総理大臣杯覇者、流経大に勝利! 逆転優勝へ好スタート/関東大学1部リーグ戦

2014.09.07

 後期リーグ開幕戦で勝利を挙げ、逆転優勝に向けて幸先の良いスタートを切った。初戦の相手は明大が前期リーグ戦で敗北を喫し、総理大臣杯連覇を成し遂げた流経大。お互いに決め切ることができなかったが、後半39分に藤本佳希(文3=済美)が抜け出して先制点を決めた。その後は攻める姿勢も見せつつも危なげのない守備で勝利。次節の首位専大戦、そしてリーグ優勝に向け大きな勝ち点3を手にした。

 藤本がケガからの復帰後初の公式戦でチャンスをものにした。一進一退の激しい攻防が続く中試合が動いたのは後半39分。三苫元太(政経3=アビスパ福岡U―18)がヘディングでそらしたボールに反応し藤本が飛び出しGKと1対1に。「絶対にワンチャンスが来るから、それを決めればいいと割り切った」(藤本)とハーフタイムに自身の役割を確認したFWが、冷静にゴールに流し込み決勝点を挙げた。「特徴が出た良い得点」(三浦祐介ヘッドコーチ)と絶賛のゴールでどちらに転んでもおかしくなかった熱戦に終止符を打ち、ベンチからも選手が集まって歓喜の輪がつくられた。

 新しいシステムが見事にはまった。チームは夏から3-4-3の布陣での練習を重ねてきた。この試合でも和泉竜司(政経3=市立船橋)の投入で従来の4-4-2から3-4-3へシステムを変更。「より攻撃的にいくって意識を全員が共有できる」(松藤正伸・文4=FC東京U―18)フォーメーションになったことで、室屋成(政経2=青森山田)、髙橋諒(文3=国見)らのサイドからの突破も増えた。「まだ完成度は高くないが、流れを見て選択肢の一つに」(三浦コーチ)と新たな武器を手にし、後期での巻き返しを図る。

 次節は現在首位の専大との対戦となる。勝ち点差は8と離されているが、直接対決で下せば逆転優勝もまだまだ可能だ。室屋がアジア大会に出場するU―21日本代表に招集され出場できないが「誰が出ても勝つためにプレーする」(和泉)と結果にこだわる。連勝で勢いに乗ることができるか、後期リーグ戦最初の大一番が待っている。

[谷澤優佳]

試合後のコメント
神川明彦監督

「(今日の試合を振り返って)相手が総理大臣杯のチャンピオンということで、正真正銘のチャレンジャーとして臨めたのは良かったと思う。今日落としたら、なかなか優勝も厳しくなると思うので、幸先の良いスタートが切れた。天皇杯の慶大戦あたりから三浦中心によくやっていると思う。自信を持ってやっている。今日も途中でシステムを変えていたが、夏休みに取り組んできた成果が一試合目に出たと思う。あとは、一試合一試合を大事にやっていくだけだと思う」

栗田大輔助監督
「流経大は夏の総理大臣杯も優勝してるし強いチームなので、強いということを理解した上でゲームに入った。初戦ということでお互い気負うというか勝ちたいでしょうから、そういう中では気負うことなくきちっとやってきたことを試合に出して、結果として勝利できればいいなというつもりで試合に臨みました。藤本が点を取ってくれたから良かった」

三浦コーチ
「勝ったことが本当に良かった。(前半なかなかボールを回せなかったが)そこはやっぱり課題。ただ開幕戦ということもあり緊張はあったと思う。本来なら落ち着いて対応すればボールを回せるし、今日も30分以降は回せていた。最初からできればもっと自分たちのペースでできたとは思うが、開幕戦ということで安全に、という思いはあった。(得点シーンは)藤本の特徴が出た良い得点だった。前半あまり良くなかったけど彼の得点力に期待して残していた。やっぱりFWは点を取ってナンボなんでその仕事をしっかりできたのが彼の成長。(専大戦について)室屋がいないので、いるメンバーでやるしかない。何よりも選手たちが今一番勝ちたいと思っている相手だと思うのでこの一週間しっかり準備していきたい」

