平井彬 2年ぶり1500m優勝/日本学生選手権

2014.09.08
平井彬 1500m2年ぶり2度目のV
 「いろんな人に迷惑を掛けてきた。タイムは全然ダメだけど優勝できて嬉しい」。平井彬は涙を流しながら優勝インタビューに答えた。15分10秒46。2年前の自身の優勝タイムより6秒遅れたが、勝負にこだわり2年ぶりのてっぺんを勝ち取った。
 最初の100mを最下位の8位でターン。出遅れたかと思われたが、平井彬にとっては想定内だった。「前半は他の選手たちに前をいかれたが、いつものパターンだと思った」。その後は自らのペース維持に専念し、100mを1分1秒ペースで刻んだ。700mで2位に、1000mでトップに立つと後続を突き放した。平井彬の勝ちレースだった。
 昨年の世界水泳に出場したが、あと一歩のところで決勝を逃す9番に終わった。続くインカレでは連覇を逃し、オフシーズンには所属のスイミングクラブを辞めた。「宿無し」の身で臨んだ今シーズンは、なんとか代表入りを決めたものの先月のパンパシ水泳は10位と苦しんだ。
 そんな中「2年後があるよ」と周囲に声をかけられ、自らを奮い立たせた。パンパシ水泳から帰国後はチームに合流し、インカレまでの間水泳部の寮に泊まり込み練習に参加。チーム意識を高めインカレに臨んだ分、嬉しさは増した。「今回は団体戦で、後輩が優勝していたから、先輩が優勝しないわけにはいかなかった」。意地の金メダルだった。

[奥村佑史]