとつないだ。濱中は時間差やパイプ、バックアタックなどの攻撃で相手を圧倒。8─11を迎えた場面には濱中の攻撃で勢いが生まれた。4連続ポイントを獲得し、逆転に成功。その後もリードを保ち続け、調子を上げた。原のAクイックが決まりダメ押し。最後は濱中のバックアタックで25─21でこのセットをものにした。

 攻撃に余裕を見せた。第3セットでは長いラリーが続いた。苦しくなり決定打に木村へボールが集まる法大に対し、明大は全員バレーで勝利を手にした。政井が「クイックを意識していた」というように、バリエーション豊富な速い攻撃で攻め立てた。リードを許した場面も小野寺徹(営3=東洋)のBクイックや杉本のブロックの上からたたくアタックで4連続得点。與崎風人(政経3=鹿児島商)、原のクイックも決まり相手を翻弄(ほんろう)した。さらにブロックポイントもこのセットだけで8得点。攻撃の手を緩めずに善戦し28─26で初戦を手にした。

 幸先の良いスタートを切ることに成功した。ケガで有田賢史(政経4=福岡大大濠)が戦線を離脱してしまうも、濱中がその不安を吹き飛ばした。課題であったエース・杉本に頼りがちな攻撃態勢もバランスのとれた良い形となっている。チームが完成形に向かっていることを象徴した試合だった。

[川合茉実]

試合後のコメント
杉本

「初戦は相手のミスのおかげで勝てた。僕たちのミスが5、6本あったと思うけど、その倍法政がミスってくれたから勝てたゲームだったと思う。(ジュースのときは)勝ち急いじゃうということがあるから、それをぐっとこらえて我慢して目の前のプレーにベストを尽くした。そうすれば勝手に点数につながってくると思う。まずは目の前のことに集中することに徹底していた。濱中の方にも結構ボールが上がってきて、今日なんかはバックアタックでサイドアウトが取れて相手の連続ポイントを切ってくれた。濱中自身の実力が付いてきたことを信頼して政井が上げていると思うし、濱中が調子悪いときは僕が代わりにいくって感じになっている。(スパイクが1本相手の上から打てて)僕の取りえはジャンプだからそれが打てれば盛り上がって、相手の心を折れれば流れとしてもいい。相手のスパイクレシーブは、日頃の練習に台上レシーブを加えて強打レシーブのフォームであったり、全体練習のときに1プレーごとに確認して組織として動けるようにしたのが大きい。今後はこれをいろいろなところで応用していきたい。基礎はできているから、それらをかみ合わせて組織としての力を夏で付けてきた。僕個人は筋力と体幹を付けてきた。春のときはコースの打ち分けはできても、パワーが足りなかったりしてレシーブされてしまったから、重点を置いて取り組んだ。明日は慶應で柳田がいないといことで相手に対しての意識が変わると思うから、慶應に対してチャレンジャーであるという心構えで挑みたい」

瀧野
「緊張して結構がちがちでしたが勝てて良かった。明治としては100%というより、60%くらいしか力が出せなかった。ただ初戦の固さがある中でしっかり勝てた。この一勝は自信になると思う。一人ひとつ、攻撃パターンを増やすことが東日本インカレが終わってからのテーマだった。スパイカー陣個人個人が攻撃面について考えて練習していたことで、色々な攻撃が今できているのかなと思う。今までは攻撃が単調だった。明治は平均身長が低い方なので、しっかり機動力のあるバレーを展開できるようにしていければいいと思う。(守備は)取れるボールは取れていたし、相手のミスも多かったが、まだチームの約束事が守れていない部分がいくつかあった。そこを 一人ずつ意識していけば、相手のフェイントに対応できて完成度は上がってくると思う。(夏の合宿は)チームつくりが中心だった。チーム的に大きく変わったところはないが、ブロックとレシーブの関係はしっかり練習してきた。まだライトからに対してのレシーブがまだまだなので、そこをもう少し強化できてくれば、守備では固いチームになるのかと思う。今日はこっちが3点取ったら相手に3点取られていた展開だった。3点取られたらしっかり1点で切って、また3点取る展開に持っていかないといけない。点数を取った分、うちがミスを出して競る展開が多かったから、ゲームの流れを意識することは一人一人の目標。しっかり流れを把握して、ゲームが進んでいかないと、今日のような連続得点をしてから連続失点を許すことになる。明日からその点を意識したゲームができればいいと思う。(慶大戦に向けて)柳田さんがいないにしろ、しっかり3-0勝つのはもちろん。今日のような展開になったことを今日のミーティングで反省して準備したい」