三浦龍輝主将(商4=FC東京U―18)
「(今日の試合を振り返って)相手が総理大臣杯チャンピオンだったので、こっちは完全にチャレンジャーとして挑んだ。サッカーが全く違う中で相手のストロングポイントをいかに潰して、ストレスを感じずに守り切れるかというところで練習の成果が出たのかなと思う。(次節専大戦へ向けて)専大は今首位で、倒さないといけないので、内容というよりも結果で示していきたいと思う」

松藤
「久しぶりの公式戦で、相手が大臣杯王者という中、自分たちが夏積み上げてきたものを気負わずに出そうという話はしていた。(専大戦にむけて)やることはかわらない。いい守備から良い攻撃、前線からのプレスっていうのをこの一週間しっかりと見直して挑みたい」

和泉
「(今日の試合を振り返って)守備は良かったと思うが、攻撃ではそんなにうまく崩せなかった。それでも大事なのは結果なので、勝てたことが今日は良かったと思う。(次節専大戦へ向けて)優勝するためには絶対に勝たないといけない試合だと思う。誰が出ても勝つためにプレーして、来週だけではないがとにかく勝ちにこだわってやっていきたい」

差波優人(商3=青森山田)
「(今日の試合を振り返って)勝てたということがまずは良かった。この勝利に満足することなく、次やっていけたらいいなと思う。いい時間で点が取れたと思う。(次節専大戦へ向けて)相手はすごく強いし、前期も引き分けだったので、難しいゲームになるとは思うが、勝てたら大きいと思うので頑張っていきたい」

髙橋
「後期開幕戦ということで、全勝目指してたので勝ててよかった。(専大戦にむけて)室屋がいない分、勝たなきゃいけないし、専修に負けたら優勝も厳しくなる。何が何でも勝ちたい」

藤本
「シュートチャンスでも決め切れていない部分があって、後半入ってからはワンチャンスが来ると思っていたので、それをしっかり決めることができてうれしかった。元太(三苫)が頭でそらした瞬間に、『来るな』と思っていて走っていた。相手DFのほうが先に追い付くかなと思ったけど、相手が処理をミスした。それで左足で打とうとしたが、外側にボールがあって打てなかったのでタイミングを一個ずらした。角度がなくて入らないかなとも思ったけど、気持ちで入れた。打ってゴールを見たら入っていたのでよかった。苦しい試合展開だったけど、絶対に勝たなければならないとみんなが思っていたので。また1―0の1を取れたというのがすごく気持ちいい。前に人数かけれる3-4-3になった瞬間にみんなが前にいくんだという気持ちになったし、監督からのメッセージだと感じていた。采配通りだった」

山越康平(法3=矢板中央)
「(今日の試合を振り返って)なかなか点が入らなくて苦しかったが、最後点を取って勝てたっていうのはとても大きい。(次節専大戦へ向けて)相手は首位のチームということで格上なので、泥臭くチーム一丸となって勝ちにいきたい」

小出悠太(政経2=市立船橋)
「後半0―0で緊迫した時間帯でDFでそういう時間に入るってそうそうないんですけど、緊張もしましたけどうまく試合に入れたと思います。(相手は総理大臣杯優勝校だったが)今日はあまりそういうところは意識しないでやってました。ディフェンスラインの人もすごく集中して失点を0に抑えることができましたし、そうやって勝負強さっていうところを見せられたっていうのはチームとしても良いことだと思います。(専大戦に向けて)また今週一週間アピールして専大との試合に出られるように持っていきたいと思います。まずはそこを考えてやっていきたいと思います」

室屋
「前半の立ち上がりはチームとしてあまりよくなかったけど、失点しなかったのが大きかった。90分間通して無失点だったのが、得点につながった。無失点で試合を運べたのがカギだった。自分は専修戦から出れなくなるが、誰が出ても変わらないのが明治。専修に勝って勢いをつけたいし、逆転優勝は可能だと思うのでそこを目指して自分も頑張りたいし、明治も頑張っていきたい」