リーグ2連勝も気持ち晴れず/関東大学女子3部リーグ戦

 リーグ開幕2連勝を飾るも後味が悪いものとなった。開始からファウルやミスにいら立ちを隠せない明大はさらにミスを連発してしまう。最終スコアこそ72-62と第2クォーターでつけた点差で勝利を手にしたが、ふがいないプレーに選手たちは肩を落とした。明日7日は都留文科大との一戦に挑む。

 スターターは、川副舞(理工3=富士学苑)、千葉美知瑠主将(文4=東京成徳)、儀保梓(政経3=那覇)、伴真衣香(文3=東京成徳)、北浦彩加(国際3=大津)。

 最初のプレーでミスをすると出だしでつまずいた。格下ともいえる立正大との試合だったが、序盤からファウルやミスを重ねてしまい、うまく試合を運べない。思うようなプレーができない焦りからチームに苛立ちが見られ悪い流れに陥ってしまう。悪い流れを変えようと、ケガでスタメンを外れている萱沼史織(情コミ2=埼玉栄)を投入するも流れを変えられない。ピリオド間で声を掛け合うと第2クォーターは伴、川副の3Pシュートが飛び出し連続12得点。ここでついた差が勝利を確信させたが、その後もファールやミスが続くと気持ちのいいプレーは身をひそめた。72―62と勝利こそ収めたものの「反省するところばっかりだった」(伴)と試合後の選手たちの顔は晴れなかった。しかし収穫はあった。「この試合で自分たちはディフェンスからオフェンスをやるチームだなというのは再確認できた」と千葉主将。ディフェンスが甘くなったことから悪循環を生んだこの日の反省を生かし、今後へ向けた切り替えを強調した。チーム全員がコミュニケーションをとって守ることで攻撃のチャンスをつくる。明大のカラーであるディフェンスからの速攻を繰り出すためにチームディフェンスは必須だ。リーグ戦はまだ2戦目とはじまったばかり。しっかりと切り替えてBブロックでの残りの5試合は気持ちよく試合を終えたい。

 下級生ながら精神面でチームを支える。これまで明大の得点源としてチームを引っ張ってきた萱沼。腰の状態がよくないため今季の開幕戦はベンチで試合を眺めた。今日のアップでも歩くのがしんどいほどの状態だったという。「うちの1番のポイントゲッター」(渡辺徹監督)と評され、1年次から常にスターターとして試合で活躍していたためシックスマンとしての出場は久しぶりだった。だがもともと途中出場で周りに指示を与え流れを変えるのが得意だという萱沼。出だしからかさんだミスやファウルによる苛立ちがプレーに悪影響し、チームの雰囲気が悪いところでの起用。しかし萱沼の目にはチームの良い部分が写っていた。「一人一人が大人になれたら最強だと思うんですよね。感情が表に出ちゃうからそこをうまくもっと」。第1クォーター残り5分のところで投入されると速攻しようと焦る選手たちに「止まって」と声を張り上げ指示を出した。落ち着きを取り戻したチームはそのワンプレーを確実に決めた。直後に相手にタイムアウトを取られるとその勢いは続かなかったが、落ち着いてやればできることを証明した瞬間だった。
 自分の役目は気持ちの面でチームを支えることだと考えている。チームが落ち込んで下を向いているときにどれだけ明るくすることができるか。たとえ先輩であっても「顔あげて」と1年生の時から声をかけてきた。
 気持ちに体がついてこない。ケガのことを考えると抑えながらプレーすべきだが、チームのことを考えるとリバウンドやルーズボールと、120%の力を出してしまうという萱沼。しかしそれでは腰の状態がよくならない、ともどかしい気持ちを抱えている。そう悩む中でも「確立良く効率的にまとめていきたい」とシュートの確立も課題に上げ、シックスマンとしてチームにプレーで貢献することを考えている。
 普段変人といわれている萱沼だがチームを思う気持ちは人一倍強い。スターターとして出てもシックスマンとして出ても、相手を見てチームに必要なことを判断し声を掛け流れを引き寄せる。萱沼のいつでも落ち着いた目がチームの2部昇格の夢を現実のものとするだろう。

 格下相手に苦戦を見せたこの日。開幕戦の勝利後に渡辺監督が「ちょっといいとすぐ調子に乗ってしまう」と話したように、気の緩みも見られた。しかし悪い流れの中でも勝利を手にしたことの意味は大きい。残るブロック試合、気を引き締め直し全勝で入替戦への切符を手にしたい。

[吉川真澄]