小野寺
「東日本とメンバーが変わっているから、濱中が入っていてリーグ戦初戦ということから緊張が解せるように声掛けをした。東日本のときに自分はクイック決まらない、ブロック決まらない、という状況でコートにいる意味がないと思ったから、秋までにBクイックに重点を置いて練習した。今日それが出せたから良かった。初戦をストレートで勝てたのは大きい。この調子で明日も勝って前半良いスタートを切れれば良いなと思う。サーブミスが全体的に多かったから、そこのミスを減らしてゼロにしていきたい。今日はアップの雰囲気とかも良かったから明日も今日みたいな雰囲気でやっていく」


「調子が良くて、ブロックが2枚あっても決めることができた。夏はスタメンが変わって濱中が入ったけれどいい感じだと思う。今日は政井とBクイックの方がなかなか合わなかったので明日へ修正していきたい。開幕戦を勝てて、緊張とかも無くリラックスしてプレーできている。ミスが多かったせいで競ってしまったが、ミスを少なくしていけば上位にも食い込めると思う。目標は1位。明日の慶大は柳田がいないこともあるし、自分たちのバレーができれば大丈夫だと思う」

濱中
「個人的には緊張していたけれど、思ったよりプレーが伴って、思いの外(攻撃も)決まって緊張はほぐれていった。周りも緊張するのは分かっていて声を掛けてくれてたこともありほぐれた。体の調子はケガも大丈夫で問題はないけれど、体力の方が課題だと思う。リーグ戦は長期戦になるし、今日も3セットで終わったけれどこれがフルセットまでもつれていたら最後までやり切れていたか、明日は大丈夫かという部分がある。夏の間からスタメンとして練習してきた。合宿でいろいろなところに行って練習をして、チームと合わせることができた。春リーグまではその試合でいきなり変わって出るという形から、チームと調整する期間ができて、チームに合って溶け込めるようになった。コンビが合わないとかいうのもあまり無い。今日はサーブのミスが多かった。明日も同じ体育館なので同じように打ったらまたミスしてしまうので、修正したいと思う。自分がチームで一番最初にサーブを打つので、入れることを意識していきたい。また2段トスが上がったときにシャットされることが多いので、考えて打つようにしたい」

政井
「(開幕戦前の心境は)春リーグ、東日本とはメンバーがまた違う中でのリーグ戦だったので、濱中とか色んな人をどうやって使うかという考えもあった。初戦ということで、少し緊張した。クイック中心に攻撃することを意識したのはもちろんだが、濱中は前衛だったら動けるし、後衛バックしっかり打てるやつなので、濱中の緊張をほぐすっていうのも意識しながらも、濱中中心で攻めてみようかなと考えていた。最初の方はちょっと合っていなかったが、途中からしっかり合わせられるようになって2人(杉本、濱中)に助けてもらいながらしっかりゲームができたのではと思う。ジュース中は相手がここにあげるか、と思うようなトスを上げたかった。クイックとかをしっかり考えながらトスを上げていた。(スパイクレシーブについて)夏合宿中にレシーブのフォーメーションとかをちょっとずつ変えていって、それがしっかりこの試合では出来たと思う。夏の間は決まり事を重点的にやった。フェイントフォローとか。そういうのを絶対入るようにしたらレシーブも周りを見やすくなって自分で上げられるようになるので。そういうことがしっかりできたから、今日はレシーブがしっかり上がっていたのではないかと思う。(夏の自身の取り組みは)前衛だったらフェイントフォローしっかり入るということ、あと僕は前に前に突っ込んでしまう癖があるので、それを我慢するようにしていた。今日はやはり突っ込んでしまったが、その分クイックはしっかり挙げられたのではないかと思う。優勝目指して頑張っていきたいが、しっかり全カレに向けての良いチーム作り、次につながるようなリーグ戦にしたい。明日の対戦する慶大はスーパーエースの柳田さんが抜けて、チーム全体で勝とうとするバレーをしている。全員が打ってくるのでそのブロックや、レシーブ。できるだけ落とさないよう落とさないよう頑張っていきたいと思う」