王者・早大に接戦演じるも惜敗/関東大学男子1部リーグ戦

2014.09.07
 金星を取りこぼした。1勝1敗で迎えた早大との第3戦。昨年のリーグ戦覇者を相手に接戦を演じるも、4-5で敗れた。1-2のビハインドで迎えたシングルスでは、澁田大樹(商2=鳳凰)、諱五貴(営2=松商学園)の勝利で一時タイに持ち込む粘りを見せたが、勝利には結びつかなかった。前回王者をあと一歩で勝利のところまで追い込む成長の跡を見せたが、全日本大学対抗王座決定試合(王座) 出場は厳しくなった。

昨年王者に惜敗

 自身のストロークがネットにかかるのを見ると、小野陽平主将(営4=関西)はがっくりとうつむいた。シングルス4までで同点に追い付き、明大の勝利への可能性を残した中で岡村(早大)とのシングルス1に臨んだが、勝利を挙げることはできなかった。第1セットはお互いのサービスキープが続く息詰まる展開も、中盤でブレイクを許し4-6で落した。第2セットもビハインドで追う展開に。「いい流れだったが、固くなってしまった」。途中のコート変更を挟んでも、岡村に傾いた流れを変えられず。3-6で落としストレート負けを喫した。シングルス1の途中で弓立祐生(政経3=新田)が敗れ3-4となっていたため、小野が敗れたことにより明大の敗戦が決定した。
 王者相手に対等に渡り合った。早大は王座9連覇中の格上の相手。一昨年は0-9、昨年は1-8で敗れていた。その中で今年は負けこそしたものの4-5と、一気にその差を詰めた形だ。特に、シングルスでは3勝と互角の戦いを演じた。澁田はフルセットの末、松崎(早大)に粘り勝ち。相手に一度行った流れを再び引き寄せる強さを見せた。澁田は単複ともに勝利し、チームに大きく貢献。諱は今季のリーグ戦初めてのシングルス出場ながら古田(早大)にストレート勝ちを収めた。シングルス3の熊倉周作(政経4=大分舞鶴)は大城(早大)と対戦。第1セットをタイブレークで落としたものの、再びタイブレークとなった第2セットをもぎ取る意地を見せた。試合途中でシングルス1の小野が敗れ、早大の勝利が決定したため大城が棄権。不戦勝の形となったが、勝利にふさわしい粘りのテニスを見せた。
 それでも悔しさが残る。「早稲田に勝てる大チャンスだったが、そのチャンスを逃してしまった」と小野。昨年までの戦績からすれば、早大に肉薄したことはチームの成長を感じさせる結果だ。しかし、勝てば王座出場がぐっと近づいただけに逃した金星は大きかった。リーグ戦2敗目を喫し、自力での王座出場の可能性が無くなった。

復活印象づける
 ケガからの完全復活を告げる1勝となった。シングルス4に出場した諱は古田と対戦。序盤は気合が空回りしたせいか動きが固く、苦しいプレーを強いられた。それでも「ベンチコーチの内田(貴大・営3=岡山理大附)さんや周りの人のお陰で、思い切りプレーできた」と徐々に調子を取り戻し、力強いストロークをコースに突き刺していく。第1セットを7-5でモノにすると勢いに乗り、第2セットは6-2と圧倒的な内容でストレート勝ちを決めた。
 昨年のリーグ戦では単複でフル回転し、早大戦ではシングルスで明大唯一の勝利を挙げた。今年の新進学生選手権でもシングルスで3位となり、存在感を高めていた矢先にヘルニアを患い離脱。2カ月近くに渡りリハビリを強いられた。自身がリーグ戦へ向け準備を進める中、8月の関東学生選手権、全日本学生選手権で同期の澁田や西脇一樹(国際2=松商学園)が台頭。その姿を見て「アピールしたくてうずうずしていた」と諱。ケガを乗り越えて迎えたリーグ戦では第1戦の法大戦、第2戦の慶大戦ではダブルスで出場するも結果を出せなかった。だが、シングルスに初めて出場した第3戦でようやく初勝利。澁田、西脇がともに隣のコートで戦う中で存在感を放った。勝利の瞬間には大きなガッツポーズ。焦りやケガで溜まったフラストレーションを解き放った。

 残る2戦を連勝すれば、勝ち越してリーグ戦を終えることができる。王座出場は厳しくなったが「あと2戦をしっかり勝って、後輩たちに3位でつなげていきたい」(熊倉)と、このリーグ戦で現役を終える4年生にも気合が入る。この後の2戦は中大、専大と1部昇格組との連戦。これまで3戦とは違い実績で明大が勝る相手となる。「もちろん連勝は当たり前」と小野。気を緩めず、圧倒的な勝利を求める。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
小野
「早稲田に勝てる大チャンスでしたが、そのチャンスを逃してしまいました。4ー4となることを望んで(シングルスの)試合に入りました。勝つ自信はありましたが、やはり勝てるチャンスもあったし、良い流れでしたが、固くなってしまいました。(結果的に自身の試合で負けが決まったが)いや、まあシングルス1はどうしてもそうなるかなと。(負けたことは)つらいけど、あと2戦あるので切り替えるしかないです。これからはもちろん連勝は当たり前で、来年以降につながる試合ができたらと思います。(王座出場の可能性がほぼ消えたが)負けましたが、3位と4位では全然違うし、3位だと後輩たちも楽になると思うので、3位になることが現時点での目標です」

熊倉
「負けてしまったことはしょうがないので、中大戦、専大戦のあと2戦をしっかり勝って、後輩たちに3位でつなげていきたいです。(シングルスは)相手も(状態が)良くなかった分、自分のプレーをしっかりやり抜けば良かったのですが、それができなくて小野にもプレッシャーを掛けてしまいました。結果的に第2セットは取れたことは良かったのですが、もっとできることがあったのかなと。それでも第2セットを取れたことは良かったです。体力面に自信はあったので。(これからは)法政に勝ったので、これで負けてしまったら意味はないので、法政の勝ちを生かして連勝して3位でリーグ戦を終えたいです」


「個人としては勝ててよかったです。チームは負けてしまいましたが、(自身は)昨年に続いて早稲田から勝つことかでき、チームでもシングルスを3本取れたのでよかったと思います。試合になると緊張はあり、バックでミスをしたりフォアが振れなかったりしていましたが、ベンチコーチの内田さんが楽にさせてくれたり、周りの人のお陰で思い切りプレーできました。ファースト以降は良くなってきました。中大戦、専大戦も試合に出て勝ちたいです」

西脇
「シングルスは落として申し訳なかったと思います。負けた5本のうち1本が自分というのは考えさせられます。ダブルスはインカレでも勝っていて、たぶん行けるというところで相手も引いてくれて、そこで流れも来てうまいことプレーできたと思います。シングルスは相手の独特なリズムに惑わされて、手の内でやらされているようなイメージがして嫌でした。こっちからリズムを作りたかったのですが何もできませんでした。相性は良くなくて、それでもリーグ戦なのでやるしかないと思っていたのですが。中大、専大には9-0で勝ちたいと思います」