試合後のコメント
千葉主将

「反省はいっぱいあるけどやっぱり一番の原因としては今週はディフェンスをテーマにやってきたのにまったくディフェンスを足でできていなかった。それでつけなくて最後結局手を出してしまってファウルを取られて熱くなってみんなイライラして流れが悪くなるという負の連鎖があった。この試合で自分たちはディフェンスからオフェンスをやるチームだなというのは再確認できた。今後こういう試合があったら絶対に負けてしまう。反省は多かったけど逆に2戦目で気付けて良かったなと思う。今日はベンチに戻った時にみんな下を見ていて雰囲気がすごい悪かった。でもお互い声掛けて切り替えできていたかなとは思う。今日は絶対反省しなきゃいけないけど、このままずっと反省して下を向いていたら駄目だと思うので今後絶対にこういう試合がないように明日から前向いていかないといけない」


「反省するところばっかりだった。相手がバタバタしていたわけじゃないのにこっちが勝手にシュート入らなかったりして焦って自分たちで崩している場面がすごいあった。入りもミスからはじまってしまった。入り方があんまり気持ちが入っていなかったと思うしもう絶対こういう試合はしてはいけないと思うので今日は反省して明日絶対に繰り返さないように頑張りたい。流れが悪くなったときに決めることが自分の役割だと思う。今日はノーマークシュートとか決めなきゃいけないところで決めきれていなかったところがたくさんあったのでそういうところが点数を広げられなかった原因だと思う。このリーグにかけて相手の3Pを絶対に止めるということをやってきたのに今日はチームディフェンスができていなくて結構打たれている部分があった。チームで全員で守らないとこれから先リーグを戦っていけないと思うのでチームディフェンスをやっていきたい」

萱沼
「本当は最後の2試合に合わせて出るつもりだったけど今日から出た。今日のアップも歩くのがしんどいくらいまでなっていて気持ちと体が全然違う状態。やる気満々なのにまったく体が動かない。それでもいつ試合に呼ばれてもできる状態でいなきゃいけないと思っていた。もともとスタメンよりも後から入って流れがこうだからこうしたほうがいいっていうのをコートに出て伝えるのが慣れているというか、そういう役が得意。最初から出てやるのが苦手で。久しぶりに途中から出てここができてないっていうのをコートに出て近くにいって伝えてからやっていこうと思って入った。自分が決めようとかそういうのではない。今日だったら最初の方から一人一人のメンタルが結構やられていたので無理してファウルになるようなきわどいところまでいかなくていいよ、みたいな感じで落ち着けたりした。東女体大に合わせてそこが大事ということでそこにベストを持って行くために1カ月半、7月の終わりくらいから休んでいたけどやっぱりやらなきゃって思って練習してしまうので治るはずがないというか。治したいけどやっぱり試合とか練習試合で合わせるってなると休んでる場合じゃないと思ってしまう。高校の時に8カ月休んだけどなんにも変らなかった。原因はもともと骨盤がまがってるとか肩がゆるいとか体ガチャガチャなところにある。抑えながらやるのが一番良いんだけどリバウンドとかになると燃えて120%くらいでやっちゃう。やっぱり6番目で出ても頑張ってそういう気持ちとかルーズボールとかで見せてとかやると難しい。無理しなくていいならやらないけどやっぱりチームを考えてしまうから体を張ったりとか声を張ったりとかしてしまう。そこで落ち着かせてなお自分でシュートを決めきったりしたいけど。結局惜しいっていうプレーになってしまう。だから頼りないだろうなっていうのはあると思う。いつでも出れるようにして、スタートで出たら本当に相手がわからない状態で戦うから今日みたいに練習でやってきたことをそのままやっても通じない。ディナイとか練習ではみんな完璧。だけどカバーだったりとかファウルするときに会話ができてない。自分がリーダーだったらわーって言うと思うけど。支えなきゃいけないのは自分なんだなっていうのは今日見て感じたので。カッてなるのもみんな個性だし本気でやっているからなるわけだしまとめてっていうのは役目だなって思う。気持ちを強くいきたい。課題としてイージーシュート外さないようにとかいうのが出てるけどやっぱり一本一本フリースローとかシュートとかの確実性をもっとあげていきたい。みんなすぐ落ち込んじゃう。だから先輩だとしても顔あげてって。下向いてもいいことないので。一人一人が大人になれたら最強だと思う。感情が表に出ちゃうからそこをうまくもっと。明るくっていうのを保てるようにシックスマンとしてはやっていきたい。落ち込んでると相手の波にのまれちゃうからそれだけは気を付けて。気持ちの面でもっと支えていけるようにして、プレーでは落ち着いてプレーをコンパクトにしていきたい」